こいつが酸素を運ぶ石鹸球になるのか、それとも血小板、さっきの血固める役割のやつのさらに親である巨核球ってやつになるか、そこが2つの分裂点になっています。
巨核球ってやつは名前の通り巨大な核の玉って書いて巨核球ですけど、これがすごく小さくなって血小板になっていくっていう感じのざっくりとしたイメージです。
この運命を決定するのって普通に考えたら遺伝子のスイッチによってコントロールされてるんじゃないかなっていうのが考えられていたと。
普通にDNAとかそういう情報でも完全にコントロールされてるんじゃないっていうのが結構常識的に考えたらそうかなという感じです。
ただ今回面白いのが、そこじゃなくて実はミトコンドリアが関係してるんじゃないっていうのが分かってきたってことですね。
ミトコンドリアっていうと、これ生物の授業で習った人もいると思いますけど、細胞のエネルギーの向上っていうイメージが強いかなと思います。
酸素を使ってエネルギーになるATPってやつを作り出しているような場所です。
このミトコンドリアのどれだけ元気かとか、どれだけの数ミトコンドリアがいるかっていうのが、このさっき言った細胞の赤血球か血小板かっていう分岐点になってるんじゃないかっていう話ですね。
まず何をやったのかというと、まず特殊なマウスを用意します。
どういうマウスかというと、CARS2っていう酵素の働きが低下したマウスです。
このCARS2っていう酵素は何かというと、ミトコンドリアの中でシステインパワースルフィドっていう物質を作ってミトコンドリアの機能を維持するために必要な酵素っていう感じです。
それがCARS2。
そのCARS2の働きが弱いと、当然ミトコンドリアの機能も低下しますよっていうものですね。
生まれた時からそういう運命のマウスがいて、そのマウスの血液を調べてみると血小板の数は増えているのに赤血球の数が極端に減ってしまっていて貧血状態になってたと。
赤血球の材料になっている鉄分とかそういうのが足りないのかなとかいろんな原因があるんですけど、それ調べてみると他の鉄分とか赤血球に入っているヘモグロビンの量とかそういったものには問題がなかった。
じゃあ最初に言った骨髄の中にあるMEPっていう前段階の細胞ですね。
それを詳しく見てみるとミトコンドリアの機能が落ちているMEPってやつは赤血球の親である巨核球にはなれるんですけど赤血球にはなれないっていうのが判明したと。
さらに普通のマウスのこのMEPってやつをミトコンドリアの量が多いグループと少ないグループに分けてみたと。
それとミトコンドリアをたくさん持っていてゆたり元気なMEPは赤血球に優先的に分化していくと。
逆にミトコンドリアが少ないMEPは結晶版巨核球の方になっていくっていう傾向がありましたということですね。
つまりミトコンドリアって普通にエネルギーを作ってるだけのただの細胞小器官かなと思われてたんですけど、
実はエネルギーがいっぱいあるような状態だと赤血球になりなさいっていう何かしらのメッセージみたいになってて、
逆に少ないと結晶版の方に進みなさいっていう細胞の運命を誘導してるみたいに見えるんですよね。
これミトコンドリアナビゲーションっていう名前がついていて、
ミトコンドリアの電子伝達系というシステムがあるんですけど、
そういったエネルギーの代謝っていうのが赤血球になるためには必要不可欠だということですね。
これは今言ったことって大体全部教科書に出てきてるような登場人物しかほぼいないと思うんですけど、
その登場人物たちの関わり方とかってまだ新しい発見があるんだなっていう面白さもありますし、
あとは単に面白いだけじゃなくて、貧血って原因がわからない場合とかもあって、
実は原因がよくわからない貧血ってミトコンドリアの機能が低下していると、
細胞が赤血球になかなか慣れなくなっちゃって貧血が起きちゃうみたいな可能性とか、
逆に赤血球が増えすぎちゃう多血症っていう病気もあるんですけど、
そういった病気に対しては、もしかすると赤血球を頑張ってコントロールさせる、
遺伝子的になんかするとかじゃなくて、ミトコンドリアの働きを調整すると治療できる可能性あるかもねっていうことがポイントかなと思いますね。
ただのエネルギー向上だと思われてたのに、実はめちゃくちゃ司令塔みたいな感じの動きしてるっていう感じですね。
これはおもろい研究だなって思いましたね。
だいぶ簡単に端折りながら説明してるんですけど、気になる方はぜひこちらのプレスリリース見てみてほしいなと思いました。
今回本題はこれぐらいで、最後雑談ちょっとだけしますけど、
先週からリッスン限定でなんですけど、四流の録音部という番組がありまして、
これはオニューの笑い人形さんという方がやられている番組なんですけども、
そちらに僕ちょっとゲスト出演させていただきまして、オファーいただいて、
今年の11月に面白かった音声コンテンツの話とか、
あとは色々雑談、なんか人生みたいな話に結構最後の方になりましたけど、
人の価値観って今の時代自分で決めるの難しいよねみたいな、
そういういろんな、人生はワンピースの外門であるみたいなそういう話とかしたんですけど、
それぜひ面白いんで、長いんですけどね、聞きに行ってみてほしいなと思います。
