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どうもみなさん、こんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、高派な文学作品を楽しもうコンセプトに、
文学と猫が好きな二人がゆるーく文学作品を紹介するラジオ番組です。お相手は、私小説が好きの会のダイチと
羊を巡るカフェのミエンの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
お互いの紹介に関しては、第0回で話しているので、そちらをお聞きください。
今回はですね、7月18日に発売されたばかりの村上春樹さんの一人称単数、短編集ですね、を取り上げたいと思います。
なんかあの、これ、昨日、昨日というか、これ撮っての19日なんですけど、
前日に発売されて、緊急収録ですね。
そうですね、もともとこれ私が、ちょっと村上春樹いつか扱うんだったら、もうこの短編集出るならやっちゃおうよって話をしたんですけど、
結構、ミエさんスパルタで、
そうですね、まあ月の朝、日曜の朝にやりましょうよっていう。
あ、もう土曜日読んで日曜日しとるんだっていう、こうなかなかやるなと思ったんですけど。
まあでもこの後、あの撮った後編集してるんで、配信自体は1週間ぐらい後になっちゃいますかね。
そうですね。
じゃあちょっと時差はあるんですけど、意気込みとしては昨日読んで今日撮るっていう。
なかなか、いや、いいっす、こういうの好きです。
なんか、あの、頑張ってる感じすごくいい、頑張ってる感じで頑張ってるんですけど。
まあでも、なんかそうですね、3回、3週連続でやってたんで、
まあそこからなんか、さらに勢いっていう部分に、このちょっとスピード感のある収録っていうのは、なんかいいんじゃないかなって思ったんですよね。
で、ちょっと、3週連続3体って言いながら、たぶん3体2の上下が同じ週に配信される予定になってて、
3体2の下が配信される日にこれが配信されてるはずだと思ってます。
なんでちょっと、あの、毎回聞いてくださってる方ちょっとびっくりしてると思うんですけど、
まあちょっと、この緊急配信感というか、緊急収録したがゆえの。
まあ前倒しで。
前倒しだって影響が起きてますね。
じゃあちょっといきましょうか。
今回紹介するのが、村上春樹さんが書いた一人称単数通、文芸春秋から出版されています。
あらすじは大地さんから。
あ、わかりました。
はい、じゃあちょっとあらすじ読み上げさせていただきます。
一人称単数とは、世界の一かけらを切り取る単元のことだ。
しかしその切り口が増えていけばいくほど、単元は切れなく絡み合った副元となる。
そしてそこで私はもう私でなくなり、僕はもう僕でなくなっていく。
そしてそう、あなたはもうあなたではなくなっていく。
そこで何が起こり、何が起こらなかったのか。
一人称単数の世界にようこそとあるんですが。
あ、ちょっと収録作品までちょっといきますね。
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収録作品は以下の通り8作です。
石の枕に、クリーム、チャーリーパーカープレイズボサノバ、ウィズアビートルズ、ヤクルトスワローズ刺繍、
シャニクサイ、シナガワザルの告白、文芸雑誌の文学会に随時発表されてました。
最後、一編掛け下ろしが一人称単数というものが入っております。
あらすじなのかっていうか、あんまりそのストーリーとかは全くわからないというか。
すごいね。
抽象的に。
抽象的ですよね。
そういう意味では村上春樹さんの小説は本当に読まないと、どういう内容なのかっていうのはわからないという。
そういうちょっとね、お楽しみがあると。
えっとちょっと私の方がまたちょっと補足を加えると、
これは文学会っていう文芸雑誌で断続的に発表された小説がまとまっているんですけど、
一応これ最初から一人称単数っていうのがついてたっぽくて、
なので多分これは一応なんだろうな、話自体はここっぽいんですけど、
一応一つの一人称単数っていうことに集約されていく作品集なんだろうなと思います。
ちょっと読むとちょっとそこまでの繋がりは感じないんですけど、
まあそういうことなんだろうなと思います。
テーマとかが多分統一されているのかなって感じですね。
あとあのちょっと私も昨日本屋で見てすごい思ったんですけど、
表紙村上春樹っぽくないですよね。
そうですよね。イラスト。
イラストでポップだからちょっとパッと見これ村上春樹の小説だって思えない感じがして。
