1. サイエンマニア
  2. ゴキブリの世界と神経の符号化..

ゴキブリの研究を始めるまで、神経の符号化、嗅覚はどう伝わるのか?、フェロモンとその種類。

全3話。ここでしか聞けないような興味深いお話!


【ゲスト】

アザラシさん (https://twitter.com/olfneuron)

ゴキブリについて神経科学の研究中。


神経の符号化:外界の刺激が神経活動に変換・表現され、行動を担う神経活動が生成される過程

in vivo: 生体の中

in vitro: 試験管の中

ex vivo: 臓器や組織を生体の外に取り出してきて扱う。

紙魚: しみ、人家に生息するものが本を食害すると思われていたため「紙魚」と書かれる。

糸球体: 匂いが鼻腔粘膜の嗅上皮で受容され、嗅球という部位に伝達される。この嗅球を構成しているのが糸球体という構造。

触角葉: 昆虫では40-400個程度の糸球体から構成される嗅覚中枢

ワモンゴキブリ

クロゴキブリ

トルキスタンゴキブリ


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00:02
こんにちは、レンです。
シーズン9、科学館の世界はいかがだったでしょうか?
僕自身も、科学の面白さについて再発見できたような回でした。
シーズン10は、ゴキブリの世界です。
ゴキブリについて、匂いや神経の研究をされている方から、面白い話を伺うことができました。
それでは、どうぞ。
今回のゲストは、大学でゴキブリに関する研究をされている、あざらしさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
あざらしさんとは、ツイッターを通して知り合いまして、ゴキブリに関する研究というところで、これはもうマニアックな話が聞けるんじゃないかと思いまして、今回声を掛けさせていただきました。
では、簡単に自己紹介をお願いします。
神経の研究がしたくて、いつの間にかゴキブリで神経を研究しているあざらしと言います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
いつの間にか。
いつの間にか。
ちょっとあんまりゴキブリに関する研究って、いろいろあるかなって思うんですけど、これ自分で選ばれたんですか?大学に入った時とか、研究室選びをしたと思うんですけど。
そうですね、当時大学院に進む時に、なんとなく大学院に進もうって思ってたら、何か目的や好きなことをテーマにしないと絶対に心が折れるよって言われて、当時から脳とか神経に興味があって、そういう研究がしたいと思ってたんですよ。
ただ、僕が入ったの科学科で最初。
あ、そうなんですね。科学科だったんですね。
はい、科学科に入って、脳の伝達物質がいわゆるドーパミンとか、あの辺が分子じゃないですか。
はいはい。
で、需要帯と結合してどうのこうのってなるから、僕は結果的に分子が大事なんじゃないかなっていう謎の勘違いを持ってまして、高校生の時。
いや、いい着眼点じゃないですか。
はいはい。
だから、分子のことを勉強すればいずれ脳に近づくなって思って。
おー、はい。
だから、科学科に入った時にそういう分子のこと勉強ばっかしてたら、僕の大学はもう分子で終わるんですよ、話が全部。どうやっても脳に行かなくて。
あ、その分子が実際どう働くかまでは言ってないみたいな、そういう話ですか。
そうです。分子の振動とか挙動とかどう動くのかとか。
あ、分子自体。
そうです。エネルギーとかですね。
はいはいはい。
ただ、それは物理的に観測したもので、生物でどうなってるかって話にどうやってもならないんですよ、科学科の中だと。
03:05
なるほど、はい。
僕がいた大学脳ですけど。
はい。
