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2021-10-25 58:04

第59回 月は未来である「ムーン・パレス」ポール・オースター著

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【今回の紹介本】 

■『ムーン・パレス』ポール・オースター著 柴田元幸訳 新潮文庫 

それは人類が初めて月を歩いた夏だった。 一人の青年の成長を描く、青春ストーリー。 

誰もが共感する名作。 

是非お聞きください! 

今回、前回に引き続きねじまきラジオのねじまきさんを迎えての配信となります! 

【番組内で紹介したトピック】 

■ 『ムーン・パレス』ポール・オースター著 柴田元幸訳 新潮文庫 

https://www.shinchosha.co.jp/book/245104/ 

■ 『ねじまきラジオ』  

https://nejimaki-radio.com/  Twitterアカウント:https://twitter.com/nejimakiradio1?s=20 

■ダイチとミエがねじまきラジオに出演させていただきました! https://podcasts.apple.com/jp/podcast/%E6%96%87%E5%AD%A6%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA%E7%A9%BA%E9%A3%9B%E3%81%B3%E7%8C%AB%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%95%E3%82%93-%E3%82%B2%E3%82%B9%E3%83%88%E5%9B%9E/id1409236261?i=1000539527219 

【番組へのリクエストや感想はこちらから!】

https://forms.gle/a569tyUhMDDaCXGF8 

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

【SNSでご投稿ください】

番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:04
どうもみなさんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするラジオ番組です。
お相手は、私小説が好きな岡山大一と、羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、
東京と京都をつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。お互いの紹介に関しては、2021年最初の回で話しているので、そちらを聞きください。
また、このラジオへのご質問やリクエスト、メッセージを随時受付しています。番組概要欄にホームのリンクを貼ってますので、そちらからお寄せください。
ご質問などある程度いただけたら、お返事をする回をしたいと思いますので、気軽にお寄せいただけると嬉しいです。
先週の番外編に引き続き、ねじまきラジオのねじまきさんをゲストにお招きして、今回ポールオースターのムーンパレスをご紹介いたします。
よろしくお願いします。よろしくお願いします。ねじまきラジオさんは番外編からの続きになるんですけども、以前カフェに来ていただいた時に、ムーンパレスの話題になって、
じゃあ一回ラジオで話しましょうよという、そういう流れになっていったというので、今回ラジオで振り上げることになったんですけども、しかもね、もともと大地さんもちょっと注目していて、紹介候補で、僕知らなかったんですけども、実はリストの中の一冊だったというのがあって、
そういうちょっと偶然の重なりで実現した、今回のムーンパレスですけど、ちなみにねじまきさんがムーンパレスを読みたいなって思った理由って、もともとは何かあったんですか?
そうですね、きっかけとしては、高校ぐらいの時に洋書を読んでみようかなと思って、いろいろ本を探してたんですね。で、よくそのタドックブックガイドみたいなのがあって、その英語の本のいろいろ持ってるブックガイドがあって、
その中に、例えばカズオ石黒さんのNever Let Me Go、私を離さないでとか、ムーンパレスとか絶対載ってたんですね、特にこの2つとか絶対載ってて。
で、読もうと思って、高校時代の時に英語版の洋書買ったけど、その時は全然英語とかそんなに得意じゃなかったので、結局諦めて今に至るって感じなんですね。
そうですね。で、ようやくリベンジできたかなっていう感じなんですけども。
高校時代からの。
そうですね。ポールオースター自体は、結局初めに読んだのはトゥルーストーリーとかエッセーシューが初めてで、他はもう一つ短編のオーギーレンのクリスマストーリーをちょっと読んだかなくらいのレベル。
なるほど。ポールオースターって結構作品いっぱい出てますけど、僕も大地さんも今まであまり読めてなかったんですね。
そうですね。私今回が3作品目だと思います。本棚には結構あるんですけど、半分ぐらい読んでないっていう感じですね。
03:00
幽霊たちと偶然の音楽か、読んだんで、割と不条理系だったんで、2冊とも。
ムーンパレスもそうなのかなって思ったら、めっちゃ良かったですね。
すごい。間違いない作品だなと思いましたね。
僕もポールオースター何冊かつんどくにはしていたんですけど、もともとはニューヨーク三部作という初期のやつをもう何年前かな、多分10年以上前に読んで、それ良かったなっていうのはあったんですけど、
それ以来でこんなにムーンパレスがすごい感動したっていうのが今回ちょっとびっくりで、
ちなみに柴田基行さんが作っている雑誌のモンキーですね、これの総冠号がポールオースターなんですね。
青春のポールオースターというタイトルで、ちょっとこれね、総冠号持ってなかったんで、めっちゃ今回欲しくなりましたね。
今買うと高そうですね。
そうですね。今多分ね、総冠号は古本じゃないから、買えないのかなって思ったんですけど、本当に良いですよね。
じゃあ今回紹介していくのは、ポールオースターのムーンパレスなんですけども、
役は柴田基行さんで、元々は単行本は1993年に発売されています。
今は新潮文庫で買うことができます。
ありがとうございます。じゃあ私の方から、いつも通りあらすじを。
人類が初めて月を歩いた夏だった。
父を知らず、母とも私別した僕は、唯一の血縁だった叔父を失う。
彼は僕と世界を結ぶ絆だった。
僕は絶望のあまり、人生を放棄し始めた。
やがて生活費もつき、合室運勢のところを友人に救われた。
体力が回復すると、僕は奇妙な仕事を見つけた。
その依頼を遂行するうちに、偶然にも僕は自らの家計の謎にたどり着いた。
深い余韻が胸に残る、絶品の青春小説となっております。
このあらすじ結構、端的で今読み上げましたけど、上手いですね。
すごい。結構あらすじ毎回読むんですけど、ここまで割とスッと入ってきたの久しぶりかもしれない。
