幽霊たちと偶然の音楽か、読んだんで、割と不条理系だったんで、2冊とも。
ムーンパレスもそうなのかなって思ったら、めっちゃ良かったですね。
すごい。間違いない作品だなと思いましたね。
僕もポールオースター何冊かつんどくにはしていたんですけど、もともとはニューヨーク三部作という初期のやつをもう何年前かな、多分10年以上前に読んで、それ良かったなっていうのはあったんですけど、
それ以来でこんなにムーンパレスがすごい感動したっていうのが今回ちょっとびっくりで、
ちなみに柴田基行さんが作っている雑誌のモンキーですね、これの総冠号がポールオースターなんですね。
青春のポールオースターというタイトルで、ちょっとこれね、総冠号持ってなかったんで、めっちゃ今回欲しくなりましたね。
今買うと高そうですね。
そうですね。今多分ね、総冠号は古本じゃないから、買えないのかなって思ったんですけど、本当に良いですよね。
じゃあ今回紹介していくのは、ポールオースターのムーンパレスなんですけども、
役は柴田基行さんで、元々は単行本は1993年に発売されています。
今は新潮文庫で買うことができます。
ありがとうございます。じゃあ私の方から、いつも通りあらすじを。
人類が初めて月を歩いた夏だった。
父を知らず、母とも私別した僕は、唯一の血縁だった叔父を失う。
彼は僕と世界を結ぶ絆だった。
僕は絶望のあまり、人生を放棄し始めた。
やがて生活費もつき、合室運勢のところを友人に救われた。
体力が回復すると、僕は奇妙な仕事を見つけた。
その依頼を遂行するうちに、偶然にも僕は自らの家計の謎にたどり着いた。
深い余韻が胸に残る、絶品の青春小説となっております。
このあらすじ結構、端的で今読み上げましたけど、上手いですね。
すごい。結構あらすじ毎回読むんですけど、ここまで割とスッと入ってきたの久しぶりかもしれない。
ポールオースターのムーンパレスなんですけど、この後3人でいろいろ話していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
じゃあまず具体的にこの話していきたいんですけれども、最初にちょっと小説の特徴というか、ストーリーラインに入る前にちょっと抑えてもらいたいポイントをちょっと皆さんにお話ししたいなと思います。
これはまずですね、あらすじにある通りめちゃくちゃ良い青春小説でございます。
主人公の成長物語でもあるし、大学生の話なんですけど、誰もが大人になる前に経験するようなことも描かれてるんじゃないかなと個人的には思いました。
主人公がかなり魅力的というか、主人公らしい主人公だなと思いました。
ちょっと我々のラジオでもここ最近紹介してるやつだと、前回のトキツナの王はちょっとあれなんですけど、
ジュンパラリヒの定伝の夜にとかは、感情移入とかすごいできるんですけど、ちょっと主人公っぽさっていう感覚で言うとちょっと弱いかなと思ったんですけど、
その背景にはビクターおじさんが組んでいる。ビクターおじさんはクラリネット奏者でムーンメンというバンドを組んでいて、そこからもちょっとシンパシーを感じて、このムーンパレスという中華料理屋に彼は自分の居場所的なものを見出します。
このムーンパレスというのがタイトルの由来になってますね。ホッグはビクターおじさんから譲り受けた千冊以上の本があります。
これはおじさんが君に渡せるのは僕はもうこれぐらいしかないということで受け取ってくれということで結構強引に渡されたんですけれども、
彼はその本たちが入った箱をアパートで格代わりに使ってました。ベッドにしたり机にしたりして使ってました。
やがておじさんのバンドが解散してしまいます。その結果おじさんはいろんな職に就こうとするんですけれども、うまくいかず一成もない状態になってしまい連絡が彼にあります。
ホッグはビクターおじさんにお金を送金してニューヨークにとりあえず来るように伝えるんですが、なかなか現れない。
その後の経緯を調べてみるとニューヨークへ向かう途中に心臓発作で亡くなっていました。
おじの死にショックを受けたホッグは葬式など進ませるんですけれども、その後無気力になってしまいます。
そして金も徐々に減り始めます。ホッグにとっておじだけが家族であり全てでありました。
なので無気力になるんですけれども、まずおじとの約束だけは守りたいという気持ちが強くなり大学を卒業することを決めます。
おじの死への追悼のためにおじが残した千冊以上の本をとにかく読むということを始めます。
読み終えた本は近くの古本屋により足りない生活費の足しにしていくようになります。
そんな生活を続けてなんとか大学だけは卒業するんですけれども、その後もうすぐ本当に2ヶ月経たないぐらいでお金が尽きてしまってアパートから追い出されます。
そしてセントラルパークで野宿するようになります。
そんな彼を救ったのはある時少しだけ関わった女性でキティウーという女の子がいます。
彼女はもともとはホックがジンマーという友人がいるんですけど、その彼を頼りにしようと思って彼のアパートを訪ねたら、
ジンマーは引っ越していて代わりに新しい住人が入っていて、ちょうどその時新居居合をやってたんですね。
そこにフラッと入れてもらって、そこで知り合ったのがキティです。
この時キティとホックがやりとりが少しあるんですけれども、それによってキティはホックのことをこの時に好きになっていたのかな。
もちろんホックも彼女のことをずっと頭に残っていて、かなり気になっている状態でございました。
キティはホックがいたアパートに訪ねてくるんですけれども、ホックがいないと。
キティはずっとそのホックを探していました。
この時友人のジンマーと一緒に探していました。
ある夜、セントラルパークで大雨が降って、ホックが雨に打たれて、それでだいぶ衰弱していたので、
発熱なんかしていてかなり危険な状態になります。
そんな衰弱してたところをキティに発見されて、ホックは助けられます。
その後、回復してキティとホックがまた仲良くなって、また友人のジンマーとも交流が始まって、
キティとジンマーと3人でムーンパレスで食事をすることになります。
その時にですね、フォーチュンクッキーを引いたら、
これが結構物語の中でも何度か出てくる言葉なんですけれども、占いで…
なんですかねこれは?なんて言いたいの?
