2025-06-10 12:30

6. 認知症1000万人時代に挑む!日本のアルツハイマー病リスク予測モデル

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認知症 1,000 万人時代に備える。日本人のアルツハイマー発症リスクが遺伝子情報から予測可能に。-将来の脳内アミロイドβ蓄積リスクを高精度に予測するモデルを開発https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2025/5/27/250527-1.pdf

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サマリー

認知症が1000万人に達する時代に向けて、慶応義塾大学と英材株式会社の研究チームは、日本人を対象にアルツハイマー病の発症リスクを高精度で予測する新しいモデルを開発しています。このモデルは、遺伝子情報に基づきアミロイドβの蓄積リスクを評価し、治療開始の重要性を強調しています。日本におけるアルツハイマー病のリスク予測モデルが作成されており、特に日本人データの重要性が指摘されています。この研究は早期の治療介入を可能にし、認知症に対する理解を深めることを目指しています。

アルツハイマー病予測モデルの開発
今回は、アルツハイマー病の予測ができるかという話をしてみたいと思います。
サイエンスポットは、最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。
ホストは、サイエントークのレンです。ということで、今日も科学ニュースを紹介していきますが、
今日の話題はアルツハイマー病ですね。
今、日本は超高齢社会に突入していて、
実際こういう病気がどういう
メカニズムで起きるかとか、その発症リスクがどれだけあるかっていうのは、
結構興味があるところかなと思います。僕自身も結構
怖いなっていうところもありますし、
割とどこまで研究進んでいるのかなっていうのは興味があるところです。
今回は、慶応義塾大学と
英材株式会社の研究チームによって、
日本人を対象にして、将来のアルツハイマー病の発症リスクを高精度に予測できる新たなモデルを開発したという発表になっています。
具体的には、個人の遺伝子情報を使うんですけども、それによって脳内にアルツハイマー病の原因物質の一つである
アミロイドβがどれだけ蓄積するかというそのリスクを予測する技術になっています。
まず背景からなんですけど、今、日本ってどれぐらい高齢化が進んでいるかというと、
2025年は65歳以上の認知症患者は472万人います。
その前段階の軽度の認知障害の人も
約564万人ぐらいいて、これ合計すると1000万人を超えると推定されています。
非常に多いですよね。
1000万人以上この認知症、あるいはその前段階の人がいるって考えると、これはものすごい社会ニーズがある病気だなと、
治療ニーズがあるなと思います。
アルツハイマー病ってこの認知症の中でも最も主要な原因になっていて、
いろんなメカニズム実際報告されたりとか諸説あったりとかもするんですけど、
メジャーな有名なものとしては、脳の中にアミロイドβっていうタンパク質が異常に溜まってしまったり、
あとタウタンパク質っていう別のタンパク質が変化して凝集するのが原因なんじゃないかとか、そういったことが言われています。
で、要はこういう異常にタンパク質が蓄積しちゃって、脳の中の神経細胞を傷つけて、
最終的に記憶力とか判断力みたいな認知機能がどんどん低下してしまうと、
いったことが分かっています。
で、最近だと話題になりましたけど、このアミロイドβを取り除くっていう薬、
これは研究発表している映像が作ってますけど、
コアミロイドβ抗体のレカネバブっていうものですね。これ日本でも承認されました。
で、これだから抗体、さっき言ったアミロイドβっていうものにくっついて、それを除去するっていうので、
治療しようっていうもの。で、ただこれの対象って言ってるのは、
患者さんは、さっきも言った軽い経度のアルツハイマー病に限られています。
なので、
実際に進行しすぎちゃうと、これ使えないんですよね。なので、この効果を
最大限に得るために、できるだけ早い段階でアルツハイマー病のリスクを知ったりとか、
診断とか治療を開始するっていうのが非常に重要になってきます。
遺伝子情報とリスク評価
そういった背景があるので、
実際、じゃあどうやってリスクするんだっていうところなんですけど、
ここで遺伝子情報を使うんですね。で、あのポリジェニックリスクスコアっていうのがあります。
PRSとも呼ばれるスコアですね。で、このポリジェニックリスクスコアっていうのは、
人間の病気って、
いろんなやつにかかりやすさっていうのはあるけど、
この遺伝子だけを調べたら分かるっていうもんじゃないと。1個の遺伝子だけでなくて、
たくさんの遺伝子が少しずつ影響し合って決まるのが多いので、このポリジェニックスコア、
ポリジェニックだから、
たくさんのジェニック遺伝子ですよね。
で、いろんな遺伝子を総合的に判断して、
あなたはこの病気にかかりやすいですよっていうリスクを数値で表す指標になっています。
で、例えば、アルツハイマー病って、
APOE遺伝子って書いてる、アポイ遺伝子とも呼びますね。この特定の遺伝子のタイプが、
このリスクに大きく関わっているってことが分かっています。
で、どういうタイプっていうのがこれであるんですけど、例えばアポイ4っていうタイプを持っていると、
リスクが高い人で、アポイ2っていうタイプは逆にリスクを下げる方向に働くって言われてたりもします。
ただ、このさっき言ったPRSっていうスコアでは、こういう特定の遺伝子の影響だけじゃなくて、
その他の遺伝子もまとめて評価しましょうっていうことですね。
例えば、アポイ遺伝子っていうのが、ものすごい病気に向かっていく高速道路だとしたら、
