1. 世界のクリエイティブ思考
  2. #016 現代美術家が語る「反骨..

第16回は、レイ・イナモトと同郷・飛騨高山出身で、NYを拠点にペインティングや彫刻、インスタレーションを手がけるアーティストの松山智一さんがゲストで登場。「良いチームは“粒揃い“ではなく“粒違い“」最強のチームを築く方法から、「大好きなニューヨークでギャフンと言わせたい!」反骨精神が旺盛だと自負する松山さんが「日本人としてNYで挑戦する理由」まで、クリエイティブ思考で自分らしい人生を歩むヒントを探ります。


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This is ReinaMoro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is ReinaMoro. 皆さんこんにちは、クリエイティブディレクターのReinaMoroです。
この番組では、世界で活躍するトップランナーに、これまでのキャリアを振り返っていただき、クリエイティブ思考で自分らしい人生を歩むヒントを探ります。
今回のゲストは、ニューヨークを拠点に活躍しているアーティストの松山智一さんです。
松山さんとの対談は、話が弾み収録が長めになったので、前編、中編、そして最終編と3つのエピソードに分けて配信することにしました。
前編では、アーティストを本職にすることについて、中編では、良いアートの定義とはに関しての話になりましたが、そちらのエピソードをもしまだお聞きでない方は、ぜひ聞いてみてください。
最終編では、日本人としてニューヨークで挑戦する理由についてのお話です。
日本人はニューヨークで勝てないと思い込んでしまっているという話など、実際に経験してきた松山さんだからこそ話せる説得力のある内容となっているので、ぜひお楽しみください。
それでは始めましょう。
クリエイティブ・ボイス
意外だったのが、アートとかって才能じゃないっておっしゃられてたじゃないですか。
例えば僕のやることだと、デザイナーを採用するとかあって、やっぱりその人のセンスとかそういうところを見て、やっぱりこの彼とかこの彼女は才能があるなとかって思うんですけど、
松山さんが面接して雇われるときに、じゃあ見るのはどこなんですか?
うち一個だけすごくはっきりしている、スタジオで共有しているコンセプトがあるんです。
粒揃いじゃなくて粒違いです。
じゃあアメリカでデザイン課でも学校でも、イエールのファンアートプログラムとかコロンビアとかNYUっていうのがいるんで、そういう人たちをみんな集めようとしても、
結局同じ人たちが4,5人来て、その中の1,2番の子だけがスタジオの中で輝いて、他の子たちは劣等感に浸ってあんまり組織が成長しないっていう思いが僕の中ではあるんですね。
そもそも僕が独学なんで、うちには芸大をトップで卒業するような子もいますし、
タマビムサビで版画家もいれば、全く違い映像をやってる子もいるんですよ。
今写真撮ってる彼は、アート独学なんですけれど、歌舞伎の後ろのドンチョを描いてるってことを言ってるんですよ。
最初になったうちの塚沢っていうのは、13年間ニューヨークにいてハードコアなグラフィティライダーなんですよ。
何をしたいかって言ったら、スタッフの中で粒違いっていう、自分と全く接点なかったクリエイティブにいる人たちがいることによって、お互いを刺激し合いたいんですよ。
お互いの持ってるノウハウとスキルっていうものを、自分の作品を介して、彼にこれどうやってやろうかって相談したときに、
版画家の子だったら版画の合理的なやり方、日本画の子だったら緻密な描写の仕方、オイルペインティングのクラスの子だったら、
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身体勢を持ってジェスにやるっていう表現のクリエイティブなコミュニケーションが生まれるんですよ。
それを、じゃあAでやろう、Bでやろうって言っていくうちに、彼らの言動発言っていうのが、僕の作品の中でだんだん生きていくんですね。
なので、僕のやったポイントは、彼なんかが来たときに、面白いのが来たって言いました。
巨大な絵杢というか垂れ幕を描いてる、出てくるんで、お見せするときにこれどれくらいで描くのとか、どういうふうなシステムなのっていうと、
古い都道制度の中で彼はやってたんですよ。
これは面白いなと思って、じゃあすごい大会行けたでしょって言ったら、まだ殴ってもオッケーな世界、殴られてもオッケーな世界ですみたいなこと言って、お師匠様なんで。
何回か日本人っていうこととか根性とか、結構日本人にこだわってるところがあるなっていう、日本人であるアイデンティティをすごく意識されてるなとも思いますし、
あと、日本人みなさん雇われてるんですか?
