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2025-06-30 52:25

第197回 ボルヘスに影響を受けて書いた人類の負の歴史『ボリス・ダヴィドヴィチのための墓 一つの共有の歴史をめぐる七つの章』ダニロ・キシュ著

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文学ラジオ第197回の紹介本


『ボリス・ダヴィドヴィチのための墓 一つの共有の歴史をめぐる七つの章』

ダニロ・キシュ著、奥彩子訳、松籟社

⁠http://www.kankanbou.com/books/kaigai/0674⁠

 

パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください!

 

【今回の内容】

ユーゴスラヴィアの作家/読むのに苦戦/情緒豊かな『若き日の哀しみ』とは違う作風/『境界の作家 ダニロ・キシュ』を副読本に読んでいくで中毒性が出た/著者&作品紹介/出版時に文壇で話題に/ボルヘスの『汚辱の世界史』の影響/1930年代のスターリンの粛清/フィクションとは思われないような書き方/ストリー紹介/「紫檀柄のナイフ」の主人公の凶行と犠牲になる無実の人たち/「めぐる魔術のカード」の人間ドラマと命の軽さ/「ボリス・ダヴィドヴィチのための墓」の主人公の壮絶な人生/その他の作品について/訳者あとがきを先に読む/ダニロ・キシュを読んで/次回予告


【参考情報】

『境界の作家 ダニロ・キシュ』奥彩子著、松籟社

https://www.shoraisha.com/main/book/9784879842800.html

『汚辱の世界史』J.L.ボルヘス作、中村健二訳、岩波書房

https://www.iwanami.co.jp/book/b248483.html


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版元サイトより

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ユーゴスラヴィアの作家ダニロ・キシュの代表作。ボルヘスの『汚辱の世界史』への「対本」として――オマージュとして、かつアンチテーゼとして――構想された7つの連作短編集。スターリン時代の粛清に取材しながら、全体主義社会での個人の苦闘を描く。

 

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サマリー

ダニロ・キシュの短編集『ボリス・ダヴィドヴィチのための墓』は、スターリン時代の粛清に焦点を当て、全体主義社会における個人の苦闘を描いています。本作はボルヘスからの影響を受けながら、作家の独特な視点を通じて人類の負の歴史を探求しているとされています。 『ボリス・ダヴィドヴィチのための墓 一つの共有の歴史をめぐる七つの章』は、スターリンの1930年代の大粛清を題材としており、ボルヘスからの影響が顕著な文体を持っています。物語は、歴史的事実を基にした登場人物の描写を通じて人類の負の歴史を描き出しています。 本作では、革命を目指す医者タウベ医師と、彼を殺したコルシュニゼの因縁が描かれ、過酷な収容所生活を通じて人間の命の重さと軽さが浮き彫りにされます。人物同士の複雑な関係性と運命が巧みに織り交ぜられ、歴史の中に埋もれた負の側面を照らし出しています。 また、作品は革命を志す人々の伝説的存在であるノフスキを通じて人類の負の歴史を描いています。物語はドラマチックで、さまざまな作品が相互に関連し合い、深いテーマが探究されています。キシュによる『ボリス・ダヴィドヴィチのための墓 一つの共有の歴史をめぐる七つの章』は、ボルヘスの影響を受けた人類の負の歴史を探求しています。

