1. サイエンスポット | 10分で聴く最新科学ニュース
  2. 13. 分子で動くコンピュータ?..
2025-06-19 14:35

13. 分子で動くコンピュータ?DNAで演算する方法とは?

spotify apple_podcasts youtube

分子で動く超小型コンピュータを実現:人工細胞膜上のナノポア統合型DNA演算デバイス

https://www.tuat.ac.jp/outline/disclosure/pressrelease/2025/20250605_02.html


X:https://x.com/SCIEN_SPOT_JA

https://x.com/SCIEN_SPOT_ENSCIEN-TALK サイエントーク:

⁠https://scien-talk.com/⁠

Music : RYU ITO

⁠https://ryu110.com/

サマリー

分子コンピュータの研究が進展しており、特にDNAを用いた計算方法が注目されています。東京農工大学の川野教授のグループは、DNAを利用してAND演算を実現する研究を行っており、ナノポア技術を用いた新しいアプローチを模索しています。DNAを利用した分子コンピューティングの可能性について考察し、特定の配列による高感度の病気検出などの応用が期待されています。また、ナノポア技術がこの研究に与える影響についても言及しています。

分子コンピュータの概念
今回は、分子コンピュータの研究について紹介したいと思います。
サイエンスポットは、最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。
ホストは、サイエントークのレンです。ということで、今回はコンピュータの話題なんですけども、
実際皆さん、パソコンなりスマートフォンなり、コンピュータと呼ばれるものを扱っているかなと思います。
まあ、これで重要なのって、いかに小さく作るかということですね。
あとは、正確に計算できるかということがすごい大事になります。
実際に昔のパソコンってもっともっと大きかったですし、
それって0か1かっていう信号のサイズが大きかったっていうのもありますよね。
電気を通す通さないで01っていう判断をするっていうのは、
僕がやっているサイエントークというポッドキャストでも、
二進法を作った数学者の話とか、
01のその二進法ってなんだっけみたいな話も出しているので、
ぜひそちらサイエントークも聞いてみて欲しいんですけども、
その01をどう作るかとか、
あとはそれをいかに小さくするかっていうのはずっと今で人気があってきて、
一番小さい単位でできるのは何だろうって考えた時に、
分子までたどり着くんですよね。
物を構成している分子。
分子コンピューターって言葉がどこまで一般化しているかわからないですけど、
もちろんこれ全然まだ実用化されているわけでもないですし、
今のところそういう分子ぐらいのサイズで、
例えばオンオフができるスイッチができましたとか、
そういうのをまだやっている段階で、
実際にそれでものすごい計算、
今のコンピューターに置き換わるみたいなものではまだないです。
ただそれぐらいミクロなスケールでできたら、
将来的にはもっともっと小さいサイズでコンピューターってできるんじゃないのっていうのが、
今基礎研究として進められているっていう感じですね。
DNAを用いたAND演算の実現
今回紹介したい研究はDNAを使ったものになります。
これ東京農工大学の川野教授の研究グループがやってるんですけども、
そもそもDNAコンピューターって何かっていうと、
DNAっていうのは僕たちの体にありますけど、
ATGCっていう4文字の、
要は4種類のレゴのブロックがあると思ったらわかりやすいですかね。
そのレゴのブロックは必ずペアを組むと、
で、AT、AはTにくっつくし、TはAにくっつく、
GはCにくっつく、CCはGにくっつくっていう、
こういうカチッとはまる性質があると。
これすごい重要で、特定の相手とだけ結合するっていう、
そのペアの関係性と、
あとはその配列の並び順っていうのは結構自由に設計できるっていうのがあるんで、
ってことはこれを言語みたいに、言ったら4文字で成り立つ言語、
プログラミング言語みたいに使えば計算とかができるんじゃないっていうのが、
このコンピューティング、DNAコンピューティングっていうものですね。
実際これいろいろ研究はされてるんですけど、
例えばDNAを混ぜ合わせて、
