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2025-06-18 13:07

12. ヒトの傷の治りは他の動物よりなぜ遅い?不都合な進化の謎を考察する。

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ヒトの皮膚は治癒が3倍遅い―ヒト系統で獲得された不利な特性であることを解明 ―

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サマリー

このエピソードでは、ヒトの傷が他の動物に比べて治るのが遅い理由について探求しています。進化の過程での生存に関わる特性や、細胞の増殖速度、長寿とがんのリスクなど、いくつかの仮説が提唱されています。また、ヒトの傷の治りが他の動物よりも遅い理由に関する研究が紹介され、進化におけるトレードオフの可能性について考察されています。さらに、年齢に伴う治癒の遅れやがん化リスクについても言及されています。

ヒトの傷の治癒の遅れ
今日は、ヒトの傷の治りは動物に比べてなぜ遅いのかという話をしてみたいと思います。
サイエンスポットは、最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。ホストはサイエントークのレンです。
皆さんは、普段指を切っちゃったりとか、転んで膝をすりむいちゃったりとかした時に、
早く治ってほしいなって普通に思いますよね。
絆創膏を貼ったりとか、消毒したりとか、色々すると思うんですけど、
だいたい自然に治ると。
他の動物ですね。同じように犬とか猫とか、
あとは鳥とか、そういったものの動物たちは、傷をもっと早く治せるっていうのは、
意外と知らないことかなと思います。
というか、人間がすごい遅いらしいんですね。
このメカニズムは何なのかっていうのを研究している例がありましたので、ちょっとそれを紹介してみたいなと思います。
この傷を治すっていう仕組み自体って、めちゃくちゃ重要で、なぜかというと、当然、外から
バイキンが入ったりとか、
ウイルスが入って、感染症になっちゃうとか、そういうことですよね。
なので、生き物がこの進化の過程で、絶対にこの治癒能力っていうのは、得てきているということになります。
僕ら人間よりも、動物だともっと重要というか、命に関わることで、
例えばライオンにシマウマが襲われて怪我しちゃったときに、
足怪我してたら逃げられなくなっちゃいますよね。なので、もうその時点で結構知識的な
ことになります。
この傷を治すっていうものは段階があって、
まず傷ができた瞬間から
血が出てくるので、それを止めるために、まず止血という段階があります。
その次に免疫細胞が病原菌と戦う傷のところにやってきて、
死んだ細胞とか異物を取り除く延生の段階が2つ目になります。
そこから内側から傷を埋めていくっていう、新しい細胞を作る増殖の段階。
最後に皮膚が再構築されて、傷跡が見えなくなっていくとリモデリングというらしいんですが、
これで治癒が完了すると。
このプロセスはものすごい上手く連携が取れてますよね。
で、
実際他の動物もこのプロセス自体は一緒で、スピードを比べてみたといろんな動物で、
で、人の治癒スピードって極端に遅くて、
大体他の動物の3倍ぐらいはかかるらしいです。
なので、
まあ同じぐらいの体の体積に対して同じぐらいの大きさの傷がマウスで
できて、マウスは3日で治りますと、ただ人は3倍の9日間かかるっていう、そういうイメージですね。
で、これなんでなんだろうっていう、人間って結構進化的にはあの
霊長類っていうぐらいですけど、結構進んでいる。他の動物も進化してますけどね、もちろん。
じゃあなんで人だけ傷の治りが遅いんだろうっていうことなんですけど、
これはいろいろ仮説はあるんですけど、仮説一番が
直立二足方向と関連してるんじゃないかということです。
で、僕たち人間の特徴は
完全直立二足方向ですね。他の動物だと一瞬経ったりすることはあるけど、
完全に直立二足方向で
手がフリーな動物っていうのは、いわゆる前足ですね。
フリーな状態の動物っていうのは他にいないと
いうことですね。ペンギンとかも実は足折り曲がってるんで、完全直立二足方向ではないっていう話
みたいですけど
っていうのを考えた時に
二足方向をすることによって広い視野を得たりとか
さっき言ったような両手が自由になるので、道具を使えるようになったりっていうのはあるんですけど
その分足の裏とか、あと座った時はお尻とかですね、の部分は
皮膚は常に体重を支えて地面との摩擦にさらされるようになったと
で、こういった
摩擦とかさらされるこういう部分が
他の動物みたいにむちゃくちゃ速い治癒スピードができて、しかも
活発に細胞を増殖させて治癒するっていう能力を持っているとしたら
必要以上に皮膚が分厚くなりすぎちゃうっていう可能性があるみたいなんですね
僕らの今の人間も足の裏はちょっと皮厚くなってるかなと思うんですけど
それが必要以上に分厚くなっちゃって、タコみたいになってると
繊細な動きとか
あとは足の感覚とかそういったものが損なわれる可能性があったんじゃないかっていうことですね
なのでうまく二足歩行できなかったんじゃないかと
いう説が一つありますね
で、そういった二足歩行っていう生存に
生きてくる特性を最大限生かすために
他特定の部位足の裏とか
もしくは全身の皮膚細胞っていう増殖速度をあえて遅くしていて
皮膚が過剰に分厚くなりすぎないようにしている
それによって
物を触った時とかそういったところの感覚を維持するっていう
進化的な選択があったのかもしれないという仮説が一つあります
がん化リスクと細胞分裂
で、仮説二つ目がこれ長寿化とあとがん化リスクのところですね
で、人はもちろん結構
長生きする生き物で
他の動物
もちろん象とかもっと長いものはいますけどこの体のサイズ
に対しては結構寿命が長い方ですね
細胞が
