透明な紙についてなんですけども、これも先ほど言ったJAMSTECと、
東京大学と、東京科学大学が共同でプレスリリースしている内容で、
海に優しい素材を作ろうという研究開発が行われています。
この研究グループは、この海に優しい素材の条件として3つ挙げてまして、
1つが、石を使わないバイオマス由来であること、
2つ目が、リサイクルが可能であること、
3つが、意図せず海洋へ流出した際も成分解すること、という3つを掲げて研究をやっています。
1つ目のバイオマス由来というのは、石油とかから先ほど言ったように作らない、
例えば紙とかですね、これは木から作っているもの、
いわゆるバイオマス由来ということで、紙は非常にエコな素材として言われております。
あとは2つ目、リサイクル可能、これも紙だと非常にリサイクルも今、
当たり前のようにできている素材であるというのと、
あとは、意図せずに海に流出しても紙だと分解していくよね、というところで、
この紙という素材は、この3つの観点から環境調和性に優れた素材であると言われています。
ただ、問題点としてあるのが、色がついているというところです。白いということですね。
どういうことかというと、中身が見えないということですね。紙の包装をすると中身が見えなくなるということで、
それだけじゃと思うかもしれないんですけど、実は物を買うというときに、
中身が見えるかどうかというのが、購買意欲にすごい影響を与えているという話で、
消費者的には、中身が見える透明なプラスチック容器を買いたがるという傾向が実際にあるそうです。
なので、なかなか紙がプラスチックの置き換えとして、
包装用紙として特に使われていかないというのが非常に大きな問題となっていました。
今回、研究グループは、この紙の主成分を変えずに、
植物の主成分、セルロースというものから作っているんですけど、これを透明に加工するといった技術ができています。
これは今までやっぱり難しかったそうで、実際に開発している透明な紙というのは、
普通の紙か、
それ以上0.3ミリから1.5ミリ程度の厚みを持たせながら、
高い透明性を実現しているといった形になっています。
これどれぐらいすごいかというと、この紙を通して100メートル後先のものも結構はっきり見えるレベルで
透明だそうです。あとは薄くするだけじゃなくて、
コップ、紙コップとかストローとか、ああいったものも
作れるみたいで、これ透明に作れるということみたいですね。
あと感じたのが強度なんですけど、どれだけ強いか
というのはフィルムとかで、今の紙のストローとか紙コップとかもコーティングして
液体をこう扱えるようにしているんですけど、そういったコーティングもなく液体を保持できると
いったこととか、あとはさらに天然由来の別の脂肪酸とかを加えてあげると
さらに発水性を持たせるということもできるみたいです。
あとはエコな部分としては、これを作る時にも
一度木の中のセルロースを溶かして、
紙なら薄く伸ばして、一度固めるという処理があるんですけど、その固める処理の溶剤
シューカリチウム水溶液というものを使っていて、
こういったものがそのまま廃液として流れ出てしまうと、またこれ環境に結局良くないよねという話になるんですけども、
これも回収して
濃縮して再利用できると。なので外部に廃液を出さないような
閉鎖のサイクルで製造工程が実現可能じゃないかと
言われています。これ結構すごい循環型の社会にはすごい適した素材なのかなと思いました。
なのでリサイクルも結構しやすいと。
あとは3つ目、海で実際これ分解されるのっていう話です。
これは結構詳細に調べていて、
結論から言うと最終的に微生物によって
分解されて二酸化炭素の水まで分解されるということが分かっています。
この調べ方は結構面白くて、
ジャムステックが持っている潜水艦ですね。深海6500とかもいろいろ持ってるんですけど、
その潜水艦を使って実際にこの紙が
深海に持って行った時にどうなるのかっていうのを実験したみたいです。
その結果、ちゃんと深海まで持って行って、これ深水700メートルから1000メートルぐらい
なんですけども、そこで
実際に4ヶ月以内に