すごいなんか鮮やかな色使いで、飾っておくのもいいかなっていうぐらい。
そうですね。
すごい僕はこれ好きですね。
書店で皆さん見ていただければなと思います。
今回村上春樹さん取り扱いますけれども、村上春樹さんのちょっと私が思っている個人的にすごいなって思うところは、
村上春樹って誰もが知ってる点がすごいなって思います。
小説読まない人も村上春樹の存在知ってるじゃないですか。
まああのノーベル文学賞の取るんじゃないかとか毎回ニュースになったりとかする性もあるとは思うんですけど、
でも読まない人でも村上春樹の名前を知ってるっていうのはすごいことだなっていうか。
あとこれ小説読んでる人の中でもアンチ村上春樹さんって結構いると思うんですけど、
でもあのアンチになってるってことは意識してるってことで、なんていうかこの小説読む人の中では意識に上がってない人っていうのはいないんじゃないかなって私は思ってるんですね。
なんか認知度っていうか存在感っていう意味でおいては、村上春樹ってほんとすごいなって私は思ってます。
そうですね。なんか国民的作家って言える人って今は村上春樹さんかなーですよね。
なんか一番多分知名度高いですよね。あの存名されてる中でね。
で、まあ日本だけじゃなくて本当世界中で同じくらい多分評価されてます。
あと今回特徴的だったのは結構音楽が関わることが多いなと。
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まあなんかどの作品も意外と、全部ではないんですけど、音楽にまつわる話ができて、ジャズあり、クラシックあり。
まあタイトルにもなってくるビートルズが出てくるし。
で、それと同時にあの記憶にもまつわる話っていうのもあって、なんていうのかな。
夢か幻か、実在。
ああ、虚構なのかって。
そうなんですよ。
だからその人であったり出来事であったりっていうのが、本当に実在したものなのか、いややっぱりあれはなんか幻だったのかっていう。
このちょっとね、曖昧なところっていうのが結構今作品の中ではあの所々出てきて。
で、例えば登場人物がちょっと記憶障害があったりとか、なんか他にも約束がなんていうのかな、約束でなかったというか。
記憶違いなのか、不思議ですよね。
すれ違いが多かったり。
なんかその主人公の僕ははっきりとその約束というのを認識しているのに、でもそこに行ったりその時間になると何もなかったと。
それによって話が進んでいくっていう設定ではあるんですけど、結構その約束というのが何個か使われたりしているなっていうのはありましたね。
ちょっとキーにはなってますよね。
あれなんですかね、やっぱり1日の端数だから、やっぱり私が主語で私の潜入感っていうか感覚なんでしょうね、きっとね。
幻を感じたり記憶違いを感じたりするっていうのは。
そうですよね。そういったところでやっぱり過去、なんか回想するっていうのがほとんどですね。
そうですね。今回ですね、8本あるんですけど、3本ちょっと選んだので、それをちょっと話したいなと思います。
私が1本、みねさん1本で、一応最後の書き下ろしを話そうかっていう感じで3本ちょっと選んでるので、ちょっと話したいと思います。
じゃあ私の方がいきますか。
そうです。お願いします。
クリームって単編選んだんですけど、これもすごく抽象的な話で、説明するのがすごく難しいんですけど、ちょっとざっくり流れだけ言うと、
これは18歳の時に主人公の僕が経験したことを、どのタイミングでかこれは分からないんですけど、年下の友人に話をしているところが設定になってます。
その話の内容が、このクリームの話なんですけど、大学受験失敗しました。現役。老人してます。
なぜかある女の子がピアノの演奏会の招待状を受け取るんですね。
この女の子っていうのは、昔ピアノ教室に通った時があって、16歳の時にピアノのレッスンを通せたんですけど、その時に一緒に面談をした子なんですね。
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その女の子の方が圧倒的に上手くて、主人公の僕は足を引っ張ってしまったと。
それが結構最後の後押しになったっぽくて、もうちょっと自分ピアノやめようって言ってピアノをやめたんですけど、
その時にミスをすると、その女の子めちゃめちゃ何か態度が悪いというか、
そうなんです。けっこう睨まれる、下打ちされるんですよね。
下打ちとかされたんですよね。
