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2022-11-07 51:50

第100回 ミエが強烈に惹かれた美しく残酷な青春小説「越境」 コーマック・マッカーシー著

spotify

【今回の紹介本】 

■『越境』コーマック・マッカーシー 著 黒原敏行 訳 早川epi文庫 

文学ラジオの作品紹介がついに100回を迎えました!

前回はダイチの思い出の一冊だったので、今回はミエの思い出の一冊を紹介します。 

16歳の少年ビリーは、罠で捕まえた狼をメキシコに返しに、 家族には何も告げずに、アメリカから不法に国境を越えてしまう。 

長い旅路の果てに底なしにの哀しみが待ち受けているとも知らず。 

孤高の巨匠コーマック・マッカーシーの美しく残酷な青春小説をお届けします! 

【番組内で紹介したトピック】

 ■『越境』コーマック・マッカーシー 著 黒原敏行 訳 早川epi文庫 

https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/310056.html 

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【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:01
文学ラジオ 空飛び猫たち
16歳の少年ビリーは、罠で捕まえた狼をメキシコに返しに、家族には何も告げずにアメリカから不法に国境を越えてしまう。
長い旅路の果てに、そこなしの悲しみが待ち受けているとも知らず、故郷の巨匠コーマック・マッカーシーの美しく残酷な青春小説
「越境」をご紹介します。
どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするラジオ番組です。
お相手は、私小説が好きなダイチと実情めぐるカフェのミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、東京と京都を繋いでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
番組概要欄に詳細情報を記載しているので、初めてお聞きになる方などそちらを見ていただけるとありがたいです。
今回紹介するのは、コーマック・マッカーシーの越境になります。
黒原俊幸さん役で、早川エピ文庫から2009年に出版された本で、単行本は1995年に出版されています。
ついにですね、このコーマック・マッカーシー越境をもってですね、作品紹介が100回を迎えます。
なかなか考えづらいものがあるんですけど、ちょっとこの辺の我々の思いとか今の心境とかは、
ちょっとこの来週配信は番外編にしようと思ってまして、そちらでいろいろお話しさせていただこうと思っておりますので、今回はもう作品紹介に集中したいと思っております。
100回目、前回の99回の奇跡も語るものがいなければに引き続きまして、
この2人が、我々2人が熱を持って話せる一冊を選ぼうということで、三枝さんが選んだ本ですね。
そうですね。僕はコーマック・マッカーシーって作がすごい好きで、今回越境を選んだんですけども、もう一冊、ブラッド・メリディアンという作品もあってですね、
ちょっとそっちとどっちにしようかなと迷ったんですけども、越境の方が最初読んだ時、心に残るものが大きかったんで、こっちにしてみました。
ただ、10年ぶりくらいに再読したんで、内容とか結構忘れていたんですけども、それでもやっぱり読むとすごい小説だなと思いましたし、
三枝さん、今回読むの大変じゃなかったですか?660ページぐらいの文庫であるんで。
なんか長編小説3本分ぐらいの分量だよね。
すげえなと思った。面白かったんだけど。
一章がだいたい200ページ近くまであるんですけど、目下が特にないんですよね。この一章一体いつ終わるんだって思いながらね、読んでいくことになるんですけど。
03:08
私は1週間くらいかけて読んだんですけど、結構この作品には心揺さぶられながら読んだんで、すごく楽しかったけど、なかなか読むのは大変だろうなとは思いながら取り組みましたけど。
最初読んだ時、これ半年ぐらいかかってですね、どこで躓いたかあんまり覚えてないんですけども、
多分一章だと思うんですけど、文章が結構濃くてですね、それがなかなか読んでいけなくて、読もうとして読めなくて、また読もうとして読めなくてっていうのを何回も繰り返して、
結局半年ぐらいかけて最初読んで、それなのにすごい心に残るものがあったという。そうですね、初めて読んだ時はそんな感じでしたね。
確かにこれ半年ぐらいかけて読まないと、ちゃんと落ちてこない。
半年ぐらいかけて読むともう、手前の流れとかで全然覚えてないんで。
でもこれね、すごい濃厚だから、これから多分いろいろ話すけど、話すけどって言っても、何から話そうかみたいなとこあるけど、
なんかすごい話したいことあるんだけど、なんだろうね、なんか今バルブに手をかけてて、今線ひねったら止まらなくなりそうな感想するけど、あの感想とかを話したいことは。
端的に思ったのは、これもう人生だね、人生ですね。もう我々はどこから生まれてどこへ行くのか、生きる意味は知ってるのか知らないのか、
生きる意味などあるのか、みたいな。もうすげー揺さぶられたわ。
人間とは何かみたいな、世界とは何かとか、そのくらい大きな話を書いてるって思いましたよね。
主人公は若い少年なのにね、すごい作品ですね。
もう100冊目に、100冊目じゃないんだけど、100回目にふさわしい一冊ですね。
それをこれからお届けしていきましょうか。
はい、いきましょう。
じゃあまずですね、著者のコーマック・マッカーシーについてなんですけども、ちょっとその作家の説明をします。
1933年にアメリカのロードアイランドで生まれて、20代から小説を書いていたんですけども、最初の方はですね、あまり世間的な知名度とかはなくて、
プロの作家とか評論家から認定化されるような、作家のための作家という、そういう存在として知られていました。
