1. レイ・イナモト「世界のクリエイティブ思考」
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2022-10-25 22:26

#003 リスナーからの質問に回答「転職・美大進学・世界発信のヒント」

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第3回は、リスナーからの質問に答えるコーナー“The Next Step”で、転職・美大進学・世界発信に関する3つのお悩みをピックアップ。 クリエイティブ業界のレジェンド的存在であり、レイ・イナモトの長年の友人であるJohn C Jayさん(ファーストリテイリング グローバルクリエイティブ統括)のインタビューから、印象深いフレーズを紹介しながら、クリエイティブ思考を使って問題解決をするヒントを紹介します。


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This is Reina Moto's Podcast. 世界のクリエイティブ思考。
Hi everyone. This is Reina Moto.
みなさん、こんにちは。クリエイティブディレクターのReina Motoです。
この番組では、日本人がクリエイティビティを武器に世界で戦うにはどうしたら良いのかをテーマに、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
番組を一緒にナビゲートしてくれるのは、滝口イレナさんです。今回もよろしくお願いします。
はい、レイさん、よろしくお願いします。
前回までは、ユニクロのグローバルクリエイティブ統括として活躍している、John Jayさんのインタビューをお届けしてきましたね。
そうですね。1回目の配信では、彼の追い立ちだったりとかキャリア。
そして2回目には、彼のターニングポイントとなった代表作のユニクロのフリースのキャンペーンの背景だったりとか考え方を紹介していただきましたね。
はい、すごくインスパイアリングでしたし、パワーいただけたなっていうふうに思いました。
そうですね。僕も知っている背景のところもあったし、知らなかった、初めて聞いた内容もあって、非常に勇気づけられたというか、元気づけられたというか。
そうでしたね。
今回はビジネスの現場で役に立つブランディングやキャリアをテーマに、リスナーの皆さんからの質問に答えます。
こんなお悩みが届いています。
今、転職活動をしているので、ジョン・Jさんの業界の垣根を超えた転職の経験談を聞いて、とても励まされました。ポートフォリオを作る際のアドバイスがあれば教えてください。
ポートフォリオっていうのは、投資を運用する時のポートフォリオというか経済系の用語だと言いますけど、この場合はまた別の作品集ですね。
作品集ですね。自分の作品をまとめて。
レイさんもこのポートフォリオとか作られるってことなんですか?
何回も作りましたね。
大学の時から作ってましたし、大学を卒業する時にポートフォリオを作って。
それで常に作り続けるんですか?
結構常に作り続けますね。
そういう意味なんですね。
昔の場合は、物理的な印刷した本みたいなものを作っていたんですが、今はほぼ100%オンラインになったんですが。
そうなんですね。
結構今の人たちを見ていると、常に作り直してアップデートして。
特に海外の、アメリカの場合だと転職率がすごく高いので、常に自分のポートフォリオっていうのは持っていて。
新しいものが、作品とかを作るとそこにアップデートするみたいなことは皆さんやってらっしゃいますね。
僕がですね、逆に今ポートフォリオだったりとか履歴書を見て雇う立場じゃないですか。
特にそのポートフォリオを見て判断する時間っていうのは、5秒から15秒なんですね。
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すごいですね。
最初の15秒から15秒ぐらいで、何かこうパッとこないと、もう次のものに、次の人の履歴書だったりとかポートフォリオにいっちゃうので。
今はそんなではないんですが、昔も何百人もいる部署をグローバルで見ていて、だから見なきゃいけないポートフォリオの数が半端じゃなかったんですよね。
だからもう本当15秒で判断していかないと、ついていけないような仕事をしていたので、
瞬間的にパッと見て何か光ったものがないと、もうそこでチャンスが来なかったっていうことになってしまうので、
ちょっと厳しいことかもしれないんですが、もう本当に自分の趣味は何かっていうことをストレートにパッと見せれるようにしておいたほうがいいなとは思います。
すごい、そのキラッと光るものって、例えば何で感じるものなんですかね。
これは難しいと思うんですけど、言葉にするの難しいですよね。
すごくいい質問で、僕がこうやって口でこの15秒で見て、キラッとしたものを見つけるっていうのはすごく簡単な言い方なんですが、
じゃあ何がそのキラッとしている判断の基準になるかって言われるとですね、
まず一つは、英語で言うとcraftsmanshipという言い方をしていて、その仕上がりですよね、物の仕上がりがしっかりしているかっていうところが一つと、
完成度みたいなことですかね。
完成度ですね、完成度だったりとか、その技術的にちゃんと優れているところがあるかっていうことだったりとか、
あと、経験のある人たちのポートフォリオを見るときには、僕が知っているものを作ったことがある人が、つまりある程度知名度のある仕事をしていれば、
