2025-03-04 36:22

#114 実例集「HUMAN MADE 日本のブランドが海外で愛される理由」

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第114回は、実際にクリエイティブ思考を使って問題を解決した事例を紹介する「Mind Shift 〜発想の転換〜」をお届けします。今回は、HUMAN MADEのCEO 松沼礼さんをゲストにお招きし、「日本のブランドが海外で愛される理由」についてお話を伺いました。


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サマリー

このエピソードでは、ライフスタイルブランドHuman MadeのCEO、松沼レイさんをゲストに迎え、日本のブランドがどのようにして海外で成功を収めているのかを探ります。松沼さんはユニクロでの経験や、Human Madeの急成長についても語り、経営やブランド戦略の重要性について解説しています。日本のブランド「HUMAN MADE」は、そのユニークな商品作りと文化的背景によって海外でも支持されています。このエピソードでは、日本のものづくりの強みや文化的特性について深掘りし、国際的な市場における成功要因を探っています。ヒューマンメイドがどのようにして日本のブランドが海外で愛される理由を探り、語りすぎないことやノンバーバルの重要性、文化の入り口を作ることが鍵であると述べています。特に、日本の文化や伝統工芸をポップにアプローチする方法についても触れています。松沼玲さんとの対話を通じて、日本のブランドが海外で愛される理由が探求され、言葉に頼らず感受性を重視するアプローチが国際的な魅力を生み出していることが示されています。

Human Madeの成長と背景
This is ReinaMoto's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is ReinaMoto. 皆さん、こんにちは。
ニューヨークと東京、シンガポールを拠点にするグローバルイノベーションファーム I&CO 共同創業パートナーのレイ・イナモトです。
目まぐるしいスピードで世の中が変化する中、この番組は日本人が世界で必要不可欠な存在となるためのヒントを探ります。
今回は MindShift 発想の転換をお届けします。
このコーナーでは、ビジネスシーンで実際にクリエイティブ思考を使って問題を解決した実例をご紹介します。
今日もこの番組のプロデューサー、竹村優子さんと一緒にお届けしたいと思います。
レイさん、よろしくお願いします。
今回、MindShift 発想の転換でお話を伺うのは、ライフスタイルブランド Human Made の CEO 松沼レイさんです。
Human Made は二郷さんがクリエイティブディレクターを務めるブランドで、海外でもすごく人気があって、ここ数年ですごく成長しているブランドなんですね。
松沼さんにお話を聞きたいなと思った理由がいくつかあるんですが、まず一つにほんの数年で何倍にも成長していて、
ブランドとしては2016年の2月に設立されているので、8年から9年くらいの歴史がある。
そこまで古い会社ではないですが、すごく新しい会社もないんですけども、ここ数年で成長が著るシーンですね。
それも松沼さんがまず COO として全職のユニクロから Human Made に転職をされて、それからぐわっと伸びているっていうのがあって、
その秘密は何なんだろうっていうのがまず聞きたかったことの一つ。
2つ目に松沼さんとお話がしたいなと思った理由はですね、Human Made は日本初のブランドで、
ジャパニーズブランドとして世界でいろんなところで愛されているブランドで、なかなかそれって数少ないと思うんですよ、この新しいブランドとして。
なのでその秘密を知りたくて松沼さんにコンタクトしたのが今回の対談のきっかけでした。
では早速そのブランドの秘訣に迫っていきたいと思います。今回は日本のブランドが海外で愛される理由をテーマにお届けします。
ユニクロでの経験
では早速お話を伺いましょう。
ちょっとリスナーの皆さんに僕と松沼レイさんの背景なんですけれども、
実は松沼さんがユニクロで長くご活躍されていて、合計で何年ぐらいしちゃったんでしょうか?