ただ、92年に発表して、92年が結構晩年なんですけども、それが国評三部作というですね、今回紹介する、
今日がその三部作の2部にあたるんですけど、その三部作の一部、すべての美しい馬がアメリカでベストスラーになって、初めて大衆にも認知されるようになったという作家になります。
その後は、すごい活躍していってですね、映画ノーカントリーの原作である、地球暴力の国とかですね。
06:01
このノーカントリーというのは、すごいアカデミー賞とか、たくさんの賞を取った、すごいヒットした映画で、あとザ・ロードという作品ですね。
ザ・ロードというのは、ラジオの過去に取り上げたことがある作品で、そういったので、すごい注目されて売れるようになって、アメリカを代表する作家となって、今ではそのノーベル賞というのと言われています。
このザ・ロード、私もラジオで紹介したのが本当最初の方で今思うと、すごくこの本好きで、一緒に話してすげえよかったなって思っていて。
で、私は細々しいこのザ・ロードしか読んでないので、今回2冊目なんですけど、すごい細々しい好きだなと思いましたね。
作品って書いてる人って共通して、なんか知ってるところがあると、一貫性がすごくある作家で、なんか好きな人が好きで、作家などですね。
細々しいって言って、ザ・ロード以降はそんなに日本で注目をされることっておそらくなかったと思うんですけども、実は今年ですね、
2月にデビュー作のカジュウエンの守り手という作品が翻訳されたり、
あとアメリカの方で新刊がザ・ロード以来16年ぶりに発売されて、パッセンジャーという作品なんですけど、
翻訳で活発になっている、細々しい好きな人からすると、ちょっと嬉しいという状況になっています。
嬉しいよね、こういうのね。パッセンジャーも早く翻訳されるといいよね。
そうですね。すごい注目の作品なので。
細々しいはそんなに知られている作家ではないんですけども、1冊だけですね、この細々しいについて書かれた評論があって、
山口和彦さんが細々しい研究をする方でいて、その方が細々しい作装する暴力と理理という本を3収冊のところから出していて、
細々しいをより詳しく知りたいなという方はこの本がおすすめかなと思います。
特に序章25ページくらいで、細々しいの理理ってどういう歩みがあったのかというのを払われている、結構貴重な資料になっていると思いますし、
これまで翻訳されている本とか、翻訳はまだされていないけど、過去に真っ赤足が書いている本の評論とか書かれているので、なかなか面白い真っ赤足の本になっています。
ちょっとそれ読みたいですね。でもちょっとまずは真っ赤足を俺たくさん読まないと、その話が入ってこないと思うから、まだ2冊だからね。
そうです。京都ザロームしかってないですけど。
国境三部作は人生の中で絶対読みたくなりましたね。
そうですよね。
三重さんはほぼ読んでるんですか、今翻訳されているのを。
翻訳されているものは全部読んでますね。一部は映画の脚本も翻訳されているんですけど、それは読めてないのがあるんですけど。
なんかこれさっき調べたら、私今全ての美しいものを積んでるんですけど、あれ映画化されてて、映画の主演ペネルペクロスなんですね。
それでもう超見たくなった。しかも2000年に撮られてるからだいぶ若い。デビューしたてぐらいだよね、きっとね。
2000年ってわかんないけど。出てき始めぐらいだよね。ちょっとすごい痛くなりましたね。
09:06
映画も見たんですけど、いい映画でしたね。なかなか原作に雰囲気がすごい伝わった。
原作読んだら見てみよう。
ではここから作品紹介をしていこうと思います。
まずあらすじを。16歳のリリーはたちこを襲っていたムスオオカミを罠で捕まえた。
今は近隣でオオカミを見下ろして、メキシコから撃墜してきたに違いない。
一度も反するものの、彼は傷つきながらも豪快オオカミの故郷の馬に対してやりたいとの強い衝動を感じた。
そして彼は家族みんな何もというふうにムスオオカミを連れて日本に鉄橋を越えた。
長い旅路の果てに底なしの悲しみが待ち受けているとも知らず、
ここをノオカミが語っている美しく残酷な青春小説というあらすじで、
アメリカと同じ国境付近に住んでいる少年がオオカミを捕まえたことから話が始まっていく。
最初は何ということなのか、そういう始まりがあるんですけど、
そこからすごい長い旅が終わっていて、底なしの悲しみが待ち受けているとの小説ですね。
その底なしの悲しみを読んでしまって、だいぶやられましたね。
まさかそこまでの悲しい展開になるなんて。
読んでいるときになかなかグサグサきますね。
国境三部作について補足をしたいと思いまして、
今回紹介する液晶というのは三部作の中の二部なんですけども、
これだけで完全に独立していて、一部とか三部を知らなくても、
二部だけを読んでも全く問題ない作品になっています。
一部と二部を読む順番もどちら先でも全く大丈夫ですね。
一部は全て美しい作品で、これはカウゴーイの少年が主人公の青春小説で、
これもアメリカからメキシコに行って教室から来ているとしても近い話になっています。
三部は一部と二部の主人公、一部はジョン・グレイ、二部はビリーという少年なんですけど、
この二人が出会って展開が起きるという三部作になっています。
この平原の街をみなさんは読んでいるわけですよね。
液晶だけでもう今パンパンで。
これが液晶の主人公のビリーのこの後の人生というか、
気になるけど、だいぶ彼の何かを描き切った感は液晶であったけど、
まだ先があるってことですね。
ビリーにはまだやるべき使命みたいなものが残されていないんですね。
それは一部のジョン・グレイという主人公もそうなんです。
一部で完結した作品ですごいいい作品なんですけど、
12:01
三部でお互いそれぞれちゃんと役回りがあるのはなかなかすごい三部作ですね。
これはちょっとマジで一部と三部これも読まないとな、自分の人生が終わるまでには。
ヤバい、変な沼に入ってしまったかもしれませんね。
でもすごいね、細々しい。最後で話したいけどすごい作家だと思ったんで。
ここからは液晶について触れていきたいと思います。
まずは液晶の全体的な魅力ですね。
