微生物による金の変換
今回は、金、ゴールドを変換する微生物の話をしたいと思います。
サイエンスポットは最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。
ホストはサイエントークのレンです。
ということで、昨日やってしまいました。配信できなかったです。
いろいろ言い訳はしたいんですけど、それは最後にするとして、今回本題からいきますね。
今日は紹介したいのは、金ですね。
ゴールド、僕たち大好きな金なんですけど、
これって、場合によっては毒になることがあるっていうのはご存知ですかね。
僕たちに手で触れても別にそんなめちゃ毒っていうわけじゃないんですけど、
金って一応何種類か状態があって、
例えば、なんちゃらイオン、
例えば水産化物イオン、水素イオンとかイオンってあると思うんですけど、
金も金イオンっていう形で存在することがあります。
これ特に酸化の金イオンっていうやつがあるんですけど、
すっごく水に溶けやすいものですね。
で、これが生き物にとって結構有毒な存在になるっていうことが知られてます。
イメージしやすいのは、やっぱ水銀とか鉛とかって、
そういった重い金属ですよね。
そういうものは細胞にダメージを与えたりとか、
僕らみたいな生き物の生命活動を阻害したりするっていう可能性があります。
じゃあ、そういった環境で生きられる生き物ないかなっていうのを考えたときに、
これは実はそういう微生物がいて、
有毒な金イオンがめちゃくちゃ存在している、もう金塊の表面ですね。
そこにいるバクテリアっていうのがいるんですよね。
一応名前はデルフチアアシドボランスっていう名前のバクテリアなんですけど、
これは有毒な金イオンを無毒の単体の金、
しかもこれナノ粒子ってめちゃくちゃ小さい粒の形なんですけど、
そういう形に変換するっていう、
これは化学物質を出してます。
これデルフチバクチンAっていう、
このデルフチアっていうさっきの金が出している化学物質、
天然物なんですけど、
面白いですよね。
毒の金を本当の普通の金に変換するっていうもの。
これ2013年に一応報告最初にされていて、
金ナノ粒子を形成するような物質を出していると。
そこからどこのパーツが金を変換するに重要なのかとか、
そういうメカニズムがずっと分かってなかったんですけど、
今回東京大学と東京農工大学の研究チームが、
もうつい最近明らかにしたことになっています。
メカニズムの解明
やったのはデルフチバクチンAっていう、
さっき言った天然物の完全な立体的な形がこうなってますよっていうのと、
金イオンをどうやって変換しているのかっていうメカニズムです。
まず最初にやったのは、こういう研究で結構王道ではあるんですけど、
こういうまず機能が先に分かっている加工物、天然物っていうのがあったときに、
じゃあどのパーツが重要かなって調べたいときは、
重要そうな部分のパーツをちょっと削ったりとかしたら、
削ってその機能がなくなったら、
ここのパーツ重要だったんだってことが分かりますよね。
それをやるためにはまずその全体を自分たちで作れないといけないっていうのがあります。
普通に金培養しても天然のものしか作れないんで、
そういうパーツ欠損したものとかそういうのは作れないですよね。
だから本当にレゴブロックみたいなものを想像してもらってよくて、
普通の天然物が作る最終形態のレゴブロック組み合わせたものもできるし、
一部が欠損したものも作れるしっていう方法がまず必要になる。
これは人工的に作れるようにするっていうのがまずあります。
これ細かく言わないんですけど、
これタンパク質の一種になるので今回作れたのが、
タンパク質ってアミノ酸っていう、
言ったらレゴブロックの一個一個から構成されているわけですよね。
アミノ酸をレゴブロックみたいに組み立てていくと、
最終的に今回のデルフチーバクチンAっていうタンパク質ができると。
その組み立て方っていうのはいろいろあるんですけど、
これを今回の場合はパーツを欠損させたというか、
右手型、左手型っていう左右非対称なんですけど、
皆さんはそれを逆にしてみるっていうパーツをそれぞれ、
例えばABCっていうパーツがあったら、
Aだけ鏡写しにしたやつにして合体させて作ってみる。
Bだけ鏡写しにしたやつを作って合体させてみるみたいなことを、
して、そうすると鏡写しにしたものって、
そこだけ機能が失われるっていう感じになるので、
例えば鏡写しのAを作った最終的な完成品は機能しません。
金を変換することができませんってなったら、
じゃあAの部分のアミノ酸重要ですよねってなりますよね。
そういったものを16種類ぐらい作って、
実際に全体の構造どうなるかなとか、
金を変換できるかなっていうのを調べていきました。
実際に金変換してるって何してるのかっていうと、
これ還元をしています。
酸化還元の還元をしていて、
還元をするっていうことは酸化の逆って考えてもらえばいいんですけど、
一番わかりやすいのは酸素がくっついたら酸化されます。