だからもうめっちゃこの子僕のこと嫌いやんみたいな感じだったんですけど、嫌いなんだろうなって感じだったんですけど、
なぜか突然招待状が来るんですよね。
まあたどり着いたらそのホールが閉まってると。
で、あれ?ってなって、でもその招待状の日時とか場所を見ても間違いではない。
なんでだろうとなって、もう疲れちゃったから近くの公園で座ってると、
まあちょっと主人公、この時期いろいろストレスが、受験のストレスか何かがあって過呼吸になりやすくて、
ちょっと過呼吸になっちゃうんですよね。
ちょっと苦しそうにしてる時に気づくと老人が目の前にいて、
で、この老人になんかこう大丈夫かみたいなこと言われるのかなと思ったら、
いきなり中心がいくつもある縁やって、訳のわからないことを言われるっていう話なんですけど。
で、このまあ中心がいくつもある縁やって言われて、そういう縁を思い浮かべることができるかと、
えーわかりませんって僕は言うんですけど、それ何なんですかみたいな話になっていくんですけど、
中心がいくつもありしかも外周を持たない縁をっていう、
まあこれを君は自分一人だけの力で想像しなきゃいけないって老人に言われて、
なんか想像しようとして、まあうまく想像できないじゃないですか、
中心がいくつもある縁、外周がないってどういうことってなると思うんですけど、
まあなかなかイメージできなくて、で、それをなんか考えること、
まあとにかくその中心がいくつもありしかも外周を持たない縁のことを考えて、
まあそれは君一人の想像力で考えなくてはいけない、
知恵を絞って思い浮かべるのだ、そういう血の滲むような真剣な努力があり、
そこで初めてそれがどういうものだったかがだんだん見えてくる、
時間をかけて手間をかけてその難しいことを成し遂げた時に、
それがそのまま人生のクリームになるって言われるんですけど、
またここでクリームみたいになって、
クリームの中のクリーム、とびっきりされるものという意味があって、
なんかフランス語にクレームドラクラムっていう、
まあクリームの中のクリームっていう表現があるみたいなんですけど、
でまあそのことを考えなさいと、
中心がいくつもあってしかも外資が持たない縁のことを考えなさいと言われて、
まあ主人公考えるんですけど、まあなかなかうまく像が結べないんで、
考え続けていると気づくと老人の姿はいなくなっていて、
家に帰るんですけどそのまま、
もちろんこの話をした時に、
年下の友人は何ですかそれみたいな話になるんですけど、
まあ主人公は未だにわからないままなんだって話をして、
原理とか意図とかそういうのはそこまで重要なものではなかったような気がするっていうことを言い出して、
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こういうことを考えることが重要なんじゃないかみたいな話に落ち着いていくんですけど、
まあそれで終わっちゃうんですけど、
これなんかすごく私が今回ちょっと印象に残ったっていうか面白いなって思ったのは、
イメージしづらいものを考えることって結構多いっていうか思うんですよ。
なんか人生でこれ何だったんだろうとか、
まあこの本の中では最後に、
心から人を愛したり何かに深い憐れみを感じたり、
この世界のあり方についての理想を抱いたり、
信仰あるいは信仰に似たようなものを見出したりするとき、
僕らはとても当たり前にその縁のありを理解し、
受け入れることになるんではないかっていうことを主人公が考え出すんですけど、
まあそのイメージしづらいものを考えて、
本質的なものを捉えることができるようになって、
ようやく理解して受け入れることができるみたいなことなのかなってちょっと思ったりして。
でなんかやっぱりいろんなことあるけど、
その中からこの本質じゃないですけど、
自分がなんて言ってるのかな、ちょっとうまく言えないんですけど、
なんか自分が感じたいもの、
自分がこのいろんなこの自分の人生の中で起きる様々なことから、
感じたいことを受け取って、
それに関してすごい時間をかけて考えて、
そこでやっとこう得られる結論があるんじゃないかなっていう話だったんじゃないかなと、
私ちょっとこのクリームを読んで思ったので、すごく印象に残りました。
これ伝わるかな?
なんかクリームって今回の短編集の中で一番哲学っぽい。
そうですね、抽象的ですし。
老人の問いかけっていうのも本当にイメージできない。
なんか問いかけが出されて。
なんか自分の中ではちょっとこのいくつも、
中心がいくつもあって外周を求めた絵ってなんかぼんやりあるんですよ、頭の中に。
本当ですか?