ポールオースターのムーンパレスなんですけど、この後3人でいろいろ話していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
じゃあまず具体的にこの話していきたいんですけれども、最初にちょっと小説の特徴というか、ストーリーラインに入る前にちょっと抑えてもらいたいポイントをちょっと皆さんにお話ししたいなと思います。
これはまずですね、あらすじにある通りめちゃくちゃ良い青春小説でございます。
主人公の成長物語でもあるし、大学生の話なんですけど、誰もが大人になる前に経験するようなことも描かれてるんじゃないかなと個人的には思いました。
主人公がかなり魅力的というか、主人公らしい主人公だなと思いました。
ちょっと我々のラジオでもここ最近紹介してるやつだと、前回のトキツナの王はちょっとあれなんですけど、
ジュンパラリヒの定伝の夜にとかは、感情移入とかすごいできるんですけど、ちょっと主人公っぽさっていう感覚で言うとちょっと弱いかなと思ったんですけど、
06:05
このムーンパレスの私、久しぶりに読んだ、なんか主人公らしい主人公が出てくる小説だなと思って、ちょっといいなと思いましたね。
あと登場人物の話もこの後絶対するんですけど、彼が出会うですね、大人ですね。大人が本当にいろんな癖持ってるんですけれども、それぞれこの主人公を導いてくれるので、
本当そこがすごくいいなって思いました。そういうちょっと主人公と登場人物をちょっと注目して読んでもらいたい作品だなと思ってます。
そうですね、結構登場してくる男たちが多いんですけど、男たちがことごとく無双かで、それがいいですよね。
なんかちょっとね、この現実社会で果たして生きていけるのかって思えるような人たちばっかり出てくるんですけど、そこがすごく個性的でいい。
そうですね、読んでていいですよね。
あと小説の特徴的なところで言うと、話の構造とかも結構面白くて、複雑なところはあるんですけども、
すごく重層的で、主人公の物語とはまた別に他にもいろいろな物語が入ってきて、そういうのが読んでくると結構奥深く思えてくるような、そういう作りになっているかなと思います。
それと細かい部分の描写多いですね。すごくリアリティがあるというか、実際後でも話を出てくると思うんですけど、実在するものとかもたくさん出てきますし、
描写もすごく丁寧で具体的だし、だから文字がびっしりとあるんですけど、最終的には伏線というか、そういう物語は収束されていくような作りにはなっているんですけども、
そこで結構、偶発的な出来事というのがいくつか起きてはいくような物語になっているんですけど、ただそれがエンジンのようなものにはなっていって、
どんどん出来事によって物語が動いていくという展開が見えてくるという、そこが決してご都合主義には感じないような、すごいダイナミックな展開の仕方であったり、
描写の丁寧な描き方というか、やっぱり上手い描き方というか、そういうのは感じましたね。
ただね、後でいろいろ振り返った中で、ストーリー的に都合が良いところはチラホラーはあるかもしれないですけど、そういったのは差し置いてもすごくやっぱり話として、物語としてすごく良いものだったというのは感じましたね。
ここをちょっと補足というか、私の感覚を補足すると、ストーリーだけ並べるとすごく都合が良く見えるんですよ。展開だけを並べていくと。
でも、この都合が良く見える展開を読んでいるご都合主義に感じない描き方をできているというのが、たぶんこのポールオースターのムーンパレスの魅力の一つでもあるなってすごく思いました。
振り返ると本当、もう出来過ぎた話じゃんっていうのがすごい感じるんですけど、でも読んでいるときはあんまり感じないんですよね。
09:01
その辺は相当工夫して描かれたんじゃないかなってちょっと感じています。
僕の読んだ印象としては、ストーリーとか物語についてはだいぶ喋ってもらったので、補足しておくと、一応これは舞台はニューヨークとシカゴがメインの話なんですね。
なのでやっぱりアメリカの話なので、野球の話がちらほら出てきたりだとか、ニューヨークタイムズの死亡記事の話がキーになってたりとか、他は本当に実在する絵画を元にしてたり、
他にもいろんな本のストーリーとかタイトルが入ってきたり、80日間世界一周の話とかそういうのが入ってきたり、フォロースターの本当に自分の話も実体験の話も結構盛り込んでるんやなっていうリアリティの凄さもあって、そういう読ませる話になってるんやなっていうのをすごく実感しました。
で、後で喋ると思うんですけど、実際に食べ物に困った話とか、そういうところはすごいリアルやなと思っていましたね。
食べ物に困った実体験、結構凄いっすよね、この結構。
何パターンかあるんですけど、この話の中でも結構確かに。
確かにね、ねじわきさんが言われてるみたいな、アメリカで生活した人とかだったらまた読んだ時の印象って違うんだろうなっていうのはちょっと思ったりしましたね。
やっぱりそのリアリティっていうところとかが要素としてはやっぱり大きいのかなっていうのをね、読んでて感じましたし。
じゃあちょっとストーリーラインの話を私から、これ長い話なんで、本当前半のちょっとの部分、導入部分とプラスぐらいをちょっとお話ししたいと思ってます。
これいろいろ展開があって、最後すごいことになってくるんですけれども、最後の部分まではちょっと話さない感じでいこうと思うので、いわゆるネタバレはしませんよっていう前置きなんですけど、安心して聞いていただけたらなと思います。
まずこれは1965年、18歳の主人公、マーク・ホッグという人物がニューヨークのコロンビア大学に通うために上京してくるところから始まります。
この時、人類が初めて月を歩いた夏でございます。彼には父がおらず、母も幼い時に亡くしています。彼を育ててくれたのは母の兄のビクターという人物です。
父がいなかったので、ホッグは母の生命を継いでいます。なのでビクターからしてみれば、自分と同じ生命を持っているし、ホッグは実の息子も同然という形で育ってきました。
ビクターはなんとかホッグが大学を卒業することができるだけのお金を彼に渡してニューヨークへ送り出します。この時に大学を卒業してくれという願いを込めて。
ホッグはニューヨークで住んだアパートがあるんですけれども、そのアパートの前にムーンパレスという中華料理屋があります。これ実在する中華料理屋ですね。現実にある。
コロンビア大学の学生がよく使っているという話ですが、このムーンパレスという中華料理屋があって、それを見たホッグはここが自分が住むべき場所だと感じました。
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その背景にはビクターおじさんが組んでいる。ビクターおじさんはクラリネット奏者でムーンメンというバンドを組んでいて、そこからもちょっとシンパシーを感じて、このムーンパレスという中華料理屋に彼は自分の居場所的なものを見出します。
このムーンパレスというのがタイトルの由来になってますね。ホッグはビクターおじさんから譲り受けた千冊以上の本があります。