まじないの言葉なんですかね。
言葉で、太陽は過去であり、地球は現在であり、月は未来であるという言葉を彼は引きます。
彼はこの言葉にとても感銘を受け、その引いたくじを財布の中に大事にしまいます。
セントラルパークで一度死を感じたホックは、考え方が色々変わり、生きようとして仕事を探し始めます。
そんな彼が見つけた仕事が、足が悪く車椅子生活の老人の世話をするという仕事でした。
老人は目も見えない状態になっていました。
この老人がかなり頑固で、理不尽なことをたくさん求めてきます。
彼とやりとりして、関係が色々できてきて、仲良くなったり、
ちょっとなんだよとか思ったりすることも繰り返しながら、老人とホックの関係が始まるんですけれども、
やがてこの老人が死が近いということで、
彼が生きた生涯のことを文章にまとめるという作業を、ホックが彼の話を聞いて始めます。
その過程で、ホックは彼の人生において、今まで明るみに出てなかったことを知るということになります。
というのが、ちょっと長くなっちゃったんですけど、前半の話です。
こんな感じですかね。
だいぶ駆け足ですけど、でもこれでも130ページぐらいの内容なんですね。最初のね。
この前半の450ページぐらいある。
まだ3分の1ぐらいです。
3分の1ぐらいですよね。
ここでも既に私、色々感動するポイントが多かったんですけど、
この後の話を色々していきたいんですが、
あらすじはこの辺りを押さえておけば大丈夫かなと思ってます。
じゃあまずちょっと、登場人物について話していこうかなと思います。
そうですね。やっぱりこのムーンパレスが、色々話が重層的に流れていくんですけども、
それを気負いせずに読める一個の要素として、やっぱ登場人物がすごい魅力的なんですよね。
先ほどお話が出た車椅子生活の老人とかも、すごいおっしゃっていただいたように頑固だったりして、
食べ方がすごい汚いけど、外ではちゃんとテーブルマナーを守って料理ができたりとか、
本当に200キロ越えだったかな、すごい巨大の登場人物が出てきたりとか、
どれを撮っても主人公にできそうなほどの魅力的なキャラばっかりなんですけど、
どれもやっぱりリアリティがあるので、コールオースターが知っている実在の人物でもモデルにして描いたんじゃないかなって、
僕は思ってたりするんですけど、それぐらい登場人物がすごいですね。
確かに。ちょっと老人の名前、トマス・エフィングって言うんですけど、後で話します。
これ多分実際のモデルにないと、この人物造形描けないような気が確かにしますね。
ですよね。
しかもその人物たちの人生をまるまる小説の中に描いちゃったりしてるんで、
それもすごいですね。やっぱり人物に深入りしてしまうというか、そこが魅力を感じるところかなと思いますし。
出し方っていうか上手いですよね。人物に対して出し方の見せ方が上手いなって。
確かに確かに。
ちょっと順番にどういう人物が出てくるか話した方が結構リスナーの方も分かりやすいかなと思うので、
ちょっと人物について少し話していきたいんですけど、まずはマーコからいきましょうか。
マーコ・ホッグ。主人公なんですけど、これちょっと私から話させてもらうと、
ちょっと最初にも言ったんですけど、本当主人公らしい主人公だなと思って、
ビクターおじさんはじめ関わった人たちの情報がめちゃめちゃ厚いなと思って、
こんなに自分と関わった人たちのことをほぼ全員ちゃんと体質にするじゃないですか。
それが結構すごいなと思って。
老人なんかも正直雇い主だから、もうちょっと適当に扱えばいいのにとか思っちゃうけれども、
結構理不尽なこと言われても、それを受け入れたりとか言われたことを遂行しようとする力とかがすごくて、
結局それが自分に足りないものはそういうところなんだみたいな考えをするし、
それをなんとか克服していこうみたいな楽しみに変えていく力もあるし、
これマジでこんなやついたら超優秀なサラリーマンになるなとか思いながら。
でもすごい意思が強くて、かなり好感の持てる主人公でしたね。
でもおじさんを失った後、ボロボロに住むとこなくなって、
セントラルパークで野宿していたら結構やばい奴だなと思ったんですけど、
でもなんか色々勇気をもらいましたね。
すごい心が強いんですよね、このマーク・フォッグって。
自分の絶対に思ったことを曲げないと思うし、
サラリーマンになったらどうなんだろう。
逆にダメかな。
そうですね。普通の会社だったらもうあっさり喧嘩して、
字表叩きつけて出て行っちゃいそうなタイプですかね。
確かにそれはあり得るな。老人にはそれをしないですからね。
ネジモキさんはこの主人公の印象ってどうでした?