全員日本人です。
そこは何なんですか?
まさに場合だと英語もペラペラだから、別にアメリカ人とか英語がネイティブの人を雇おうと思えば全然雇えるわけじゃないですか。
そこ、日本とかその日本人にこだわってるのは何なんですか?
アート業界そもそもが、日本人、欧食人種を必要としてないんですよ。
なぜなら、文化史の中で俺々は歴史的に入ってなかったじゃないですか。
どちらかというと、中国人の方を介してアメリカに入ってゴールドラッシュの時に来て、それまで僕らは存在しなかったわけですよね。
ということは、アート業界の中で日本人として、アーティストとしてパフォーマンスをしようとした時に、
アメリカ人ができることをやるんだったらアメリカ人の人でいいし、白人の人がやることをやるんだったら白人の人でいいし、
黒人の方々がアメリカはこうだって今のステイティメントを言うんだったら、それは黒人の方がするべきで、
声を台にして伝える自称がないんですよ。文化、歴史の中を介入してないんで。
そうした時に、僕は日本人としてここまで来れたっていうことを共有する上で、やっぱり僕も苦労したのが、
もちろん言語の壁は比較的、英語がアメリカに20年いるということで解消されても、ビゾの壁もありましたし、
その後に今度文化の壁もあって、絶対こういう歴史の時には肌の壁があるわけですよ。
クリエイティブ産業の中って絶対その肌の壁って感じるじゃないですか。
どうしてもやっぱり肌のマイノリティはクリエイティブインダストリームの中でもマイノリティとして扱われていて、
であれば、それを自分のまた強みにしたいと思ったんです。
じゃあニューヨークという場所で、みんなはその壁を乗り越えられないけど優秀な人がニューヨークにたくさんいるじゃないですか。
であれば、そういう逸材を見つけてきて、僕がカジトリして代表人になって、
どんどんどんどん世界を切り開いていくっていうことをすることで、まず一に大好きなニューヨークとアメリカでギャフンと言わせたいんですよ。
やっぱり僕は反抗精神が強いんで、中指を立てながらやってるようなメンタルでやってた時に、
もうファッキューファッキュー言って、アイムジェップって言いたいわけですよ。
動け!って俺を見ろって。それを日本人だけでやってるんだぜっていうのはある一つ誇りなんですよね。
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反抗精神を持ってるか持ってないかって結構白黒はっきりしていて、持ってる人は持ってる、持ってない人はもう持ってないっていう。
別にそれ持ってる人が良くて持ってない人が悪いっていうことは全くないと思うんですが、結構その白黒はっきりしているところかなと思うんですね。
無理なことをやるっていうことではないと思うんですけども、難しいと思うことも不可能と思わないっていう思考回路がどっかに自然についていると思うんですよ。
だからそこが彼の人としての、そしてプロフェッショナルとしてのスタンスがすごく明確で、
とにかく挑戦をしていく。ニューヨークで挑戦をしてギャフンと言わせる。
とにかく挑戦をするっていう。それこそがクリエイティビティなんだっていう。かっこいいものを作るとか、人に好かれるものを作るかっていうところじゃなくて、
もう挑戦することで、それがどっか作品に滲み出ていて、彼の作る作品ってやっぱりすごく緻密なので何ヶ月もかかって、
やっぱりそういう挑戦のスタンスが作品の中にも無意識的に反映されているんじゃないかなと思います。
あと、彼のスタジオはグルップリンにあるんですけど採用されている人はほとんど日本人で、
彼が考えてるなっていうふうに思ったのは、今までは自分のやりたいアートを作ってもらうためにここで働いてもらうっていう考えで人を集めてたと思うんですけども、
コロナ前まではそういう考えで20人ぐらいのスタジオでやってましたと。そっから一気に5人ぐらい前に減っちゃった時に、そこからその考え方の切り替えとして、
これインタビューの中でおっしゃってなかったと思うんですけど、僕が聞いてて思ったのは、松山智一のために働いてもらうんではなくて、松山智一のスタジオで働くことによって自分が今後アートだったりとか、その他の世界でもいいんですけども、
世界に飛び立っていく一つのプラットフォームとして、ここで働くことがどうやって自分のためになるかということを意識してもらうということを、松山智一自身がアーティスト、そしてリーダーとしてここ数年すごく意識されてるんだっていうのは、
もちろん、松山智一の作品を作ってもらうことに協力はしてもらうんですが、それによって次どうやって羽ばたいていくのかっていうステップとして存在しているのかなっていうのは、彼のアーティストの成熟の一つの階段なんじゃないですかね。
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松山さんがニューヨークにいる日本人として、日本にこうなってほしいとか、そういう願いはあるんですか?