特に今のオンラインだとすぐ話題になるので、これ見たことあるみたいなことを作品書の中にあると、
それはそれで気だってしているものにつながりますし。
なるほど、なるほど。
どこか例えば有名な企業の広告で、これ見たことあるなっていうのを、この人がやってるんだっていう。
企画とか、別にテレビコマーシャルじゃなきゃいけないってことは全くなくて、全然そういうものじゃなくても、
世の中にどっかで出ているものっていうのは一つの基準にもなりますし、
でも逆に若い人たちだとそういうチャンスもなかなかないと思うんで、
そういう場合は、もうほんと瞬間的に見て、これが面白いとか、これは新しいとか、これは見たことないなっていうふうに思えるものですね。
新しい、その人なりの視点みたいなことですかね。
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そうですね。
そこがキラッと光るかどうかというお話ですね。
レイさんがポートフォリオをたくさん見られてきて、よくある失敗みたいなものってあるんですかね。
はい、実はあって、特に若い人のポートフォリオにあるんですけど、多すぎなんですね、量が。作品の量が多すぎるんですね。
僕もこれ、今となって振り返るとそうしてたなと思うんですが、やっぱり経験がないと自分の得意分野がなかなか見えなかったりとか、
これもできる、あれもできるっていうことはアピールしたいがために、いろんなものを詰め込もうとするんですよ。
だから、このこともできるし、このこともできるしっていうのを、2、3個ずつ、3個というか入れて、作品を入れて、全部で15個ぐらい見せて、こんなたくさんいろんなことができるんですよっていうのをアピールするために量を入れちゃうんですよね。
気持ちはわかりますね。
確かに僕もそうでしたし、実は今これ若い人っていうふうに言ってはしまったんですが、結構経験のある人も同じようなことをする傾向があって、結構最近いただいたメールで、もう多分40以上の方だと思うんですが、
僕はこういうクリエイティブディレクターで、こんな賞をもらって、そしてこういうこともやってきて、こういうこともやってきてて、もう長々といろんなことを説明するんですね。
いかに自分の経験がすごくて、いかに自分のやれることが豊富でっていうことをメールとポートフォリオで見せようとしたんですけども、もう逆効果で、じゃあ何が強いの?何が得意なの?っていうところをはっきり見せることが大切かなと思います。
ポートフォリオも3個から5個ぐらいの作品が自信作があれば、15個の中途半端なよりも3個、4個の自信作、いいものの方が全然効果できます。
僕がもう一つすごく気にするのはですね、今のポートフォリオっていうのはオンラインであって、大体この仕事内容はこんな感じです、履歴はこういう感じですっていうのがあるんですが、自分についてどう語るかっていう、about meみたいなセクションを持っている人たちは多くて、僕はそこを必ず見るんです。
そこを見たときに、なんかちょっとこう、ん、この人面白そうだなっていう要素が見つかると会ってみたいっていう時にはなりますね。
曖昧な言い方をするとセンスっていうことでもあるんですが、やっぱりそのクリエイティビティっていうのは技術も大事なんですけども、センスも大事じゃないですか。
だから技術があるかっていうことと、あのセンスがあるかっていうところをこう、ポートフォリオの中に探していく、見つけていくっていうのは、見るときの判断の一つのきっかけですね。
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続いてのお悩みはこちらです。
高校生の娘が美大を目指しているので、アメリカの大学のグラフィックデザインの授業でクリティカルシンキングを教えているという話が印象に残りました。
レイさんは、日本とアメリカで教育の内容にどんな違いがあると思いますか。
日本の美大っていうのは実はすごくレベルが高くて、正直アメリカや他の国の美大よりも全然、特に入るのが難しいと思うんですね。
なので、日本の美大にある程度のところに行かれるようでしたら、それはすごく強くなる技術を身につけて卒業されるっていうふうに思ってくださってもいいと思います。
日本人の大学生、そして美大生とかともたくさん今まで会ってきて、技術を見てみると本当に良い技術を持っている人たちがいっぱいいるんですよね。
なので、その辺は心配されなくても大丈夫かなと思います。
あと、逆に海外に出たいとかっていうふうに娘さんがおっしゃるようでしたら、僕はそれはすごく背中を押してあげるべきだと思います。
とにかくこれからの日本人は外に出ることがすごく重要になると思いますので、お母さんも寂しくなったりとか、金銭的なこともあるとは思うんですが、
僕の場合は親が借金をしてまで学校に行かせてくれたので、その借金をしてくださいっていうのは僕からは言えないですけども、
とにかくその背中を押してあげるのが娘さん、そして娘さんが幸せになるってことはご両親も幸せになれるということなので、ぜひぜひ押してあげてくれるといいかなと思います。
あと、先ほどのお話にも出てきたクリティカル・テインキングということなんですが、娘さんにアドバイスとしてあるのは、
どの先生がいいかっていうことをちゃんと見極めて、その先生のクラスを取る、そしてその先生の授業を取るっていうのに集中するのがいいんじゃないかなと思います。
このジョンさんが行かれてた大学というのはすごくユニークな教え方をしてたっていうお話でしたけれども、
デザインの大学っていうのは、これ日本でいう美大になるんですか?