四流の録音部っていう番組ですね。
っていうのと、あとは聞く新しい理科、
先週は実は僕がピンチヒッターとしてパーソナリティを緊急でやらせていただいたとかあるんで、
それも聞いてほしいんですけど、これが出ている日かなにおそらく出るんですけど、
KEKからプレスリリースが出ていると思います。
何かというと、これサイエントークにKEKの橋本翔司先生という方がゲスト出演してくれた回が
同じ週に上がるというプレスリリースになっております。
この回は個人的にめちゃめちゃおもろいし、
あと橋本先生のキャラ含めてめっちゃ面白い回になってると思ってます、僕は。
質量はなぜ存在するのかっていう話をしていて、
一見なんでそんな問い出るのっていうのもわからんし、質量なんであるのかもわからんしみたいな、
何言ってんだお前はみたいなタイトルだと思うんですけど、
それをそもそもなんでこういう問いが出るのとか、
わかりやすくちっちゃい世界を突き詰めていくと、実は質量があることが不思議なんだよみたいな話。
なんかすごいおもろくって、
エマさんもめちゃ元気でしたね。
ぜひそちら再演トークで聞いてほしいなということですね。
これ出てる時はまだ上がってないので、ぜひ楽しみに待ってほしいなと思います。
K.E.K.は本当に久しぶりのコラボレーションになってまして、
実質3回目なんですけど、最初ポッドキャストで素粒子の研究のお話を聞いて、
その後実際にK.E.K.の筑波の研究所まで見学に行かせていただいて、
その動画とかYouTubeに上がってたりするので、
それもサイエントトークのYouTubeチャンネル見てもらえれば見れますので、
それも見てほしいですね。めっちゃ面白いし、
人間の科学の最先端を加速器の研究とかそういう理論とか感じれるなと思ってて、
世界って結局サイエントトークでも原子とか量子ってなんだろうみたいな話を
かなり何回も話していた内容だと思うんですけど、
それの行き着く先っていうのが結構素粒子とかになってくるので、
サイエントトークで素粒子めちゃくちゃ深掘りしたほうがいいじゃないですけど、
このコラボ会でちょっとその雰囲気感じてくれたらいいなと思いますし、
過去回もうすでに配信されているK.E.K.コラボのやつとかも聞いてもらえれば、
結構イメージはできるんじゃないかなって思ってますね僕は。
単純にめちゃくちゃやっぱそういう素粒子の研究って難しいは難しいんですよね。
いろんな本とか出てたりとかYouTubeとか調べても一応出てくるんですけど、
まあ内容むずいっていう、誰も見れんみたいな、理解できないみたいな声が結構あると思ってて、
でそれをちょっとずつなんかわかる気がするってなるのがまず第一歩かなと僕は思ってるんですよね。
なのでちょっといろいろわかりやすい話に置き換えてとか、
まあわかる部分から始めてちょっとずつ深みに入っていくみたいな話になってるかなと思うので、
会見の原子量子のサイエントークの話とかを聞いてもらえると、
多分いろんな原子量子関連の本とか結構入ってきやすくなるんじゃないかなと思いますね。
僕もこの橋本先生が書いた質量はなぜ存在するのかっていう本とかも読ませていただいたんですけど、
今年発売したんでね。
それも結構イントロというか前半はサイエントークで話したことがバンバン出てきますし、
ああこれあそこで聞いたやつだって多分なると思うんですよね。
だからそういう体験の積み重ねってすごくいいなと思ってて、
あとは今科学で量子転をやってるのかな。
なのでその量子転で出てくる話とかも、
だいたい多分サイエントークで触れたようなことが出てきてると思いますね。
多分ボアとアインシュタインの話は絶対に出てきてると思いますね。
あとはマックス・プランクの話とか、
マックスウェル法定式とかいう話も多分出てくると思うんですけど、
その辺も全部サイエントークで一応やっていて、
完全に多分通識で説明とかはしてないんで、
そこまでいきなり分かる必要全然僕はないと思ってて。
だって何て言うんだろうな、
ドラマで言うと出てくる登場人物の全員の深掘りをこうしていくって、
現実的に難しいじゃないですか。
だけどそのドラマとしてのこの全体としてストーリーが面白いみたいなことを
まず伝えていくことが価値かなと思っている。
それでボトギャスやってるとこあるんで、
それちょっと最近の回で楽しんでもらえたらなと思いますね。
ここからサイエントークはちょっとだいぶマニアックな方に来てたんで、
僕がとにかくやりたいし、
いろんな人が面白いと思ってもらえる話を今めっちゃ準備してます。
12月末から科学誌の次のやつ始まりますけど、
頑張りたいなと思っております。
それもこちらでまたお知らせできたらなと思いますね。
ということでまた雑談多めになりましたけど、
頑張って僕もミトコンドリアを稼働させてエネルギーを生み出しつつ、
貧血にはならないように頑張っていきたいなというふうに思っております。
ということで今回は以上です。
この番組サイエンスポットは日本語と英語で配信をしております。
スポットキャストを聞いて皆さんも感想などありましたら、
ハッシュタグサイエンスポットで投稿してもらったり、
Spotifyの感想欄に何か書いてもらえると嬉しいなと思います。
それではまた。