そうですよね。
確かに重ね合わせやすさはすごく高いですよね。
良い感情において、自分もこういう判断をしたいみたいな部分とかにおいて。
確かにこれ、高校とか大学の時読んでたら結構影響を受けたんだろうなって思いますね。
そうなんですよね。ちょっと遅かったなと思って。
じゃあちょっと素晴らしいマーク・フォッグに関してはそれ程度にして。
ちょっと軽くキティ・ウーという女の子について触れておきたいなと思うんですけど、
これは主人公を助けてくれて、その後恋人として付き合うことになる女性なんですけれども、
この子も言い方あれなんですけど、
キティに関しては実はあんまり私、ページに咲かれてないなと思ってて、
もっとキティとの話をたくさん書いてほしいなって個人的には思いました。
でも会話を見る感じだと、めちゃくちゃ良い彼女ですよね。
第一印象は女神様に思いましたからね。
すごい理想的な女の子だったんだろうなって思いましたし。
気になったのは、キティって中国からアメリカに来た女の子で、
もう本当に綺麗だし、頭もいいし、性格もいいしっていう。
でもなんでフォッグを、主人公を好きになったのかっていうところは、ちょっと読んでても謎としては残りましたね。
私も全くわからなかった。
前半の方ではキティと一緒にジンマーっていう、
主人公にとって唯一と言っていい学生が出てくるんですけど、
このジンマーもね、すごい常識人というか、めっちゃ性格いい人で登場してきていて、
本当にキティと一緒に主人公を助けてくれるんですけど、
この人物も、読んでるとすごく好感を持てるんですけど、
ネタバレでちょっと言えないところとかはあるんですけども、
ジンマーの最後とかで、すごくこれも突然訪れたりしたので、
これが逆にリアルな世界とかでもそうなのかもしれないなと。
ある意味も青春時代だけの人物だったのかなと。
そういうふうに思わせてくれましたね。
これあれですもんね、最後、ジンマーと別れた後、
もう彼とはしばらく会うことがなかった後に、
一回だけ再会する未来のシーンが挟み込まれるじゃないですか。
ああいうの結構好きですね。
その辺は青春時代だからっていうのがあったのかもしれないですね。
あとはメインどころで言うとですね、
ホックにとってとても大切な人だったベクターおじさん、
育ての親のベクターおじさんなんですけど、
この物語の前半はですね、
このベクターおじさんへの思いだけが、
主人公を前に進めてくれているような印象があって。
ほとんどベクターおじさんに育て上げられたので、
こういうマーク・ホックという人物を作ったベクターおじさんが
結構私はかっこいいなというか、素晴らしいなと思って。
実際でも彼は結構人生は恵まれてはなかったんだろうなって思うので、
ベクターおじさんにとってもマーク・ホックが唯一の
それがなくなっていくとちょっと笑けてきたっていうのがありましたね、
個人的には。
はい。
そこで主人公が経済的に苦しくなって、
大学に通うのも本当に大変な状況にはなるんですけど、
そこでただおじさんと大学を卒業するっていう約束はしていて、
主人公はもう大学は絶対辞めるつもりはないと、
卒業まで持っていくと意思として固めていて、
ただその中でも結構おそらく自暴自棄となった部分もあると思うんですけど、
なんか奨学金とか寄付金とか、
なんかそういう支援を受けるっていうのも可能だったんですけど、
ただその本当に辛い状況で何も頼ろうとせずに、
極貧の中で何とかやり過ごしていこうとするっていう、
なんかこれ読んでいてちょっと不安になるようなところっていうのも
途中で出てくるんですけど、
でもそこの気持ちもちょっと分かるようなところがあってですね、
本当に追い込まれて苦しくなった時に、
本当に自分一人の世界に入り込んでしまうっていう、
この辺は結構共感というか気持ちが分かる、
ちょっとは分かるなって思ったりもしましたね。
今なんか三枝さんに言われてすごい私も共感しちゃいました。
そこをさらって読んだけど、
確かにこれ自分も同じ時だったら、
こういう意固地差発生するなってちょっと思いましたね。
そうですよね。
なんか本当主人公の真の強さ、そこには多分良し悪しがあると思うんですね。
生きやすさとか生きにくさとかっていうのも絡んでくると思うんですけど、
