1. レイ・イナモト「世界のクリエイティブ思考」
  2. #143 注目のクリエイティブ 〜..
2025-09-30 16:15

#143 注目のクリエイティブ 〜ラブブだけじゃないアジア発のソフトパワー〜

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第143回は、中国で生まれ世界で大ヒットしている「ラブブ」や、タイ政府が大プッシュしている「バターベア」の魅力をレイ・イナモトが徹底分析。アジア発のソフトパワーはなぜ世界に愛されるのか?クリエイティブ思考を武器に21世紀を生き抜くヒントを紹介します。


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サマリー

今回のエピソードでは、アジアのソフトパワーとして注目されているキャラクター「ラブブ」と、その背後にあるクリエイティブな要素について詳しく探ります。また、タイで生まれた人気キャラクター「バターベア」についても言及し、両者がどのように文化的プラットフォームを形成しているのかを考察します。アジアから誕生したキャラクターたちが世界的に注目を集めており、特にラブブとバターベアがソフトパワーを象徴しています。これらのキャラクターが持つ矛盾や共感は、長期的な人気につながる要素として魅力を引き出しています。

ラブブの紹介と人気の背景
This is ReinaMoro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone. This is ReinaMoro. 皆さん、こんにちは。
ニューヨーク、東京、シンガポールを拠点にするグローバルインベーションファーム I&CO 共同創業パートナーのレイ・イナモトです。
目まぐるしいスピードで世の中が変化する中、この番組は日本人が世界で必要不可欠な存在となるためのヒントを探ります。
今回は注目のクリエイティブをお届けします。
今日もこの番組のプロデューサー、竹村玲子さんと一緒にお届けしたいと思います。
はい、玲子さんよろしくお願いします。
今日の注目のクリエイティブ、何を取り上げましょうか?
今回はアジアで生まれて世界で大人気になっているキャラクターについてお届けします。
なんでこのテーマを選んだんですか?
昔、アジアの国々が、日本も含めて韓国だったりとか中国の国が世界でビジネスをすると、やっぱり車だったりとか家電製品だったりとかハードウェアが中心だったと思うんですが、
最近はアジアのソフトパワーがかなり威力を持っていて、すごく世界的な文化にも貢献していると思うんですね。
なので、その裏っかには何があるのかってことを考えてみたくて、今世界中で大ムーブになっているラブブっていうのを取り上げたと思ったんですが、
その辺は竹村さん、日本でも流行ってると思うので見たことあるかなと思うんですけど、どうですか?
この間原宿を歩いていたら、このラブブを売っているお店の前にものすごい行列が出ていて、すごい人気があるんだなっていうのを改めて実感しました。
なんかうさぎみたいな耳のついたキャラクターで、結構インスタグラムとかでも有名人がカバンにつけているのをよく見かけるなぁなんて思っています。
これはですね、実はラブブを生み出したポップマートは中国の企業なんですけども、このようにアジアで生まれたキャラクターが今世界を席巻しているんです。
では早速ご紹介しようと思います。
いやー、ラブブなかなか手に入らないくらい、今日本でもすごく人気になっています。
はい、そうですね、僕の会社の、日本の会社のスタッフもお店を何軒も回ったけど買えなかったっていう風に言ってたんですが、日本でもすごい人気ですよね。
ユニクロからもコラボTシャツが販売されていたんですが、もうすぐに完売してしまったそうです。
アメリカでもこれ偽物が出回ってるほどの人気になってますね。
うさぎみたいな耳といたずらっ子みたいな表情が可愛いですよね。
これ何の動物なんだろうって思ったら妖精なんですよね。
これはですね、2015年に香港のアーティスト、絵本アーティストであるカシン・ランさんという人がモンスターズという3つのお話からできている絵本を書いて、その中で作られたキャラクターがこのラブブなんですね。
この2015年にカシン・ランさんが書かれたキャラクターを数年後にポップマートがそのライセンスを買って、そしてキャラクターとして売り出したのがもうつい最近のことなんですが、それが徐々に人気が出て、
2つ要因があるんですけど、1つは売り方が英語でブラインドボクシングって言うんですけども、いくつか色があるバージョンのキャラクターを箱に入れて送るんですけども、何色のキャラクターが来るかわからないっていう売り方をしてるんですね。
そうすることによって、この色が来るかわからないんで開けてみたらこの色だった。でももっと他の色が欲しいからっていう集めたくなる、コレクションにしたくなるような動機を作って売って、それが結構はまった、そして流行ったっていうのがあるのが1つ。