ちょっとこれを3点ほどありまして紹介して、その後ストーリーに触れていきたいと思います。
まず魅力の一つなんですけども、主人公の少年ビリーが
メキシコへの国境を3度越えるという展開ですね。
この展開が非常にいいと思っていまして、
国境を越えるっていうのが1回目は狼を返しに行くと、
2回目は馬を取り戻しに行く、3回目は弟を探しに行くというですね、
目的があっていくわけなんですけども、
毎回これを読んでいくと本当に絶望的な状況になって、
メキシコに入るとすごい殺し屋みたいな人間が追われたりして、
この先どうなるかと思ったりするんですけど、
そこで読んでいくと驚きの展開があります。
この展開はすごく私も惹かれてしまったというか、
読み始めて、ストーリーのところで話したいけど、
すごい展開がビビりましたね。
ドギも抜かれましたね。
今三枝さんが言った狼を返しに、馬を取り戻しに、弟を探しにっていう部分なんですけど、
これも本当三冊の小説になるぐらい展開も内容も濃厚で、
描かれていることもすごくて、
これをよくこの一冊の中に組み込んできたなっていう感じはするし、
一番最初に越境した狼を返しに行くのが、
大体200ページぐらいで終わったんですけど、
読んだ時にここで終わっても全然名作なんだけどみたいな、
この後400ページもあるのみたいな、
よくわかんない感情になりましたね。
多分ちょっと200ページで満足してしまったっていう。
3分の1で満足してしまったっていう状況に陥った不思議な感覚になったけど。
でもやっぱその後読んでいくと、このビリーの人生がね、
ビリーの人間がすごく描かれていくので。
本当この最初の豊かに話したら、
本当十分読みごとがあるんですけど、
でも面白いのがこのメキシコに渡る時に、
この小説ではやっぱりこのメキシコというのは、
ちょっと架空のメキシコという部分も含まれていると思っておりまして、
それも大説とかでも書かれているんですけど。
またそこで私は思うのが、やっぱりアメリカとは違う世界ですね。
もう人々の価値観とかエルヴィンみたいなのとかは、
やっぱりこの世界観がガラッと変わってしまうような、
これはなんかちょっと1回だけでは特にもったいないのかもしれないけど、
やっぱり人生で3回くらい行ったり来たりというのを繰り返すという、
ちょっと試練のような、それが持ち構えているという、
15:02
これは主人公にとってはすごい大変なことなんですけど、
読んでいる側からすると、あとはまだ行くのかという、
それがちょっと構わない、そういう。
これ私200ページくらい、この狼のくだりが終わるというか、
あたりで解説を読んだんですけど、解説がですね、
結構ちゃんとネタバレしていて、
あれ?嘘?みたいなことが書かれてしまっていてですね、
我々もこの後ストーリーのことについて触れていくんで、
内容話さないと話せないのでネタバレは結構するんですけど、
ネタバレ怖い人というか、されたくない人はですね、
あまり解説読まない方がこの本に関してはいいなと思ったのと、
我々のストーリーの部分は確かに聞いちゃうとネタバレになるかもしれないから、
そこはちょっと聞かない方がいいかなと思っております。
一応アラートしようかなと思って。
読んでるときとか読もうと思っているときに解説読んでしまうと、
確かにこの驚きの展開を知ってしまったりもあるので。
ここから大将でストーリー触れていきますけど、
読むのがまだまだ好きだとか、読むかどうかわからないとか、
一応やったらまあまあ、ストーリー聞いてもそんなに影響はないと思います。
たぶん読み始めるともう大丈夫ですけど。
だから途中で解説読むのはちょっとやめた方がいい。
確かにそうですね。
なるほど、作品の魅力の復活面ですよね。
これちょっとさっきも話したところであります。
死体感なんですけど、厳しいという物語、残酷な現実が訪れたりするんですけども、
少年の冒険物語であるんですけど、
死闘か暴力かというのが自然の摂理であるために非常に厳しい世界で生きているっていうんですが、
この死体感がやっぱりすごく魅力的だと思っています。
残酷な現実って待ち構えてはいるんですけど、
ただそこで出会う人々、それぞれ哲学を持っていて、
この作中でこの少年のビビリを言い聞かせてくれたりするんです。
この世界とは何であるかと言うと、
すごく何気にない厳しい世界ですけど、
そこの哲学ということも素晴らしいという、そこも魅力かなと思います。
そうですよね、いや本当これはすごくいいな。
基本的にメキシコの中なんですけど、
メキシコで出会う老人とか行き先々で出会う方々、
メキシコで聞く話が、語りがですね、
すごい長いパートになっちゃったりする時もあるんですけど、
そしてこのストーリーとは若干ちょっと離れるというか、
別パートだよなみたいなの多いんですけど、
どれもなんかこのビリーの人生や未来を暗示するような話とか、
あとそもそもこの哲学ですよね、
人生哲学みたいな、なぜ人は生きているのかとか、
すごいめちゃくちゃ良くて、
なんかねここだけ読み返したい、
あの老人の話とか。
そうですね。
そういう話を聞かせてくれる人たちって、
なんか全部この主人公ビリーに対してすごくよくしてくれて、
18:00
お腹空いてるところにご飯出してくれたりするし、
なんかちょっと一晩泊めてくれたりするしね。
私はストーリーとはあまり関係ないかもしれないんですけど、
ただ、なのにすごく読ませる話が所々入って、
3つですね、作中の中で人物、それぞれ自分たちの物語、
結構それは長かったりするんですけど。
2部ぐらいかな?2部ぐらいだと思うんだけど、
プリマドンナ、道で王女をしている旅芸人みたいな方々の女性がですね、
ビリーに言うのが、
ビリーがもうだいぶ長いこと探してるんですって言って、
長い長い旅になるんでしょうね、多分。
あんまり長く旅をしていると最初の目的を失うものよって、
さらっと言って、なんかすげーさらっといいこと言い出したと思って、
あったりするし。
あと、本当ラスト付近なんだけどね、
ちょっと助けてくれた一男との会話。
ラスト付近でビリーに手を貸してくれる、
一男のリーダー格の男かな?