そういったところは本当にこの大学卒業するかどうかっていうところにも結構絡んでいたんじゃないかなと思いましたし、
あとは主人フォッグのセリフがいいというかですね、会話のやりとり、
これも小説読んでいて面白いところだなと思うんですけど、
そういうすごい極貧状態の中で、
君は一体何をやってるんだっていうのを、
これをお医者さんかな、ある人に聞かれるんですけど、
そこで仕事はやってると、
朝来れば人並みに起きていて、
そして今日1日も生き延びれるかどうかじっくり考える、
これまさにフルタイムの仕事だよって言っていて、
コーヒーブレイクもないし、
ウィークエンドもないし、
健康保険も有給休暇もないし、
言いたくないけど給料も恐ろしく安いんだし、
こういうことを言えるっていうのがすごい読んでいて、
ちょっとわかるなっていうところがやっぱりあって、
本当にそういう大変な状況をユーモアで返していくっていう、
こういうセリフが結構いろんなところに、
やっぱり主人公のユーモアというところが出てるなと思います。
僕が印象に残ったのは、
3体とかもそうなんですけど、
実際にあるものを物語の中に取り込んで生かすのがすごい上手いなと思う。
舞台のニューヨークとかシカゴだったりするのはもちろんなんですけど、
実際にある絵とかブルックリン美術館の話とか、
ヨッツツジというユタ州のモニュメントとか、
ムーンパルスという実際にあった中華料理屋さんの話とか、
人生のどん底にいる方とか、この番組がどん底から始まるのでそういうところとか、
本の話も結構出てくるので、読書好きやったり、
あと旅行好きの人とか、アメリカ文化に興味がある方とかですね、
あとちょうどその月、ムーンパレスってことで月も結構大きなテーマになってるので、
秋のブナガに呼んでもらいたいかなと思います。
ありがとうございます。
じゃあ続きまして私からなんですけれども、
私はどんな人にっていうのは、もう青春小説好きな人は結構ハマるんじゃないかなと思います。
あと結構人生に悩んでる人、どん底って言い方、ねじわきさんからいただきましたけど、
結構いろんなことに悩んでる人は、この主人公の成長と強さと、
彼の迷いとかが結構刺さるんじゃないかなと思いました。
なんか本当、私はすごく今回力をもらったんで、
30半ばですけど、力をもらえる小説だったので、
若い人にはより刺さるかもしれないですけど、いろんな人に絶対刺さる小説だなと思ったので、
ぜひ読んでいただきたいなと思いました。
そうですね、僕も本当青春小説でエンターメセンもあるので、
本当に幅広くもうみんなにおすすめって言える小説かなと思っています。
あと、これは親子の物語ではあるんですけど、
親子に限定せず、もっと広く人と人のつながりとか絆とか、
そういうのがすごく感じれるので、何かそうですよね、
ねじわきさんが言ったような、ちょっと自信性のどんどんとか、
あとちょっと孤独を抱えていてとか、
そういった時に読むとまた勇気をくれる本かなと思います。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
いやー、よかったですね、ムーブパレス。
今回3人で話して、いろんな話ができて、すごい楽しかったです。
本当によかったです。
じゃあ最後にねじわきさんから、この番外編と今回のムーブパレス、
一緒にやっていただいて、感想を一言もらえて終わりにしたいと思います。
そうですね、ずっと聞いてた文学ラジオさんに出させてもらってすごい嬉しいんですけど、
本当にイントロのコールとかが始まったとき、すごい緊張したりしました。
ちゃんとやるなと思って。
そうか、すいません、プレッシャーになって。
でも本当にね、初めの方ちょっと緊張してたんですけど、
ムーブパレスの話になると、すごい喋りたいこと喋ってたので。
で、こうやってね、いろんな小説を他の人と喋れて、
新しい視点、もう僕が思ってなかったような感じ方とかもあったので、
一緒に喋れてすごい楽しかったです。
また機会があれば、ぜひ他の方もやりたいなと思うので、
今後もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
私もこの後ねじ巻ラジオの方に出させていただくので、
逆に私たちが緊張する番ですね、みえさん。