これはおじさんが君に渡せるのは僕はもうこれぐらいしかないということで受け取ってくれということで結構強引に渡されたんですけれども、
彼はその本たちが入った箱をアパートで格代わりに使ってました。ベッドにしたり机にしたりして使ってました。
やがておじさんのバンドが解散してしまいます。その結果おじさんはいろんな職に就こうとするんですけれども、うまくいかず一成もない状態になってしまい連絡が彼にあります。
ホッグはビクターおじさんにお金を送金してニューヨークにとりあえず来るように伝えるんですが、なかなか現れない。
その後の経緯を調べてみるとニューヨークへ向かう途中に心臓発作で亡くなっていました。
おじの死にショックを受けたホッグは葬式など進ませるんですけれども、その後無気力になってしまいます。
そして金も徐々に減り始めます。ホッグにとっておじだけが家族であり全てでありました。
なので無気力になるんですけれども、まずおじとの約束だけは守りたいという気持ちが強くなり大学を卒業することを決めます。
おじの死への追悼のためにおじが残した千冊以上の本をとにかく読むということを始めます。
読み終えた本は近くの古本屋により足りない生活費の足しにしていくようになります。
そんな生活を続けてなんとか大学だけは卒業するんですけれども、その後もうすぐ本当に2ヶ月経たないぐらいでお金が尽きてしまってアパートから追い出されます。
そしてセントラルパークで野宿するようになります。
そんな彼を救ったのはある時少しだけ関わった女性でキティウーという女の子がいます。
彼女はもともとはホックがジンマーという友人がいるんですけど、その彼を頼りにしようと思って彼のアパートを訪ねたら、
ジンマーは引っ越していて代わりに新しい住人が入っていて、ちょうどその時新居居合をやってたんですね。
そこにフラッと入れてもらって、そこで知り合ったのがキティです。
この時キティとホックがやりとりが少しあるんですけれども、それによってキティはホックのことをこの時に好きになっていたのかな。
もちろんホックも彼女のことをずっと頭に残っていて、かなり気になっている状態でございました。
キティはホックがいたアパートに訪ねてくるんですけれども、ホックがいないと。
キティはずっとそのホックを探していました。
この時友人のジンマーと一緒に探していました。
ある夜、セントラルパークで大雨が降って、ホックが雨に打たれて、それでだいぶ衰弱していたので、
発熱なんかしていてかなり危険な状態になります。
そんな衰弱してたところをキティに発見されて、ホックは助けられます。
その後、回復してキティとホックがまた仲良くなって、また友人のジンマーとも交流が始まって、
15:05
キティとジンマーと3人でムーンパレスで食事をすることになります。
その時にですね、フォーチュンクッキーを引いたら、
これが結構物語の中でも何度か出てくる言葉なんですけれども、占いで…
なんですかねこれは?なんて言いたいの?
まじないの言葉なんですかね。
言葉で、太陽は過去であり、地球は現在であり、月は未来であるという言葉を彼は引きます。
彼はこの言葉にとても感銘を受け、その引いたくじを財布の中に大事にしまいます。
セントラルパークで一度死を感じたホックは、考え方が色々変わり、生きようとして仕事を探し始めます。
そんな彼が見つけた仕事が、足が悪く車椅子生活の老人の世話をするという仕事でした。
老人は目も見えない状態になっていました。
この老人がかなり頑固で、理不尽なことをたくさん求めてきます。
彼とやりとりして、関係が色々できてきて、仲良くなったり、
ちょっとなんだよとか思ったりすることも繰り返しながら、老人とホックの関係が始まるんですけれども、
やがてこの老人が死が近いということで、
彼が生きた生涯のことを文章にまとめるという作業を、ホックが彼の話を聞いて始めます。
その過程で、ホックは彼の人生において、今まで明るみに出てなかったことを知るということになります。
というのが、ちょっと長くなっちゃったんですけど、前半の話です。
こんな感じですかね。
だいぶ駆け足ですけど、でもこれでも130ページぐらいの内容なんですね。最初のね。
この前半の450ページぐらいある。
まだ3分の1ぐらいです。
3分の1ぐらいですよね。
ここでも既に私、色々感動するポイントが多かったんですけど、
この後の話を色々していきたいんですが、
あらすじはこの辺りを押さえておけば大丈夫かなと思ってます。
じゃあまずちょっと、登場人物について話していこうかなと思います。
そうですね。やっぱりこのムーンパレスが、色々話が重層的に流れていくんですけども、
それを気負いせずに読める一個の要素として、やっぱ登場人物がすごい魅力的なんですよね。
先ほどお話が出た車椅子生活の老人とかも、すごいおっしゃっていただいたように頑固だったりして、
食べ方がすごい汚いけど、外ではちゃんとテーブルマナーを守って料理ができたりとか、
本当に200キロ越えだったかな、すごい巨大の登場人物が出てきたりとか、
どれを撮っても主人公にできそうなほどの魅力的なキャラばっかりなんですけど、
どれもやっぱりリアリティがあるので、コールオースターが知っている実在の人物でもモデルにして描いたんじゃないかなって、
僕は思ってたりするんですけど、それぐらい登場人物がすごいですね。
確かに。ちょっと老人の名前、トマス・エフィングって言うんですけど、後で話します。
これ多分実際のモデルにないと、この人物造形描けないような気が確かにしますね。
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ですよね。
しかもその人物たちの人生をまるまる小説の中に描いちゃったりしてるんで、
それもすごいですね。やっぱり人物に深入りしてしまうというか、そこが魅力を感じるところかなと思いますし。
出し方っていうか上手いですよね。人物に対して出し方の見せ方が上手いなって。
確かに確かに。
ちょっと順番にどういう人物が出てくるか話した方が結構リスナーの方も分かりやすいかなと思うので、
ちょっと人物について少し話していきたいんですけど、まずはマーコからいきましょうか。
マーコ・ホッグ。主人公なんですけど、これちょっと私から話させてもらうと、
ちょっと最初にも言ったんですけど、本当主人公らしい主人公だなと思って、
ビクターおじさんはじめ関わった人たちの情報がめちゃめちゃ厚いなと思って、
こんなに自分と関わった人たちのことをほぼ全員ちゃんと体質にするじゃないですか。
それが結構すごいなと思って。
老人なんかも正直雇い主だから、もうちょっと適当に扱えばいいのにとか思っちゃうけれども、
結構理不尽なこと言われても、それを受け入れたりとか言われたことを遂行しようとする力とかがすごくて、
結局それが自分に足りないものはそういうところなんだみたいな考えをするし、
それをなんとか克服していこうみたいな楽しみに変えていく力もあるし、
これマジでこんなやついたら超優秀なサラリーマンになるなとか思いながら。
でもすごい意思が強くて、かなり好感の持てる主人公でしたね。
でもおじさんを失った後、ボロボロに住むとこなくなって、