17年ぐらいですね。
17年か。
で、UT の責任者をやられていたりとか、あと店舗のオープニングだったりとか、イベントだったりとか、
いろんなところで直接間接的に松沼さんとお仕事をそれこそユニクロの時代にちょこちょこさせていただいたんですけれども、
僕が思い出に残っているのがバルセラナのお仕事で、あれもう6、7年前ですかね。
そうですね、それぐらいは絶対経つでしょうね。
そうですね。
で、その時に松沼さんが多分スペインで初めてのお店ですよね。
そうですそうです。1号店でした。
1号店でしたね。
それのオープニングの時に関わっていらっしゃっていて、僕にご依頼をいただいて、店内の画面に床から天井2、3メートルぐらいあるすごい巨大な画面に淡々と日本の何気ない風景を流すという企画を提案させていただいて、
で、あれ実は僕去年バルセラナに行ったんですけど未だにあって、映像変わったんですけども同じコンセプトでその目線でこう日本の風景を撮るっていうのがスペインの人にも届いているんだなっていうのが6年、7年ぐらい同じ良いものがずっと流れていて、
素晴らしい。
嬉しかったんですけども、そういう仕事をしたりとか。
それでもうユニクロでずっとやってらっしゃったので、もうずっと先もユニクロにいらっしゃるのかなと思ったら3年前ですかね。
ちょうど3年ちょっと経つぐらいですね。
3年ちょいぐらいにユニクロからヒューマンメイドに行かれて、最初はCOOという形で行かれたと思うんですけども、今CEOになられて、そしてそのヒューマンメイドの日本、そして海外での成長をすごく引っ張っていらっしゃるということで、
会社のビジョンと価値観
そもそも松沼玲さんはもともとデザインやってらっしゃったんでしょうね。
もともとデザインは独学で遊びでやってた。
友達のイベントをやるからフライヤーを作るとか、フォトショップとかイラストレーターとかも身を身真似でやっていて、
グラフィックデザイナーってかっこいいなみたいな、そういう若気のいたりでやってて。
それをやってたからこそ、たまたまですけどユニクロに入れたっていうのもあったので。
ユニクロにはデザイナーとして入られたんですか?
ユニクロにはグラフィックデザイナーとして採用いただいたんですよね。
もう20年以上前の話ですか?
もう今からそうですね。ちょうど20年以上前ですね。
今、経営という、例えば数字とか細かいことを見なきゃいけない立場になったと思うんですけど、
それはだんだんそっちの方に行ったのか、どっかでそっちに行ったのか、どういうざっくりと見ちゃったんですか?
自分で考えたことは一つもないですね。
波が来たら乗るじゃないですけれども、全部何か導いていただいたなっていう気がしていて。
グラフィックデザイナーで入ったんですけれども、ユニクロの当時のMDの上司の方が、
松沼くんはデザインするよりも企画とか考えて、それをやった方が合ってるからそっちの方やったらどう?っていうふうに言ってくれて、
当時のデザイナーの上司もそういったことを思ってくれて、
だんだんその企画とかライセンスとか見るようになって、自分でデザインをするっていうこともやりながらで終わったんですけども、
だんだんそこでチームを持つことになって、そのチームを持つと初めて部下を持つので、
マネージメントとかマネージャーってなんだ?みたいなことが気づくじゃないですか。
いろいろ教えてもらいながらそういったこともやっていって、
あとは本当に矢内さんにいろんなことのきっかけを与えていただいたっていう感謝でしかないんですけど、
そういったUTっていうビジネスもやりながら、当時デジタルマーケティングとかの領域である方が突然いなくなってしまって、
その後継として、僕全然マーケティングとかデジタルのこととか全くやったことなかったんですけど、やってみたらどうかって言われて、
開講一番僕はそんなことやったこともないですし、多分僕には難しいかもしれませんけどって言ったら、
最初は誰だってやったことないんだよっていう至極当然な真理のようなことを言われて、
そうですねっていう話でやらさせていただいて、やっぱりやっていくとそれに対する興味も湧いてくるし、
だんだんやり方も分かってくるし、そういうふうにマーケティングの領域とかPRの領域とかいろんなものを勉強させていただきながらやっていくうちに、
それでユニクロのときはやってたんですけど、その2号さんとお仕事をしていく中で、
ヒューマンメイドに行ったきっかけの一つでも、経営をやってほしいっていうお話もあって、
自分からは別に経営をやりたいとか経営者になりたいって思ったことは一度もなかったんですよ、それまで。
なんだけど、向いてると思うっていうか、やってほしいっていうことはやってみたらいいのかなっていう。
だから、あまり誰かにこういうのやったらいいんじゃないとか、こういうの向いてると思うよっていうことに対して、
なんかすごい素直に言った結果なのかなと思って。
始めはおっかなびっくり、わからないことだらけなんですけど、経営に対してもいろんな経営のプロフェッショナルの方がいる中で、
本当もうまだまだ全然未熟だしダメだなって思うことが多々あるんですけど、
それの中でも、なんか経営ってこういうことなんだなとか、こういうことが楽しいなとか、
なんとなく自分の中でもわかるような部分も出てきて、すごい今は経営させていただいているのが楽しいですし、
会社の人たちと一緒にやるっていうことが向いてるんだなっていうふうには気がついたって感じですかね。
なるほどね。じゃあ、人を引っ張っていく、会社を引っ張っていく、経営していく上で何を大切にしてます?