だから、科学科全部の研究室で僕は脳がしたいって話したんですけど。
はい。
脳をやってるラバーはうちにはないと。
言われて、別の科とか別の大学とか行って聞いたときに、一番進学しやすいのはやっぱ内部進学で、科も変わる、僕物理科学やってたんですよ、ずっと。
あ、物理科学やったんですね。
そうです。
じゃあ結構脳遠そうですね。
めちゃめちゃ遠い。
はいはい。
分子の挙動が熱エネルギーっていうのがすごい面白く感じてて。
うーん。
熱力学ばっかやってたんですよね。
はいはい。
で、もう全然離れていくなと思って。
あ、もうずっと脳をやりたいって気持ちは持ちつつ続けてたってことですね。
たまに図書館行ってちょっと読み物読むぐらいのレベルでやってたんですけど。
はい。
専門知識全くゼロなんで。
うーん。
僕の話したらだいたい結構勉強頑張らないかねとか言われるけど。
はいはい。
僕が今いるところはこの本を勉強して入賞受ければ通るから勉強してこいって言われて。
はい。
ちょっとそれきっかけにそのラボ選んだんですけど。
はい。
で、神経だったらもう何でもいいから研究したいって言ってたんですわ、いろんな人に。
うーん。
なるほど。
ちょっと広めにとってみたいな感じですね。
脳自体よりかは。
はい。
で、僕がさっき伝達物質がどうなのとか言ってたけど。
はい。
一番本読んでて面白いなって思ったのが。
はい。
神経の符号化って。
符号化。
ご存知ですか。
符号化ですか。
いや、あんまり聞かないですね。
どうやって脳に信号が入るか。
うーん。
神経細胞の活動電位が脳に送られて。
はい。
それが統合されたら、人間は、生物は情報を認識できるって言うじゃないですか。
はいはい。
じゃあ、その神経の信号を解読できれば、外部から電気を入れても、そういう行動を強制的に、あ、行動というか情報を強制的に思わせることができるってことじゃないですか。
はいはい。
ただ、それがうまいこと信号ってのが組み合わせてできてて。
うーん。
それで神経が符号化されていると。
あーなんかすごい、いろんなやつの組み合わせみたいな。
そうです。
そういう意味合いですか。
符号化。
活動電位の符号化って言ったりもしますけど。
うーん。
なるほどなるほど。
例えば、活動電位ってこう、パルスがあるじゃないですか、こう。
あーはいはい、よくある電気の波みたいな。
神殿図イメージすればわかりやすいですよ。ピッてあるじゃないですか。
そうですね、はい神殿図。
06:00
例えば、まあ触覚、触、タッチですね。
うんうん。
とか、味覚、嗅覚、視覚、振動、もう全部、何かしらの活動電位。
はい。
もしくは電位変化で脳に情報が送られるんですけど。
はい。
例えば、小指が触られたやつと人差し指が触られたって人間ちゃんと区別できるわけじゃないですか。
そうですね、触覚として区別できますね、はい。
同じ触覚でも、若干こう信号の違いを利用して脳に送られて人間が理解するわけじゃないですか。
はい。
で、そこの活動電位の大きさだったり、活動電位の幅も情報があって。
うんうんうん。
あと、活動電位が何発出るか、触った時に。
なるほどなるほど。
右と左からの入力とか、時間的なずれとか、そういうのが組み合わさって脳が認識できる。
うーん、なるほど。送る電気のいろんな性質でそれが変わってるってことですね。
そうですそうです。
はい。
それで、まだ読めてないから神経は不合化されていると。
うんうん。
言い方されてるんですけど、その不合化がめちゃめちゃ面白そうだなって思って。
なるほど。
JKMもそうとしか書いてないです、教科書。これ以上はわからないみたいな。
あー、今研究中ですみたいな。
そうですそうです。だから理論上、うまいこと電気を刺激できれば、例えば電磁波だけでうまいこと頑張れば、たぶん小指が触られてる感覚とか作れるはずなんですよ。