セントラルパークで野宿していたら結構やばい奴だなと思ったんですけど、
でもなんか色々勇気をもらいましたね。
すごい心が強いんですよね、このマーク・フォッグって。
自分の絶対に思ったことを曲げないと思うし、
サラリーマンになったらどうなんだろう。
逆にダメかな。
そうですね。普通の会社だったらもうあっさり喧嘩して、
字表叩きつけて出て行っちゃいそうなタイプですかね。
確かにそれはあり得るな。老人にはそれをしないですからね。
ネジモキさんはこの主人公の印象ってどうでした?
そうですよね。
確かに重ね合わせやすさはすごく高いですよね。
良い感情において、自分もこういう判断をしたいみたいな部分とかにおいて。
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確かにこれ、高校とか大学の時読んでたら結構影響を受けたんだろうなって思いますね。
そうなんですよね。ちょっと遅かったなと思って。
じゃあちょっと素晴らしいマーク・フォッグに関してはそれ程度にして。
ちょっと軽くキティ・ウーという女の子について触れておきたいなと思うんですけど、
これは主人公を助けてくれて、その後恋人として付き合うことになる女性なんですけれども、
この子も言い方あれなんですけど、
キティに関しては実はあんまり私、ページに咲かれてないなと思ってて、
もっとキティとの話をたくさん書いてほしいなって個人的には思いました。
でも会話を見る感じだと、めちゃくちゃ良い彼女ですよね。
第一印象は女神様に思いましたからね。
すごい理想的な女の子だったんだろうなって思いましたし。
気になったのは、キティって中国からアメリカに来た女の子で、
もう本当に綺麗だし、頭もいいし、性格もいいしっていう。
でもなんでフォッグを、主人公を好きになったのかっていうところは、ちょっと読んでても謎としては残りましたね。
私も全くわからなかった。
前半の方ではキティと一緒にジンマーっていう、
主人公にとって唯一と言っていい学生が出てくるんですけど、
このジンマーもね、すごい常識人というか、めっちゃ性格いい人で登場してきていて、
本当にキティと一緒に主人公を助けてくれるんですけど、
この人物も、読んでるとすごく好感を持てるんですけど、
ネタバレでちょっと言えないところとかはあるんですけども、
ジンマーの最後とかで、すごくこれも突然訪れたりしたので、
これが逆にリアルな世界とかでもそうなのかもしれないなと。
ある意味も青春時代だけの人物だったのかなと。
そういうふうに思わせてくれましたね。
これあれですもんね、最後、ジンマーと別れた後、
もう彼とはしばらく会うことがなかった後に、
一回だけ再会する未来のシーンが挟み込まれるじゃないですか。
ああいうの結構好きですね。
その辺は青春時代だからっていうのがあったのかもしれないですね。
あとはメインどころで言うとですね、
ホックにとってとても大切な人だったベクターおじさん、
育ての親のベクターおじさんなんですけど、
この物語の前半はですね、
このベクターおじさんへの思いだけが、
主人公を前に進めてくれているような印象があって。
ほとんどベクターおじさんに育て上げられたので、
こういうマーク・ホックという人物を作ったベクターおじさんが
結構私はかっこいいなというか、素晴らしいなと思って。
実際でも彼は結構人生は恵まれてはなかったんだろうなって思うので、
ベクターおじさんにとってもマーク・ホックが唯一の
24:02
自分がこの世界に残せるものだったんだろうなっていうのもあるんで、
この関係は結構前半おじさんが死ぬところとか、
おじさんを思い出すところとか、
ちょっとうるっときてしまうところが多かったですね。
本当、このおじさんすごい良いキャラですよね。
個人的にすごい好きなのは、
マーク・ホッグっていう主人公の名前なんですけど、
2人で映画を観に行った時に、
80日間世界一周の主人公、フィリアス・ホッグという名前で、
そこからマーク・ホッグをフィリアスというあだ名をつけて
読んでっていうエピソードがあったんですけど、
主人公もその時転校したりとかで、
結構からかわれたりとか、辛い状況だったんですけど、
このおじさんがそういう配慮というか、
何か元気づけてくれるような行いをしたことで、
転校した後の学校生活を乗り切れたとか書いてあったりして、
他にもいっぱいエピソードあるんですけど、
エピソード一つ一つがすごくね、
うるっとくるようなものばっかりでしたね。
正直だってこれ、
セントラルパークで助けられたところで終わっても、
ほんと名作だと思いましたもん。
そうなんですよね。
最初の100ページだけの中編でも、
名作だったと思います。
で、ちょっとこの流れでこの後、
おじさんのセントラルパークで死にかけた後に、
出てくる人物として、
フォックがフォックの雇い主である老人、
トマス・エフィングなんですけど、
彼は足が悪くて車椅子生活が続いてそうで、
目も見えなくなっているような状態の老人です。
だいぶわがままで、
もう一人家政婦みたいな人と、
フォックはここ、老人の上に泊まり込みで働くんですけど、
フォックともう一人家政婦がいて、
3人で暮らして、
2人がこの老人の世話をするっていう感じなんですけれども、
このエフィングはですね、なかなか変わった人で、
家にいる2人には結構辛く当たるんですけど、
外出るとね、めちゃくちゃみんなから好かれてるんですよ。
さっきもちょっと言いましたけど、
家の中だと、なんか食べ物こぼすわ何がするわなんですけど、
外で食事するとめっちゃスマートに食事をするっていう、
ただ嫌がらせしたいだけじゃんっていうのが、
会話を見えるタイプの人間らしい、
人間味溢れる人物なんですけど、
最初の方からですね、
急にフォックがおじさんのことを話したりすると、
急に優しくなったりして、
今までの対応がなんだと思っても優しくなったりして、
フォックはそれでちょっと気を許してしまったりとかするんですけど、
仲良くなったりとかもするんですけど、
なんかそのあたりとか結構、
自分は読んでて最初の方から結構多くの経験をこの方はしてきて、
結構いろんなことをくぐり抜けてきたんだろうな、
みたいなことは思わせる人物ですね。
このエフィングも話を読んでいくと、
また印象って変わっていくと思うんですけど、
僕は結構ね最初本当に、
フォックが初めてエフィングと出会った時の、
27:01
会話とかがすごい意味不明で面白かったんですね。
会話のやりとりが尋常ではないっていう、
哲学的な問いかけみたいな、
そんなのをエフィングがしていって、
それに対してフォックが書いたりするんですけど、
例えばエフィングは、
君はわしのことが怖いかって聞いて、
フォックが別に言って、
エフィングは怖がるべきだと言って、
私には力があると。
どんな力かって言ったら、
精神的な力で、
物理的世界を思った通りに紛る、
意志の力があると。
フォックが念力ですかって言ったら、
エフィングが何年か前の大定言は、
自分が起こしたんだって言ったりして、
本当か嘘かっていうか、
嘘じゃないかって思うような話を、
結構長い間延々とやってるんです。
