光ファイバーによる地震観測の紹介
今日は、地震計を使わないで、今、地面に埋まっている光ファイバーケーブルを使って、地震を観測する方法が実証されたという研究を紹介したいと思います。
サイエンスポットは、最新の科学技術にスポットライトを当てるボットキャストです。ホストはサイエントークのレンです。
ということで、今回、地震の研究をちょっと紹介してみようかなと思うんですけれども、
地震を観測する方法というのは、ものすごい
盛んに、もちろん日本で研究されていて、地震計自体は100年以上の歴史を持っています。
で、地震計の技術自体も小型化したり、
高精度化が進んで、ものすごい良いデータをどんどん蓄積できているということなんですけれども、
この課題点として、一つ一つ、この地震計を地表に設置する必要があるということなんですね。
で、これはコストもかかりますし、実際に置ける場所、置けない場所というものも出てきてしまうと。
なので、実際に至るところで、地震を感度良く
検出する方法があれば、これはすごく使える技術になるわけです。
で、今回紹介するのは、京都大学の研究グループが
やっているもので、着目したのが分散型音響センシングという技術です。
これ、DAS、Distributed Acoustic Sensingという技術らしいんですけども、
これは、一本の光ファイバーのケーブルですね。
で、これのファイバーのケーブルのどこでどれぐらい
歪みとか伸び縮みがあったかっていうのを、
高精度かつ、このどこかというところまで分布を測定することができるという技術みたいです。
で、しかもこれの測定器っていうのは、ケーブルの端っこに接続するだけで
OKということで、ってことはこれ今、
例えば道路とか沿いに
設置されている光ファイバーケーブルとかがあったとして、
この光ファイバーケーブルの両端に繋いであげると、その間でどれぐらいこのファイバーが歪むかっていうのが
測定できるということですね。で、この技術を地震の観測に使おうということです。
で、これ実際やられたのが京都の南側、京都駅から京丹波町ですかね、
の国道沿いに併設されている50キロメートルの光ファイバーケーブルを使って、
この歪みを実際に測定してみたと。
で、そうするとこの光ファイバーケーブルに沿って1万箇所に地震の揺れを測定するこの
センサーを設置したような、それぐらいに相当するらしいです。この50キロメートルっていうのは。
なので、従来はこれぐらいの50キロメートルぐらいだと、まあ置けて地震系って10から20ぐらいらしいので、
1万っていうのはまずすごい分布の数の地震、揺れを検出することができると。
実際にこれを光ファイバーの伸び縮みっていうもので、地震のS波とP波ですね。
この揺れの部分がファイバーを歪ませるっていうところを、かなり精密に検出できることができるようになったらしくて、
マグニチュード2ぐらいの小さな地震でも、実際にこのDASの記録から求めることができたということみたいですね。
しかもこれ国道沿いなので、車が通ったりとか、いろんな交通のノイズがすごい大きいんですけども、
その中でもちゃんと地震の地下の地殻構造から揺れが反射してくると、伝わってくると。
その波を検出することができたということで、これはしかもこの光ファイバーケーブルっていろんなところにもうすでにあったりするので、
これが全部一気に地震系として使えるっていうのは、かなりインパクト大きい研究なのかなというふうに思いました。
地震観測技術の課題と展望
日本中もそうですし、あとは海底にもケーブルあったりしますよね。
そういうところの、この既存のインフラを全部地震の観測に活用できると、そもそも省電力化みたいなのもできますし、
これをもとに防災対策も今後立てられるんじゃないかということで、
すごい面白いなと思うんですけど、実際課題はあって、地震系は上下と、あとは東西南北の方ですね。
その3次元的な揺れを捉えるっていうのは地震系はできるんですけど、
このケーブルの場合だと方向の動きしか分からないというところなので、
まだ既存の地震系よりもすごいたくさんそれだけでデータが取れるか、3Dのデータまで取れるかというとそうではないということみたいなので、
ただ観測ポイントを増やせるっていうので、この光ファイバーケーブルを使った地震検出っていうのは今後も進んでいくだろうというふうに言われております。
僕自身全然この地震の研究知らなかったので、すごい面白いなと思いますし、
日本中に光ファイバーケーブル多分ありますよね。
なので、今のインフラをうまく使うものって結構いいなというふうに思います。
これちょっと関係ないかもしれないですけど、僕今ロンドンの町に住んでて、ロンドンの町って結構既存インフラをアップデートうまくして、最新技術と融合させて使っていくっていうのを結構やってるなと思います。
数百年経った建物でもうまくリノベーションして、そのうまく構造とか、例えば工場の建物とか、昔からあった倉庫とかそういったものをおしゃれに改装、一部最先端のキッチンを導入したりとかして、今でもかなり使ってるっていうのはあるんで、こういうレガシーを使う研究はすごくいいなというふうに思いましたね。
はい、ということで、今回のサイエンスポットはここまでで、こちらは平日毎日朝に日本語と英語で配信しております。
こういう研究とか、日本の研究機関をいろいろ見てると、やっぱり面白い科学ニュースも無限にあるなという感じがしてます。
ジャンルは僕の好みでちょっと偏ってるかもしれないところはあるんですけど、なるべく広くサイエンスニュースとして扱っていきたいなというふうに思ってますので、ぜひフォローやレビューなどしていただけると嬉しいなと思います。それではまた。