いろんな観点からなんかあると思うんですけど、やっぱり経営者の仕事ってよく成果を作ることと育成をすることっていうことが2つ大きな経営者の仕事だと思っていて、
成果を出すこととその組織を作って育成することっていうことをする上でやっぱり大事なのは会社としてのビジョンとかミッションっていうのを定めて、
それに対してキリスト教の宣教じゃないですけれども、もうそれをやっぱり自分の言葉と思いで会社の社内外に対して伝えていって、
それに対する共感とかを得る。その共感を得るためにやっぱり必要なのは大事としているバリューについて、
僕たちの会社はこういうバリューを大事にしています。こういうバリューの人たちに来てほしいと思っている。
こういうバリューの人だったら昇進昇格しますっていうその採用の基準だったりとか人事評価の基準ということを作っていくっていう、
全てがだから連動している話なのかなと思ってるんですけども、やっぱりその根底となるような会社として何を成し遂げたいかとか、
会社としてどういう人が大事だと思っているかっていう基準が、やっぱり個と会社っていうのの価値観っていうのが近ければ近いほどやっぱりそこは強いと思うので、
いかにそういう会社の環境づくり、制度づくり、人づくりみたいなことができるのかっていうのが一番大事な話なのかなと思ってますね。
なるほどね。生活と育成、人とビジネスを作っていく上での二つの軸で。
そうですね。けどやっぱりその世界で戦っていって世界でどんどん勝っていくっていうことを、やっぱり僕たちはチームプレイでそういったことをやっていきたいっていうことがありますし、
勝つってやっぱり大事ですよね。勝つ。
常に勝っていくっていうか、それはチームもそうだと思うんですけど。
そこで言うと今勝つっていう言葉どういう意味ですか?いろんな意味があると思うんですけど。
例えばこの前誰かと話したときに、日本と韓国ってこういう違いがあるよねって言ったときに、韓国のK-POPとかってすごいですし、
彼らは大谷さんとかと近くて個人競技だと思うんですよ。
K-POPスターがいて、ドラマが流行って、映画が流行ってて、ああいう風なコンテンツが作れるっていうのって、
人が立つ国であり人が立つ商売の仕方とか人が立つっていう文化形成がされてると思うんですけど、
日本の文化と裏方の役割
日本ってそれは国民性も含めてなのかもしれないんですけれども、ある種裏方、例えば漫画とかアニメとか日本食とか洋服もそうですよね。
全部コンテンツとか作品が立つじゃないですか。
実際作ってる人とかっていうのは裏方っていうか裏にいるっていう。
僕が作ったもので見てくれっていう部分、国民性の違いもあるかもしれないんですけれども、
そこに僕たちの世界に勝っていく秘密があるなと思っていて、
今日本食が世界で流行ってるとか日本のIP、漫画ゲーム、ポケモンとかキティとかあらゆるものが人気だと思うんですけど、
自分たちが立たないんだけれどもそこで作られてるものの部分が世の中に見えていくっていうところに日本の世界で勝っていくポイントがある気がしていて、
その辺がキーというか考えていった方がいいかなと思ってますけどね。
確かに人を立たせるのか物を立たせるのかっていうことを考えると、
その辺はHuman Madeっていうブランドがある意味すごく、もちろん2号さんっていうカリスマ的な人がいるんですけども、
その延長線上でもあるかもしれないんですけど、
物が前に出ているビジネスが世界で戦えて日本の国境を越えて競して戦えてるのは、
日本のものづくりの文化っていうと言い方が違うかもしれないですけども、
その辺が滲み出てるのかなっていうのはちょっと今。
いや、そうそうそうそう。これは得意な才能なんでしょうね。
日本人の。
日本人の。
多分日本人のレベルで日本食、日本食はもちろん日本人が作れるから日本食だと思うんですけど、
漫画とかアニメとかゲーム、