出だしがそれなんで、
なんじゃこりゃと思ったんですけど、
意味不明でそれが結構面白いんですよね。
私もちょっと今読み返しましたけど、
すげえ面白いこと確かに言ってる。
このエフィングがだいぶ物語のキーには、
なってきます。
結構ミステリアスな話、
かつ冒険談のような話がね、
エフィングの反省が語られていくっていうのが、
結構読みどころですね。
登場人物はその程度にして、
ちょっとこの後ですね、
印象的な場面をちょっと話しながら、
物語についてちょっと話していけたらな、
と思ってます。
まずこの小説って結構エンタメ要素も、
たくさんある本かなとは思っていて、
やっぱりさっきのエフィングと主人公の会話も、
そうですし、なんか読んでてね、
追われるところがたくさんあるっていうのが、
印象的な、例えばですけど、
最初の方ですね、
ヴィクターおじさんが亡くなった後は、
ちょっと経済的に苦しくなった主人公が、
千冊本もらってたんですけど、
それを本屋さん、古本屋さんに売りに行くという、
そこで店主との交互があるんですけど、
ページでいうと、
1ページか2ページぐらいしか書かれていないとこなんですけど、
なんか大量に持って行くと、
足元見られるから、
なんか小分けにして持って行って、
ちょっとでも高い値段で売ろうとするけど、
やっぱり何回も通うとそれも通用しなくなって、
で、だんだん店主もなんかもうね、
なんかニコリともしないし、
なんか何も自分に対して興味を持たなくなったとかですね。
結構ね、この辺のちょっとしたね、
小説の中の部分なんですけど、
面白かったですね、こういうところとか。
うん。
そして、そこ印象に残りますよね。
そうですよね。
古本屋の名前も確か書いてあったけど、
これも実在するのかな?
なんか気になっちゃいましたね。
そうそう。
リカルトの3冊はパスカル1冊に及ばないとか、
なんかその値段の話とかも結構面白くて。
で、あとやっぱあれですかね、
本売っていくごとに、
本の入っていた箱を家具にしていたんで、
なんか家の家具がなくなっていって、
部屋の形が変わっていくっていう。
ガランとしてた感じですよね。
最初はね、本の入った箱で、
なんか部屋が作られていって、
なんかちょっとロマンチックでかっこいいなと思ってたんですけど、
30:02
それがなくなっていくとちょっと笑けてきたっていうのがありましたね、
個人的には。
はい。
そこで主人公が経済的に苦しくなって、
大学に通うのも本当に大変な状況にはなるんですけど、
そこでただおじさんと大学を卒業するっていう約束はしていて、
主人公はもう大学は絶対辞めるつもりはないと、
卒業まで持っていくと意思として固めていて、
ただその中でも結構おそらく自暴自棄となった部分もあると思うんですけど、
なんか奨学金とか寄付金とか、
なんかそういう支援を受けるっていうのも可能だったんですけど、
ただその本当に辛い状況で何も頼ろうとせずに、
極貧の中で何とかやり過ごしていこうとするっていう、
なんかこれ読んでいてちょっと不安になるようなところっていうのも
途中で出てくるんですけど、
でもそこの気持ちもちょっと分かるようなところがあってですね、
本当に追い込まれて苦しくなった時に、
本当に自分一人の世界に入り込んでしまうっていう、
この辺は結構共感というか気持ちが分かる、
ちょっとは分かるなって思ったりもしましたね。
今なんか三枝さんに言われてすごい私も共感しちゃいました。
そこをさらって読んだけど、
確かにこれ自分も同じ時だったら、
こういう意固地差発生するなってちょっと思いましたね。
そうですよね。
なんか本当主人公の真の強さ、そこには多分良し悪しがあると思うんですね。
生きやすさとか生きにくさとかっていうのも絡んでくると思うんですけど、
そういったところは本当にこの大学卒業するかどうかっていうところにも結構絡んでいたんじゃないかなと思いましたし、
あとは主人フォッグのセリフがいいというかですね、会話のやりとり、
これも小説読んでいて面白いところだなと思うんですけど、
そういうすごい極貧状態の中で、
君は一体何をやってるんだっていうのを、
これをお医者さんかな、ある人に聞かれるんですけど、
そこで仕事はやってると、
朝来れば人並みに起きていて、
そして今日1日も生き延びれるかどうかじっくり考える、
これまさにフルタイムの仕事だよって言っていて、
コーヒーブレイクもないし、
ウィークエンドもないし、
健康保険も有給休暇もないし、
言いたくないけど給料も恐ろしく安いんだし、
こういうことを言えるっていうのがすごい読んでいて、
ちょっとわかるなっていうところがやっぱりあって、
本当にそういう大変な状況をユーモアで返していくっていう、
こういうセリフが結構いろんなところに、
やっぱり主人公のユーモアというところが出てるなと思います。
僕が印象に残ったのは、
3体とかもそうなんですけど、
実際にあるものを物語の中に取り込んで生かすのがすごい上手いなと思う。
舞台のニューヨークとかシカゴだったりするのはもちろんなんですけど、
実際にある絵とかブルックリン美術館の話とか、
ヨッツツジというユタ州のモニュメントとか、
ムーンパルスという実際にあった中華料理屋さんの話とか、
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やっぱり実体験を踏まえて物語を作る感じとかがすごい上手いなと思いました。
リアリティが3体もニューヨークの瞑想室とか、
キャンベラの国会議事場みたいなのができたりする。
完全に作り話よりもフィクションやけど、
上手いこと実際にありそうな話にしてるのが、
そういうリアリティがすごい。
しかもブルックリン美術館で、
主人公が結構独特な絵の見方をしに行く描写とかもあって、
移動とかでも外部の情報、音とか視覚とか入らないようにできるだけ気をつけて、
月の絵を見るんですけど、
月の絵をいろんな角度から近づいてる遠くから何時間もかけて見るとか、
そういうのもすごい独特なんですけど、
真似したくなるような絵が描かれてて、
実際でもたぶん行ったらちょっと真似するかなと思いましたね。
うん、わかる。
あの絵に直行するんですよね、他のやつの。
目もくれずに。
そうそうそうそう。
あと砂漠の描写が結構出てくると思うんですけど、
このペーパーバック版というか洋書バージョンの表紙は、
砂漠がブックカバーになってるんですよ。
なのでやっぱり砂漠もキーとなってて、
僕アメリカのそっちの砂漠じゃないんですけど、
ロサンゼルスから3時間ぐらい下、
ヨシワツリー国立公園っていう大きい砂漠に行ったことがあって、
今まで鳥取砂丘ぐらいしか行ったことなかったですけど、
アメリカの砂漠ってほんまに広くて、
そこに行っちゃったらこれ帰れるんかなっていうぐらいの広さと感じですね。
ほんまに別の惑星に来たみたいな感じで。
で、しばらく半年ぐらいだったっけ、
ちょっと期間は忘れましたけど、長いこと過ごして、
一人で過ごしてたら口からちゃんと話ができんようになったぐらい話があったと思う。
あの時すごいリアルやなって思いました。
あの空間にずっといたら十分そうなるやろうなって思う。