ちょっと男との会話の中で出てくるのが、
過去というものはと男は言った。
反対のことを主張するたちの間で繰り広げられる討論だと男は言った。
記憶は弱いを重ねるうちに薄れる。
我々の思い出の像が保存され倉庫などのない。
夢に現れる愛する者たちは実は見知らぬ他人だ。
目の前のものをあれのままに見ることすら努力がいるのだ。
我々は証拠を求めるが、世界はそれを提供してはくれない。
もうなんかすごい、
うわ、真実だっていう真理を言ってると、
こういうね、なんかそれぞれの、
なんだろうな、ちょっとずつ違うんだけど、
でもこの全体でビリーに何か教えようとしている人生哲学。
まあ、引いては多分小幕末歌詞の哲学みたいなのが多分描かれていて、
だいぶ痺れましたね。
そうですよね、本当に。
現実と現実のスタイルがこうなんだっていうのがね、
それをやるときに気持ちいいんですよね。
なんかそう、本当さ、正直なくてもいいわけじゃん、このストーリー展開上。
なくてもいいのになんかすごいスッと入っていくんだよね。
それがすごい上手すぎると思って。
そうですよね。
この辺はやっぱり幕末歌詞がやっぱりなんだろう、
ストーリーを描きたいっていうか、この世界を描きたいっていう、
そこが現れてるんだなと思いました。
魅力の3つ目なんですけども、
この幕末歌詞が世界観を描こうとしている、
この描写力であったり、
文体というところが非常に素晴らしいというのがありますね。
本当に独特な文体なんですが、
セリフが限りたくなくて、
濃密な文章を使っているし、
比喩、表現とかもバンバン使っているし、
点があんまり使われていないとか、
そういったので一文がすごく長い、
そういうのがあるんですけど、
すごく極限に世界を描いているし、
同時にすごく詩的な文章で、
美しく描写もしていて、
暗くて厳しい世界観なんですけど、
一方で魅力的で重い、
なんとも文章を持っている力というのがすごいと思いますね。
本当そこは一読して感じるところで、
21:00
比喩とか文章がすごい良いですよね。
長さもあるし、
その言葉のチョイス、使い方もすごく上手いし、
これはやっぱりこの細かい文章じゃないとできないだろうな、
という領域に達している気がする。
ちょっと冒頭よく迷ったんだけど、
これ絶対に日本人じゃ書けないっていうか、
細かい文章でしか書けないって言い切っちゃってもいいのかもしれないけど、
ちょっと広い海外文学全部読んでるわけじゃないからさ、
なんとも言えないけど。
これは何だろうな。
多分これを真似せることはできる。
このコーマックマッカー氏のスタイルを真似することは絶対できるんだけど、
でも絶対にこの領域にはたどり着けないなと思っていて。
例えば日本人でめっちゃ長い小説書く人いると思うけど、
やっぱりこんなにすごくドライだし、
文章というか感情に対してドライだし、
なのに迫ってくる書き方ができるっていうのはないと思う。
言い方が合ってるかどうかわからないんですけど、
日本の作家ってもうちょっとウェットに書くっていうか、
すごい言葉が難しいんだけど、
自意識が高く書いてしまうっていう言い方したらいいのかな。
何だろうな。
自分っていうものがグッと出てきちゃう。
主人公の感情の描き方、感情がどう発生するのかとか、
結構その辺をわりと厚めに書いてしまう人が多いイメージがあって、
そういう人たちばっかりじゃなくて、
わりと淡白に書く方々もこの領域には絶対いけないし、
まずそのウェット過ぎるか、
俺からするとね。
ウェット過ぎるか、書かなすぎるかっていう方向性なんですけど、
こまくまかしをこんだけ書いてるのにドライで、
なのにすごい読ませてきて、
文章も長いんだけど、
でもすごく状況を伝えようとする努力というか、
そこにすごい力を使ってるなと思いますね。
匂いの描写とか風景の描写とかすごく多いんだけど、
全然何だろう。
読んでるのが苦じゃないっていうか、
それはすごい領域だなって、
今回越境読んで思いましたね。
ザ・ロードの時も思ったけど、
でもより越境の方がすごいなって思った。
ここからストーリーに触れていきたいと思います。
最後の終盤の展開とかも話したり、
軽くですけど話したりするので、
これから読みますって言ったら、
一旦ここで読むかどうか、
聞くかどうか判断していただけたらなと思います。
まずストーリー自体4章に分かれていて、
一章は狼と少年が出会うという話なんですけども、
まず時代としては1940年代初頭で、
アメリカ南部、メキシコ国境付近で暮らす
16歳の少年、ビリーが主人公です。
ビリーは弟のボイドと両親の4人で暮らしていて、
家で馬であったり、なんぼ飼っているか、
そういう生活をしています。
ある時、ビリーたちが住んでいる家の近くで、
狼が現れて牧場の牛が狙われという被害があって、
狼が罠を掛けても頭が良いので、
なかなか捕まえることができないんですけども、
ビリーがしぶとく罠を掛け続けたりして、
やがて狼を捕まえることに成功します。
狼は別の狼でビリーを捕まえるんですけども、
24:01
その時は1人でストーリーと言っていて、
ビリー1人で狼を捕まえて、
怪我はしていたので、
家に連れて行こうかと思ったんですけども、
ビリーは狼をメキシコの山に返そうと、
そう思うようになります。
この狼時代、もともとはメキシコにいたんですけど、
森林伐採とかが進んで、
それが深刻になってきて、
山から降りて国境を越えてきた、
そういう状況でした。
ビリーは家族に誰にも告げずに、
狼と一緒に家から持ち出したライフルと馬に乗って、
メキシコに無法侵入していきます。
狼はメキシコの山に返そうと思ったんですけど、
メキシコに入った後に、
ビリーは警察に捕まってしまって、