もう1つはそれに加えて、これが結構かなりキーだったと思うんですけども、かなりのビッグネームのアーティストたちが、例えばそのK-POPアーティストのLisaとか、イギリス人のDua Lipaとか、もう何百万人も、下手したら何千万人レベルのフォロワーがいる人たちがこのキャラクターを気に入って、
それのぬいぐるみだったりとかキーチェーンだったりとか持ってるのをインスタとかTikTokに投稿して、それも火のついた理由で、今となっては全世界になんと、僕もこれ知らなかったんですけども、店舗が120個以上の直営店があるっていうぐらいまで規模を拡大してるらしいんですよね。
ラブブの魅力とクリエイティビティ
いやーすごいですね。
しかもすごいのが、例えばニューヨークだとニューヨークのワールドトレードセンター、僕その近くなんですけども、そこにお店があったりとか、あとパリだとルーブルの美術館の近くとか、本当に人が多い一等地にお店を構えてるんです。
いやーそんなにいっぱいお店があるのに、もうなかなか手に入らなくて偽物が出回るほどの人気って、いやすごいレベル感だなーなんていうふうに思いました。
僕がこのラブグですごいと思うのが、実は矛盾なんですね。
これどういうことかというと、この可愛らしいウサギっぽい、ウサギにインスペーションを得てるようなキャラクターではあるんですが、目が大きくて可愛らしいんですけども、牙があったりとかで、
なんかこの可愛らしいところと小悪魔的なところで、このカシン・ラムさんの絵を見ても確かに可愛いんですけども、でもちょっと怖いっていうところもあって、ちょっと見にくい要素もあって、その可愛いと見にくいみたいなその矛盾が共存してるんですね。
実はクリエイティビティに矛盾っていうことは美容で、矛盾があると何かこう違和感が生まれて、その違和感がその共感につながるっていうふうに思うんですけども、それがカシン・ラムさんがどこまでそういうふうに具体的に意識されたかわからない、直感的に描いてたと思うので、あまり分析をされてないと思うんですが、
可愛いっていうところと怖いっていうところの両立、この彼の描かれた絵本がモンスターズという怪物というタイトルではあるので、そういう部分もあるんですけども、モンスターなんだけども可愛らしい、愛おしくなるような要素があるっていう、その矛盾がこれの魅力の一番の根源なんじゃないかと思います。
ちょっとこの違和感がなぜ共感を得るのかっていうところの説明をしたいんですが、この違和感っていうのは目に見えないところでも起きてるんですね。その代表的な例が音楽なんですけども、音楽の世界でアポジアトゥーラっていう手法があるんです。
これはクラシック音楽の手法で、何かというと音をずらすっていう手法で、例えば、うーんって音があった時に、あえてうーんみたいに音をずらすことを意図的にするんですね。
もっと具体的に言うと、予期せぬ音をあえて出すことによって、そういうズレを作って、そして人の気を拭くっていう手法があるんですけども、もともとはクラシック音楽の世界で使われていた手法で、それって今の現代の音楽でも使われていて、例えば代表的なところで言うとアデルっていうシンガーがいるじゃないですか。
彼女とかの音楽を可視化すると、実はアポジアトゥーラっていうのは予期せぬ音のズレっていう意味なんですけども、それがところどころで起きてるんですね。
で、歌を歌ってる時にあえて声をずらしたりとか、あえてちょこっと外すことによって、何かが違うっていう予期せぬことが起こることによって、聴いてる人の脳みその中で気が引っかかる。
で、アデルみたいなああいうビッグアーティストですごく才能ある人はそれを無意識にやってると思うんですけども、実はそれって意図的な手法として作られたもので、科学的にもそういうズレがあると人の気が惹かれるっていうことが証明されてるんですよ。
で、それは乙女世界なんですけども、このビジュアルの世界、例えばこのキャラクターの世界でいうと、モンスターズっていう怖いキャラクターなんだけど可愛らしいっていうその予期せぬ期待とちょっと外れてるところが人の気を引いて共感を持っている風になってるんじゃないかと思います。
タイのキャラクターバターベア
なるほど。
そうですね。だからクリエイティビティには矛盾が必要で、矛盾が生む共感っていうのがあると思います。
他にも気になっているキャラクターありますか?
はい。2つ目はですね、最近それこそこの番組のチームメンバーに紹介されて僕は知ったんですけども、タイで生まれた人気キャラクターのバターベアなんですね。竹村さんこれは知ってました?
いやー全然知らなかったのでちょっと調べてみたんですけど、なんかちょっと柔軟剤のファーファのキャラクターに似た可愛いクマですよね。
そうですね。これはですね、もともとタイにあるマスコットキャラクターだったんですが、動きとかも結構特徴的で、ダンス動画も人気で、そのダンス動画が今はタイのみならず中国だったりとか海外でも注目されてるんですよね。
なるほど。
そしてですね、このキャラクタータイ政府も観光促進のキャンペーンにバターベアを起用して、そしてこの先ほどご紹介したラブブーとコラボさせるなど、結構な力を入れてタイがこれをプッシュしてるっていうことがあります。