砂漠のシーンは、エフィングの昔話とか反省を語るところで出てきますけど、
結構印象残りますよね。崖のとことか。
何でしたっけ、引き先?口先ジャッキーでしたっけ?
どこの部族か忘れちゃったけど。
ありましたね。
あの辺りとか、砂漠に放置された時の孤独感とか、
ちょっとなんていうか、自分はねじまきさんみたいに、
そういう広大な砂漠って聞いたことないから、
全くイメージできなかったんですけど、見た方からするとすごそうだな。
話ちょっと飛ぶんですけども、
ムーンパレスは確か柴田茂之さんが日本翻訳家大賞を取った本やったかなと思うんですけど、
やっぱり原文と比べても、すごい翻訳は元の雰囲気を失わずに、
すごい割と原文に忠実な感じで訳してあるんやなと思ったりとか、
それでもなんかすごい工夫をされてて、
例えばコーチュンクッキーっていうこともあるじゃないですか。
36:00
多分僕の読んでる新潮文庫のやつは占いクッキーってなってて、
どうなってました?
多分この当時だったらコーチュンクッキーっていうのが伝わってなかったかなって。
多分今訳したりしたらAKBとかの高研磨でコーチュンクッキーにされてると思うんですけど、
これは占いクッキーにされてたりとか。
他は細かいところで言うと、小春美織っていう大学のシーンで出てきたと思うんですけど、
これがRubyでIndian Summerって書かれてて。
それなんか私も気になりました。なんだろうIndian Summerって。
Indian Summerって僕としては別の言葉として、
カンカン出りの夏かなと思ってたんですけど、
調べてみると定義としては、
晩週10月から初夏11月にかけて続く暖かい日曜日。
空は澄んでるが夜は冷え込むので、
もやがかかり、空気は霞む。
僕、小春美織も冬から春にかけてのポカポカした日かなと勝手に思ってたんですけど、
全然そんなことなくて、
ここでIndian Summerっていうのを約一つにしても、
日本語にちゃんと当てはめてあるんやなって苦労が見えたりしますね。
他はThe Great Warとかもあったと思うんですけど、
丁寧に第一次世界大戦っていうRubyか何かがあったりとか、
やっぱりそのままやと伝わらないニュアンスはちゃんと補足したりとか、
すごい読者に寄り添った婚約をされてるんやなって。
今ちょっと軽く調べましたけど、
柴田本幸さんはこのムーンパレスで1995年、
バベル国際婚約大賞っていうのを受賞してますね。
これが株式会社バベルというところが、
婚約の世界っていう雑誌を出したみたいですけど、
それに紐づいた文学賞みたいですね。
すごい歴代のあれを見ると、
すごいですね。ウンベルト栄光を訳した人が撮ったりとか、
そんな中でいらっしゃいますね。
すごい読みやすいですよね、ムーンパレス。
なんかすごい情報量めっちゃ多いじゃないですか。
いろんな単語も出てくるし、
それをやっぱり読みやすく書いてるっていうのも、
柴田さんすごいんだなって思いましたね。
なんかあるとすれば、
結構主人公とかがお金に困って、
もうどうしようもなくなった時に、
ちょうどお金が、なんか遺産とかが振り回ってくる。
1回だったらいいけど、2、3回ぐらいあったので、
この辺は確かにゴスゴスかなと思わなくはなかったですけど、
その辺は実際に見たら、ちゃんと通じは通ってるんで楽しめたかなと。
学生の本当にお金がないときに、
お店行ったら足元に札が落ちてたとかね、
お金が落ちてたとか、
確かにちょっと都合いいなと思うところ、
何回かはあったかもしれないですけど、
読んでてちょっと思ったのは、
結構現代社会嘲笑ってるんじゃないかなっていうのは、
どうしたらいいか。
こんなちょっとアホみたいなお金の入り方っていうのも、
そんなのもアリな世界なんじゃないかっていうのも。
39:02
しかもその入ってきたお金って、
結構あっさり手元から離れていったりするんで。
そうですね。結構最後、お金残んないことが多いですもんね。
入ってきて、出てきて、入ってきて、出てきてってなっちゃってて。
私全然あれなんですけど、
偶然手に入ったお金の話をちょっと思い出したんで、
あれなんですけど、前、ゴミ捨て場に本がたくさん捨てて、
配品回収みたいな日にあったんですよ。
あるじゃないですか、よく。
そこで、この本読みたいやつだと思ったやつがあったから、
もらっちゃおうと思って、2、3冊も。
そこからピックアップして持ち帰ったんですけど、
その中の1冊に、しおり代わりに5000冊が挟まってて、
嘘って思って、嘘でしょって思って。
なんかその時、あのシーン読んでる時思い出しました。
カフェの前で、
何だっけ、10ドルだっけ、
ドル札が拾う時あるじゃないですか。
あの時ちょっと思い出しましたね。
自分の5000冊入ってる本を手に入れた時を。
結構衝撃的だったんですけど。
そんなことがあるんですか。
どうしようかと思いましたもんね。
でもそれ、普通にやつは燃やされて終わりだったんですよね。
考えると。
まあ、もらっちゃっていいかなと思ってもらいましたけど。
1000円じゃなくて5000冊とかちょっとビビりましたね。
はいはい。
じゃあちょっとそんな感じで、
最後の感想って言うと、
ちょっと飛んじゃうんですけど、
最後どんな印象を持ったかなみたいな話を3人でしてみたいなと思います。
私から話させてもらうと、
かなり最後感動してしまいまして、
ポールポースターの作品って結構暗い話が多いのかなって思ってたんですよ。
こんな良い終わり方するものなんだって知らなかったんで、
ちょっとかなり感動の幅が大きかったですね。
一人のマーコ・ホックが男になっていく話だなって個人的にはすごい思ったんで、
この彼のこの後の人生どう生きるんだろうっていうのはすごく気になるし、
まあいろいろ失ってしまったものも多いけれども、
何て言うんですかね、
この話って知らないうちに失ってるじゃないですか。
あのホックは。
でもこの一連のあれがなかったら、
失ったことさえ気づかなかったんだろうなとか思って、
ちょっとすごい作品だったなって思います。
っていうざっくりとした感想を見たものになっちゃったんですけど。
ラストすごい良かったなって私は思いましたね。
独語感がすごい良かった。
どうですかみねさん、ねじまきさんは。
ねじまきさんどうですか。
そうですね、僕やっぱり高校の時から読もうと思ってて、
結局ずっと読めてなかったと思うんですけども、
そのせいかも期待値はすごい高かったんだけども、
期待を上回ってくれるぐらい楽しめ、
始めから終わりまで楽しめって。
なんかそうですね、
セリフの一言一言がすごい示唆的というか、
改めて多分読み返してももう一回更で楽しめるぐらいの、
いろいろ含んだ小説で、
また年月を置いて人生の極地で楽しみたいなっていう本やったかなって思う。
そういう意味では何か、
42:01
和蔵石黒の日の名残みたいに何回も読める魅力も十分に詰まった、
作品かなと思いましたね。
だれなかったですもんね、この小説ね。
そこもそうですね。
読み返しても飽きなそう。
そうですね、確かに励まされる文章というか、
