今回は、とある日本のチンパンジーの話をしたいと思います。
サイエンスポットは最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。ホストはサイエントークのレンです。
えっとですね、ちょっと今週若干収録が遅れてしまったんですけど、そんな雑談はちょっと最後にしますけども、今日はちょっといつもの科学ニュースとは若干経路が違くて、
とあるチンパンジーの不法についてちょっと話したいなと思います。
これは、2026年の1月9日に京都大学からプレスリリースされているんですけども、
人行動進化研究センターというところがありまして、そこにいた世界でも有名なチンパンジーのアイちゃんですね。
が49歳で英明したということです。まずはこれ、ご冥福をお祈りいたしますというところなんですけども、
チンパンジーはだいたい寿命は野生だと3,40年で、飼育家だと40年から50年と言われているので、平均寿命ぐらいは生きたチンパンジーなんですけども、
非常に有名なチンパンジーでして、研究対象としてももちろんそうですし、この49歳になるまでいろんな研究に関わってきたチンパンジーでした。
今回はその研究からどんなことがわかったのかなとか、あとはその息子のチンパンジーがさらに明らかにしたこととかもいろいろあるので、
ちょっとそのことについて話してみたいなと、追悼会ですね、ということになっています。
まず背景から説明したいんですけど、このアイちゃんですね。アイちゃんって呼んでいいかわかんないですけど、
京都大学の霊長類研究所、当時ですね、現在はさっき言った人行動進化研究センターという名前が変わっているみたいなんですけど、
1977年ですね、そこで松沢哲郎教授によって始められたのがアイプロジェクトという名前です。このアイはアイちゃんのアイですね。
当時の世界っていうのは結構チンパンジーの研究、主に認知の研究ですね、っていうのがすごくやられていて、
京都大学でもそれをやろうというところで開始されたみたいなんですけど、言葉って人間だけのものっていう考えが完全に主流だったらしいんですよね、当時って。
ただこのアイプロジェクトによってこの常識を覆しているところもあって、例えばコンピューターのタッチパネルを使って色とか物の名前を漢字で覚えたっていうことなんですよね。
タッチパネルでこれはこれっていう指で指示できるデバイスっていうものを使ってやっていて、あとは数の概念っていうのも獲得したりとか、
もっと分かりやすく具体的な実験でいうと、1から9までの数字っていうのをタッチパネルに出して、その数字を小さい順から順に押すっていうことができるんですよね。
これはチンパンジーが人間と同じように世界を認識して、この数字っていうものを理解してちゃんと順番通りにタッチするっていうのができたっていう、これかなり歴史的な瞬間だったそうです。
てか普通にすごいですよね。普通に人間に教育するみたいに教えてできるようになったっていうことみたいなんですけど。
あとはもう一つ、これアイちゃんの息子がアユム君っていうらしいんですけど、
すみません、ちょっと周り、ちょっといつもと違う場所で録音してるんで、他の人の声入ったらすみません。
息子のアユム君っていう別のチンパンジーがいて、人には絶対できないことをやってます。
それっていうのがさっき言った1から9までの数字をランダムにバッて出して、バラバラの場所にあって、1をタッチした瞬間に残りすべての数字が見えなくなるっていう。
で、その見えなくなった視覚、黒塗りの視覚になるんですけど、それを記憶だけを頼りにして、2,3,4,5って順番にタッチしていったそうなんですよね。
これができると。で、ちょっとこれ人間だったら結構難しいかなと思って、その一瞬で覚えて、順番通りに記憶するって相当難しいと思うんですよね。
で、もちろん長く人間も見て、ちゃんと順番を覚えて、いざいざ1を押して、そこから記憶頼りに2,3,4,5ってできるってできるんですけど、
チンパンジーって0.2秒ぐらいでもいけるらしいんですよね。だからもう人が目を動かす速さよりもこれ早いって言われてて、
チンパンジーをパッて見てすぐ1を押しても、その後順番通りに押せるということみたいです。
0.2秒で80%の正解率を叩き出してる。人間だともう全然40倍以下、すごい低い正答率しかならないんですけど、そこは本当にすごくて、
人間でもたまにできる人いますよね。シャッター切るみたいに1枚の画像として脳で覚えて、そのまま記憶として定着できるっていう人。
これ専門用語だと直感増記憶っていうらしいです。直感っていうのは本当に直感に反するとかの直感の増記憶。直感増記憶っていうことで瞬間記憶みたいなもんですね。
これができたそうです。じゃあここで起きた疑問としては、じゃあなんでチンパンジーはその能力があって人間はないんだっていうことなんですよ。
霊長類って名前がついていて人間ってトップに立ってるのかと思いきや、記憶力はチンパンジーに負けちゃうのかとそういう突っ込みが入るんですけども、
この最初にiプロジェクトを開始した松澤教授が認知トレード不可説っていう理論を提唱しています。
これ何かっていうと脳の容量にはまず限界があって、進化っていうのは何かを得るために何かを捨てるっていうトレードオフが連続して起きてるんじゃないかっていうそういう説ですね。
だからチンパンジーはジャングルで生き抜くために今ここっていうこの瞬間を一瞬で把握する瞬間記憶っていうのがめちゃくちゃ大事で、それを進化によって残してきたと。
敵どこにいるかとかエサどこにあるかとかですね。
