脳と社会性記憶の研究
今回は、脳は友達の性別をどう記憶するのかという研究について紹介したいと思います。
サイエンスポットは最新の科学技術にスポットライトを当てるボッドキャストです。
ホストはサイエントークのレンです。
ということで、今回の話は友達をどうやって脳は覚えているのかというお話ですね。
東京大学定量生命科学研究所を中心とした研究グループが
脳がどのようにして特定の個体情報と
その属性の情報、性別とかですね、を整理して記憶しているのかというのを
研究しておりまして、そちらがサイエンスに掲載されていました。
僕たちって、日常生活をしてていろんな人に会うと思うんですけど、
相手が誰なのかっていうのをすぐ認識して、
関連する過去の記憶を思い出すっていうのが必要かなと思います。
初めてじゃない人と会ったら、久しぶりみたいな感じで言うと思うんですけど、
そういう過去の記憶を呼び起こして、
っていうための他者についての記憶は、社会性記憶っていうふうに呼ばれています。
この人を含む哺乳類において、
この社会性記憶を司っているって言われている脳の領域っていうのが分かっていて、
それが会話っていうやつですね。
たぶん聞いたことあると思います。
会話の中のある領域が社会性記憶の
メインの場所っていうのは分かっているんですけど、
この会話が特定の誰かっていう情報と
性別とか、あと系統みたいな、その相手に付随するいろんな属性の情報を
一つの記憶としてどうやって整理しているのかっていうのは、
分かってなかったそうなんですよね。
マウス実験の結果
調べるのもめちゃくちゃ難しそうだなと思うんですけど、これに挑んだと。
で、実際何をしたのかというと、これマウスの実験でやってるんですけども、
まずオスのマウスに対して、
まず性別オスとメスがいます。
あとは系統、これマウスの種類ですね。が2種類いる。
VALVCっていうマウスとC3Hっていう、
ちょっと違う系統のやつがいるんですけど、
ここではAマウス、Bマウスと仮にします。
という2種類の属性が異なる合計4匹のマウスと出会ってもらって、
それぞれの社会性記憶っていうのをまず形成させる
ということができるみたいですね。
再度この4匹にもう1回合わせたときに、
脳のカイバの領域がどういう電気的な活動が起きるのか、
社会性の領域と呼ばれていた部分、どういうふうに活性化してるのかなっていうのを
調べてみると。ここで分かったこととしては、まずこの出会う種類、
性別とか系統によって違う細胞が活性化してるっていうのが
まず分かったんですね。1つはこれアイデンティティ細胞と言うんですけども、
これは特定の個体に選択的に反応する細胞だからマウスだったら
1のマウス、2のマウス、3のマウス、4のマウスって
それぞれ特定の反応があるとそういう細胞。
もう1つはプロパティ細胞ってやつです。
このプロパティ細胞ってやつはその個体が誰かっていうのに関わらず
メスならメスの反応をする。Aっていう系統ならAっていう系統の反応をするっていう
そういう情報に紐づいた細胞になっています。
このアイデンティティ細胞とプロパティ細胞の組み合わせによって
特定の友達の記憶みたいな感じでそのマウスだったら
違うマウスと出会った時の記憶が表現されているっていうことが
今回分かってきました。
実際に今回カイバの活動のパターンっていうのを
電気信号とかで見れるんですけどもそのパターンを見るだけで高い確率で
このマウスが4匹の出会う4匹のうち誰を思い出しているのかっていうのを
推定することができたということらしいんですよね。
あとは細胞の活動とあとは脳波の関係ですね。
性別情報の影響
カイバだと実際に動物が何か物を探すとか探索行動をしている時に
カイバシータ波と呼ばれる脳波が観測されるんですけども
アイデンティティ細胞だったりプロパティ細胞っていうものはこのシータ波
っていうものを特定の脳波によって調節を受けていることが分かりましたと。
てことはこのシータ波ってやつが友達の記憶を思い出すための
一種のリズムみたいな機能を持っているということが示唆されています。
最後にこの記憶に関してこれ好意的に思うのかそれとも嫌だなって思うのかみたいな
いろんなマウスごとに印象があったりすると思うんですけどもそれを
調べてみるとこれ光輪郭的手法って呼ばれてるんですけども
まずその調べるマウスのオスの記憶とメスの記憶っていうのが