すごい示唆的なセリフがいっぱいあって、
それは読み返すとまた新たな発見というか、
出会いがありそうなことがそのくらいにたくさん出てきますよね。
僕が思ったのは、
結構大地さんと近いところで、
主人公のマーコが最後、
自分の人生を生きていけるようになったのかなと思って、
物語の後半の方では、
主人公の物語だけではなくて、
エビングっていう老人の物語とか、
他の物語とかっていうのも出てきて、
そこを主人公が通過していって、
そうなってくると、だんだん最初は本当に孤独な一人の青年という、
生まれもちょっと孤児のような形で、
その青年に果たしてどれだけの価値があるんだろうか、
みたいなのが結構最初の青春物語では
描かれていたりしたと思うんですけど、
でもやっぱり最後読み終わっていくと、
マーコっていう人の物語の
壮大さというか、
人と人の絆であったりとかもあって、
この人は本当にすごい人だなって、
思えるようになってきて、
そういったところでは、この先の主人公が
自分の人生の出話になったんじゃないかなと思うので、
歩き始めたところで終わったと思うので、
すごく希望をもらえたような気がしましたね。
あともう一つ個人的に良かったなと思ったのは、
すごくこのムーンパレスを読んでいて、
これって必要な小説だったのかと思って、
必要っていうのが何というか生きていく上でみたいな、
ちょっと抽象的な話になってしまうんですけど、
登場人物の主人公にしてもビクターおじさんにしても、
結構やっぱり無双化であって、
なかなか社会的な成功とか、
そういうのはちょっと難しいようなタイプの人たちが
主要キャラで出てくるんですけど、
そういう人たちの面白おかしい話って、
果たして価値があるんだろうかと思ったりするところは、
ある一方ででも読んでいくと、
生きていく上でこういう物語って、
やっぱり自分には必要なんじゃないかなと、
すごく思わせるような小説で、
これはやっぱり大人が読んでもいいと思いますし、
本当に子供の頃からもし出会えていたら、
もっと良かったんだろうなと思いましたね。
そうですね。高校の時にちょっと読んだら、
すごい、さっきも言ったけどだいぶ影響を受けますよね。
そうですね。
じゃあちょっとそんなところで。
最後僕から1つテーマをちょっと投げさせてもらってて、
このムーンパルスって結構偶然性とか、
意外な結びつきみたいなんで、
45:00
ドライブしてくる話なんですけど、
実際に三重さんと大地さんの実体験として、
意外な繋がりがあって驚いた話とか、
そういったことってありますかね。
今回その質問をいただいて、
ちょっと色々悩んだりはしたんですけど、
よく考えたら1つあってですね、
僕が大学も10何年か前かな、
大学生の時に毎月1回結構必ず一緒に飲んでいた非常勤の先生がいて、
その先生と飲み会を月に1回出席して、
そこに通って仲良くしてたんですけど、
大学卒業して10年以上経って仕事で、
ちょっと人材系の仕事をやってるんですけど、
ある大学に行った時にそこのキャリアセンターのセンター長が非常勤の先生だって、
大学の教授になったっていうのは知ってたんですけど、
まさかキャリアセンター長になっていたっていうのは驚きで、
自分の仕事を直接する。
そうなんですよ。
行くと知ってる名前があるってなって、
10何年ぶりかで再会して、
また一緒に飲みに行くようになったという、
そういう経緯がありますね。
すごいですね。
そういうのは本当にちょっとびっくりしましたね。
大地さんなんかあります?
私もちょっとこの質問をもらっていろいろ考えたんですけど、
今ちょっと思い出した話があるんで話しますけど、
小学校の時に私車に跳ねられたまではいかなくて、
接触してちょっと倒れたことがあって、
すぐ車を運転されてた方と一緒に病院に行ったりとかして、
わーってなったんですけど、
中学校に上がって、
中学校がその当時地域で一番大きい中学校だったんですよ。
地域っていうか県の中でも一番大きかったらしくて、
結構クラスがあるんですけど、
その中で同じクラスになった奴が、
私を引いた方のお子さんで、
なんか話しかけられて、
あの時みたいになって、
でも私その時お母さんが病院に連れて行ってくれただけで、
息子さんとは一切接触しなかったんですけど、
でも彼はお母さんが接触事故を起こした時、
車に乗ってて私を見てて、
あーってなったらしくて、
話しかけられて、
もうその後すごい親友になって、
今その彼は広島、
ほぼ同じタイミングで上京して、
大学じゃなかった、
そいつは専門学校だったんですけど、
結構飲み歩いたり、東京飲み歩いたりしたりしたし、
広島行っちゃった後も戻ってくる時は一緒に飲んでたりとか、
広島に私行ったこともありますし、
そういう関係が続いたし、
ちなみに前回の番外編で、
私読書を始めたきっかけは、
鈴木浩二のリングだって言ったと思うんですけど、
48:01
リングを貸してくれたのはそいつなんですよね。
私が読書にハマるきっかけもそいつからもらってるんで、
今ちょっとふと思い返してみて、
結構空発的なところで、
私も読書を始めてこういうことしてるなーって、
ちょっと思いました。
逆にねじまきさんは何ですか?
僕もいっぱいそういうエピソードがあるんですけど、
せっかくなんで、ムーンパレスの話とつなげると、
そもそも文学ラジオさんを聞き始めたのは、
スポティファイで偶然見つけて、
この一人のホストの方が、
みえさんって京都で文学カフェをやっておられてて、
あいにい色々喋ってみたら、
ムーンパレスの話に行って、
読んだ期間として別にここに読もうって定めたわけじゃないですけども、
読んだのは僕、2021年の9月に読んだんですね。
これがちょうど9.11のテロから20周年の説明だったり、
日本とニューヨークがすごい話題になるときだったりだとか、
他にもムーンパレスにシカゴカブスっていう野球チームが、
シカゴの野球チームが出てくると思うんですけど、
それが1個か2つ前のポッドキャストエピソードで、
一緒に記録させてもらった佐久谷永さんっていう、
シカゴのスタンダップコメディアの方がやってるラジオで、
シカゴカブスの話をしたりとか、
なかなかそんなないじゃないですか。
今も弱小チームなんやなっていうのを知ったりとか、
他にもムーンパレスが、
初めて人類が月を歩いた年の話なんですけども、
今年も民間人が初めて宇宙に行けるようになったのが、
この2019ワクワクだったりとか。
他にも、個人的かもしれないですけど、
チャーリーワックっていうローリングストーンズのドラマーの方が亡くなった。
そのタイミングあたりから、他のブロガーさんが勧めたはったので、
ニューヨークタイムズの公読をオンラインで始めた。
死亡記事とかを読んでたのが、ムーンパレスを読む前やった。
すごくないですか、なんか。
そんなことあると思ったんですけど、
死亡記事とかもいろいろ読んでたりして、
実際にニューヨークタイムズっていう名前も出てきますし、
死亡記事を読ませる描写が出てきたっていうのが、
すごい偶然やなと思ってびっくりしてました。
でもこうやってね、空飛猫さんたちとのあれを結びつけてくれたのは、