狼に押収されてしまいます。
狼なんですけども、
大野猿宿舎という、
アポロムシットの一つの村というと、
語弊があるかもしれないですけども、
いろんな人たちが住んでいる、
シロバみたいな所に宿舎があって、
そこで刀剣ですね、
犬と決闘させられてしまいます。
監修がいる中で、
ビリーは決闘場に入っていって、
狼を救い出そうとするんですけども、
狼は犬一匹じゃなくて、
何十匹と体験させられるという、
残虐なことが行われている。
ビリーは助けに行くんですけど、
そこで大野猿を経営する人の息子と話すことになって、
ただ狼は返してもらえないとなります。
ビリーはそこで引き払うんですけども、
決闘が終わった後、
改めて狼の元に行って、
そうすると、狼は死にかけの状態だったんですけども、
その狼は自身の持っているライフルで打ち殺して、
その後、ライフルと引き換えに、
狼の亡骸を手にして、
歴史書で狼の歴史書を作って、
第1章がそんな展開です。
これ、読んだ時に、
これ200ページくらいなんですけど、
私読んでても、
この狼との関係が出来上がっている感じ。
神聖な狼と、
心を通わせているのか通わせないのか、
みたいな描き方がずっとされていて、
でも狼は狼で、
ビリーのことを認識していて、
何かを許しているのか許していないのか、
みたいな空気があって、
明らかに他の人間とは違う対応は
取ってくれてはいるので、
ここに絆というか、
関係が生まれつつあるというところで、
捕まっちゃうんですけど、
最後、狼が死んでしまって、
埋葬するというところという、
切ないシーンで終わるんですけど、
私は最初読んでる時に、
この話ずっと狼とビリーが、
ずっと関係を築きながら、
この600ページ駆け抜けていくんだろうな、
と思っていたら、
200ページで狼退場か、
予想しすぎてしまった部分があって、
ちょっと裏切られたかと思って、
でも、
これは狼の視点でちょっと描かれるじゃん、
最初、ビリーの視点と
狼の視点が、
狼パートみたいなのが入っているじゃん。
だから、もうちょっと狼、
階級になっていくのかなと思ったら、
27:01
あ、ここでか、みたいな。
表紙も狼だしさ、文庫は。
騙されたな、勝手に。
そうですね。
この狼が、やっぱり魅力的に
覚えるんですよね。
人間、社会とは
違う打ち方をしている生物で、
そこに惹かれるものが、
僕これ初めて読んだ時、
狼、すごいそこから好きになって、
狼本は何説、その後読みました。
いいですね。
その後に狼、惹かれるものがあって、
そのせいでやっぱ、
この1章の最後、
待ち受けている結末とかを
読んでいると、
泣きそうになるところがあったんですけども、
そこから話は
まだまだ続いていまして、
今まででまだ3分の1くらいで、
ここから2章、3章、4章
続いていくんですけど、
2章が馬を取り返しに行くという、
そういう章になっている。
これがどういうことかというと、
ビリーがオオカミの墓をメキシコで作って、
その後アメリカにまた戻って、
家に帰ってくるんですけども、
実は家が
桃毛の殻になっていて、
もうパパがいなくて、
桃とかもいかなくなったりして、
ママもいなくなっていたんですけど、
あとでちょっと本音したのが、
この泥物が入っていて、
ビリーがメキシコに行っている間、
両親が殺されてしまって、
カッティとママを盗まれたってことになります。
弟のボイドだけが
無事であって、
ビリーがボイドが
今いるところに迎えに行って、
2人でまたメキシコに渡って、
馬を取り返しに行こうと、
そういう展開ですね。
その途中で、
途中で1人の少女と出会って、
最終的にはこの3人で、
馬の手がかりがあるかもしれない、
いろいろな引き込みをして、
手がかりがあるかもしれない、
大農園に向かう、
それが2章です。
ここもビリーがメキシコに行った間に、
家族、両親が殺されてきたという、
すごい展開だったんですけど、
次3章は、
今度は弟と別れという、
そういう内容なんですけども、
これもどういうことかというと、
ビリーたちは大農園に行ったのをきっかけに、
盗まれた馬のうちの、
3頭を見つけることができました。
馬も取り返すことには成功したんですけど、
やっぱり度々、
追手が現れて、
その中で弟のボイドが、
銃で撃たれてしまいます。
で、重傷ったボイドが通りがかった、
農園の人たちに囲まってもらう。
ビリーも1人で逃げる、
羽目になります。
その後、ビリーは、
街にボイドが生きていたので、
ボイドとまた再会することにも、
行ったんですけども、
ただ、ボイドが突然姿を消してしまうという、
ビリーにはないので、
そういう展開が、
訪れて3章になります。
一気に話を進めて、
弟を探しに行くという章で、
次の年なんですけども、
ビリーは17歳になって、
ランディングで、
戦争が始まったと言われていて、
ビリーはもう、
自分の死ぬ場所を探している、
30:01
ということもあって、
軍隊に入ろうとするんですけども、
心臓の問題で、
軍隊に入れなくて、
アメリカの牧場とかを転々として、
さらに2年ぐらい過ごして、
20歳近くになるんですけども、
ビリーもその旅の途中で、
いろいろ思うことがあって、
弟を探しに行こうと決意します。
そこで3度目、
弟がいるかもしれない、
メキシコに渡って、
メキシコに渡った後、
ビリーは弟のボイドが、
いたとされる町で、
彼の偽りというか、伝説みたいな話を、
いろいろ聞かされることになるというのが、
最終章の話ですね。
ここから先、
まだ話はあるんですけども、
この辺りのストーリーは、
やめておこうと思います。
なるほどね。
これが今の2,3,4話、
400ページぐらいの展開なんで、
