1. レイ・イナモト「世界のクリエイティブ思考」
  2. #128「はみ出ていることの強み」
2025-06-17 10:48

#128「はみ出ていることの強み」

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第128回は、フィリピンで長年、クリエイティブエージェンシーを経営されていた業界のリーディングウーマンMerlee Jaymeさんがゲストで登場。Merleeさんは、12歳の自閉症の甥との交流をきっかけに、神経多様性の勉強を始め、現在は、自閉症やADHDなどの人たちに対し、クリエイティブ業界でのキャリア支援を行う「ミスフィッツ・キャンプ」という事業を展開されています。今回は、Merleeさんに「はみ出ていることの強み」について、詳しくお話を伺いました。


◆Merlee Jaymeさん

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◆レイ・イナモト SNSアカウント

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◆公開収録イベントのお知らせ

7月14日にレイ・イナモトが、レディー・ガガの靴を手がけたことでも知られるシューズデザイナー・串野真也さんとトークセッションを行います。一夜限りの公開収録イベントです。是非ご参加ください!

https://connpass.com/event/358334/


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サマリー

今回は、メロディ・ジェミさんをゲストに迎え、神経多様性の強みやクリエイティブ業界での新たな可能性について話しています。特に、はみ出ていることがビジネスやクリエイティブな発想にどう寄与するかを探り、ミスフィッツキャンプの取り組みを通じて若者の才能を引き出す方法を紹介しています。