あー、外からの刺激、別なルートからっていうことですよね。
そういうのが面白そうだなって思って、実際に神経から電気信号を記録している研究室に行きたかったんですよ。
あー、なるほど。めちゃくちゃ絞りますね。
すごいピンポイントで。
なんかあれですよね、今年のノーベル賞、触覚とか温度感覚の受容体の受賞してましたけど、
あれもちょっと近いような研究ですよね、きっと。
めちゃめちゃ近いです。
あー、そうなんですね、やっぱ。
まさに身近なことだったんで、すごい興奮してたんですけど。
あー、はい。面白いですよね、あれすごい。
要するに神経に電極を刺して記録するっていう方法で、もういろんな方法があるんですね。
例えば神経細胞を培養して記録するとか。
はいはい。
僕はインビボにこだわってるんですけど、生きている生物から直接記録する。
これが一番正しい情報かなって思いますし。
まあ、そうですよね。人工的な環境で起きたことって結構違ったりすることあるじゃないですか、よく。
そこよりかは生体内、インビボって言いますけど、生体内で起きてるのを記録したいっていう。
はい。ビトロとかエキソビボみたいな言葉ありますけど、
ああいう人工的な環境で作った情報ももちろん大事ですけど、
09:01
結果的に最後はインビボで記録できないって意味ないかなって思ってるので。
うんうんうん。
とか、細胞内記録なのか細胞外記録なのかっていう違いもあったり。
あー、なるほど、はい。
で、中枢神経なのか真っ小神経なのか。
うんうん。
いろいろあって、まあ僕どれでもいいなって思ったわけですよ、これ。
なるほど、とりあえずそこの電気がどうやって符号化されてるかみたいな、
なんかそこら辺だったらOKみたいな。
そうですそうです。
そういう感じだったんですね。
で、研究者に残るなら、今誰もできないようなテクニックを学ぶほうがいいよって言われて。
テクニック。
そうです。僕はもう技術メインの人だから。
実験手法とかそういうことですよね、テクニック。
こう聞いたら脳の神経記録とかやってる人多いんじゃないってやっぱ思う人多いと思うんですよ。
うーん。
やっぱ実際多いんですよ、やっぱみんな脳に興味持ってる人多いから。
そうですよね、一大分野ですよね。
で、電気整理ってすごい修行時間がいるので。
あーそうなんですか。
今からパッと思いついてやろうって今の中堅の世代がですね。
はい。
やろうと思っても簡単にできる手法じゃないんですよ。
あ、そうなんですね。
その脳の記録っていうので一時期ブームがあって。
はいはいはい。
その世代が今中堅研究者で多くて、だから中枢から記録取る人多いんですよね、今たくさん多くて。
えー、あ、それはもうじゃあ流行りに依存してるってことですね。
そうです、ただこれその前の世代は末章から記録する世代が多かったんですよ。
はいはいはい。なるほど。
末章から中枢が増えて、で、今末章の世代が全くいなくて。
えー、あ、もう引退していっちゃったみたいな。
そうですそうです。
って感じですか、えー。
ちょうど白紙が少なくなってるのも重なって、その末章から記録が取れる人が少ない。
というかそもそも目とか耳とかだったら、結構いろんなことわかってるからもうする必要ないんじゃないみたいな。
うーん。
言われがちで、だしどんどん減ってるんですよ、記録できる人が。
あ、そうなんですね。
そうです。で、2000年代になって流行り始めた匂いの需要帯ですね。
匂い、はいはい。
匂いがどうやって情報が高度されているのか。
うん。
っていうのがどんどん流行り始めた中で、この匂いの応答を記録できる人っていうのがすごい少ないと。
はいはい、なるほど。
そこで、訪ねたラボがゴキブリでその匂いの研究をしているって聞いて。
はー。
はい、これで神経の不豪化を読めると思ったし、直接的に信号を記録するというテクニックもつけられる。
