This is ReinaMoto's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone. This is ReinaMoto. 皆さん、こんにちは。ニューヨーク、東京、シンガポールを拠点にするグローバルイノベーションファーム
I&CO、共同創業パートナーのレイ・イナモトです。 この番組では、世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを捧げます。
今回のゲストは、フィリピンで長年クリエイティブエージェンシーを経営されていた業界のリーディングウーマン、メロディ・ジェミさんです。
メロディさんは、世界で認められた数少ないアジアの女性経営者でもあります。 今回は、そんなメロディさんに、はみ出ていることの強みについてお話を伺いました。
So, let's get started! So, let's get started!
クリエイティブ・ボイス
This may not be a singular conversation. You may have had multiple turning points.
人生のターニングポイントについて教えてください。
Maybe the biggest is, after 35 years in advertising, what do you do?
You have a choice to walk away, which I did.
So, I love teaching, I love mentoring, I love, you know, looking for talent.
And then I saw a nephew of mine, at 12, he could design games.
But the challenge was, he was in the autism spectrum.
人生のターニングポイントは、35年間働いてきた広告の仕事をやめた時でした。
次に何をするか全然決めていなかったので、自分にとって意味があることは何なのかずっと考えていました。
その時に、12歳になる自閉症の老いがゲームをデザインしているのを見て、
多様な若者を導いていきたいと思うようになったんです。
私は仕事でずっとクリエイティブな才能を探し求めてきましたし、
大学でクリエイティビティについても教えていたので、
様々な人たちの才能をメンターとしてもっと伸ばしていけるんじゃないか、そう考えました。
そこで大学に通い、自閉症を中心とする神経多様性という分野を学びました。
実は自閉症の人の80%がクリエイティブだという報告もあるんです。
それを知って私は彼らが自分のクリエイティビティを活かして働けるように手助けしていきたいと思うようになりました。
フィリピンにはすでに自閉症など神経多様性に関連する障害を持つ子供のための特別支援学校があります。
ただ10歳までしか通うことができないので、10歳を過ぎたら行き場を失ってしまうんです。
だから私は20代の若者にどうしたらクリエイティブ業界で働くチャンスを得られるか、
会社の指示を理解しキャリアを築くにはどうしたら良いか、そうしたことを教えトレーニングすることにしました。
それが私が立ち上げたミスフィッツキャンプという事業です。
広告業界を辞めてミスフィッツキャンプを始めたのが人生のターニングポイントでした。
神経多様性とは何ですか?
神経多様性は、自閉症の他にも文章を読むことができないディスレクシアと呼ばれる失読症、ADHD、注意欠如多動症、
体が勝手に動いたり、いきなり声が出てしまうなどの窒区症状を伴うトレッド症候群など様々なタイプがあります。
俳優のトム・クルーズがディスレクシア・失読症であることからもわかるように、神経多様性があるからといってクリエイティブな仕事ができないというわけではありません。
ただ単に脳内の神経回路の繋がり方が一般の人とは少し違うだけなんです。
脳の神経回路が違うと苦手とすることがある反面、すごく得意とすることもあります。
例えばディスレクシア・失読症の場合、単語や文章を正確に読むことはできませんが、視覚的に物事を色や形で捉えることが得意です。
そのためストーリーを映像でイメージすることができ、優れたクリエイティビティが発揮できるんです。
また、クリエイターの中にはADHDの人もたくさんいます。
ADHDの人は脳の神経回路の繋がり方によって一般の人とは集中力が違い、それが気分や行動に影響を与えることがあります。
なんと1分間で100個ものアイディアを考えることができるんです。
他にも、自閉症の人は優れた記憶力と細部へのこだわりがあります。
例えば1年前に会った人がどんな服を着ていたか記憶できるんですから、とんでもなく優秀なスタイリストになれそうです。
このように、今まで障害だと思われていた能力は実は特別な才能なんです。
ミスフィッツキャンプでは15回のセッションを通じ彼らの才能を見極めます。
そしてその能力を仕事を手にできるレベルにまで引き上げていくんです。
神経多様性の子どもがいる場合、大体の親はできないことばかりに集中してしまいますから、子どもたちの才能を説明すると皆さんとても驚きます。
ミスフィッツキャンプはキャリア支援に特化していますが、何歳くらいの人が多いんですか?
そもそも通勤ができるかどうかなど生活スキルがないとキャリアを築くことはできませんから、21歳以上の生活スキルのある人を対象にしています。
神経多様性があると社会とのつながりが弱いので、友達を作る機会も積極的に作っています。
その上でクリエイティブな仕事を手にできるようトレーニングしているんです。
これからどんなことをしていきたいですか?
ミスフィッツキャンプの卒業生たちが安心して働けるファーストステップのような場所を作るために、再びクリエイティブエージェンシーを立ち上げました。
就職できても職場でトラウマを負うようなことがあってはいけませんから、まずは雰囲気に慣れてもらうことが目的です。
その他にもミスフィッツキャンプで行っていることをクリエイティブ業界全体に広げていきたいと考えています。
企業の人事部にトレーニングツールとして導入してもらおうと準備しているんです。
自閉症、ADHDなど様々な診断が下るようになったのはつい最近のことですから、私たちがクリエイティブ業界で働いていた人の中にも神経多様性の人が実はたくさんいたんじゃないかと思います。
ただこれまでミスフィッツキャンプのような場がなかったため、そうした人たちは自分自身で困難を乗り越える以外方法がありませんでした。
そして企業側もクリエイティブな才能を持つ人がどこか一般の人と違うと思っても、どうして違うのか、どう評価すればいいのか、そこまで深く理解していなかったんです。
だからミスフィッツキャンプのトレーニングを企業に導入して、職場の全員がどう才能を発掘するか、どうやったら才能を伸ばせるか、それぞれの才能を尊重するにはどうしたらよいかなどを学べば、企業も今まで以上に成長することができるでしょう。