僕ね、それ全く絵に手が浮かばなかったので。
なんて言ったらいいのかな、なんか中心点がだけあって、
なんかそれが外周じゃないけどなんていうの、点滅してるみたいな感じ。
なんかぼわっと円を広げてるようなイメージがちょっと、
自分の中ではこれを読んだ時に出てきて、
それをね、言語化できないんですよ。
でもなんかやっぱりその言語化できない感じってやっぱり小説だなとは思うんで、
小説から感じ取るものだなと思うので、結構私はクリーム好きなんですよね。
僕もでもこのクリームで面白いのが、
主人公の僕が老人と出会って会話をするっていうのって、
そこに至るプロセスってすごいシュールな映画のような感じで、
老人との会話だってすごいシュールな感じなんですけど、
最後の方で主人公が本当に歳とって、これを振り返った時に、
結構人生において本当に重要なことっていうのを、
このクリームから導き出そうとしているっていうか、
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そういう意味では、主人公にとっては人生ってそういうものなのかなと。
客観的にこの読者が読む分では、ちょっとシュールやなと。
でも当事者にとっては人生において大切なものだと。
そういう意味で不思議な。
まあ、答えはないっす。
そうですよね。
答えはないんです、なんていうか。
僕は、チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノバという作品で、
それがすごい印象に残っていて、
でも今回の短編の中でもやっぱ面白いやつの一つは、
チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノバかなと思っていて、
ちょっとこれどういう話かというのを簡単に説明しようと思うんですけど、
主人公の僕が、学生時代ですよね。
大学の文芸史に記事を書くんですけど、
その記事っていうのが、バードことチャーリー・パーカーがボサノバを出すという記事。
これ実はデッチ上げの記事で、
チャーリー・パーカーはボサノバっていうのは出していなくて、
その前に亡くなっているんですけど、
それを主人公がちょっとなんていうかね、
想像というか半分妄想みたいな感じで、
面白おかしく記事を書いて、
それが結構一部で話題になるんですね。
こんなデタラメ書くなとか、嘘を書くなとか。
それでも主人公は、文芸史の編集長からは、
もうちょっといろいろ書いてほしいって言われたりするんですけど、
文芸史自体が亡くなってしまって、
そんな学生時代を過ごした僕が、
15年後にニューヨークの中古レコード展に行った時に、
本当にチャーリー・パーカープレイズ・ボサノバというレコードを見つけるんですね。
そこですごい、自分が過去に記事で書いた、
チャーリー・パーカーとか、
あと他にもどういうメンバーがそのボサノバをやるのかというのを、
メンバーとかも全部一致していて、
なんか幻のようなレコードを見つけるんですけど、
でも主人公はそれを買わずに、
レコードをやから捨てて、
で、もう一回、でもやっぱり買っておけばよかったなというので買いに行くんですけど、
で、次の日に行ったら、でももうそこにはなくて、
そこの店主さんに、
あのアルバム、チャーリー・パーカープレイズ・ボサノバ、
ここになかったですかって聞いたら、
いや、そんなのないよと。
そのレコード展の店主は、いや、そんなのは置いてないし、
いや、そもそもチャーリー・パーカーがそんなボサノバとか出してるわけないやみたいな反応で、
ちょっと不思議な感じなんですけど、
なんかそんな出来事があって終わると。
で、もう一つだけ、もう一つご実談がありまして、
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で、このチャーリー・パーカーが夢の中に登場するんですね。
えっと、一つがその夢の中で僕のために、
僕一人だけのためにコルコーバードっていう曲を演奏してくれて、
で、またそれがすごい良いんですよね。
もう本当にその描写もすごい良いね。
読んでると結構感動するような描写で。
で、それを聞き終わった主人公に対して、
チャーリー・パーカーがいや、お礼を言うと。
まあ34歳でチャーリー・パーカーって亡くなってるんですけど、
そのもう一度その自分に生命を与えてくれたと。
で、しかも自分にボサノバ音楽を演奏させてくれたと。
まあそういう体験っていうのをさせてくれたっていうのに、
チャーリー・パーカーが主人公の僕に対してお礼を言ってくれると。
そんな夢があってで、話は終わると。
ちょっとね、筋で言うとそんな話になります。
面白いですよね、これ。
これはすごいね。
あの、この作りが。
すごい村上春樹っぽい感じがして。
そうですね。
で、印象に残ったところとしては、
2つあって、1つがその村上春樹の文章になるんですけど、
58ページでチャーリー・パーカーのコルコバドっていう、
これは学生時代の僕が雑誌に書いた記事なんですけど、
その曲がどういう曲なのかっていうのを、
読者に耳を澄ましてもらって聞いてもらいたいと。