だいぶキュキュッと。
途中でいろんなエピソードがあったんですけど、
そこはバッサリ。
ちょっと大枠ですね。
まずこの最初の衝撃はあれですよね。
オオカミ埋葬して戻ったら、
両親死んでるっていう。
この展開がまだ、
こんでもないんですよね。
あと、弟とその後行って、
少女と出会いながら、
旅を続けて、
割と2人はね、
頭とか勘とか使いながらね、
馬を何とか見つけてね、
自分たちが両親が、
ビリーがメキシコに乗って行った馬を除くと、
合わせると7頭飼っていたんだよね。
のうち6頭が持っていかれちゃったんで、
その6頭を探すっていう旅が。
これもう絶対見つかんねえだろうと、
俺は思ったけど。
うんうん。
そういう旅をして、
それでね、だんだん盗まれた馬に近づいていく。
ただ、
すぐ追ってが、
状況になってしまうっていうのが
分かるんですよね。
その絶望感が、
いくらビリーとかが、
馬を取り返そうとしても、
どうせ銃持った男たちが、
すぐ現れるからと思うと、
どうなるんだろうと、
思いながら読んでます。
ハラハラというか、
すごい怖かったよね。
そうですよね。
ちょっと印象に残ることを話していきましょうか。
やっぱり思ったのは、
ビリーの人生とは、
なんだっただろうかとは、
すごく考えさせられましたね。
全てを失っちゃったもんね。
本当にね、
彼が持っていたもの、
何も残ってないよね。
そうですね。
一応その続きで、
ビリーがどういう風になっていくかというのは、
知ってはいるものの、
ビリーのこの過酷な運命というのは、
一体何なんだろうかと。
周りの人たちは、
みんな死んでいくわけだし、
自分の持っているものも、
やっぱり奪われていくわけです。
死にたいと思っても、
軍隊に入れなかったり、
死ぬのが許されない運命。
33:00
途中で出会った人にも、
ビリーは長いとすると言われて、
死ねないと言われるんですけれど、
ビリーが一体何のために
生きているのか。
人生とか、
主人公の
思いをさせられました。
ビリーの意思で
動いているけれど、
物語としてはね、
彼の意思が、
求めるものとは違うものを
させられてくるじゃないですか。
その辛さみたいなのが
すごくあって。
すごく現実的な
残酷さだなと思っていて、
フィクションっぽい残酷さでは全くなくて、
自分も経験するし、
多くの人が、望むものが手に入らない
という状況は経験すると思うので、
大きいことか小さいことがうまくいかない
ってことはあると思うけど、
こういうのに晒されると、
なんで生きてるんだろう?
みたいなところに
行っちゃう感じはするけど。
そうですよね。
さっき話した山口和志子さんの
この細々しい作装するポイントで、
このビリーについて
触れられているんです。
そこではこのビリーの人生というのは、
一生の狼の話ですね。
あそこでビリーの人生というのは
終わっているというふうに書かれて、
その後はビリーの人生というよりかは、
大きく動いている物語を
見届けるようになっている。
自分の望んだ通りには
ならないという。
なるほど。狼を埋葬したときに
ビリーの人生も終わってしまったわけですね。
そうですね。
まあでもなぁ。
ビリーの主人公なんですけども、
本当の主人公ではないんですけども、
実際ここで
本当の
主人公はあるんですけども、
この世界の主人公でもないんです。
そういうのが
ビリー、他の人物
というのは
特に
そういうわけでもないんです。
明らかにこのビリーの
この旅を通して
描こうとしているものは
人生の厳しさだなとは思ったので、
この物語の主人公は
みえさんが思うのは誰なんですかね。
というかどれになるんですかね。
むずいっすよ。
主人公が果たしているんだろうか
という
そのレベルになっているんですね。
歴史このめちゃめちゃ厳しい
世界の中に
放り込まれてしまったという
ビリーとかボイドとか
特定の主人公とか
いないんじゃないかなとは思いますね。
なるほど、確かに。
この空気というか
この世界が主人公という
この世界を
見せられているという感覚ですね。
この世界が主人公というか
それは描きたかったというのがすごいわかる。
自分が
印象に残ったところで話したいところになっちゃってるんだけど
話したかったのが
弟との関係が
個人的にはすごく
引っかかってしまって
最初、狼を捕まえるための
罠をビリーと
36:00
一緒に仕掛けているときの
弟くんは
弱そうな印象
まだ
いわゆる本当に小さな弟
というイメージがあったんですけど
なんとか両親
殺されちゃったけれども
彼だけ生き延びることができた。
兄と一緒にメキシコに行くとき
このメキシコに行くときも
一言も言わずに
お互いがメキシコに
馬を探しに行くってことは
メキシコじゃないかもしれないけど
とにかく親の馬を探しに行くってことは
決めていて
兄ちゃんを待っていたんだって
言うだけで
恩人にひどいことをしてしまって
弟の面倒を見てくれた
家からお金とライフルを
持ち出して盗んで
ビリーが旅に出るんですけど
それに対してどうなんだろうと思っていて
なんで彼にそんなことするの
弱さがにじんでるんだけど
弱さというか
人の良さみたいなのがにじんでるんだけど
途中からそういうのがなくなってくるし
どこでスイッチしたんだろう
あと
なぜ兄に何も言わずに
兄の元を去ってしまったのか
急に
自分は疑問に残るし
これは明らかに
ビリー側から見えてない
弟ボイドの人生があって
その越境の中では描かれないので
彼の思いとかは
それもすごく人生だなと思って
やっぱり我々は
一緒に過ごしている人のことを
全て知ることはできないしみたいな
ところにも通じてくるなと思って
読んでたんですけど
特に弟と少女の関係とかは