それぞれ別なプロパティ細胞になっているのでそれを標識して
特定の光を当てることによってそれぞれの記憶を
人為的に無理やり活性化するっていうことができるんですよね。
このマウスを飼っている場所の特定の場所に光をまず当てますと
この光が当たることによってオスの記憶が活性化されます。
またはメスの記憶が活性化されますっていうのを
光で調節するっていうのが可能らしいんですよね。
これこんなできるんだって感じですけど
これ条件付け場所指向性試験って言って何ですかね
本当にこの光浴びたらオスの記憶が想起される
メスの記憶が想起されるというもので面白いのが
この光にどれだけ当たっている時間が長いかみたいなもので
オスが好きなのかメスが好きなのかみたいなその滞在時間が長い方が
プラスの効果あるよねっていうのはこれの試験から言えるんですよね。
で実際にこれオスのマウスでやってみると
メスの記憶を活性化した際にその光に長時間滞在するようになったと
なのでメスの記憶には報酬性がプラスの価値があるっていうことが示されてます。
またこれ1匹だけもしかしたらそのマウスが特定のマウスのことだけ
プラスの価値と感じるかもしれないので別なメスでも
活性化する脳の細胞っていうのをピックアップして
2匹のメスに共通して応答する
本当に純粋にメスっていう性別情報だけを担う脳の細胞っていうのを活性化しても
同じように報酬性が現れる
だからもうプラスの価値があると思うが判断しているということで
この記憶の価値っていうものが性別っていう属性情報によって
もたらされているってことがわかったんですよね。
これちょっとややこしいんでまとめると
要はこれ人間の場合だと
人間が新しい友達に会いますと
その時にAさんBさんっていうユニークな名前に対応しているのが
アイデンティティ細胞っていうので僕たちは区別して
もしくはメスとかオスとか
人だったら人種みたいな系統みたいな属性のタグっていうのが
プロパティ細胞っていうのが実際に脳の中に存在していて
例えばメスのAさんっていうのを思い出す時に
この脳のそれぞれの細胞が同時に参照することで
瞬時にその友達の記憶を呼び出しているっていうことらしいんですよね。
特にこのメスっていう属性タグを活性化された時には
心地いいと思うような報酬ですよねが
あるっていうのがこの脳の中で埋め込まれているみたいな話で
ある意味好意的に受け取れるみたいなことが
実際これ発生しているらしいんですよね。
これ実際ちょっとメスのマウスがオスに対してどう思うかとか
ちょっと分からないんですけど少なくともオスのマウスは
メスの方がいいと思っているということらしいです。
めっちゃ面白いですよねこれでまあ脳の他者を記憶する時に
どうやって整理しているかってまだ分からないことだけなんですけど
少なくともちゃんと特定の人とあとは属性によって脳は何ですかね
複合的に区別しているそれぞれの属性ごとに記憶っていうのを持ってて
出会った時にその紐づいているやつを同時に
活性化して思い出しているっていうことが分かって
これ二重の複合化様式っていうものみたいなんですけど
これ実際に人で言うと例えば自閉スペクトラム症とか
社会性記憶の異常を起こしてしまうような疾患とかも
実際脳ではあるらしくってそういうものがこのアイデンティティ
細胞なりプロパティ細胞なりの活性化と
どういう仕組みなのかっていうのが紐づいていくと
もしかしたら治療法の開発に繋がったりとか
脳のもっと理解に繋がったりとかするのかなというふうに
これを見てて思いましたねはい電話がちょっと今回本当に
ざっくりと簡単に概要だけっていう感じで
説明させてもらったんですけども
この細胞によって脳っていろんな細胞がいて
記憶を担っているものもいればその記憶する細胞を守っている
免疫の細胞がいたりとかいろんな細胞が脳の中にいて
うまいこと僕たちは活動したり考えたりできてるわけなんですけど
ここはすごい面白いですよねそういう仕組みになってんだっていう
ちょっとでもこれ伝わったらいいかなというふうに思っています
僕もまたちょっとこれ続きの研究とか気になるなと思ったんで
またウォッチしたいなというふうには思っておりますはい
今回は以上になります
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