その前にもう一個あるんですよ。まず、ニューヨークで成功できないってみんな思い込みすぎてるんですよ。
うちのスタジオは、実はアシスタントは入ってくるシステムと卒業するシステムを作ってるんです。
うちのスタジオは、うちのアシスタント全員にビザを出して展覧会も組んで作品も売るんですよ。
で、おいおいデビューできるまでは、僕は事前事故でこれやりたくないんで、自分の作品を良くしたいからやってるんで、そのためには5、6年かかるんです。
その間、徹底して生活も将来も一緒に面倒見るんで、僕に付き合ってくれって言うんですよ。
それでうちから育っていって、今ニューヨークでみんなプロで食ってるアーティストがいるんですけど、そんなアーティストスタジオってアメリカに一個もないんですよ。
アーティストって自分の作品を残すために必死で、アシスタントのことなんて考えないんで。
つまりは出入りが多いんですよ、アーティストスタジオって。
で、うちって長い子は10何年いたり、うちもうちも出入りはあるんですけれども、さっき言った組織としてまだ脆弱なんで。
で、これを万弱にした中で組織力を高めて、それでアシスタントもうちに来れば、卒業してデビューできるってなると、良い人材が来るはずなんですよ。
あそこに行けばデビューに一番近道で成功できるスタジオだから行った方がいいよって思えれば、僕の生活楽になるはずなんですよ。
で、日本にはやっぱり優秀なアーティストがいっぱいいるんですよ。手先が器用、出が上手い。
だけど、技術に溺れる兵器が日本にはあるんで。僕は技術がないから、コンテキスト勝負、コンセプト勝負できたから、アメリカっていう様々な違う価値観が根拠する中で、自分の言いたいことのステートメントを発信できる場を自分で作れて、今があるんですよ。
でも日本の子たちっていうのは、これで日本に戻った時に、やっぱり美大っていうのは技術を叩き込みすぎて、僕後々になって独学なんですけど、SVGAで5年間教えてたんですね。
独学でまさか絵が描けない僕に絵を教えてほしいって受けた時に、なぜって聞いたら、やっぱりアメリカでも技術に凝り固まってしまって、若いアーティストが本来表現とは何ぞやって言って、自分を開放して自分の表現を追求することができてないと。
特に日本っていうのは、美大のシステムが受験に偏りすぎてるんで、芸術大学に入った後に学ぶものがないんですよね。つまり、中高生で学んだ技術をずっと続けてるんで、無味無臭に面白くもなんともない諸実の絵を描いてるんですよ。
たぶんレイさんも言ったことあると思うんですけど、タマヴィとかマサヴィの学生の作品を見ると全部同じに見えるじゃないですか。
全部綺麗になっていて、みんなすごい挑戦的なことをしないみたいな。それは日本でそう思われるんだ。世界のニューヨークみたいな、違う価値観をどれだけプレゼンテーションしないと、作品として目立たないところでは無理ですよ。
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テクニカルに上手な絵って求めてないんだ、アメリカでは。 なんで、そういうことから解放されるような日本の文化、今の若いアーティストたちの文化ができないかなってことは感じますよね。
マツさんにとってのクリエイティビティ、一言でまとめるとしたら何になると思います?
挑戦です。 成功って言葉は大っ嫌いなんですよ。成功って言葉って、自分がある時期にゴールを決めて、そこにたどり着いた。
それは僕、一番クリエイティビティから逆だと思うんです。クリエイティビティっていうのは、我々クリエイターは成長できるからこれずっとやれるんですよ。
上手くなってる、自分が進化してるってできるから作品を良くしたいって言って、毎日毎日何十年作ってても続けられるような全問答なわけですよね。
なので、ずっと挑戦をし続けられるっていうメンタリティを維持することが一番のクリエイティビティだと僕は思うんですよ。
最後にライトニングラウンドということでバババッって質問します。もしこの職業をしてなかったら、アーティストじゃなかったら何やりますか?
旅行してます。旅行、旅行。じゃあそれに関連して、今まで行ったところで一番良かったところは?
ベトナムです。ベトナム。一番好きな食べ物は?