ムーンパレスとかもすごい思い出深いですね。
偶然性ってすごいなと思いました。
そうですね。
私からも、みえさんたくさん言いたいことあるから、
私からコメントしてもらうと。
めちゃくちゃいろいろ。
私もこのタイミングですごいムーンパレス読めて、
いろいろ考えるものがあったんで、
すごい良かったなと思うのと。
51:00
ニューヨークタイムズの死亡記事、読み…
英語は時間かければ読めますけどっていうレベルなんで、
なかなか手が伸びないんですけど。
死亡記事めっちゃ面白そうですね。
面白そうっていうか、すごそう。
読んでみたいなって思います。
日本の新聞の死亡記事と何か違いとかってあるんですかね。
結構ストーリー仕立てになってて、
例えばその人が最後発した一言が人生のテーマになってますとか、
人の人物描写を悲しい感じじゃなくて、
明るくこういう意義を成し遂げて、
こういうアニメーターでしたみたいな。
すごいその功績を残してるのを、
ちゃんと文章でまとめて読めるっていうのがすごい興味深くて、
なんか結構人気コーナーらしいタイムズ。
ぜひ気になる。
日経の人とかも結構出てるんで読めるといいかも。
本当にムーンパラスで出てくる死亡記事と、
やっぱりその通りだったんですね。
ストーリー仕立てにしてて。
こんなにねじわきさんの中で偶然がいろいろ繋がっていくっていうのがすごいな。
こういうのってどうなんですか。
結構毎年恒例というかですね。
よくあることなのか。
そうでもない。
ニューヨークでも一回僕が大学の時にアメリカを横断したんですよ。
一回だけで。
その時にニューヨーク別のところ、
どっかの別のところで会った人と偶然ニューヨークで再会したりとか。
結構たまにそういう偶発的なやつとかはあったりしますね。
それすごいですよね。
ニューヨークで違うところで会った人と知り合う可能性って。
本当に嘘みたいですけど。
そうですよね、本当に。
夏休みとかなんで、ちょうど最後はニューヨークで終わるっていうのは定番のパターンではあるんです。
それでも偶然会うっていうのはすごい偶然やね。
なるほど。
本当今回ねじわきさんとこういう偶然がいっぱい繋がってる話聞いて、
この先もあれですね。
意図せず、僕と大地さんとねじわきさん、何かでデコアッス可能性があるんじゃないかと。
実は行き別れの兄弟やったと。
でも多分会ってたりするかもしれないですね、ずっと京都いるんで。
そうですよね、私も別に京都何回か行ってるし。
じゃあ最後にどんな人に呼んでもらいたいか話して終わりたいと思います。
じゃあ今日来ていただいたねじわきさんからいただければと思います。
そうですね、どんな人に呼んでもらいたいかというと、やっぱり若くて、
主人公が大学生なので、高校生とか大学生の方はもちろん、
54:01
人生のどん底にいる方とか、この番組がどん底から始まるのでそういうところとか、
本の話も結構出てくるので、読書好きやったり、
あと旅行好きの人とか、アメリカ文化に興味がある方とかですね、
あとちょうどその月、ムーンパレスってことで月も結構大きなテーマになってるので、
秋のブナガに呼んでもらいたいかなと思います。
ありがとうございます。
じゃあ続きまして私からなんですけれども、
私はどんな人にっていうのは、もう青春小説好きな人は結構ハマるんじゃないかなと思います。
あと結構人生に悩んでる人、どん底って言い方、ねじわきさんからいただきましたけど、
結構いろんなことに悩んでる人は、この主人公の成長と強さと、
彼の迷いとかが結構刺さるんじゃないかなと思いました。
なんか本当、私はすごく今回力をもらったんで、
30半ばですけど、力をもらえる小説だったので、
若い人にはより刺さるかもしれないですけど、いろんな人に絶対刺さる小説だなと思ったので、
ぜひ読んでいただきたいなと思いました。
そうですね、僕も本当青春小説でエンターメセンもあるので、
本当に幅広くもうみんなにおすすめって言える小説かなと思っています。
あと、これは親子の物語ではあるんですけど、
親子に限定せず、もっと広く人と人のつながりとか絆とか、
そういうのがすごく感じれるので、何かそうですよね、
ねじわきさんが言ったような、ちょっと自信性のどんどんとか、
あとちょっと孤独を抱えていてとか、
そういった時に読むとまた勇気をくれる本かなと思います。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
いやー、よかったですね、ムーブパレス。
今回3人で話して、いろんな話ができて、すごい楽しかったです。
本当によかったです。
じゃあ最後にねじわきさんから、この番外編と今回のムーブパレス、
一緒にやっていただいて、感想を一言もらえて終わりにしたいと思います。
そうですね、ずっと聞いてた文学ラジオさんに出させてもらってすごい嬉しいんですけど、
本当にイントロのコールとかが始まったとき、すごい緊張したりしました。
ちゃんとやるなと思って。
そうか、すいません、プレッシャーになって。
でも本当にね、初めの方ちょっと緊張してたんですけど、
ムーブパレスの話になると、すごい喋りたいこと喋ってたので。
で、こうやってね、いろんな小説を他の人と喋れて、
新しい視点、もう僕が思ってなかったような感じ方とかもあったので、
一緒に喋れてすごい楽しかったです。
また機会があれば、ぜひ他の方もやりたいなと思うので、
今後もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
私もこの後ねじ巻ラジオの方に出させていただくので、
逆に私たちが緊張する番ですね、みえさん。
57:01
そうそう、ねじ巻ラジオさんのポテキャットすごいしっかりしてるんで、
多分緊張度合いこっちの方が大きいんじゃないかなと思うんですよね。
ねじ巻さんありがとうございました。
ありがとうございました。
じゃあ次回告示で終わりたいと思います。
次回はですね、アンドルス・キビラクだと思うんですけど、
ちょっと読み方、発音の仕方あれだったらすみません。
アンドルス・キビラクのヘビの言葉を話した男という小説をですね、
取り上げたいと思ってます。
エストニア初のファンタジーでございます。
お楽しみにしていただけたらなと思います。
では番組の完成はリクエスト。
またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました。
読み返しましたでございましたら、
ハッシュタグ空飛び猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
ツイッターやインスタのデミは投稿などでお待ちしております。
メッセージフォームも番組情報欄に載せておりますので、
そちらから直接いただいても大丈夫です。
気に入っていただけたらこの番組積極的に拡散共有していただけると助かります。
ではまた来週。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
58:04

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