その雑誌の記事がめちゃめちゃすごい描写が上手くてですね。
分かる、これ引き込まれますよね。
そう、こんなの書ける学生いたらすごすぎるだろうって、
ちょっとね、突っ込みたくなるような。
いやでも本当にすごいめちゃめちゃ上手い文章で書いてて、
なんかこの58ページ読むだけでも結構いいなって思えるんじゃないかなと。
で、あともう一個ね、僕が好きなのが65ページで、
これはちょっと夢の中の話なんですけど、
夢の中でチャーリー・パーカーが僕のために演奏してくれたんですけど、
その演奏がすごい良くて、すごく心に残るような演奏で、
でも夢の中なんで、はっきりとは思い出せないんですね。
その素晴らしさというのは感じるんですけど、
どういう音の流れだったんだっていうところは思い出せなくて、
で、それに対して村上春樹が一言書いてるのが、
後から振り返ると、音の流れというよりは、
むしろ瞬間的で全体的な章者に近いものであったように思えると。
で、これがすごい夢の中を表しているような文章で、
村上春樹の文章すごい上手いなっていうか、
短編の中のちょっとしたそういう一つの文章でも、
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そこにすごい引き寄せられるものがあるなっていうのは、
この作品の中で感じたところで。
で、もう一つはちょっと個人的に思うところがあって、
この作品、僕は今回の短編集で一番感動が大きかったんですけど、
それは夢の中でチャーリー・パーカーが、
僕に対してお礼を言ってくれるんです。
なんていうか、ある意味、認めてくれてありがとうというか。
これ面白いですよね。
そうなんですよ。
で、結構ここの部分感動的なところで、
で、主人公チャーリー・パーカーが一番最初学生時代、
ボサノバのレコードを出すっていうのであれ嘘で書いたんで、
周りから批判されてたんですね。
で、チャーリー・パーカーがもし生きていて、
ボサノバどうなのって聞いてどういう反応するかっていうのも、
多分わからないと思うんですね。
ありがとうって言われるかもしれないし、
そんなふざけたことするなって言われるかもしれないし。
でも夢の中では主人公ってお礼を言われて、
その認められてと、
そういったとこでは、
なんかすごく個人的な、
なんていうかね、なんか社会的なものとかではなくて、
個人的に。
そうですね。
そう、もう本当主人公がそういうふうに解釈できたというのが、
この夢の話かなと思っていて、
で、主人公にとってはもうそれで良かったと思うんですね。
で、これ結構ね、僕もちょっと通じるところがあって、
僕は20代の後半の時に、
前にやっていた仕事なんですけど、
そこの先輩結構厳しい人がいて、
そうしたらある時、夢に結構厳しかった前の職場の先輩が出てきて、
で、なんか内容は覚えてないんですけど、
すごい仲良く話していたっていう、
なんかそういう夢はあったんですね。
で、自分の中では、
なんかもうそれでその先輩にちょっと認めてもらえたというか、
はい、なるほど。
なんかそんな感情に変わったんですね。
あー、夢に。
あー、なるほど。
そうなんです。夢の中でそういう出来事があって、
ある意味自分も結構なんか厳しくされてて、
なんかいろいろ思うところはあったんですけど、
夢の中でそうやって仲良くできたから、
なんかもうちょっと許すことができたんです。
なるほど。
あー、面白いですね。
で、生きているとそういうものってなんかあるんだ、
ちょっと思ったりする。
夢の中の話なので、
当の本人、その先輩にしても、
今回の小説の左パーカーにしても、
本人たちがどう思っていたかっていうのは去っておきですけど、
でも夢を見たその本人が、
自分側のってことですね。
自分側の問題ですよね。
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そうなんですよ。
そういうふうに受け入れることも、
なんかできるものなんだっていうのが、
ちょっとそこはでもすごく共感できて、
まあそういう意味ではすごい、
やっぱり特にこの小説に関しては本当に、
ある意味前向きな受け入れっていうのがあったので、
感動しましたね。
そうですよね。
夢ってそういう効果っていうか、
なんか変化を人にもたらしたりもしますもんね。
面白いですよね。
チャリバーカーが自分にボサノバを、
音楽を演奏させてくれて、
新しい音楽を演奏させてくれてありがとうって、
なんかすごい良いですよね、心に。
そうですそうです。
今ちょっと村上春樹の一人称タンスの回、
ちょっと聞いてもらってたんですけど、
ちょっと話しすぎてしまいまして、
1回ここで切ります。
来週というか次回配信、来週じゃないかな。
ちょっとどっかで配信分けたいと思ってるんですけど、
次の配信で話すって言ってた一人称タンスと、
他の作品をちょっと触れて話すので、
ぜひそちらも聞いていただけたらなと思います。
そのわけでこれ1回知り切れと思うとここで切りますんで、
よろしくお願いします。
またお聞きいただければと思います。
では、お願いします。
はい、お願いします。