多分そこってね、より掘っていったら面白い貝が見つかるかもしれないですけど、
なぜそういう風な文化背景が日本だけ生まれていって、
そこはすごい、やっぱり他国が真にしようとしてもできないような部分だと思うんですよね。
それを効率性を持って安価にできるじゃないですか。
だから外国の人は日本に来て、こんなに安いのにこんなに美味しいご飯が食べれるとか、
こんな漫画とかアニメは見たことないっていう風な話になってくるから、
そこはね、面白いテーマというか。
あとそれで言うと品質っていうところも、
例えば同じ値段だとしても日本で作られているものは品質が全然いいとか、
それこそユニクロさんの話に戻っちゃうと、
ユニクロで作られているTシャツだったりとかシャツと同じような規模の、
例えばZARAとかH&Mと言っても品質が全然違うから、
同じ値段、例えば2000円とか5000円とか払ったとしても、
H&Mのシャツは3回着たらもうゴロゴロになっちゃうのに、
ユニクロだと10年着てもまだ着れるみたいな。
だからそういうところを考えると目に見えない日本人の質へのこだわりっていうのは、
日本のブランド、これもH&Mも含めて目に見えない強みっていうのは、
HUMAN MADEのブランド戦略
一つの武器になるのかなって今ちょっと聞いてて思いました。
価値の伝わり方っていうのが、やっぱりそれって非言語化されたものだと思うので、
食べ物とかアニメとか芸術とかキャラクターとかって、
だからこそそこに僕たちが世界で伝えていくときの強み、余白があるなっていう。
海外展開する場合に、ちょっとこれいきなり細かい話になると思うんですが、
言語の壁だったりとか文化の壁っていうのは絶対出てくると思うんですけども、
にごさんの場合だともう海外でもだいぶ認知度があって、
あとやっぱり海外のアーティストとのつながりとかもあるので、
日本人の中ではグローバル展開ができていらっしゃる方だと思いますし、
ブランドとしても他の日本発のブランドにすると、
海外慣れてるのかなっていうとちょっと言葉が間違ってるかもしれないですけども、
そういうときに、例えば韓国だと英語ではなくて韓国になったりすると思うんですけども、
なんかそれでの壁だったりとかハードルだったりとか、ぶつかった課題とかってどういうのがあります?
そうですね、あんまりそこまでの大きな壁は感じていない。
もちろん担当としてやられてる方は多くの壁を感じてたりとか課題を感じてるかもしれないんですけれども、
ノンバーバルであることが強みだと思っていて、
そのブランドとか商品とか、
要は言葉を介在せずともその価値が伝わったりとか、
その熱量が伝わるような商品作り、ブランド作りっていうことが大切だなと思っていて、
そうするともちろんブランドに対する理解とかは必要なんですけれども、
根っこの部分で言語を介さなくともそこに対する理解がお互いで持ててると、
基本的には韓国の方も英語を喋れる方多いですし、
僕とかも全く英語を喋れないですけど、
拙い英語とかでも価値観がそもそも共有されてる中で会話ができる部分もあったりするので、
韓国の方は特にそういったことですごい理解が深かったっていうのもあるんですけれども、
もちろんそういった意味で言うとパートナーさんの選び方も重要ですし、
そこに対する共鳴できる価値観の言語化みたいなことは必要なんですけれども、
まずは商品力だったりとかブランド力みたいなことが前提にあると、
結構いろんな壁は乗り越えられやすいという気はしてますね。
ちょっと今おっしゃられた言葉でそのノンバーバルっていうことがあるんですけども、
そのブランドを作っていくとか何かを伝えていくときって、
ある程度やっぱり言葉にならないと伝わらなかったりとかするんですが、
具体的にじゃあヒューマンメイドさんがブランドというのをノンバーバルで伝えるっていうと、
具体的にどういうことがあるんですか?