さっき言った通りこういうのを
普通の作家が普通に描こうとしたら
この弟の感情とか全部描いちゃうんですよね
割と
そこを描かないっていうのもすごく痺れたし
俺は
徹底してるなと思った
ただやっぱどうしても考えてしまう
弟のことは
うまいなと思って答えてないし
絶対
一番最初
近くでビリーがインディアに
食料を与えるシーンがあるんですけど
そこからでも
ビリーと弟の間では
溝があったなって
ビリーはインディアに
食料を与えるんですけど
弟はなんでそんなことをするの
インディアを無視しよう
っていう考えなんですけど
ビリーは何かインディアに惹かれるというか
インディアのいる方に
足を握ってしまう
そもそもそこで生きてる世界は
違うのかなと
また振り返ると最初の最初から
住んでる世界が違ったのかもしれない
そこは私もすごく印象に残ってる
結構この2人の兄弟
違うんだなってのが
描かれていたので
この2人の溝っていうのは
旅の途中もたびたび描かれるので
ビリーと弟にとっては
この2人だけの兄弟
しかいないというのは間違いないんですけど
そこがね
仲が悪いというわけではないんですけど
生きてる世界が
39:00
違って見えてるんだろうな
ってのが
でも感じる
この作品の中でもビリーは
どんどん成長していくと思うんですけど
弟もどんどん強くなっていっているな
そこは明確に描かれない
っていうかその流れっていうのは
あまり描かれなかったので
見えない部分っていうのは結構
惹かれましたね
あとはやっぱりビリーとフォーカスの
関係
メキシコに返しに行こうと
そんな危険なことをしようと思うのと
こうやって作中では
理由って書かれてないんです
そこの
大変だもんね
狼を生かして連れてくってことが結構
大変だもんね
怖いしね
首結んで噛まれないようにしてとか
水あげるときは気をつけながら
水あげたりとかね
なんでだろう
自分の
大事なものが
フォーカスの中にあるというか
そのくらいのものがないとね
こんな家族の内緒で黙って
いきなりメキシコに行ってしまうという
そういう衝動には
ならないんだろうなとは思うんですし
アイデンティティというか
ビリーにとってはもう
自分の中で絶対的なものの一つではあったなとは
すごい思うんだけど
なんだろうね
ここもなんかちゃんと明確に描かれないから
すごく良くて
いやー
もう痺れるわそこは本当に
だからもう勝手に
自分はなんだろうな
狼の中の神聖さとか
狼に対して
感じる
動物とかに感じること
ですよね
そこに対する尊敬の念みたいな
そういうので
この狼すごく頭いいじゃないですか
全然罠にも
ならなかったし
非常に狼らしく生きようとしている
生命というか
それに対して
尊敬の念を持って大切にしたいとか
何かを全うさせてあげたいみたいな
気持ちっていうのは芽生えるのかなと
ちょっと思ってましたね
ただそれがね
このビリーが他のものを捨てても
そこに捧げるっていうのは
やっぱりどうしても何かすごく彼の中の強い欲求
っていうのが結びついてはいるんだろうなと
思うぐらいで
そこを推測もどっかいもできないんですけど
これたびたびですけど
カーシーの
拡張する暴力と倫理という
討論文で
書かれていたのが
出てくる無双神というのは
人間の文明側の欲望の鏡
となっている
理由が多くて
42:01
見せられる理由というのが
ビリーのもとに
ビリーは神たちのこの能力になろうと
世界の他に
仏を生きている力
素晴らしい文化的な
ガンのもの
ガン
世界に近い
神のものだと
いい文化的な
基盤とかもなくても
世界に近い神のものと
触れ合える
他にビリーガンを
見せられるというか
そっち側に行きたいと願う
評論とかを読んでもやっぱりビリーが多く
魅了されるようになって
分かると思います
本当すごいですよね
確かにこの自然と
世界と時間に繋がっている感じ
というのは確かに感じますね
ビリーはそうしたかったんでしょうね
あくまで
読み方の一つで
評論とはいえ
特徴的なのが
ビリーが出会う人物たちが
自分たちの物語を
語ったりする
そこにこの世界は何であるかという
哲学が語られていまして
その中で
3つほどすごい長い
エピソードというのが途中途中
固まれているんですけども
僕はすごいその中でも
2番目に出てきたストーリー
両目を失った老人の
手持ちという
印象に残りました
その老人が戦争
経験して
捕虜となった時に
革命側の人間だったんですけども
捕まえられた相手の
大佐としてもらって
両目をキスするように
手を失うという
印象的な描写があって
目を失ったことでただ
そこからその老人の新しい
また違う世界が始まっていく
という
老人の話全体的に
すごくいいんで
そこだけ私何度か読み返したいなと思っちゃうぐらい
多分この後も
感じる分なんですけど
あそこだけちょっと怖いですよね
マジックリアリズム感がちょっと
そこだけ
目が見えなくなって
暗黒の中で生きることになって
そこから逆に
感じる世界というのを語っていって
すごい怖い
話の中で一番最後の最後には
受け取ったことが
知り合っているという
老人が
いつかを知り合っている
どういうことなのか
ありました
じゃあ最後ですねいつも通りテーマトークを
挟んでいきたいと思っているんですけど
今回はですねこの越境という作品の
世界観に惹かれるかどうか
45:01
話してみたいと思います
これは個人的には惹かれますね
ですよね
自分がじゃあその世界で生きたいか
って言われると
その世界に入り込んだ瞬間も
殺されてしまいそうだなと
私から見る分に
憧れるものはあるんですけど
そこに推しに入れたいか
って言われるとそこまで
まだ自分はこの
世界とか自然とかに対して
