尿酸値の上昇のメカニズム
おはようございます。今日は、尿酸値と肥満の関係性についてのニュースをちょっと取り上げてみたいなと思います。
サイエンスポットは最新の科学ニュースにスポットライトを当てるポッドキャストで、ホストはサイエントークのレンです。
今回は非常に個人的な理由でちょっと取り上げたいなと思ったんですけども、健康診断で尿酸値高いですねって言われたこととか皆さんありますかね。
僕はちょっとやや高で、気をつけないといけないっていうふうにすごい思ってるんですけども、
この尿酸っていうものが血中に増えすぎた状態が尿酸値高くて、これが抗尿酸結晶っていうものになっていくと。
これをほっとくと、関節痛や痛いやつが通風ですね。通風になったりとか、あとは心臓病のリスクとかも上がってくるっていうのがわかってます。
これがなんで高くなるのかっていう原因はもちろんたくさん研究されていて、
一つは親から受け継ぐ体質、つまり遺伝するっていう要因ですね。
あとは運動不足とか肥満っていうような生活習慣、環境の要因。
この遺伝要因と環境要因っていうのはどっちも関わってくるっていうのもわかってました。
特に血糖値を下げるホルモンのインスリンってあると思うんですけど、
インスリンが効きにくくなる、インスリン抵抗性。
これって肥満によってすごく起こりやすい状態なんですけども、
これが尿酸値が高くなるっていうのと関連があるっていうことも報告としてあると。
じゃあどういう仕組みで尿酸値が上がってくるのか。
肥満してる人がですね、肥満の人が。
それが遺伝要因と環境要因がどう組み合わせて尿酸値が決まってるのかっていう詳しい研究が、
まだ進み切ってなかったと。
僕もわかってるもんだと思ったんですけど、進み切ってなかったみたいですね。
で、これを今回の東京科学大学と提供大学の研究チームの発表で、
37万人分の遺伝情報と健康データを集めて、UKバイオバンクっていうイギリスですね。
そこのデータ、あとは提供大学病院のデータ、あとは細胞レベルでの基礎実験のデータっていうのを組み合わせて、
これに挑んだという研究ですね。
まずこのデータ分析から見えてきたのが、
インスリン抵抗性がある人とか食塩をたくさん摂る人ほど、尿酸値が高くなる傾向がある。
これはもうさっき言った通りです。
特に注目されてたのが腎臓の働きになってます。
僕らの体って、尿酸は1回腎臓でろ過されて尿として出てくっていうのがあると思うんですけど、
必要な分はもう1回血液の中に再吸収されるっていうことが、これ仕組みとしてあります。
これの再吸収を行う働き手の1つにURAT-1っていうタンパク質があります。
URAT-1って書いてURAT-1ですね。
これタンパク質の名前で、これがインスリンの抵抗性が高いっていう状態になると、
まずこの腎臓から尿酸が排泄する、尿に出ていく量が少なくなるっていうのがまず分かってます。
だからつまりインスリン抵抗性が高いと腎臓から再吸収される量が増えると。
URAT-1の重要性
このURAT-1っていうのは何してるかっていうと、このURAT-1っていうものがリン酸化っていう収束を受けます。
これはインスリンとか食塩をたくさん摂取した場合に、このURAT-1っていうのがリン酸化っていう変化が起きるっていうのが基礎実験で分かっていて、
これシンプルでタンパク質にリン酸っていうものがピッとくっつくと、それは目印みたいなものですね。
その目印がつくことによってタンパク質の形とか働きが変わるっていうのは非常にこれはいろんなタンパク質で起きていること。
この食塩取りすぎとかインスリン過剰に出てる状態でURAT-1がリン酸化されます。
それによって尿酸を再吸収するっていう働きが上がりますと。
その結果として尿酸が外に尿として出てくる量が減ってしまうっていう、ここが繋がってるっていうことみたいですね。
だからこのURAT-1っていうのが非常に重要なタンパク質ですと。
これの量っていうのが生まれてくるときの遺伝的な要因。
要はこのURAT-1っていうのをタンパク質なのでDNAから生み出すっていう遺伝子の個人差がまずありますよっていうこと。
そして環境要因としては肥満とか太ってる人がどんどんインスリンを分泌しちゃうと血糖値を下げようとして。
それによってURAT-1の働きを促進してしまうと。
これはインスリンが増えるとAKTっていう別のタンパク質を介してURAT-1の働きを促進する。
これが促進されるってことは尿酸を再吸収してしまうっていうのがあって、
実際やっぱり環境要因、遺伝要因どっちもあるよねっていうのがこのURAT-1っていうものをキーワードにして繋がってるということみたいですね。
これすごい面白いなと思って。
だから要はURAT-1がたくさん作られやすい遺伝子タイプを持っている人がさらに太ってインスリン抵抗性を持ってURAT-1が活性化してしまうと、
それと重なって尿酸値がめちゃくちゃ上がりやすくなると。
だから同じような体重の人とかでも尿酸値の上がり方って人によって違ったりとかもあるんですけど、
それはこのタンパク質が原因なんじゃないかっていうことですね。
あとはこのメカニズムっていうのが人には存在してるんですけど、
ラットとかマウスにはこのURAT-1を介して尿酸調整するっていうメカニズムが見つかってないそうなんですよね。
これちょっと面白いのが、動物が進化していく過程の中で尿酸を代謝するっていう機構が近づくに従って出てきたと。
なのでこのURAT-1が活性化したり活性化しなかったりっていうので調整して尿酸をキープしようとするっていうのが結構これ人間特有なことらしくて、
実際そこのメカニズムっていうのが今まで分かってなかったみたいなので、
多分これもっとURAT-1について研究がもっと進んだらもうちょっと詳しく分かるのかなと思うんですけど、
結局これ何ができるかっていうと、その人のURAT-1の量とかに合わせた個別化医療とかがこれがもしかしたらできたりとか、
URAT-1の働きがすごい高まりやすい人のは特に原因に最初から注意しましょうとか、
それが結果的に尿酸値の上昇を防ぐことにもつながりますよっていうことで、
ここを調べてその人に合わせるっていうのもありますし、
それに合わせたお薬ができたりとかそういういろんな可能性があるような研究なんじゃないかなっていうふうには思いました。
ということで今回はこの尿酸と肥満の関係がこのタンパク質によって媒介されて関連し合ってるんじゃないかっていう研究でしたね。
ということでサイエンスポットはこういうニュースを平日毎日朝に日本語と英語で配信しています。
ポッドキャストを聞いてみて実際こういう感想を持ったよとか教えてもらえれば嬉しいなと思っています。
ぜひこちらのニュースもリンク貼ってますのでそちらから飛んで実際にニュースも見てみてもらえたらなと思います。
ということでそれではまた。