そうですね、あえてそこがちょっとミステリアスな部分かもしれないんですけど、
ヒューマンメイド自体はフューチャー・イズ・イン・ザ・パストっていう、
日本語で言うと恩子知信というか、未来は過去にあるっていう、
二郎さん自身がクリティブディレクターとしていてくださるんですけれども、
彼って膨大な素晴らしい歴史に体系を裏付けされたヴィンテージのアーカイブをお持ちだったりとか、
いろんな物事に対する造形が深かったりとかっていうのもあるんですけれども、
過去の知見に裏付けされたものから商品開発をしていくとか、サービス開発をしていくとか、
やっぱりその歴史に紐づいた上で物を作っているっていうことがあって、
その時に結構、ともすれば、
例えばジーンズだったりリーバイスに古い歴史があったりとかしていて、
リーバイスのいついつみたいなことっていうのが僕たちの服づくりにとって、
ここではポイントとして見ていこうかっていうのもあると思うんですけれども、
あえて僕たちは別に、自分たちの服づくりの裏の背景とかっていうことを説明することは一つもなくて、
やっぱりその服を見た時に、なんかユーザーお客さんとかの中で、
ちょっと懐かしみで、なんか見たことあるんだけど見たことないみたいなことの余白感というか、
なんかこう手触りとして、ちょっとミステリアスに思うような部分っていう、
そこの部分をすごい大事にしたものづくりをしているので、
なんかもちろんグラフィックが可愛いとか、そういったものもあると思うんですけれども、
なんかそのあたり、あまり服に対して言いすぎないというか、
商品の説明をしすぎないみたいなことも、そのブランドを作っていく上では大事っていうのがあんまりこう、
僕もそうですけれども、すごい商品の説明をわーっと聞いちゃうと、
もうそれだけでなんかお腹いっぱいになって、
逆にもうそのことに対して興味関心がなくなって、
なんか欲しくならないみたいなこともあるかもしれないんですけど、
なんかそこよりかはもうちょっとそのものを見たときに、
自分でやっぱ探求したくなるとか、そのものに対して興味関心が湧いて、
それに対してもっと知りたくなるみたいな、
そういったきっかけがそのものに対する熱量を生んだりとか、
ブランドに対する熱量を生んだりとかするかなと思っているので、
意識的にでもなく無意識なのかもしれないんですけれども、
そんなことをちょっと気をつけながらはやってますね。
デマンドの創出と広告戦略
改めて今松山さんのお話を聞いていると、
もちろんそのヒューマンメイドっていう言葉はあるんですけども、
例えばナイキだとJust Do Itみたいになったりとか、
ユニコーラだとLifeWareみたいなのがあったりとか、
もちろん先ほどおっしゃられたそのFutures in the Pastっていう言葉はあるんですが、
確かにそれ以外にキャンペーンがあるとか、
そういう感じでは全くなくて、
そうした時にやっぱり人間なので、
言葉でコミュニケーションをしている生き物なので、
これがすごいよねとか、これが面白かったよねみたいなことがあると思うんですけども、
やっぱりヒューマンメイドっていうブランドと、
あとNigoさんがずっとやられてきたことについてきてくださっているファンの層が厚いから、
ビジネスとして成り立っているのか、
でもここ数年で2倍、3倍、4倍とビジネスが増えているってことは、
新規の方もすごく多いと思うんですけども、
どうやってアピールっていう言葉があっているかわかんないんですが、
どうやってそのデマンドを作っているんですか?
あえてデマンドを作ろうとしていないことがデマンドを作っている気が、
今の話を聞いて思いましたね。
いわゆる広告宣伝費みたいな、
普通の会社さんだとあると思うんですけど、
自社のオウンドメディア、インスタグラムとか、
ウェブサイトとか、ニュースレター、メールマガジンくらいなので、
ペイドのメディアで何かをやるっていうことはないんですね。
だからその情報を出してデマンドを作るっていうよりかは、
情報がなくてそれに対して気が気じゃないっていうか、
気にさせるようなブランド。
じゃああえてさっきもおっしゃったみたいに語りすぎない、語らない。
そうそうそうそう。
っていうブランドの作り方が、
この時代性なのかわからないんですけれども、
なんかそこに対する興味感度みたいなことを引き付けて、
逆にだからその面白いのは、
僕たちが自社ではやってなくて、
ファンコミュニティの役割
よく自社でやってるんですかとか言われるんですけど、
ファンの方が自発能動的にアカウントを作って、
ファンコミュニティのインスタグラムがあったりするんですよ。
そこで色々商品にまつわる話だったり、
お店にまつわる話だったりとか、
ちょっとしたティップスみたいなことを良かれと思ってるのか、
それを楽しんでるんですよね、彼らがコミュニティの中で。
あの時に出た商品がああじゃないかとか、
このお店のこういったところがユニークなんじゃないかっていう。
普通だったら企業側から発信するようなことっていうのを、
僕たちは言わずに、第三者であるファンというかお客様たちが、
なんか能動的にそれをやってくれてるのを見ると、
なんかそういう気持ちに支えてるのかなという気がしてるので、
そのあたりが、デマンドの作り方がちょっとユニークですよね。
それは松村さんがヒューマンメイドに入られた時から、
もう自然とファンの人たちがそういう活動をしてくれたりとか、
デマンドっていうのはもうすでにあったものなのか、
もしくは、でもやっぱりここ3年でこれだけ伸びてるってことは、
デマンドが増えないとここまで伸びないと思うんですけど、
それもじゃあ、あえてそこに無理に力を入れずにやってることが、
逆にデマンドになってるってことですか?