お寿司です。お寿司。犬派ですか猫派ですか?犬派です。
住んでるところがニューヨークじゃなかったらどこに住めると思いますか? 探してます。探してます。東京じゃないです。東京じゃない。日本じゃないです。日本じゃない。
自分のこのゾーンに入る時の音楽とか聴かれます? 走ります。フローステージに入るのは走ります。走ります。毎朝ジョギングします。
それによって何が得られますか? 脳が覚醒できるんです。
いや本当なんか意外なお話がたくさん聞けて声をかけて良かったです。ありがとうございます。
ニューヨークにいるお互い日本人として世界に頑張っていきましょう。よろしくお願いします。
ここまでお送りしてきました、レイナモトの世界のクリエイティブ思考。
今回、アーティスト松山智一さんとのインタビューは3回に分けてお届けしたんですが、最初のお話ではどうやってそのアーティストになろうかって決めたかとか、
その辺の背景が聞けて、そういう楽しさはあったんですが、今回はそのアーティストとして成長されて成熟されて、
スタジオっていうものを構えていらっしゃるので、ただのチームっていうことじゃなくて、組織として、そしてビジネスとしてどうやって成り立たせるかみたいなところを、
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やっぱりそのコロナになって、コミュニティビューの中でもあったように、スタジオにいた人たちがどんどん離れていっちゃったと。
それまでは本当にアートが好きで、松山さんの作品が好きだったりとか、何かものを作ることが好きだった人たちが、感情的にいい意味でその感情に任せて、
松山さんと一緒に仕事をしてくれてたとは思うんですが、そういう人たちがどんどん離れていってしまって、
やっぱりその組織として成り立ってなかったっていうところに、ご自分が松山さんが気遣わされたっていうのがそのコロナのここ2年間だったみたいですね。
そこから外部のコンサルの人を入れて、ただのそのものづくりの職人の集まりではなくて、ちゃんと人が育っていくような組織にするにはどうしたらいいのかっていうことを考えて、
そしてそれを言語化して残していくっていうことをされているのは、僕もその会社の経営をしているのですごく共感できるところでもありますし、
大企業、中小企業とこうして付き合っていると、意外とそういう地道であんまりきらびやかではないところが実は一番大事だったりするのも、
僕もこれは非常に参考になりました。
なので、彼はアートっていう世界で戦ってますけども、彼がやってきたこと、そして彼がこう登ってきた階段っていうのは、他の仕事を他の業界でも通用して、
例えばテクノロジーエンジニアリングだったりとか、リテールだったりとか、僕がやっているようなデザイン戦略とかブランド戦略のこともやっぱり作る戦略を考える、そしてリーダーになるっていう、その3つのステップはすごく必要だと思いますし、
アーティストとして生きていらっしゃるんですが、結局そういうキャリアの階段をちゃんと意識されていて、そして今後、日本を代表する世界のアーティストのリーダーの一人としてどうやっていこうかっていうことが具体的にわかった会話になったので、これはどこかで意識されると役に立つのではないかなと思います。
あと、以前のゲストのパオラ・アントネリさんというニューヨーク近代美術館のキュレーターのお話で、彼女はそのアイディアを集めるために、そして勇気だったりとか元気をもらうためにアーティストだったりとかデザイナーのスタジオを訪れるっていうことをおっしゃったんですね。
今回はそれがよくわかった体験で、僕にとっての体験で、アーティストだけじゃなくても同業者の会社とかでも他の人の環境に行って、その人がどういう働き方をしているのかとか、その組織がどういう動き方をしているかっていうのを別に検証をするために見に行くっていうことではなくて、他の環境に同じ国の中でも、日本の中だけでも他の環境に少しでも触れてみると意外なところで、
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これは刺激になったりとかインスピレーション、そしてやる気になると思います。
僕も松山さんとすごく長い仲なんですが、こうやって改めて彼のスタジオを訪れて話ができたことによって、すごく勇気づけられて、すごくインスピレーションをもらって、そして自分のやる気も出たので、
リスナーの皆さんも、例えばお友達の会社にちょっと遊びに行くとか、ちょっと違う環境に行って人と会って話すっていうのは勉強にもなるので、すごくお勧めしたいと思います。
それでは3回にわたりお届けした松山さんとのインタビュー、お相手はリーナウンドでした。
デジタルガレージは危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを、創業以来大事にし続けています。
これからくるWeb3、オープンソース時代を見据えたテクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。
番組詳細欄にあるリンクよりぜひご覧ください。
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