なるほど。
ってことで、これはめちゃめちゃ面白そうと思って。
はいはい。
ちょっと長くなっちゃったですけど、これできました。
あーなるほど、それが結果的にはそのゴキブリの嗅覚とかを研究するっていう、そこに行き着いたっていう。
えー面白いですね。
そういうルートなんだ。
12:02
なんか面白いな、神経の方から攻めていってそこにたどり着くんですね。
やっぱその嗅覚全然いないっていうのはやっぱ難しいからってことですか?
嗅覚の記録は難しいです、やっぱ。
あー難しい。
なんで目と耳が流行ったかって僕の考えですけど、おそらく人間の生活に直結するからですよね。
あーなるほど。
目の情報、耳の情報ってすごい大事だよ。
まあ重要性はそうですね、嗅覚に比べたら重要度は高い気がしますね。
そうそうです。
あと味覚ですね、味覚もすごい進んでるんですけど。
あーそうなんですね。
なぜか匂いはピックアップされなくて、まあされてたかもしれないですけど。
なんか技術的に難しかったとかもあったんですか?
難しいですね。
さっきの光の話もやっぱ目、視覚とかだと観察とかもしやすそうだし、
分かりやすそうだなーっていうのはありますけど、今、匂いって、
他の例えば動物になんか嗅がせてどう思いましたかみたいな、分かりにくそうですよね。
こないだダーウィンが来たで、ちょうど会ったんですけど、他の番組に出したらあれかもしれんけど。
いや全然いいと思います。NHKでしたっけ?
そうです。
あー全然いいじゃないですか。
嗅覚状態特集があったんですよ。
嗅覚状態特集、すごい特集。
日本の嗅覚状態の研究者、第一人者といえば東原先生というのがいらっしゃって、
ネズミで嗅覚状態を見つけてくれた人が、その人が番組でいろいろ嗅覚は面白いんですよって話をするときに、
同じ匂い物質でも、嗅ぐ人が違ければみんな違う感想を持つんですよやっぱ。
なるほど、良いって感じたり悪いって感じたり。
そうですね。
確かに日常でもそんなことありますよね。
そうそう、好きな人はいい匂いに思えば、嫌いな人はただただ臭いみたいな違いがあるので、
匂いって形容詞がないっていう話があって。
形容詞がない。匂いは匂いでしかないっていうことですよね。
匂いって必ず物に例えてしか表現できないっていう理解しかできてない。
なるほど、はいはい、面白いな。
めちゃめちゃ面白いと思って。
めっちゃテンション上がったんじゃないですか、その番組。
めっちゃテンション上げて見てました。
確かに、いや普通に面白いなって、それは生活にも直結してるし、なんか結構感じますね。
好きな匂いとか、なんかアロマとかあるじゃないですか、いろいろ。なんかそういうのにも繋がってそうな感じしますね。
濃ければうんこの匂いとかするけど、薄ければいい匂いみたいな物質もありますし。
ありますね、何でしたっけ、インドールじゃなくて。
スカトールとかはマジでうんちですけど。
スカトールか。
実際にどんな匂いするかって。
嗅いだことあるんですよ、スカトール。
15:01
確かにスカトール自体はもうやばいです。とんでもない匂いする。
でも薄めたらまだ、なんだっけな、まだいいみたいな感じですよね。
薄めたら匂いの情報が変わるとか、なんか認識の仕方が変わるっていうのもちょっと面白いなと思ってて。
今は匂いってそれだけバラエティーがあってしまってちょっと難しいんですよね。
多分答え差とかもちょっとずつ出ますし。
確かに匂いの種類って無限にありそうですね。
無限なんですよ。だからこれがこれだって、まず基盤、匂いの基盤すらないので、処理、情報をまとめるための。
今いろんなアプローチがあるんですけど、やっぱ一番ホットなのがそれでフェロモンが注目されるんですね。
フェロモンはいはい。
フェロモンは一般的に、だからもうこれは定義なんですけど、