えっとですね、2つあって、美大っていうパターンと、僕とか、あとジョンさんが行ったオハイオステイトユニバーシティっていうところは総合大学なんですね。
僕は、University of Michiganっていうところに行って、総合大学で、その総合大学の中に学部っていうか、スクールオブアートデザインとか、スクールオブエンジニアリングっていうふうになっているので、
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その中にまた学校がいくつか分かれているんですね。学部なんですけど、ざっくり言うと、
絵を描くとか、デッサンをするとか、彫刻をするとか、デザインをするっていう技術的なことを学ぶのと、
あと、ジョンさんがすごく強調されていたのが思考ですよね。
その考え方をどうするのか、どうやって思考を高めるのかっていうところもすごく強調しているのかなと思います。
もちろん、教授の人によって教え方も全然違いますし、アートとかデザインというすごく感性に訴えるものっていうのは、なかなか技術だけの話でもないので、
出会う教授にもかなり影響はされてくるとは思うんですが、
クリティカル・ティンキングという言い方をしてますけども、
その出発点っていうのは、どこに課題があるか、何が問題なのかっていうところを問いかけるところから答えを探すんではなくて、
どういう質問をするのかっていうところがすごく大事だっていうふうにすごく強調されてたんですが、
技術と思考をどっちも両立するっていうのが非常に大事なのかなと思います。
日本の教育、僕も子供がいて、教育っていうことはすごく気にはなっているんですが、
日本の教育だと、良くも悪くも正解を求める。
これが合っているか、これが間違っているか、これが正しいのか、これが罰かっていう、
白黒がすごくはっきりしているところに導こうとするんですが、
アメリカの教育を見ていると、例えば数学のような、いわゆる答えがはっきりしている1たち1は2っていうはっきりしている世界でも、
どうやってそこに導くのかっていうプロセスのことも、数学とか算数のようなはっきりしているところでも結構気にするんですよね。
だから、子供の宿題とか、まだ小学生レベルの宿題を見ていても、
家庭をちゃんと書いてくださいとかいう宿題も少なくなくて、答えの出し方がいくつかあって、
意外と白黒はっきりしていないんですよね。
海外のほうが、特にアメリカとかのほうが、この白黒がはっきりしていて、日本のほうが曖昧なのかなって文化的には思うんですけども、
教育のところから見ると、最初から正解を求めないっていうのは、かなり大事なのかなとは思います。
答えをすぐ求めて形にしたいっていうのは、それはそれで間違っていないとは思うんですが、
じゃあなぜやるの?この形にする前に問題は何なの?っていうところを問い直さずにそっちに行ってしまうっていうのは、ちょっと気をつけないほうがいいのかなっていうふうに聞いてて思いましたね。
なるほど。解くべき問題をそもそも間違っていると、答えが出たとしても、それは解くべきものじゃなかったから、あまり効果的じゃないかもしれないしっていうところは、
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気をつけたいなと思いましたね。
続いては、こんなお悩みが届いています。
いつも楽しく番組を聞いています。特にジョン・Jさんのインタビューの中で、フリースのCMを制作した時のローカライゼーションの話が印象に残りました。
日本人がインターナショナルなオーディエンスに向けてクリエイティブ作品を発表する際、どんなことを大切にすれば世界中のより多くの人に興味を持ってもらうことができますか?