閉じ合わされますね
私も同じですね
その世界に惹かれるけど
この作品が描くメキシコに行った瞬間
俺死ぬなっていう
今の人間的な優しさ
そういうのを出した瞬間に
死んでしまうというのは
このマッカーシーンの世界では
強いものが生き残って
弱いものは死ぬと
弱いものっていうのは
優しさとか弱さとか
その瞬間弱いという立場になってしまう
けっこうその辺
しっかり描かれてるから
容易に想像ができてしまう
でもやっぱこの世界観に
惹かれてしまうってのは
ビリーが狼に惹かれるのと
同じ気持ちなんでしょうね
読者を惹きつけてしまうんでしょうね
そしたら今
ゲームとしてのものが
後付けで人間に繋がっていく
今の人たちの想像力とかに
相当なっているんですよね
マッカーシーンのこと
そういうのが語られて
世界そのものを繋がれるような
すごいな
映像とかでも
何で表現するのが一番いいのかわからないけど
ザ・ロードの時も思ったけど
この残酷なまでの
残酷なっていうか
都合よく誰かが
助かったりするわけではないし
こういう世界に生きてたら
そういうことが起きるよねみたいなことが
そこはすごいなって本当に思いますね
そうですね
マッカーシーンが僕らの世界というのが
今の現実に
常にフィクションであるのか
それとも人間も
今の文化的な生活でいますけど
どこかで一周回って
マッカーシーンを描くようなスタンダード
そんな未来があるのか
それを考えると
ザ・ロードの世界を
思い出してしまうけど
ちょっと近未来というかね
結局最後やっぱりこの小説は
ビリーが持つことができた
強さというか
なんとか生き抜くことができたこと
そういうのに憧れるのかな
そういう世界に憧れる
最後いつも通り
48:07
どんな人に読んでもらいたいか
感想を交えながらお話しして終わりたいと思います
じゃあ私の方から
とてつもなく長い作品だったので
読む人はじっくり時間をかけて
読んでほしいなと思います
私ちょっと1週間くらいで読んでしまったので
もうちょっとやっぱり2週間はかけたかったかな
もうちょっとゆっくり読みたかったなと思ってます
やっぱりこの作品に描かれているのが
物語だけではなくてですね
哲学というものがすごく描かれているので
これはすごくゆっくり味わうべき作品
だろうなと思いました
こういう作品にすごくいいタイミングに出会うと
人生を大きく変えてくれるんじゃないかな
とかちょっと思ったりしますね
すごく影響を受けるんじゃないかな
と思ったりします
やっぱり読み返して
すごい小説だと思いました
10年前に読んだときのインパクトというのが
その後もずっと残っていて
それがやっぱり
何があったかというのを感じました
すごい残酷で厳しい
世界外が考えているんですけど
美しくもあるというですね
この美しさがすごくいいなと思ってます
読むのは大変なんですけど
マッカーシーの世界に
世界観にハマったら
自分の世界観も見ていけるかもしれないなと思うくらい
引きの強い作家ではあるので
もしですね
惹かれるところがあれば
このマッカーシーの作品を読んでほしい
どうでした?
銘さん今回チョイスして
最後
なんかすごい
名作なんで
やっぱり良かったですね
読んであらためて
話して
10年前に読んだので
記憶もだいぶあやふやだったんですけど
やっぱり今でも
全然受け止め方が
当時と違ったなとは思ってます
見直すのは大事だなと
この作品ちょっとね
自分が置かれている環境で
だいぶ見え方が変わってくるかもしれないしね
現実と同時に
そういうタイプの作品ですね
すげーわかる
現実の
ちょっとした悩みとか
この世界観と
この世界観を前にすると
どこでも良くなる
3体レベルの作品だなと思いますね
確かに確かに
それが100回目で取り上げて
良かったんじゃないかなと思います
良かったっす
越境で100回目ですげー良かった
じゃあ記念すべき100回目終わりたいと思います
次回はですね
番外編お届けします
今回の100回目を迎えた
心境とか
ちょっとお話ししたいと思っております
あとアンケートやったので
それをお答えいただいた方はいらっしゃると思うんですけれども
そちらの内容をもとにですね
今後番組どうしていこうか
みたいな話もするかもしれません
もしかしたら番外編2回ぐらい続くかもしれないです
番組の最後になりますが
メルマガ会員を募集しております
メルマガはですね
無料版とありまして
無料版はより我々のエピソードを聞きたいという方のために
長すぎてカットしてしまっている部分を
無償で配布しております
51:01
もっと我々のエピソードが聞きたい人のためにやっております
有料版はですね
我々を応援したいという気持ちを
持たれている方がいらっしゃったら
その方のためにですね
その方のためにやっているものでして
ちょっと500円の会費をいただいていて
毎週毎週ですね
我々の編集好奇というものを
テキストベースでお届けしております
詳しいことは番組概要欄に記載しておりますので
そちらご確認ください
番組の感想やリクエスト
またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました
読み返しましたなどがございましたら
ハッシュタグそろそろ猫たちをつけて
教えていただけると嬉しいです
ツイッターやインスタのDMや投稿などでお待ちしております
メッセージフォームを番組情報欄に載せておりますので
直接そちらからいただいても大丈夫です
積極的に拡散共有してあげると助かります
それではまた来週
ありがとうございました
51:50

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