同じ種類の動物が放出し、他の同じ動物に何らかの生理的変化、もしくは行動を引き起こす匂い物質という定義があるんですよ。
なるほど。
だから必ず同じ個体にはそのフェロモンを受け取る能力っていうのは必ず持ってるので、
それが答え差なく基本的には統一された能力であると。
それをどうやって処理しているかっていうのをまず基盤として、一番の嗅覚需要の基盤として最初に調べるべきだと。
なるほど。
同じ種類だと同じような物質を使って他に影響を与えてるとか、
その与えられた側もまた出すわけですよね。
同じ物質をきっと。
そうですね。
いろんなものがあるんですけど、フェロモンもやっぱ。
昆虫のイメージはありますね。
やっぱり昆虫フェロモンのイメージは一番。
例えばリンゴの香りをかけたら、昆虫だとそんな差ないですけど、
やっぱ好きな答えとか嫌いな答えとかで多分受け取り方が若干違うんですよね。
へー、なるほど。
それが、ちょっとリンゴだと飛躍してるんですけど、そういう話があって。
ただフェロモンだったら、フェロモン嫌いとか好きとかいう次元の話じゃないんですよね。
なるほど。
受け取ったら正しく処理して、ちゃんと交尾行動だったり、
集合をしたり、警戒したりとかしなきゃいけないので、
必ず受け取れるし、それを正しく読み解く能力があると。
好きとか嫌いとかはもうないわけですね。
ないはずだと思ってます。
だからまずフェロモンの需要っていうのが、たぶん嗅覚の需要のメカニズムの一番の基盤になると。
一番解析とかもしやすそう。
そうですそうです。
みたいな感じですね。
情報もだいたいズレもなくなってるから、ちょっとそこが面白いなと思って、
18:01
今はコキブリのフェロモンで実験を進めてます。
なるほどなー、そこで、そうか、コキブリのフェロモンになる。
人間のフェロモン研究なんて、そもそもフェロモンが存在するのかみたいなところから入りそうで、
大変そうだなってイメージはありますけど。
誰かやってそうな気がしますけどね。
人間の話とかですか。
誰にしもが興味持ちそう。
ですよね、僕もちょろっと調べたことあって、
別の番組で人間の毛の歴史をしゃべったときがあったんですけど、
毛髪とか、人間っていつから毛生えてるのかとか、
それ調べてるときに、ちょっとフェロモンが人間にはあるのかどうかは、
未だに議論がいろいろ起きてたりするみたいなのを書いてて、
そもそもそんなのあったら、人間の何かの行動を一発で有機質しちゃうってやばい物質だなーとか、
もしかしたらあるかもしれないですけどね。
たぶん、あるとは思います。
何かしらはある。
猫とか鹿とか、あの辺の話でもそれらしきものがあるって話をよく聞くので。
そうなんですね、哺乳動物だったらありそうですね。
猫とかはやっぱり嗅覚依存してますけど、
鹿とか、あの辺はどっちかというと目とか、音とかの方をメインにやってるのに、
やっぱそれっぽいにおい物質は存在するって話を聞くので。
なるほど。
やっぱ最近、最近じゃないですけど、
蝶々がフェロモンを出してるイメージが強いじゃないですか、一般的にはたぶん。
ただ、蝶々こそそんなにフェロモンは使ってるっていう証拠がないと。
そうなんですか。
蝶々は紫外線領域まで物が見えるので、
目がいい。
目がすごくいいですね。一番いいのは蜂なんですけど、確か。
そうなんですね。
人間って赤、緑、青ですよね、確か光の三原色。
ちょうどそれが見えると。
で、三波長の山があるんですけど、
例えば蜂は5個ぐらいあるんですよね。赤外波長もあれば紫外波長も持ってると。
視界が全然違いますよね、きっと。
そうですね。
人間とは。
とか蝶々とかも紫外領域、虫全般的に紫外領域に持ってるんですよ、波長を。
で、紫外領域か赤外領域かで蝶々の模様を見ると、
オスとメスで模様の見え方が違うから、