これ僕たちが日常的に使っているコンピューターのANDっていう論理演算ですかね。
これができると、このANDゲートってやつですね。
これ例えばAとBっていう条件があって、
このAとBの両方の条件が揃ったときだけ結果がOKになるっていう仕組みですね。
なんでこう、なんていうんですかね。
Aが1、Bが1のときだけ最終的な結果も1になりますみたいな、
それがANDゲートになっていて、これをDNAで実現したいと。
これはもう世界最小級の分子計算装置として作りたいですよって言ってるのがこの研究です。
ただこれを実現するためには、
このDNAがくっついてはくっついてないっていうので、
この0か1かっていうのをやったりするわけですけど、
それを観測できないといけないわけですね。
この観測するための一分子レベルで、
くっついてるくっついてないとかを調べるのが、ナノポア技術ってものになります。
ナノポアっていうのは、ポアっていうのは穴ですね。
小さい膜に小さい穴が開いていて、
そこをDNAが通るときに電気信号になって、
その電気信号をリアルタイムで観測するっていう、
それの技術がナノポア技術っていうもので、
これDNA読むときとかにも使われてるんですけど、
このナノポア技術っていうものを組み合わせると、
DNAでコンピュータっぽい動作ができるんじゃないかということです。
その仕組みっていうのをちょっと言ってみるんですけど、
例えばY字型に枝分かれしている3本のDNAさんですね。
3分岐してる。
これが3-way junction DNA、3WJ DNAっていうふうに呼ばれてるんですけど、
これには特定の場所を狙ってDNAを切断する制限構想っていう、
そこが認識できる部位が設計されて入ってます。
なので、要は1本のロープみたいな、
3つまた3分岐してるロープの特定の場所にハサミで切る目印がついてるみたいな感じですね。
このY字型のDNAっていうのが、
このさっき言ったナノポアっていう小さい穴に固定されていますと。
この固定されてるところは、
要は大きい膜のところに存在してるわけですよね。
膜に穴が開いていて、
そこにこの3分岐のDNAのロープがくっついてるみたいなものを想像してもらったらいいかなと思います。
そこで、さっき言った制限構想っていうハサミですね。
このDNAっていうロープを切るハサミを用意してあげて、
これを2種類用意してあげると。
このハサミがY字型のDNAを認識して、
切った時は特定のこのDNAの断片が切り出されます。
切られなかったらそのまま残るし、
もう一方を切ると、今度は膜の内側に放出される。
だから切る場所によって、
DNAがどう切れて外に行くのか、中に行くのかっていうところは分かれるってことですね。
イメージちょっと難しいかもしれないですけど。
要はDNAの断片があると、
それをさらに切れた先で増やして、
この切れたやつはこういうATGCの並びだったんだっていうのを特定するのは結構簡単にできるんですよね。
なので、膜上にそういう分岐のDNAがあって、
例えばAっていう方の伸びてるDNAとBっていう方の伸びてるDNA。
これがどっちも切れて断片としてAとBが出た時だけオンになる。
片方だけ切れてもオンにならない。
両方切れなかったらもちろんその断片が出てこないんでオフになってるっていう形ですね。
これが要はコンピューターレベルの&の演算なんじゃないかということみたいです。
分かりにくいんですけど、やってることとしてはDNAAとDNABが同時に切れた時だけ、
その同時に切れたのを切れた先で増やして確認できるっていう。
これ増やしてっていうのは実際PCRとか増やす方法があるんですけど、
そういう増やしてそれが光るっていう光のシグナルに変えることで、
実際分子レベルで&演算が行われたのかどうかっていうのを見て分かるということみたいですね。
なのでこれの意義としては、たった1個のDNA分子がこの&の演算を行えるっていうことが1つ。
しかもそれを直接見て制御できるっていうところがすごい大きいところです。
DNAと分子コンピュータの精密さ
なので本当にこれ以上小さい分子コンピューティングは難しいんじゃないかなっていうぐらい、
DNAが特定の配列になってる時だけちゃんとこのハサミが切れるわけなんで、
このDNAと、要はAとBに対応するDNAを混ぜてあげるとどっちも切れて、
ハサミが認識してどっちも切れてオンになるってことなんですけど、