メロディ・ジェミのターニングポイント
This is ReinaMoto's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone. This is ReinaMoto. 皆さん、こんにちは。ニューヨーク、東京、シンガポールを拠点にするグローバルイノベーションファーム
I&CO、共同創業パートナーのレイ・イナモトです。 この番組では、世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを捧げます。
今回のゲストは、フィリピンで長年クリエイティブエージェンシーを経営されていた業界のリーディングウーマン、メロディ・ジェミさんです。
メロディさんは、世界で認められた数少ないアジアの女性経営者でもあります。 今回は、そんなメロディさんに、はみ出ていることの強みについてお話を伺いました。
So, let's get started! So, let's get started!
クリエイティブ・ボイス
This may not be a singular conversation. You may have had multiple turning points.
人生のターニングポイントについて教えてください。
Maybe the biggest is, after 35 years in advertising, what do you do?
You have a choice to walk away, which I did.
So, I love teaching, I love mentoring, I love, you know, looking for talent.
And then I saw a nephew of mine, at 12, he could design games.
But the challenge was, he was in the autism spectrum.
人生のターニングポイントは、35年間働いてきた広告の仕事をやめた時でした。
次に何をするか全然決めていなかったので、自分にとって意味があることは何なのかずっと考えていました。
その時に、12歳になる自閉症の老いがゲームをデザインしているのを見て、
多様な若者を導いていきたいと思うようになったんです。
私は仕事でずっとクリエイティブな才能を探し求めてきましたし、
大学でクリエイティビティについても教えていたので、
様々な人たちの才能をメンターとしてもっと伸ばしていけるんじゃないか、そう考えました。
そこで大学に通い、自閉症を中心とする神経多様性という分野を学びました。
実は自閉症の人の80%がクリエイティブだという報告もあるんです。
それを知って私は彼らが自分のクリエイティビティを活かして働けるように手助けしていきたいと思うようになりました。
フィリピンにはすでに自閉症など神経多様性に関連する障害を持つ子供のための特別支援学校があります。
ただ10歳までしか通うことができないので、10歳を過ぎたら行き場を失ってしまうんです。
だから私は20代の若者にどうしたらクリエイティブ業界で働くチャンスを得られるか、
会社の指示を理解しキャリアを築くにはどうしたら良いか、そうしたことを教えトレーニングすることにしました。
それが私が立ち上げたミスフィッツキャンプという事業です。
広告業界を辞めてミスフィッツキャンプを始めたのが人生のターニングポイントでした。
神経多様性とクリエイティビティ
神経多様性とは何ですか?
神経多様性は、自閉症の他にも文章を読むことができないディスレクシアと呼ばれる失読症、ADHD、注意欠如多動症、
体が勝手に動いたり、いきなり声が出てしまうなどの窒区症状を伴うトレッド症候群など様々なタイプがあります。
俳優のトム・クルーズがディスレクシア・失読症であることからもわかるように、神経多様性があるからといってクリエイティブな仕事ができないというわけではありません。
ただ単に脳内の神経回路の繋がり方が一般の人とは少し違うだけなんです。
脳の神経回路が違うと苦手とすることがある反面、すごく得意とすることもあります。
例えばディスレクシア・失読症の場合、単語や文章を正確に読むことはできませんが、視覚的に物事を色や形で捉えることが得意です。
そのためストーリーを映像でイメージすることができ、優れたクリエイティビティが発揮できるんです。
また、クリエイターの中にはADHDの人もたくさんいます。
ADHDの人は脳の神経回路の繋がり方によって一般の人とは集中力が違い、それが気分や行動に影響を与えることがあります。
なんと1分間で100個ものアイディアを考えることができるんです。
他にも、自閉症の人は優れた記憶力と細部へのこだわりがあります。
例えば1年前に会った人がどんな服を着ていたか記憶できるんですから、とんでもなく優秀なスタイリストになれそうです。
このように、今まで障害だと思われていた能力は実は特別な才能なんです。
ミスフィッツキャンプでは15回のセッションを通じ彼らの才能を見極めます。
そしてその能力を仕事を手にできるレベルにまで引き上げていくんです。
神経多様性の子どもがいる場合、大体の親はできないことばかりに集中してしまいますから、子どもたちの才能を説明すると皆さんとても驚きます。
ミスフィッツキャンプはキャリア支援に特化していますが、何歳くらいの人が多いんですか?
そもそも通勤ができるかどうかなど生活スキルがないとキャリアを築くことはできませんから、21歳以上の生活スキルのある人を対象にしています。
神経多様性があると社会とのつながりが弱いので、友達を作る機会も積極的に作っています。
その上でクリエイティブな仕事を手にできるようトレーニングしているんです。
これからどんなことをしていきたいですか?
ミスフィッツキャンプの卒業生たちが安心して働けるファーストステップのような場所を作るために、再びクリエイティブエージェンシーを立ち上げました。
就職できても職場でトラウマを負うようなことがあってはいけませんから、まずは雰囲気に慣れてもらうことが目的です。
その他にもミスフィッツキャンプで行っていることをクリエイティブ業界全体に広げていきたいと考えています。
企業の人事部にトレーニングツールとして導入してもらおうと準備しているんです。
自閉症、ADHDなど様々な診断が下るようになったのはつい最近のことですから、私たちがクリエイティブ業界で働いていた人の中にも神経多様性の人が実はたくさんいたんじゃないかと思います。
ただこれまでミスフィッツキャンプのような場がなかったため、そうした人たちは自分自身で困難を乗り越える以外方法がありませんでした。
そして企業側もクリエイティブな才能を持つ人がどこか一般の人と違うと思っても、どうして違うのか、どう評価すればいいのか、そこまで深く理解していなかったんです。
だからミスフィッツキャンプのトレーニングを企業に導入して、職場の全員がどう才能を発掘するか、どうやったら才能を伸ばせるか、それぞれの才能を尊重するにはどうしたらよいかなどを学べば、企業も今まで以上に成長することができるでしょう。
ミスフィッツキャンプの未来
すでにクリエイティブ業界には神経多様性の人がたくさん働いていると思うので、このツールは企業の採用にもチーム編成にも人事評価にも多くの利益をもたらすに違いありません。
ここまでお送りできましたレイナウンドの世界のクリエイティブ思考。今回はマーリー・ジェーミンさんにはみ出ていることの強みについてお話を伺いました。
このニューロダイバーシティ、脳の回路の接続がちょっと他とは違う人たち、それが自閉症だったりとかディスレクシアだったりとか、見方によっては障害ではあるんですけれども、
はみ出ているからこそ人と違う考え方ができたりとか、はみ出ているからこそ人が気づかないことに気づいたりとか、なかなかできないような発想をしたりとか、そういうところがあると思うんですね。
枠にはまらないということはどうしても他と違うっていうふうに見られちゃったりとか、よくないみたいな見られ方もすることはあるとは思うんですけれども、それを周りの人だったりとか親だったりとか上司だったりとか、
同僚が気づいて、そしてそれをサポートしてあげると、はみ出ていることが強みになって、そういう違う考え方がやっぱり物事を前に進ませていく、物事を推していくっていう引力になるんじゃないかなと思います。
だからこのジェイミーさんが数年前に、ほんの2年ぐらい前に始められたミスフィッツキャンプ、まだまだ非営利団体としてやられていて、規模は小さいものではあるんですけれども、これが例えば僕が今いるクリエイティブ業界とかでもっともっとシステマチックにいろんなところで展開されると、これってすごい力になるよなっていう可能性を強く感じました。
もしこの番組を気に入っていただけましたら、Apple PodcastやSpotifyで5つ星の評価をいただけると嬉しいです。
次回もどうぞお楽しみに。世界のクリエイティブ思考、お相手はレイナウッドでした。
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番組詳細欄にあるリンクよりぜひご覧ください。
ここで皆さんにお知らせがあります。
7月14日月曜日午後6時から、世界のクリエイティブ思考の公開収録イベントを行います。
場所は大歓山のクリプトカフェ&バーで、ゲストにレイディーガガの舞台シューズのデザインも担当されたシューデザイナーの久志野雅也さんをお迎えし、お話を伺います。
チケットは番組の概要欄にあるリンクから購入できますので、ぜひチェックしてみてください。
日本でリスナーの方々にお会いできるのを楽しみにしています。
10:48

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