もう見るだけで相手がオスかメスかわかるっていう話もありました。
へー、そうなんだ。
じゃあどうやって交尾するのって話になるんですけど、
はい。
蝶々が、これは半信半疑なとこあるんですけど、蝶々で有名な話は、
自分の好きな植物、生まれ育った植物ですね。
21:01
例えば、赤外波長だったらみかんの葉っぱとか。
蝶々の専門じゃないか、半分わかんないんですけど。
はいはい。
みかんの葉っぱにオスもメスも好きだから、交尾期になったら集まってきて、
植物をタグとしてオスとメスが集まって、
そこでオスとメスが出会ってから交尾するんですけど、
多分見ただけでわかってるんですね、大きさとか色とかで。
へー、じゃあ結構視覚に依存してるところもあるかもしれない。
っていう話を聞いてます。
へー。
だからですね、セイフェロモの話がめちゃくちゃ少ないんですよ、蝶々って。
あ、そうなんですね。
もちろん使ってる蝶々もいるんですけど、
だから植物の周りにオスメスが集まって勝手に交尾して卵を産むと。
確かにそこにフェロモンは別にあまり関与してなさそうというか、
そんな感じがありますね。
はい。
そうなんだ。
じゃあ、その中でもゴキブリとかは結構フェロモン使うってことですか?
ゴキブリとかがフェロモンの研究が盛んなのは、
夜行性なんで暗い中で生きてるんですよ。
あー、はいはいはい。
すると大事なのが音か匂いなんですよね。
そうですね。
特に匂いに依存してるって言われてる2種ですね、この2つが特に。
あ、そうなの。
ので、フェロモンに対する感度がものすごく高くて。
んー。
匂いだけで全ての世界を見てるような昆虫子になってるので、
この2種が特に匂いで研究されてると。
視覚の代わりにっていう感じなんですね。
それでだから目に頼ってると、
もうだいたいフェロモンっていう影響が結構少ないんじゃないかということで、
人間とか大きい高等哺乳類とかは、
バクレーフェロモンだけに頼るってのが本当かって話になってくるから、
うんうん。
多分フェロモンの研究が進みそうですすまないんですよ。
多分匂いだけじゃ興奮しないと思うんで。
あーなるほど、そこが、
もしかしたらすごい昔はあったかもしれないけど、
実際あんま必要なくなってますもんね、きっと。
多分今の。
視覚が発達してとかは。
なるほどなー。
そういうことだったんだ。
そうなると、
コミュニケーションとか取るぐらいじゃないですか、きっと。
フェロモンでゴキブリとかになってくる。
結構いろんな種類のフェロモン出す感じなんですかね。
それもいろいろあって、社会性を獲得すればいろんなものを出すってのが一般的で、
ゴキブリってすっごい原始的な昆虫なんですよ、かなり。
はい、なんかそれ聞いたことありますね。
今まさに論文出したばっかで、
はい。
今レフリーに回ってるんですけど。
はいはいはい。
言える範囲で全然大丈夫ですけど。
いやいや、全然、なんか、周知の実と言いますか。
うん。
そうですね、昆虫をたどると最初に出てくるのがシミと呼ばれる。
シミ?
なんか、昔の本とかの間に挟まって死んでるような虫がいるじゃないですか。
24:03
カミを食べて生きる。
カミの魚と書いてシミと確かに読むと思うんですけど。
カミの魚?シミ?そんな種類いるんすか?
確かそんなじゃなかったけど、漢字ちょっと遅いですけど。
シミっていうのがいて、歴史的にですね。
で、トンボモク、カゲロウとか。
はいはい。
がいて、その次に来るのがゴキブリになりますね。
ちょっとセミとかどこに入るか忘れましたけど。
うんうんうん。
そうですね、嗅覚の論文で嗅覚の進化系で考えていけば、
そのシミ、トンボ、ゴキブリ、カメムシ、チャタテムシっていう風に進化してるという話があるんですけど。
へー、そういう感じなんですね。
そうです。
並んでるんだ、へー。