そうですね、そういうことになるのかな。
あとは、もちろんコミュニティの進のが広がっていったりとか、
あとはやっぱりK-POPとか、
いわゆる韓国のミュージックシーンを牽引してるような人たちも、
別に僕たちから積極的なアプローチをしてるっていうことはないんですけれども、
すごい好き好んで来てくださってる方も多くて、
そういった方たちをフォローしてる方とか、
元を正せば、そういった韓国とかK-POPのスターとかミュージシャンとかも、
見ている先はアメリカだったりとか、
アメリカのヒップホップシーンとか、ミュージックシーンの中で
影響を受けてきてるような人たちも多いですし、
そういった時に、今僕たちのアドバイザーで言うと
ファレルさんとかカウツさんっていう方もいらっしゃるんですけれども、
やっぱ彼らが築いてきたシーンっていうのが、
経営不都市あって、
そこからの影響から来てるような話のようにも見えますし、
あらゆることがいろいろ複合的に組み合わさった結果が、
今のデマンドを作っているっていう感じなのかなと思います。
日本のブランドの意識
ブランドっていうところで言うと、
日本のブランド、ジャパニーズブランドっていうところで、
その外部の人間として、
ヒューマンメイドさんの商品だったりとか、お店とかを見ると、
ちょこちょことその日本らしさが、
これってやっぱり日本のブランドだから、
こういう要素があるとオーセンティックなんだなみたいなところが買いまみれる。
例えばお店の中のちょっとノレンっぽい、
ああいうものがあったりとか、
あと服でもちょっと浴衣のデザインを取り入れたようなものがあったりとか、
すごく明確に日本のものっていうところではないんですけども、
日本のことをわかっている僕が見ると、
これって日本からインスピレーションをもらっているんだなっていうのが、
ちょこちょこ見れるんですけども、
ブランドとしてその日本のことだったりとかっていうのは、
どういう意識をされているんですか?
そうですね。
そこまで意識しているっていうことではないんですけども、
やっぱりやっているのはほぼ日本人の方がやっているし、
日本初でグローバルに成長できる傾向な企業としてやっていきたいっていう思いがあるので、
オリジンというか誇りみたいなのは、
やっぱり日本の会社がこれから世界で戦っていくって言った時に、
やっぱり僕たちのユニークネスっていうのは、
日本っていう日本の文化であったりとか、
いろんなことだと思うので、
そこに対する意識とかはありますね。
商品の話とかでも、
ヒューマンメイドをちょっと日本語っぽくした人間性っていうのがあるんですね。
人間に製造の性とか言って、
人間性、逆に言うとヒューマンメイドになるんですけど、
それは着物に属しているものとかもあるんですけど、
伝統工芸ではハリコだったりとか、
うちわ、風鈴、いろんなものですね。
お正月を彩るようなアイテムとかも含めて、
人間性って形作ることによって、
やっぱり僕たちの社会理性の一つとしては、
日本の伝統工芸とか、
やっぱり海外の方がまだまだ知らないような、
僕たちが継承すべき、
そういった民芸、工芸、商品っていろいろあると思うんですけど、
それを僕たちのエディティングの仕方で、
ある種ポップにカジュアルに、
うちのIPを乗っけてやることによって、
全然見方が変わったものとして海外で受け入れられたりとかしていって、
それきっかけで、日本のハリコって何なんだろうっていうふうなきっかけになったりとか、
そういう文化への入り口を作るようなことにも、
まだまだ魅力ながら貢献はしていきたいなと思っていて、
なのでそこら辺が社会から求められていくような、
海外展開の戦略
自分たちの意味とか意義につながっていくのかなっていう気はしてますね。
さてここまでお送りしてきました、
レイナモトの世界のクリエイティブ思考。
今回はマインシフト、発想の転換で、
日本のブランドが海外で愛される理由をテーマにお届けしました。
レイさん、今回松沼さんとお話しされてみていかがでしたか?
