短期記憶の重要性
今回は、記憶を消す神経細胞の話をしたいと思います。
サイエンスポットは、最新の科学技術にスポットライトを当てるボットキャストです。
ホストは、サイエントークのレンです。
皆さん、普段の生活の中で何かを一時的に覚えて、それをサッとすぐ忘れるみたいなことを無意識にやってますよね。
例えば、パスワードを一回見て、それを打ち込んだらすぐ忘れちゃうとか、
別に会話しててもいいんですけど、会話してるときに、
この間、つい最近あったあれなんだっけとか、
昨日の夜ご飯何食べたっけとか、いろんな忘れるってあると思うんですけど、
これって結構一時的に記憶を保持して、必要に応じて使ったり、不要になったらすぐ消したりっていうのをやってるわけですよね。
こういうのを作業記憶、ワーキングメモリーって言うんですけども、
これがないと僕たちって結構使い物にならないというか、
何でもかんでも覚えてもパンクしちゃいそうですし、忘れすぎても問題があると。
で、これってシリエーターが前頭腰っていうところですね。
脳の前側の方、額のすぐ後ろぐらいに位置してる結構広い領域で、
そこで物を覚えたりとか、あとは同じく何か判断したりとか行動制御したりとか、
いろんな機能を司っている前頭腰っていうのがあります。
で、ここでこの短期記憶を更新したりとか、あとは消去したりっていうのがうまくいかなくなっちゃうと、
柔軟に要は対応できなくなって、統合失調症とか、あとは脅迫性障害とか、
いろんな精神疾患ってここに結構原因があったりします。
この記憶の操作が難しくなっちゃう。
これを実際に細かく調べている研究は今回になります。
神経細胞の発見
これは北海道大学の研究グループがやってまして、実際に猿を対象に実験を行っています。
これ心理学実験で広く使われるNバック課題っていうものがあるそうなんですけども、
このNバックを大文字のNにバックですね、後ろのバックの課題。
これ何かっていうと、このコンピューターの画面みたいなものを見せて、
例えば点がコンピューターの画面中に出てきますと、
この点の位置を順番に記憶していって、
合図が出たら1つ前とか2つ前に出た点の場所に目線を動かすっていうものです。
これを猿にやってあげると、実際猿って短期記憶を保持したりとか、
人間と同じようにすることができるので、
この目線でこの点の位置を覚えていくっていうのをやるみたいですね。
この猿がこの課題を行っている最中に、さっき言った前頭腰の一部分、
前頭連合矢っていう領域になるんですけども、細かくは。
そこの細胞レベルで詳細に記録をしてみたと。
そうすると2種類の異なる神経細胞が新しく発見されたっていうことです。
1つが自分たちも何か特定の情報を一時的に覚えている間、
記憶を保持している間に活動し続けるっていう神経細胞。
これは記憶ニューロンっていうものになります。
なので要は一時的なメモ帳みたいなものですよね。
もう1つがこの研究で結構重要なことで、この刺激が不要になると。
要は記憶を消すっていうタイミングで新しく働くっていう神経細胞が見つかりました。
これを消去ニューロンというふうに名付けられています。
記憶の操作と未来の可能性
だから消しゴムみたいなものですよね。
割ったものをメモ帳から消しゴムで消すみたいな働きをしているニューロンがいると。
この消去ニューロンっていうのが活動するタイミングで、この神経に電気刺激を与えてみると。
そうするとこの消去ニューロンが活性化されるんで、
特定の刺激の部分の記憶だけ脳から消去されたかのような行動が更に観察されたっていうことみたいですね。
なのでこの消去ニューロン活性化と記憶の消去やっぱり関係あるよねっていうところの根拠になっていると。
これをさらに細かく解析してあげると、この神経細胞、この消去ニューロンっていうのはたった89個あると、
猿の行動の90%の精度で予測することができると。
なのである程度この神経細胞に当たりをつけてあげると、
さらに記憶がどうなるかっていうのが結構当てられるよっていうことみたいですね。
すごいこれ今回ざっくり説明してますけども、
実際に記憶が消えていくっていうところはどういう仕組みなのかっていうのは、
ちょっと僕もわからんなと思っていたので、
すいません今ちょっと洗濯機が鳴ってしまいましたけど、
ニューロンが実際に消すときに活性化するっていうものもちゃんとあると。
それはやっぱり必要だからそういうシステムがあるっていうことなんで、
実際記憶を柔軟に操作したり管理したりっていうのがこの消去ニューロンによって行われるので、
例えばこれを働きを狙ってさっき言った精神病の疾患の治療ですとか、
あとは外部刺激によってこの消去ニューロンが働くっていうところまでわかってるみたいなので、
そこは脳に直接物理的に介入しないでも何か思考パターンを切り替えるとか、
そういったことができるかもしれないっていうことみたいです。
これちょっと悪用されたら結構怖いなと思っちゃいましたけど、
この記憶ニューロンと消去ニューロン、このセットっていうのが結構面白いなと思って今回紹介させてもらいました。
記憶力ってどんどん落ちていっちゃうのがすごい怖いなと僕も思っていて、
こうやって日々違う話をしていると脳には多分いいはずだなと思って、
そういうのも込めてやってたりするんですけど、自分のために。
やっぱり同じことばっかやってると同じ神経回路しか動かないし、
毎日同じことやっててもなっていう気持ちはすごくあるので、
そういうのにもしかしたら、この消去ニューロン、記憶ニューロンっていうのが関連してるかもしれないなっていうことですね。
まだまだわからないこといっぱいあるんですけど、僕も今勉強中で、この脳の領域って結構面白いですよね。
僕がやってる脳パカラジオっていうポッドキャスト、僕が友達とやってるやつがありまして、
そちらはもうひたすら脳の話とか記憶の話とかもちょこちょこしてるんで、
ぜひそっちも聞いてみてほしいですけども、そっちにも通ずるような話だなというふうにはこれを見てて思いましたね。
もっと細かい内容については概要欄の方にリンクを貼っておりますので、
ぜひそちらもチェックしてみてほしいなというふうに思います。
記憶たまに消えるのは大事だなって思いますよね。
過去のことずっと引き連れててもしょうがないんで、僕はわりと寝たらすぐ忘れるタイプなんですけど、
もしかしたら消去ニューロンが結構きっちり働いてるのかなとか、そういうふうに思いましたね。
ということで今回は短いですけどこんなもんで、サイエンスポットは平日毎日朝に日本語と英語で配信をしております。
このポッドキャストを聞いて感じたこととか、ぜひハッシュタグサイエンスポットで投稿してもらえると嬉しいです。
あとはサイエントークの方なんですけども、公式のLINEの方があります。
これも気軽にメッセージとか送れるようになってますんで、
こちらの公式LINEのリンクも今回から概要欄に貼ろうかなと思ってますので、
そちらぜひ友達登録してもらえると嬉しいなというふうに思います。
それではまた。