それぐらい精密にやるのはDNAっていうものじゃないとなかなか難しいんじゃないかなっていうのが今のところですね。
今これ本当に最小単位を実現したっていう感じですけど、
例えばこれもうちょっと多段階にしていくともっと複雑な計算になる。
しかも光るっていうのに変換できるのは結構僕的にはいいのかなと思っていて、
例えばこれちょっと分からない。
今後の応用のところで病気の検出っていうのに使えるんじゃないっていうのも一つ言われていて、
例えばAっていうDNAがあってBっていうDNAもどっちもありますっていうのを検出したいと体で、
でなるとこのY字型のシステム使ってあげると、
AはAにくっついてAの断片になって切れて、
BはBにくっついてBの断片が切れて、
そうした時だけ光りますっていうのができると、
すごい特定の高感度でやっぱり検出ができるようになりますよね。
あとは実際にこれに薬を搭載してAとBっていうやつが揃った時だけ何か反応するっていう使い方もできるんじゃないかなっていう。
だから僕らがイメージしているスマホとかパソコンとかのコンピューターみたいなのとはちょっと違いますけど、
そういう最小単位のANDとか多分ORもやろうと思ったらできると思うんですけど、
そういったものを体の中で例えば使うとか、
そういう診断に使うとかいうことがもしかしたらDNAでできるかもしれないということですね。
これに限らずDNAが認識してそこが切れて放出されますみたいな、
このデリバリーシステムっていうんですけど、
分子を体の中でどこに届けて特定の場所に行ったらそこが切り離されます。
例えばガンだったらガンのところで切り離されますとかいう研究はもう散々されてるんで、
その視点で見ると普通っちゃ普通の研究なのかなっていうのは僕感想ですけど、
でもコンピューティングの最小単位ですっていうふうに聞くと、
確かにそうだなっていう条件が揃ったときだけ光る電球みたいなもんだなっていう感じで、
これは面白い使い方だなと思いました。
ナノポア技術の重要性
分子コンピューティングの歴史自体は結構昔からあって、
今回そんなに詳しくしゃべらないですけど、
こういう研究が多分今回ナノポア技術を使ったのは結構でかかったのかなと思うので、
そういった技術はこういうのあるんだっていうのは知っといて損ないかなと思います。
ナノポアは本当によく出てきますし、PCRがすごいコロナで一般化したみたいな感じで、
こういう技術があって僕たちのDNAの配列が分かるんだとか、
そういう話も全部これ繋がってくる話なんで、
もし気になる人はこれさらに深掘りしてもらえると嬉しいなというふうに思います。
ということで今回分子コンピューターみたいなお話でしたけど、
もしかしたらコンピューターなのかこれはって思っちゃうかもしれないですけど、
最小単位っていう意味ではコンピューターの定義には入るのかなっていう演算を行ってるってことなんで、
一応定義に入ってるかなと思います。
ということで今日はこんぐらいで、
今日久々に収録してました実は。
しばらく4日間くらいノルウェーに行ってまして、
ひたすら綺麗な景色を見て回ってましたね。
めちゃくちゃ良かった。
最近ちょっとYouTubeとかポッドキャスト関連させて、
そっちも頑張って色々編集したりとか出したりとかしてるっていう感じですね。
そっちは僕独学で結構やってるんで、
どこまで自分でできるのかなっていうのは分からないですけど、
もうちょっとスケールしたらそういうチームとかでできたらいいかもしれないですけど、
まだまだその道のりは遠いかもしれないですね。
でもこういう話題作ったり届けたりとか、アイデア自体はいろいろあったりするんで、
引き続き頑張っていこうかなと。
まずは自分で汗をかいて頑張るのが今年かなというふうには思っているので、
引き続き頑張りたいなと思います。
ということでサイエンスポットは平日毎日朝に日本語と英語で配信をしております。
今回の話も気になった方はぜひ概要欄のリンクを見てもらえると嬉しいです。
ポッドキャストの感想とかもSNSとかでも色々あげていただいてありがとうございます。
これがいい習慣になったら聞いてくれている方もいいかなと思いますし、
僕のプレッシャーにもそれになるので、聞いてもらっているだけで数字で見れるので、
あげないとなみたいな、今日もちょっとネタ探すかみたいな感じになって、
ちょうどいいプレッシャーになると思うので非常にありがたいなと思っております。
ということで今回は以上です。ではまた。
14:35

コメント

スクロール