これはやっぱり当たり前だよなっていうところもあれば、
そういう見方があったのかとか、
意外な視点もいろいろ共有してくださって、
このHuman Madeというすごくブランドの力がある組織が、
裏側でどうなっていたか、
そしてどういうことに重要ポイントを置いて、
松沼さんが経営をされているのかっていうところが、
改めて聞けて非常に勉強になりました。
なので今回のお話の、
この日本のブランドが海外で愛される理由、
そのうちの3つっていうのを紹介したいと思います。
まず1つは語りすぎないことの重要性。
2つ目はノンバーバルが武器になる。
そして3つ目は文化の入り口を作っていく。
この3つがこのHuman Madeという日本初、
そして世界で愛されているブランド、
今後もっともっと伸びていくとは思うんですが、
お店は日本以外に数カ所しかないんですけども、
88カ国でECで問い合わせがあって、売上が出てるって、
それってすごいことで。
すごいですよね。世界中っていう感じですもんね。
それも10年も経っていない月日なので、
そこまで歴史が深いわけではないんですよね。
そういう時にこの3つのことを大事にされてるっていうのは、
すごく意外だったんですね。
まずこのキーター・カウェイの一番最初のポイント、
語りすぎないことの重要性っていうのは、
これは僕はもしかしたら一番意外だったかなっていう風に思うんですけども、
やっぱり商品っていうものを打ち出すと、
こういう機能があるんですよとか、
こういうところがいいんですよとか、
こういうコンセプトでやってるんですよっていうことを、
すごく説明したくなるのが企業側の癖、
そしてブランド側の癖だと思うんですね。
なんですが、松沼さん、
そしてヒューマンメイドの商品企画のやり方だったりとか、
商品を発表していくやり方を聞いてると、
言葉としての情報ではなくて、
情報としての商品という捉え方をしていて、
その商品を出していくこと自体が、
それが情報になっていく。
だからあえて説明しなくても、
それを毎週だったりとか、
定期的に出していくっていうルーティンを作っていくことで、
それが情報になって、
言葉で説明をしなくても、
絵だったりとかデザイン自体が情報になっていくっていう、
情報って聞くと何か言葉をベースにしたものっていう風に思いがちなんですけども、
物としての情報、
逆に情報としての物っていう、
そういうやり方をヒューマンメールさんは、
以前はもしかしたら無意識にやってらっしゃったのかもしれないんですけども、
今はそれを意識にやってらっしゃるっていうのが、
今回の話で一つ、
僕の新たな気づきとしていただいたことですね。
それがまず一つ。
二つ目は、
このノンバーバルが武器になるということなんですが、
これも意外な気づきで、
松山さんに聞いた質問の中で、
海外展開をする上での文化の壁とか言葉の壁をどう乗り切っているんですかって聞いたときに、
最初に出てきた言葉がノンバーバルが強みなんですよ。
なので、言語の壁はあまりないんですっていう風におっしゃっていたんですね。
それって、僕は今ニューヨークにベースを置いて、
日本だったりとか、今アジアでも色々展開してるんですけども、
僕は言葉っていうのはすごく大事だなと思っていて、
言葉を使って物事を伝えるっていうことが仕事の一つもあるので、
言葉はすごく重要視してるんですね。
そのノンバーバルを武器にするっていうのは、
僕にはちょっと新しい視点でした。
そして三つ目に、文化の入り口を作っていく、
そういうことをしたいっていうのを松山さんがおっしゃっていたんですが、
もちろんノンバーバルで言葉を使わずにブランドを作っていて、
ボーダレスに色んなところで愛されているもの、
そしてブランドになっていると思うんですけども、
その一方、ちゃんと作っているものに視点があるんですよね。
英語で言うと、ブランドの決まり文句として、
The future is in the pastっていう言葉を、
ヒューマメイドさんのそのサイトとかには掲げてはあるんですが、
日本語で言うと、恩子知新。
あえて古いことなんだけども、懐かしさを感じたりする。
日本らしさの表現
そういうところをファッションのブランドなので目新しいものだとか、