めちゃくちゃ原始的であって、
ちなみに私のラボはそのシミも研究してるから。
はいはいはい。
ベイサル昆虫っていうレベルで、
昔の昆虫は嗅覚をどう処理してるのか、
しかもより単純なんですよ、すごく。
昔からいるからっていう。
昆虫の中でもさらに単純なモデルとして構築できるということを、
ゴキブリとシミに特に注目して研究をしてて。
へー、じゃあ研究もしやすいような種類ってことですね。
そうそうそう。
はー。
社会性を獲得するフェロモンの種類の話だったと思うんですけど、
はい。
ゴキブリは性フェロモン、一般的には性フェロモンしかわかってなくて。
あ、そうなんですね。
なんかいろんな傾国みたいな、そういうのよりかは性フェロモン。
傾国フェロモンとか、傾法フェロモンが正しいですけど。
傾法、あーはい。
集合フェロモン。
うーん。
もう一応言われてるんですけど、明確なこれだって言われてるものがまだなくて。
あ、そうなんですね、はい。
で、えっと、すっごい深い話になっちゃうんですけど、
はい。
脳構造を見れば、フェロモンが何個あるかっていう推定がおおよそできるっていうのが最近の話で。
えー脳、脳の構造。
えっとですね、地球体と呼ばれる触覚の情報が初めて入る領域を触覚葉って言うんですけど。
はい。
あの、葉っぱって書いて分野の分かれる、人間の脳でもよく。
うーん、あの、前頭葉とか。
あ、それそれそれ。
よく言いますよね、はい。
それで触覚から入るところの触覚葉っていう部分が。
触覚葉、はい。
たくさんの粒でできてるんですよ。
はいはい。
それは例えば、嗅覚状態の種類に従って、
はい。
ある一箇所の、あの、両領域、その粒状の一個にこう集まっていく、これを修練するって言うんですけど。
例えば、えっと、リンゴの匂いっていう感じる部分が触覚の中でもいろんな場所にあって、
それが、えっと、触覚の中でこう一本の束にこう一回集まって、その一箇所に修練していく。
27:00
うーん。
リンゴだったらリンゴの領域、みかんだったらみかんの領域っていう風に分かれてるんですよ。
えー、別の場所で認識してる。
そうですそうです。
なるほど。
で、その触覚葉の中のその粒々を子球体って言うんですけど、
はい。
子球体の数が多ければ、いろんな匂いを識別することができると、
なるほどなるほど。
言われていて、
はい。
ゴキブリだったら、それが205個。
205個、はい。
あります。
で、その集まり方、その粒々の大きさってのは、
はい。
おおよそその感覚細胞って言ってちょっと難しいかもしれないですけど、
感覚細胞の数、
うんうん。
同じ感覚細胞が多ければ多いほど、子球体って大きくなるんですよね。
なるほど。まあ単純に層数が多いから、みたいな感じですか。
感じる、感じる細胞が多ければ脳の領域も大きくなる。
はい。
ってなってるので、とんでもなく大きいやつってのは、
一般的な子自体はもう全部フェロモンを受容していると。
ああ、じゃあそれがあればあれだけいっぱい、いろんな種類のフェロモンを感じ取れる。
そうそうそうそう。
はい、なるほど。
だから、これどうやってわかるかって、オスとメスで比較したら、
例えばオスだけ大きくなってるよねって話になると、
はい。
おそらくこれはメスが出してる性フェロモンを受け取る脳領域であろうと。
ああ、なるほど。
逆もしかしてですね、
メスに大きいものがあればオスが出してる性フェロモンを受け取ってるだろうとか。
ふんふんふんふん。
で見て、脳だけ見れば、なんとなくフェロモンが何個持ってるかっていう推察ができる。
へー、おもしろいな。
もちろんフェロモンだけじゃなくても、感じる可能性はあるんですけど、
はい。
おおよそフェロモン、もうだいたいはフェロモンです、これ乗って。
ああ、そうなんですね。
