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2025-08-05 10:09

38. 世界で一番黒い塗料!光を飲み込む究極の黒の仕組みと活用法

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サマリー

このエピソードでは、世界で最も黒い物質「VANTA BLACK」と、さらに進化したMITの新しい黒い素材について解説しています。これらの黒いペンキの仕組みや、それを使用する可能性があるさまざまな分野での応用について話を展開しています。

VANTA BLACKの紹介
今回は、めちゃくちゃ黒いペンキの話をしたいと思います。
サイエンスポットは、最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。
ホストは、サイエントークのレンです。
ということで、昨日半分冗談で
真っ白いペンキの次は、真っ黒いペンキの話をしようかっていう話をしたんですけど、
真っ黒いペンキも調べたら面白かったんで、ちょっと今日もその話をしたいなと思います。
これ、昨日の色に関するエピソードの続きというか、表裏みたいな感じですね。
世界で一番黒い物質みたいなのは、これも結構ニュースになったんで、
皆さんも知ってるのかなぁと、知ってる人多いんじゃないかなというふうに思ってます。
これが
SUSSEX NANO SYSTEMS っていうところの会社が開発している
VANTA BLACK っていうやつですね。
この人たちがパイオニアで、この
黒い色素ですね。っていうのは
可視光の99.965%を吸収するっていうものが、一番最初にまずできましたよっていうことです。
だからもう光が入ったら出てこれないみたいな、そういうものですね。
これ、仕組みどうなってるかっていうと、割と分かりやすくて、
塩糖系の炭素分子を、いっぱい森みたいに生やしているっていうのがあります。
これ垂直廃坑カーボンナノチューブっていうやつなんですよね。
イメージしてもらうと、本当に
なんていうんですかね、
墨がちょっとバーッと縦形に敷き詰まっている森みたいな構造を想像してほしいんですけど、
光がこの森の中に入ってきたら、
光が反射する代わりに、この森の中で光が繰り返し跳ね返って、
もうそこから出てこれないっていう、森に迷い込むみたいなことが起きてるんですよね。
このナノチューブの間の隙間を繰り返し跳ね回って、最終的にこれが
すべての光が炭素材料に吸収されて、
熱に変換されるっていうことが起きてます。
これはすごい面白いなぁと思ってて、
ほぼすべての入射光エネルギーは熱に変換されるっていうことですね。
だから、夏とかを
置いといたらめちゃくちゃ暑くなるんじゃないかなというふうに思ってます。
昨日お話した真っ白い方は逆に冷却されるっていう話をしたんですけど、その逆っていう感じですね。
仕組みは結構違うんですけど。
その後に
ちょっと順位がまた変わっていて、このバンタブラックっていうやつよりもさらに吸収するやつっていうのが
MITで開発されてまして、
これが99.995%を吸収する。
世界で最も黒い物質。これ更新されたらしいですね。
これ本当に5割っちゃ5割。
0.03%ぐらいは上回る。
っていう数値のもので、原理はそんなに変わらないのかなっていうふうに見てて思うんですけど、
初期型のものの
弱点としては結構脆いと。だからさっき言ったあの森みたいな構造壊れちゃったらもう光
吸収できなくなっちゃうんで、ちょっとの衝撃でもめちゃくちゃ性能が落ちる可能性があったらしいです。
ただ、今回MITが新しく作った材料っていうのは曲げたりとか引っ張ったりとかしても、
光を吸収するという特性は保つと。
あと500度ぐらいの高温環境でも、
このものすごい黒いのを維持できるっていう熱安定性も備えてるらしいですね。
だからいろんなとこに使えますよっていうのが推しポイントで、
これそもそもどうやって見つかったのかっていうと、アルミニウム状に
このカーボンナノチューブを置いて、電気電動性、どんだけ電気取るかっていうのを
検証しているときに偶然発見されたものらしいですね。
だからこれめちゃくちゃセレンディピティってやつですね。偶然の発見。
これは耐久力すごいあるよっていうので、今のナンバーワンはこれなのかなと思ってます。
黒い素材の応用
で、これ何に使えるのかっていうことなんですけど、
例えば望遠鏡とか光学センサーとかですね。
そういうところで絶対に光入れたくないみたいなところにこういう黒い素材を使ってあげると、