なので今日ご紹介したラブブーそしてバターベアはこれからさらに人気が出そうだなと思っています。
先ほどラブブーの人気の秘密で、このちょっと違和感を組み合わせる、可愛いだけじゃなくて牙があったりっていうその違和感が共感につながるっていう話があったと思うんですけど、
このバターベアも実はちょっと予期しない動きとかをして、ダンスとかちょっとなんかなんでこんな動きするのみたいな動きとかするところがちょっと違和感で魅力の秘訣なのかなーなんていうふうにレイさんの話を聞いて思いました。
そうですね、僕もこれ見てから分析して考えてみて思ったんですけど、やっぱりそのやっぱり矛盾っていうのがあって、ラブブーとはちょっと違って小悪魔的なところはなくて、キャラクターの見かけはすごく可愛らしくて抱っこしたくなるような存在かなと思うんですけども、
ダンスとかを見ると逆になんかすごく大人っぽいダンスとかをしたり動きをしたりする。でもそれがそれで矛盾で、さっき言ったその矛盾から生まれる共感っていうところにもつながってるんじゃないかなと思います。
日本のキャラクター文化の強み
いやーアジアから出てきているこのソフトパワーというか、アジア発のキャラクターすごい熱いですね。なんか世界で人気のキャラクターというと私は真っ先に思い浮かんだのが日本生まれのキティちゃんなんですけど、
キティちゃんがヒットした時の世界戦略とこの他のアジアの国のキャラクターの世界戦略って、なんか似てるところがあったりそれともまた全然違ったりとか何かレイさん気づいたことってありますか?
このアジアのソフトパワーのことで考えると、今リアルタイムにラブみたいなものがあったりとかバターベアみたいなものが人気が出たりするんですけど、もっと長いスパンで見るとハブキティってあれって1974年にサンリオのデザイナーの方が20代のところにデザインをして、
全く同じデザインのものが50年以上経った後も日本だけじゃなくて、そして世界で愛されている。ポケモンもあれももう20年30年もあって、アメリカに進出して多分25年ぐらい経ってると思うんですけども、
大人だと子供の頃にそういうカードを集めたりだったりとか、あと僕は今小さい子がいるので公園とかよく行くんですけども、5歳とか10歳以下の子供たちが普通にポケモンのキャラが描いてあるようなTシャツを着てたりするんですね。
気を付けて見てみると結構いるんですよ。そのポケモンのデザインって25年とか全然変わってないわけで、アニメっていい意味で年取らないじゃないですか、キャラクターが。
例えば音楽とかって一時的にヒットして、1年とか2年とかヒットして長くても次のものにどんどん入れ替わっちゃうっていうのがあるんですけども、アニメってすごいタイムレスなものなんだなっていうのが、今ちょっと改めて話して思ったんですけども、
カルチャーの中に切り込んでいく要素として、そしてなおかつタイムレスにすごく長く世界のカルチャーの一部になっていく、すごく重要な資産だなっていうのをちょっと今話してて思いましたね。
アジアがソフトパワーを押し出すようなきっかけは、やっぱりキティちゃんだったり、そういったポケモンだったりの大ヒットっていうのはありそうですね。
これだけやっぱり時代の変化の流れが早い中で、50年愛される、30年愛されるってすごいことですよね。
だから日本のそういうものを作ってる企業も、多分ちょっと偶発的に世界に出ていったりとか、あと海外だと、ただライセンスを渡して海外のディストリビューターが世界でヒットさせてるっていうところも実は少なくないんですね。
っていうのは日本で作られたものなのに、日本の企業とか全然得してなくて、お金を儲けてるのは海外のディストリビューターだったみたいな話も少なくないので、その辺は戦略的にやっていくと、今後の日本の成長にもつながるんじゃないかなと思います。
さてここまで応募してきましたリナウトの世界のグレイズブシコー。今回はアジア初の人気キャラクターについてご紹介しました。
ただ可愛いなぁと思っていたものの背景に、いろんな戦略だったりとか、もうヒットするべくしてしたんだなっていう要素が重なっているっていうのは、レイさんの解説を聞いてみて初めて気づいたことが今回たくさんありました。
なので、もちろんヒット作を生むっていうのは狙ってやって百発百中のわけではないですし、なかなか計算しきれないところが多々あるとは思うんですが、その一方、この話とかでもいろいろ分析してみると共通点があったりとかするので、そういうところを意図的に、そしてなおかつ、特に今日取り上げたキャラクターっていうのはすごく息が長い。
それも世代を越えて1年2年だけのスパンではなくて10年20年のスパンで作り上げていくことができるものだと思うので、そういうキャラクター文化がある日本の強みの一つとして今後の何かのきっかけになれればいいなとは思います。
世界のクリーニッシュコーナー、お相手は稲本と竹村由紀子でした。
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