例として使っているのは透明な紙コップなんですけど、それは4ヶ月以内にほぼ消失したと
いうことが確認されています。結構すごいですね。
じゃあ実際に本当に微生物が分解しているのっていうところも
電子顕微鏡で持って帰ってきた
この短期間で分解されきる前に持ってきて、その紙コップの表面に微生物が蓄積して
そこが微生物が穴を開けて分解するといった様子が観察されています。
あとはメタトランスクリプトーム解析っていう、実際にどういう
例えば酵素とかが紙を分解しているのかっていうのを調べる方法があるんですけど
セルロー素、分解する酵素っていうものが
実際その微生物が作っているといったことまで確認しています。
ということで、実際今回この透明な紙の開発っていう
ものがバイオマス由来でリサイクル可能で、そして海でも分解されるっていう
3つの条件を満たしている
海に優しい素材がこれでできたんじゃないかと
言われております。ただ実用化にはまだまだ課題もあって
実際製造コストが結構まだかかるよねっていうところとか
大量生産しようと思ったら当然その
製造工程っていうのがもっとブラッシュアップされないと
なかなか大量に作ることは難しいので
ここからこの技術がもっともっと進化していけば
いろんな包装容器とか使い捨て製品とかそういったものが
海に流れ出ても
分解されても問題ないよねっていうものに
今後どんどん置き換わっていくんじゃないかなっていうのが
予想できるかなと思います。今後の開発がすごい注目されるところですね。
ということで今日のサイエンスポットはここまでになります。この番組
これ初回になってると思うんですけどもいきなり始まりましたが
サイエンスポットっていう名前で
科学のこういうトピックにスポットライトを当ててなるべく頻度高く
紹介していけたらなぁと思っています。これなるべく平日毎日朝に
日本時間の朝ですね。
こちら今僕ロンドンに住んでいるのでこっちは夜10時になるんですけど
それまでに
日本語版とあとはもう一つ英語版のサイエンスポットっていうポッドキャストも新しく作って
そちらにもこの同じトピックの英語版を自分で喋ってあげたいなと思っています。
で
こういうのをやっていく僕の勉強のためっていうのもありますし
実際これ聞いてくれている皆さんでこういう
科学のトピックってちょっと拾いづらい部分とかあると思うんですよね。
なのでそういったものを僕が僕なりの面白いなって思う視点で集めてきて
でなるべく提供していけたらなぁと思っています。
で
実際今の時代にAIとかでこう記事さえあれば
あの
男女のノートブックLMの会話とかでできちゃうんですけどそれは面白いですねみたいな感じの
ポットキャストにはできるんですけど
なんかそれを僕がやるのはちょっと違うかなっていうのも思いますし僕自体は喋って
それでちょっと自分の中に落とし込んでっていうこともできるかなと思うので
あのちょっとチャレンジしてみたいなと思ってやってるのでぜひぜひこちらの番組もフォローして
いただいて
まあもしね感想とかあればハッシュタグカタカナでサインエンスポット
で投稿してもらえると嬉しいです日本語版に関しては
で英語版に関しては僕全然まだまだ発音とかも練習中なので
まあそこはちょっと多めに見ていただいてというか
まあでも
日本のトピックをなるべく扱いたいなと思っています
でこの日本のトピックを英語で話して発信するっていうことに関しては僕はすごい意味があると
思っていて
まあねこの日本でこういう面白い研究あるよっていうのが
もっと世界に広まっていったら僕もいいなと日本人として思いますし
それでねまた新しい人が興味持ってくれるきっかけになればいいかなということで
まあ拙い英語ですけど英語版も頑張って配信していこうかなと思いますので
これこちらのポットキャスト別にあの
おそらく同日に上がっていると思いますので
そちらもフォローしていただけるととても嬉しいなと思います
はいそして今日のこういったトピックについてもっと知りたい方は概要欄の方にプレスリリースのリンクなども
貼っておこうと思いますのでそちらもぜひチェックして深掘りしてみてください
それではまた