増殖するっていうことは分裂を繰り返していくわけですけど
で、その分裂の回数が多いと
この遺伝子を一つのものから二つに
分けるっていう時に突然変異が起きるリスクっていうのは常にあります
で、もし細胞が過剰に
あとはもう無秩序に増殖しちゃうっていうのがあると
この突然変異っていうリスクがどんどん上がりますよね
で、その突然変異が蓄積して
で、もう抑えが効かなくなるとブレーキが効かなくなるみたいなそういうがん化のリスクが
高まっちゃうっていう側面はこれは常にあります
まあチンパンジーの平均寿命はだいたい40年に対して人間80年とか超えてるんで
まあそれだけでも
長い生涯の中でものすごい数の細胞分裂を僕たちは経験してるわけですね
で、その長い人生の中でがんのリスクっていうのをなるべく低く抑えるため
つまりこの突然変異のエラーを抑えるために増殖スピードをゆっくりにして
で、遺伝子のコピーミスを減らしてるんじゃないかと
で、その代わりより厳密に細胞をチェックしたりとかがん化したものを排除するというシステムの方を進化させて
そういったことの方に時間がかかっていって
最終的にすぐ治すっていうよりかは
なるべく
少ない増殖回数で維持するっていう方に向かったんじゃないかっていうそういった仮説があります
今回の研究はこれ人の傷治り遅いよねっていう事実を突き止めたっていうのも一つあるんですけど
まああの
どういう選択を重ねて
こう動物としてですね
で、今の形になったのかっていう
こういうなんかちょっと一見不都合なところもあると思うんですよね だって傷治ったほうがいいじゃないですか早く
なんですけど人間はそれが遅いっていう気づき
となるようなこの研究だったかなと思います 完全にこれが理由だっていうのは
まだ断言することができないんですけども
ヒトの傷の治りの遅さ
こういった視点は結構面白いなというふうには思いました
で実際こういう皮膚の増殖するとかそういった研究ってもちろん
再生医療の研究とかにもつながったりしますし
まああとは
こう傷の残りやすさとか
あの
あとは治癒の
医療系の美容の医療とかですかね
そういったものの理解にもつながってくるかなと思いますし 最後にいったがん化のリスクのところがもっと理解すれば
まあがんを治す方法とか
まあそういうより詳細な分子メカニズムとかの
解明とかにつながるような面白い研究かなというふうには
思いましたね 今回あのなんて言うんですかね
すごい細かい研究って言えるかはそういう視点あるんだっていう
動物比べたら人間って意外と傷治り遅いんだねっていう
のが新しい面白かったポイントかなというふうには思いました
まあ完全にわかってるわけじゃないんで若干もやっとする部分は僕もあるんですけど
これ気になるよなーってなんでなんだろうなーっていうのは
思うんですけど ちょっとこれ話題として面白いなと思ったので
あの紹介してみました 多分何かのトレードオフになってるんだろうなっていうのは
あるかなと それが二足歩行なのか
そういうがん化リスクなのかはちょっとまだわからないですけど あえて遅くしてるっていう事実があるっていうことですね
年齢と治癒の関係
はい
ということでまあちょっと今日のエピソードは若干こう投げかける系の話だったかもしれませんが
まあこの進化の過程の中でどういうことがあったのかまあ傷
あと年取っても傷治るの多分遅くなってきますよね なんか
昔子供の時の方が速攻で傷治ってたなーっていう記憶がなんかものすごいあって
それに比べると最近あの指ちょっと切っちゃったりとかした時に
治るのちょっと遅いなみたいなそういう感じもして
あの年取るとやっぱ遅くなるのかなみたいなのはちょっとありますね
まあちょっとまだまだね若々しくは痛いですけど
はい
っていう感じの
研究でした これすごい新しい研究ではないんですけども琉球大学のプレスリリースから撮ってますので
気になる方は是非そちらも見てみて欲しいなというふうに思います
はい
えっとですね
まあ今日アフタートーク的にちょっとしたいなと思ってたのは
あの
まあちょっとずつ生活
ロンドンでの生活でもちょっと慣れてきたんですけど
うーんと
まあ
ちょっと動画とかを結構作ったりする時間があったので
あの vlog みたいなものをサイエントークの youtube チャンネルとかで
公開したりとかそういったことを結構やってます
でまああくまでこれ僕ポッドキャストをやりたいなっていうのの補助的なものとして
あの映像系の
もし見たい人いたらどうぞみたいな感じでやっていて
結構編集やっぱ動画大変ですねっていうのはめちゃくちゃ思いました
あの
面白いなっていう
あの
まあ面白いなと思ってもらえたら一番嬉しいんですけど
まああの字幕とかね
すげー大変だなってなんかもうユーチューバーに対する尊敬がすごいですね今
音声だけだと全然手間は少ないなーっていう感じがするんで
まあでね気になる人はあの youtube の方も
概要欄にもリンク貼っておこうと思うのでチェックしてみて欲しいなというふうには思います
であのサイエントークの方からあの聞きに来てくれてる人とかもいて本当にありがとうございます
あのちょっとまだね2週間
もたってないぐらいなんでこの番組も
今後どう展開していくかわからないですけど
日々思ったこととかもね話していけたらいいかなというふうには思ってます
はいということであの今回紹介したのは
人の傷の治りが遅いよっていうまあ基本的にこれ不利なんだけど
3倍ぐらい人の皮膚って他の動物より傷治んの遅いんだねっていう研究内容でした
ということで今回は以上になりますサイエンスポットは平日毎日
科学のニュースをお届けしておりますまあちょっと性別系の内容が
僕の今の関心上多いかもしれないですけど
あの良ければフォローしたりシェアしてもらえると大変嬉しいです
ということでまた次回お会いしましょう
13:07

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