光を絶対吸収してくれるんで、余計な光が入ってこないとか、そういったものに使えるとか。
あとはカメラとかが結構多いっぽいですね。
理想的な黒い基準の点にもできるよっていうことを言ってますね。
センサーを構成するときに言ったらゼロ合わせみたいな感じですかね。
光のゼロ合わせみたいなものにこういう素材が使えるっていうふうには言われています。
もうなんか、ヨーロッパの地球観測衛星のセンチネル4ってやつにはこの黒い色相が使われてたりするみたいですね。
で、あとなんかちょっと面白いなと思ったのは、これ芸術の世界でも使われてるらしくて、
真っ黒なんで、なんていうんですかね、もう穴が開いてるように見えるんですよね、空間に。
そういう体験ができるっていうので、これを使って
絵とか芸術作品作るよっていうライセンス提供とかもしているらしくて、
なんか特定のアーティストはこの黒い素材のライセンスを持っているらしいです。
これ結構面白いですよね。
とか、あとはスマートフォンとかテレビのディスプレイのこのコントラストを上げるっていうことですね。
白黒結構はっきりしてパキッと見やすくするっていうところとか、
あとは太陽熱を活用するような発電とかですね、
そういうものにはこういう黒いものを使えば、それだけより太陽光の吸収率が上がるんで
効率が上がりますよっていうエネルギー分野でも使えるっていう感じです。
で、課題としては、やっぱりコストが高いよっていうのは未だに課題らしくて、
まだバンバン使えるような状況ではないらしいんですけど、
この費用対効果もどんどん改善していくんじゃないかっていうのは今後
多分可能性としてあるかなと思っています。
だから、
これはまあ未だに身近にあるわけではないですけど、
ディスプレイで使われたりとかなんかありそうだなって思いますよね。一番身近なところに
来る可能性としては。
だから昨日の真っ白い素材と合わせて、意外とこういうね、究極の白、究極の黒みたいなやつが
僕たちの日常に
やってくるかもしれないっていうのはすごい面白いなというふうには、これちょっと調べてて思いました。
はい。なんで僕こんな白とか黒とかの話をしているのか、自分でもちょっとあんまりよくわかってないですけど、
結構、世の中の究極を追い求めるみたいな研究は割と好きなんで、
面白いなと思ってこれを見てました。
はい、ということで今回は以上で、
またね、ちょっと最新の、言い忘れてたんですけど、昨日の白い話と今日の黒い話は
全然日本の研究ではないですね。
結構ジャパニーズの研究紹介しますみたいなのを言ってるんですけど、
今回は全然アメリカの研究ですし、前からもアメリカの研究なんで、日本関係ないですけど、
面白いなっていうニュースは日本のに限らず、
たまには紹介していきたいなというふうに思っています。
最後なんですけど、これが出てる前の日かな、
サイエンマニアっていう、僕個人でやっている別のポッドキャストが更新されています。
こちらは僕と誰か違うゲストの人を、毎回違うんですけど、呼んで、
僕が聞きたいことを聞きまくるっていう話で、今回が海面ですかね、海に住んでる、
体カスカスカな生き物なんですけど、その海面の話がめちゃくちゃ面白かったんで、
これはもうぜひ聞いてほしいですね。
これぞサイエンマニアだなっていう話だと僕は思っていて、
僕は全然海面についてちょっとは知ってましたけど、研究つながりとかで、
でもその生態を調べてるとか、海と共生してるみたいな話がすごい面白くて、
たぶん聞いたことある人、誰も全然いないんじゃないかなっていう話、
いやもしかしているかもしれないが、
でもとにかくめちゃくちゃマニアックでディープな話になってますんで、
これサイエンマニアの方ぜひぜひ聞いてみてほしいです。
ちなみにサイエンマニアの方、ちょっと今まで全編後編って分けてたんですけど、
1時間超えたりしたら、なんかちょっとリスナーさんの聴取体験を考えたときに、
1本で丸々聞けた方がいいかなって単純に思い直してまして、
長くても1本でボンって出すか、
って思って今回のやつは1時間ちょっとですけど、
ちょっと長いですけど、
どんどんどんどん奥入っていく感を楽しめるポッドキャストにはなってるかなと思うので、
ぜひこちらのポッドキャストも聞いてみてください。
ということで、この番組サイエンスポットは平日毎日朝に日本語と英語で配信をしています。
ポッドキャストを聞いて感想とか、
ハッシュタグサイエンスポットで投稿してもらえると全部見てますので嬉しいなと思っています。
それではまた。
10:09

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