世界を舞台に活躍するレイさんがいつも心がけていることなどがあれば教えてください。
そうですね。まずちょっとこの質問に答える前に、ジョン・Jさんがおっしゃっていたローカライゼーションのお話も僕は気になったので、そこをちょっと皆さんに改めて聞いていただきたいと思います。
リスペクトという言葉が出てくるんですが、その地域の人を尊重することはすごく大事で、グローバルとはその特定の地域の集まりだともいえる、というふうに彼がおっしゃっています。
商品を売ったり広告を展開する前に、その地元の人たち、地域の人たちへ敬意を払ってそれを証明することがすごく大切なんだと。
まずその本質的に何を伝えたいかっていうことにフォーカスを当てて、それをできるだけシンプルに簡潔に少ない言葉でまとめるっていうのが言うっていうのがすごく大事だと思います。
そうすればその本質的なところを抑えれば、言葉を超えた文化を超えた本質的なところが抑えられているので、グローバルにもあえてその日本のローカルのものでも通用するものを作るのは全然可能なんじゃないかなと思います。
例えばそのジョン・Jさんの作品のユニクロの場合は、キーワードとしてライフウェアっていう言葉があるんですね。
やっぱりそのライフとウェアって一応造語なんですけど、そのライフウェア、その人の人生と来ているものっていうところで、この場合はその個人個人の人生に焦点を与えてそれをどう伝えるか。
それが一番そのシンプルな手法として、その人にもう語ってもらおうよっていうそれだけのことだとは思うので、ある意味すごくシンプルで、だからやっぱりその大事なのはその何を伝えたいかっていうことをできるだけ簡潔にまとめるっていうところが一番最初なのかなと思います。
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それがまた結構難しいと思うんですけど、どうやってこの一言にまとめていけばいいのかっていうところを多分、ヒントをちょっといただけますか。
2つあって、1つはですね、迷ったら削る。
これ一見当たり前のことなんですが、人間って迷うとだいたい何かつけ足して補おうとするんですよ。
ビジネスでもそのクリエイティブの世界でも、迷ったときには増やすんではなくて削っていったほうがいいものになる可能性が全然高いっていうのがあるんですよ。
もう一つは、これはすごくアナログ的な僕のやり方なんですが、そのアイディアをまとめるときに、いろんなアイディアとかを出すときにまず紙に全部書くんですね。
紙に書くのも一枚一枚の紙を、もう本当にこのA4の半分ぐらい、A5ぐらいの紙にその思いついた言葉とか思いついたアイディアを一つだけポコッと書くんですよ。
それを並べ替えて、あるストーリーを作ってみるんですね。
そうすると、このバラバラしたアイディアがストーリーになって、そして最終的にどこにたどり着くべきかっていうのが見えてくる。
そういうやり方をしています。
なるほど、すごいリアルなお話をいただけて面白いです。
迷ったらやっぱり、引き算したほうがいいんですね。
そうですね。だからやっぱり、足すっていうのはどうしても簡単なんですよね。そっちに行っちゃうので、それに聞かれずにそこを我慢して、逆にじゃあどこを引き算できるかっていうのを考えたほうが全然いいです。
グローバルに展開するクリエイティブというのは、本当にこの本質をついた一言のメッセージがあればできるという、そういうことなんですね。
そうなんです。
この番組ではリスナーの皆さんからのお便りを募集しています。
番組で取り上げてほしいテーマ、レイさんに相談したいことなど、番組の詳細欄にあるリンクからお寄せください。
リスナーの皆さんに番組に出演していただき、僕が直接ご質問に答えるコーナーにしていきたいと思っています。
これはクリエイティブ業界の方でなくても、キャリアに関する悩みだったり、どんな質問でもいいんですよね、レイさん。
そうですね。幅は結構広いとは思います。
また竹内さんも今、経済キャスターとしてもご活躍されているわけですし、あと大学院も行かれていることで、今後のご自身のキャリアのこともすごく考えていらっしゃると思うので、
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僕だけでなく、ユレナさんの目線からでもリスナーの方々のお役に立てればと思っていますので、そういうのでご相談、ご質問をいただけると嬉しいです。
そうですね。和気あいあいとご質問をいろいろ答えていければと思いますので、ぜひどしどしレイさんいただきたいですね。
よろしくお願いします。
この番組ではクリエイティビティを武器に、21世紀を生き抜くヒントをお伝えできればなと思いますので、ぜひご質問やお便りをお寄せください。
出演をご希望の方は、連絡のつくメールアドレスなどのご記入もお忘れなく、また番組への感想はツイッターでもお待ちしています。
ハッシュタグ世界のクリエイティブ思考とつけて投稿してください。
僕に紹介したいあなたの注目のクリエイティブ作品があれば、ぜひハッシュタグ注目のクリエイティブとつけてツイッターで教えてください。
デザイン、アート、テクノロジー、建築やビジネス、映画など何でもOKです。
今後番組でも取り上げていこうと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
それでは次回もお楽しみに。お相手は滝口由里奈とレイナオトでした。
デジタルガレージは、危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを、創業以来大事にし続けています。
これからくるWeb3、オープンソース時代を見据えた、テクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。
番組詳細欄にあるリンクよりぜひご覧ください。
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