酸素が取れたら還元しますっていうこととか、
あとは逆に水素がくっつくと還元ですよねとか、
電子が与えると還元ですよねとかいろいろあるんですけど、
今回そこはそんなに重要じゃないんで還元とだけ言いますけど、
実際にこの金のイオンを還元するってことは、
還元が起こすものっていうのは自分は酸化されるわけですね。
そこペアになってるわけです。
なので酸化される場所っていうのが必ずどっかにあるだろうっていうのを、
さっき言ったパズルを組み合わせる方法で調べていくと。
そうするとこれ非天然のアミノ酸なんですけど、
還元させる、自分が酸化して金を還元させるっていうのが、
ここのアミノ酸だっていうところが特定されて、
そのメカニズムも世界で初めて明らかになりましたよっていう。
結論としてアミノ酸が電子を金イオンに渡して、
金イオンが普通の金に変わるっていう、
錬金術ではないかもしれないですけど、
それに近い感じではあるかもしれないですね。
もともと金なんですけどね。
また毒の金を価値ある金に変えてるみたいな意味では面白いかなと思っています。
この研究結構王道な研究パターンをやっていて、
もちろん途中の作り方とか、
最終的にメカニズム解析するところとかも結構面白いんですけど、
微生物と金の変換
すごくいい例だし、しかも金塊の上にいるこういう微生物がいるんだっていうのも面白いなというふうに思って、
今回紹介してみました。
これ、なんでこれやってるのかっていうと、いろんな理由あるんですけど、
例えば工場の排水とかに有毒な金イオンが入ってますよっていう状態になっていると、
それを例えば川とかに流しちゃうと、
さっき言ったように生物にとっては毒になるので良くないわけですよね。
だったら下毒するような金イオンを普通の金に還元してあげて、
それをまた再利用するとか、
例えばそういうことができると技術として面白いんじゃないっていうことですね。
で、あと金のナノ粒子って何て言うんですかね、
ただお金になるよっていうだけじゃなくて、
結構医療分野ではいろいろ使われていて、
診断も治療も、あとは薬を作るための触媒とか、
いろんな使われ方をしている重要な材料になるので、
ただの毒をそういったものに変えれるっていう意味では、
もしかすると今後こういう研究が役に立ってくるかもしれないっていうことですね。
エピソードの紹介
ということで今回のエピソード、
毒の菌を価値ある菌に変える菌、バクテリアの話で、
ちょっとダジャレみたいな感じですけど、
すごく面白いなと思って紹介させてもらいました。
ということで昨日の言い分けにしますけど、
昨日は、
昨週の末ぐらいから旅行に行きますみたいなことを言ってて、
旅行に行ってました。
イギリスの南西側に行ってましたね。
具体的に言うとコーンウォールっていう地域がありまして、
その辺が結構バカンスできる場所とか、
結構イギリスの歴史的な建造物、お城とか、
ティンタジェルキャッスルとか、
そういう崖のお城みたいなところに行ったんですけど、
めちゃくちゃ綺麗で、
これ気になる方は僕のXとかを見てもらえると思っていると思います。
めちゃくちゃ綺麗で、
そこにのんびりバカンスに行っておりました。
一応月曜日には帰ってきてたんですけど、
そこからはちょっといろいろやり残してたこと、
週末いつもやってたことが全然終わってなくて、
いろいろやってたら配信が間に合わなかったっていう言い訳を、
今ここでさせてもらいました。
いやーちょっと不甲斐ないですね。
笑っちゃってるけど。
自分で縛りを犯してるんですけど、笑っちゃいましたね。
ちょっと頑張らないといけないですね。
なんか音声だけだと思っていたら、
結構収録時間をちゃんと確保しなきゃいけないとか、
ちょっと雑音とか入ってるかもしれないですけど、
一応ちゃんと音がない場所でやらなきゃいけないとか、
結構その辺はこだわってやってるので、
ちょこちょこ今後もこういうことあるかもしれないですけど、
ただエピソードの内容にはこだわって作りたいなと思ってますので、
引き続き聞いてもらえたらありがたいなと思ってます。
いやーちょっとやっちまったなーと思って、
いつもロンドンの夜10時にこっちだと配信してて、
それ日本の朝6時なんですけど、
間に合いませんでした。
すいません。
ということで、またちょっと次回以降はちゃんと更新しますんで、
よろしくお願いします。
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あとねるねるねるねとコラボレーションしますっていうので、
コメント募集してたりもするんですけど、
それも今週締め切りになっていて、
これ配信されたらもう本当に期限ギリギリなんですけど、
金曜日いっぱいぐらいかな、
8月8日いっぱいぐらいまでで募集してますので、
そちらもぜひサイエントークのホームページですね。
サイエントークって検索したらすぐ出てくるんで、
そこにリンクもありますんで、
ぜひこういうのは参加してもらえるととても嬉しいなというふうに思います。
ではまた。