次のトレンドが何かっていうところをすごく大事にするところもあると思うんですけども、
あえてその懐かしさを感じたりするような余白を残しているっていう言い方をされてたんですね。
だからそれもなんかその視点になっていて、
そこからその日本らしさっていうところをどういうふうに醸し出しているかっていうと、
ブランドの名前自体がヒューマンメイド、手作り、人間性ということを謳っている会社ではあるので、
例えば人間が手で作った風鈴だったりとか、
ファッションでも日本のその浴衣のようなものを出したりとか、
少しこう日本らしいものを新しいものと混ぜて、
それを日本だけじゃなくて海外にも展開するっていうことで、
日本らしさ、温かみだったりとか、その日本の懐かしい雰囲気をものに入れて、
それをノンバーバルで表現していく、ノンバーバルで伝えていくっていう。
そこがジャパニーズブランドっていうことをすごく意識しているかっていうと、そうでもないかなとは思うんですが、
でもそれがブランドジャパンっていうところの入り口になっているんだなっていうのは、
ものを通して言葉を使わずにすごく上手に表現できているなと思いました。
ブランドの哲学
今のお話を聞いていると、日本のブランドが世界で愛されている理由はまさに、
こちらから押しつけがましくこういうものなんですよって訴えるのではなくて、
相手がどういうふうに感じるかっていう感受性の余白みたいのを作ってあげているところにあるのかななんていうふうに思いました。
あえて余白を残すっていうのは本当にまさに発想の転換、マインドシフトだななんていうふうに思いました。
ちょっとこれすごく哲学的な話になるかもしれないんですけど、
ブランドの名前がHuman Madeっていうカタカナの名前になっていて、
発信するものも結構こう海外向けに最初から意識されていると思うんですね。
なんですが、これその外部の僕が松間さんと話して、そしてこのHuman Madeっていうブランドを見て、
その西洋の哲学とすごく逆のところにあるなって思うんですね。
へー。
というのは、フランス人の哲学者のデカルトが、もう何百万年も前なんですが、
日本語だと、
っていうことを言ったんですね。
それに対し、東洋の哲学っていうのは、
考えないことで自分らしさを取り戻していくみたいな、
その例えば座禅とかあるじゃないですか。
で、座禅とかって心を無にするっていうことじゃないですか。
だからこの西洋の哲学は、その考えることが人間を作っていくことだって言ってるのに対し、
禅とか仏教とかその東洋の哲学とか東洋の思想って、
心を無にすることっていうのをすごく重要にしていると。
真逆ですね。
そう、真逆。
で、ちょっとこれ僕の考え過ぎなのかもしれないんですけども、
英語のブランドとかだと、すごくタグラインがどうのこうのとか、
そういうところから始まると思うんですけども、
ヒューマンメイドもその言葉をあえて使わずに、
もので表現する。
なんか無意識的に、その東洋の文化のあり方の癖っていうのが染み込んでるんだなっていうのは思いました。
なんかその東洋っぽい考え方が海外のファンにとっては、
とっても神秘的に映っているのかもしれないですね。魅力的に。
そうですね。
今回この日本のブランドが海外で愛される理由をテーマに、
ヒューマンメイドのCEOの松沼玲さんにお話を聞いたんですが、
僕が気づかされた3つのキーテキャベルは、
まず1つ目、語りすぎないことの重要性。
2つ目、ノンバーバルが武器になる。
そして3つ目、文化の入り口を作っていく。
これがヒューマンメイド松沼さんとのお話の3つの学びでした。
はい。次回も引き続き、
ヒューマンメイドの松沼玲さんにお話を伺います。
世界のクリエイティブ思考、お相手は
れいなもとと竹村幸子でした。
デジタルガレージは、危険な海に最初に飛び込む
ファーストペンギンスピリットを、創業以来大事にし続けています。
これからくるWeb3、オープンソース時代を見据えた、
テクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。
番組詳細欄にあるリンクより、ぜひご覧ください。
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