だけど人間っていうのは森を出て仲間と協力して生きていくっていうまた全然違うところの進化をたどってるわけなんですけど、そこでは言語っていうものを使って情報整理したりとか抽象的な思考を行うためにいろいろ脳のリソースを割くっていうことをやってきたわけですよね。
その結果このトレードオフ仮説だと言語を使うっていう脳の分だけやっぱり瞬間記憶の能力っていうのはスイッチ切り替わるみたいな感じでトレードオフされたんじゃないかっていう説が非常に興味深いですよね。
だからチンパンジーがめっちゃ天才っていうよりかは、チンパンジーが進化してなくて僕たちみたいに言語を習得できないとか、あとは逆に人間側が瞬間記憶を持ってなくてチンパンジーより劣ってるとかそういう考え方ではなくて、ある意味トレードオフになってるんで別にどっちがすごく進化してるとかそういうことでもないんですよね。
そういう能力を維持する道を過去にたどってるからっていうただそれだけの理由なのかなっていう考え方ですね。
だからどっちもどってたりするわけじゃないよっていう、現代生きてる動物本当にいろんな能力伸ばしてここまで生きてきてるっていう意味では大体同じような感じですよね。
あとは比較的新しい研究、最新の研究ですかね、になるんですけど、チンパンジーは他人の目を気にするのかっていう面白い研究で、人間は気にするじゃないですか。
正直いろんな人に見られると緊張したりとかそういう効果あると思うんですけど、実はチンパンジーも見てる人が多くなると難しい課題の成績が下がると思いきや上がるっていうことがわかりました。
監修が多いと成績上がるらしいですよね。これ監修効果って言ってるみたいなんですけど、これ何がすごいって見られてると頑張るっていう意識があるとか、緊張感を持ってその課題に取り組むっていうかなり社会的な精神性があるんじゃないかっていうのがこのチンパンジーの研究から言われてるみたいなんですよね。
これもチンパンジーってそんな他人の目とか気にしてなさそうだけどなって思ってたんですけど、意外と気にするんだっていう。しかも頑張っちゃうんだっていうのは非常に面白い研究ですよね。
はい、ということで簡単に言ってきても本当にもっといっぱいいっぱい研究あるんですけど、ちょっと今回これぐらいの長さにしておいて、このiプロジェクトによって人間とチンパンジーの差を見ることによって逆に人間はどういう特徴があるのかっていうのも見えてきますし、
もちろん人が一番偉いわけじゃないよっていうことを教えてくれたような気がして、こういう研究ってあくまで進化の隣人同士だなっていうのをすごく感じることができる研究でした。
で、他にもiプロジェクトの研究とか論文とか探したらいろいろ出てくると思うんで、もし興味持った方いたら調べてみるといいんじゃないかなというふうに思います。
はい、じゃあ最後になんですけど、ちょっと今回チンパンジーと人間みたいなお話をして、実はこれポッドキャストでも昔したことがあって、似たような話なんですけど、科学史のたぶん一番最初、第1話、シーズン2の1とかですね、サイエントークの。
そこで、人間はなぜ人間なのかみたいな話をしてるんですよね。他の動物と何で違うのっていう。それもぜひ合わせて聞いてほしいなと思って、やっぱり僕まだ不思議だなって思うところあるんですよね。言語能力とか習得してるっていうのはあるんですけど、
なんでこんなに脳もしっかり発達して、しかも僕らが子供の頃ってめちゃくちゃいろんなものを覚えたりとか、親の真似したりとかしていろいろ習得していくっていうのができるようになってると思うんですけど、それって何か当たり前のことではないよなって結構思うところもあって。
だけどチンパンジーとかボノボとかゴリラとかそういう動物でも人間と違う部分あるっていう。じゃあその違い何なんだろうみたいな話結構好きなんですよね。あとはまあなんでって疑問を持つのは人間らしいよねとかそういう話も昔したことがあって、そういうのにも通じる今回の研究だったなというふうに思いましたね。
すごい面白いなと思っています。で、最近の科学史で言うと、ちょっと科学史の喋り方も最近工夫しているというか変えているところもあって、結構サイエントークのシリーズ結構長めのやつで、しかも研究者にフォーカスさせてとかをやってたんですけど、ちょっと新しいパターンで、
物とか事象とかちょっとフォーカスを絞って、1回のエピソードでなるべく濃密なエピソードをやるっていうのをちょっと今試して見てます。考えながらやってます。っていうのはやっぱりポッドキャストらしさっていうのをやっぱり出したいなっていうのも本当にあって、他のメディアだと多分できないんじゃないかなって思ってるんですよね。
それこそ動画とかだと、なんかどうしてもコスト的にも限界だし、やっぱなんか見てる側もずっと画面見てるとしんどいみたいな感じになりそうだけど、だけど音声で会話形式だったら伝えられる、その科学的面白さとか、これまでの話とかできると思う。で、あとは未来の話もですね、今後僕たちどうしていくんだろうって話もトータルでしたいなと思って。
で、今年明けから3つぐらい、これで上がる時には3つ出てるのかな?4つか。太陽の話も入れると4つなんですけど、人間vs細菌と人間vs痛みと人間vsウイルスっていうのをあげてて、で、ちょっとこれ一旦様子見ではあるんですけど、そのvsなんちゃらみたいな構図で人間がどう考えて今まで新しいものを生み出して、
僕らの社会作ってきたのかみたいな話とかって、ひるがえってやっぱ科学の大切さを伝えるにはめちゃくちゃいいエピソードたちだなぁとすごく僕は思ってるんで、話そうと思ってるんですよね。で、しかもポッドキャストらしいというところもあるかなと思ってます。