PRSって結局その病気っていうのに向かっていくのにある無数の一般道とか、
そういうのを渋滞状況とかも加味して、この病気が発生するという目的地に到着するしやすさを予測するみたいな、
そういう感じですかね。アポイは確かにすごい速い高速道路ではあるんだけど、それだけじゃないよねっていう。
それだけじゃなくて、他の道でも病気に行く可能性あるよねっていうのをスコア化するっていう感じですね。
で、これ今までアメリカとかヨーロッパの研究でも、このアポイ遺伝子とPRSっていうスコアを組み合わせて、
将来のアルズハイマー病の発症リスクを高い精度で予測するっていうのは、一応論文として発表されてるんですけど、
主に白人のデータを使っているそうです。
なので、日本人を含むアジア人とか、そういったところの応用可能性は検証を十分にされてなかったということです。
これどういうことかっていうと、要は遺伝子って、僕たち日本人と白人の人って結構異なったりすると。
なので、同じ計算方法を使っても精度が変わっちゃう可能性があるよっていう話ですね。
で、そこで今回の研究グループがこの課題に取り組んで、じゃあ日本人にちゃんと使えるリスク解析やりましょうということで、
日本人を対象にしたアルズハイマー病のゲノムワイド関連解析っていうのがあります。
すいません、めっちゃ多分近くで犬吠えてますね。
ごめんなさい、あの日ちょっと犬が暴れてます。
はい、すいません。このゲノムワイド解析、GWASとも言いますけども、
この結果は人の、人間の全部のゲノム情報を使って病気と関連する遺伝子の場所を探す、
結構大規模な解析の方法になっています。
で、じゃあこのデータを使って脳内にアミロイドβが蓄積するかどうかっていうのを予測できるかっていうのを、
そういうモデルを作ることにしたっていう話ですね。
で、あとはそれと組み合わせるものとして、Aβペット検査っていうのがあって、
これアミロイドβを画像としてちゃんとスキャンしてみて、どんぐらいこれ溜まってますよっていう。
アルツハイマー病リスク予測モデル
それもかなり早い段階で異常が見つかる可能性があるっていうので、リスク予測の指標として重要になってます。
で、そういった計算を、ちょっと条件すごく細かいところなんですけど、
特にさっきのアポイ遺伝子の影響を組み込んで、
最適化すると、予測精度が向上するというのがわかりました。
要はもともとの白人の時より日本人のデータをしっかりインプットして、
やってあげるほうが予測できるっていうことですね。
で、これがいろんな異なる日本人のデータで検証しても、予測精度としては高いといったものになってます。
ということで この研究の大きい意義って やっぱり欧米のデータがすごい多かったんですけど
日本人でも使える まして日本人この1,000万人ぐらい今いて
多分今後どんどん増えていくと思うんですよね
なのでそういったときにもアルズハイマー病のリスクを予測したりとかして
早めに治療介入したりとか
ちょっと早期のケアができるようになるんじゃないかっていうところで
非常に重要な研究かなと思います
ただこれは完全じゃないです わかるように
遺伝子情報ってリスクが高い低いっていうのは 100%起きますよというわけじゃなくて
あくまで予測なので この遺伝的な要因に加えて
例えば生活習慣とか睡眠とか あとは社会的にどれだけ交流してるかとか
そういう環境要因が非常に重要になってくるので
あくまで遺伝子の面でリスク評価できましたよという研究になってます
なので多分総合的な判断のツールの1つとしては使われるのかなというふうには思いました
あとこれ実際に臨床現場で広く使われるようになるためには
もっと大規模なデータ検証が必要ですよねっていうところは言われてたりとか
なんでその精度をどんどん上げていかないといけないってことですね
っていうのはもっと必要かなっていうことと ただちょっと難しさは
研究の意義と課題
遺伝情報ってかなり高いレベルのというか 非常にセンシティブな個人情報なんですね
要はそういうことが分かっちゃったりするんで そこの倫理的な課題とか
じゃあどうやってそのデータを集めていきますかっていうところは
結構社会全体で議論していかないといけないよねっていう段階ですね
ということで今回は日本人におけるアルツハイマー病のリスク予測っていう方法が
作られてきてますよっていう話を紹介してみました
僕もこれすごい 僕もというかみんなかもしれないですけど
僕も認知症やっぱ怖いなっていうのを感じてて 僕の家族でも認知症になって
実際僕も目にしてるんですよね
本当に直前のことを覚えられないみたいな感じになってしまうので
ちょっとその大変さというか周りの人も大変ですし
本人もどうしていいか分からないっていうので大変ですし
薬飲み忘れちゃうとかもありますし
そこはすごい僕も恐ろしいなっていうのは感じてます実際
なのでこういった研究は僕も興味あるんで
ちょっとフォローしたいなっていうふうに思いましたね
今回の話をちょっと考えるにあたって
という感じですね
皆さんもちょっといろいろと思うところがあったりとか
遺伝子検査が今後どれぐらい進んでいくかっていうのも
実際進みはすると思うんですけど
自分やりますかっていうところとか
そういったものが考えるきっかけになったらいいなというふうに思います
ということで今回はこんなところで
サイエンスポットは平日毎日朝に日本語と英語で配信をしております
ぜひ今回の話も聞いて皆さんの感想などを
ハッシュタグサイエンスポットで投稿してもらえると
僕も一応全部見るかなと思いますので
ぜひやっていただけると大変嬉しいです
やらなくても流し聞きしていただいても
こういう話題が入ってくるっていうので
なんか習慣的に聞いてもらえるような
番組になったらいいなというふうには思っています
ということでそれではまた次回お会いしましょう
12:30

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