で、これはフェロモンだって証明するのが僕の仕事でもあるんですけど。
おお、かっこいいですね、そういう意味で。
えっと、その数を子宮体の中でも大きいので、大子宮体って呼ばれるんですけど。
ふんふんふん。
大子宮体を何個持ってるかで、およそフェロモンを何個持ってるか。
へー。
予想ができるんですね。
それがゴキブリは205って言いましたよね。
子宮体総数が205で、
はい。
えっと、僕が使ってるワーモンゴキブリだったら、大子宮体は2つしかないんですよ。
あ、2つ、へー。
で、少ないですね。
生フェロモンが2つちょうだって。
ああ、はいはいはい。
理にかなってるというか。
そうそう、生フェロモンを受け取る領域とそれ以外の。
だから、アラームフェロモンとか、警報フェロモンとか、集合フェロモンとかって、あるけどそんな感度高くないんじゃないかとか。
へー、その脳の構造から分かるんですね。
それって、たとえばオープンになってる話だと、ミツバチとかの話になると、
はい。
ミツバチとかだったら、大子宮体が4つも5つもあったりするんですよ。
ふーんふーんふーん。
で、たとえば、まあこれオスの話ですけど。
はい。
オスだったら、生フェロモン感じるのももちろんありますし。
30:01
で、ハチで有名なのはやっぱ警報フェロモンですよね。
はいはい。
オスが襲われてるってなったら、みんなでバーって攻撃態勢に入るというか。
はいはい。
で、警報フェロモンを感じたり。
まあ集合フェロモンですね。
迷った時に、外に出ていくじゃないですか、ハチが。
で、そう帰ってくる時に、記憶を頼りに帰ってくるらしいんですけど。
たまに迷うらしいんですよ。
はいはい。
それで、それを防ぐために、その仲間、入り口で待機してる仲間が、こっちだーって集合フェロモンを出してると。
あーなるほど、家の場所を周りに教えてあげてるんですね。
そうですそうです。
へー。
で、集合フェロモンを感じる部分だったりっていって、大子球体がポツポツいっぱいあるので、フェロモンがおそらく5個か6個あるだろうと。
なるほどー。
で、それとゴキブリは1個しかないから、ちょっとやっぱ単純なモデルだよねっていう。
うんうんうん、シンプル。
シンプルです。
そうだった。和紋ゴキブリ。
はい。
っていう種類、ゴキブリの種類によってはまたそれは違ったりしてくるもんですかね。
えー、今まさにそれを。
はい。
あ、そうなんですね。まさにそれを。
我々の、我々、僕が代表じゃないですけど。
はい。
あのー、今最近すごい研究、僕たちの中ではすごい研究進行度がホットになってて。
おー。
ちょっといろいろ面白くなってきてはいるんですけど。
あ、そうなんですね。いろいろ新しいことが見つかってきてっていう感じですか。
はい。
で、例えば黒ゴキブリとかだったら大子球体1個しかないとか。
なるほど。はいはい。
多分2つ以上持ってるやつあんまいない。
あのレッドローチって言われるトルキスタンゴキブリ。
はい。
いるじゃないですか。あの餌の、餌用のゴキブリって知ってます?
あ、餌用のゴキブリ。
アロワナとかに買うときに。
あー、鉢類にあげるような。
そうそうそう。
餌ですね、はい。
あれとかも1個しか持ってなかったと思いますし。
あー、じゃあそうして少なめではあるんですね。
そうですね。
やっぱり。
うーん。
今僕らが一番注目したいのが。
はい。
まあこれは興味の範疇を超えてるんですけど。
はい。
僕の実験、研究の範疇を超えてるんですけど。
はい。
シロアリが遺伝的にゴキブリに最も近いって話がやっぱ5年前ぐらい。
えー、シロアリ、そうなんすか。
サイエンマニア、お聞きいただきありがとうございました。
この番組では幅広い専門知識を1つの番組に集め、
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