短編集の概要
1930年代のスターリンの粛清によって犠牲となった人々。彼らはどのような人生を送ったのか、その事実を書き記す短編集。
ボルヘスの侮辱の境地に影響を受けたユーゴサラビアの作家、ダニロ・キシュの代表作、ボリス・ダヴィドヴィチのための墓を紹介します。
どうも皆さんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組はいろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするポッドキャストです。
パーソナリティは私大地と三枝の二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのはダニロ・キシュのボリス・ダヴィドヴィチのための墓、一つの共有の歴史をめぐる7つの章です。
奥、綾子さん役で、将来者から2025年に出版された本になります。
ダニロ こちらですね、2025年に出ているので、また2025年の本を紹介できているということで、今年に追いついている感じがするんですけど、とはいえ1月に出た本ですね。
前回ですね、予定通り言っていれば映画国宝の話をしてまして、かなりザックバランに話題作で注目度の高い作品をお話ししたので、その後なのでもしかして続けて聞いてくれている方とか、初めてそこで入ってきた方とかいらっしゃるかもしれないなと思っているんですけど、
ちょっとこのダニロ機種のですね、ボリス・ダヴィドヴィチのための墓はですね、なかなか癖が強いというか、結構とっつきにくいなと思ってまして、私自体今回1回しか読んでなくて、結構ですね理解度が今低いなと思ってて、
ちょっと打ち合わせで三枝さんがだいぶ読み込んでくれてたので、ちょっと今日は結構三枝さんに頼っちゃってるところがあるんですけど、そうですね、割と国宝の話でこうライトに入ってきたらですね、
我々のエピソードなんだろうな、村上春樹とか、老人と海とか、なんかそういうちょっととっつきやすいものとかをですね、聞いていただけたかなと思っております。
今日ちょっとどういう話なのかわかんないけど、だいぶ難しい話をするかもしれないなとはちょっと思ってますね。
確かにね、国宝の次にちょっとどんなエンタメが来るんだろうと期待されている方がね、もしいらっしゃったらね、本当に期待に応えれていなくて申し訳ないんですけど、
めっちゃね、ちょっともう知る人ぞ知るみたいな、ちょっとユーゴスラビアの作家なんですね、このダニエル・オキシュという人は、その作品をちょっと話していくので、
これがね、もう僕らなんですよね。
そうですね、この割と文学のね、割とマイナーなものを引っ張り上げていくっていう。
そうですね、まあそういうのがね、結構好きで、たまにね、国宝とかある。
そうですね、どうしても。
エンタメの面白い作品とかは、話すことはあるんですけど、知る人ぞ知るみたいな作品とか、そういうのですぐ面白いものがあったりするので、
そこから今日はこのダニエル・オキシュの作品をちょっと話していきたいなと思いますね。
七つの章の構成
で、ちょっと私、今冒頭も言ったんですけど、これ多分ね、1回読んだだけじゃわかんないんじゃないかなって、ちょっと思ってますね。
ただ、これちょっと私も2回読めばよかったんですけど、ページ数が本編だけで言うと162ぐらいなので、すごい短いんですね。
で、短編集、7つの短編集なので、一つ一つは結構読み返しやすかったりするので、これ1回読んだらですね、ちょっと引っかかったやつは読み返してみたりすると、多分理解度が深まるんだろうなと思いますね。
みなさんも2回読んだんでしょう?
いや、2回読みましたね。
だから、やっぱり1回読んで、なかなかその話に入っていけなくて。
というのも、ダニエルオキシュは過去に若き日の悲しみという自伝的小説を読んだことがあってですね、これ文庫でも出てるものなんですけど、ダニエルオキシュがすごい詩人でもあって、すごい情緒豊かに自分の子供時代のことを書いていて、若き日の悲しみを。
それですごい感動したのを覚えていてですね、そのイメージがあったんで、それとは全然違った作風だったんで、今回。
うんうんうん。
すごい事実を淡々と書くようなこの描き方で、若き日の悲しみのような心理描写とかですね、その情緒豊かにみたいなところは結構とは逆な感じの、むしろ作品かなと思っていまして。
で、そのちょっとギャップもあってですね、僕の中では、あれなんか知っているダニエルオキシュとちょっと違うと。
うんうんうん。
ただ、これたまたま持ってたんですけど、この翻訳された奥綾子さんが、その研究者でもあって、このダニエルオキシュの教会の作家ダニエルオキシュという本を、
ダニエルオキシュのその表伝とあと作品解説の本を同じく将来社から。
あ、将来社から出てるんですね。
出していて、これは2010年に出されているんですけど。
あ、だいぶ前ですね。すごい。
で、それを持っていたんですね、たまたま。
で、そこでこの今回のボリス・ダビドビッチの墓のその解説というのも、一つの章で書かれていて。
で、それを読んだら、こういう話かっていうのがわかったんですよ。
で、結局この教会の作家ダニエルオキシュの小説を一緒に交互に読んでいくような読み方をしていったんですけど。
そうしたらすごい面白くなってきてですね。
このボリス・ダビドビッチの墓、めっちゃすごい作品じゃないかと思ってきてですね。
最初入っていけなかったんですけど、なんかちょっと頭に入ってくるとですね。
だから、これどういう話なんだろうってすごい内容を知りたくなってきてですね。
それで、1回読んでわかんなかったところとか、やっぱりちょっと2回目読み直したりしましたし、結局2周してしまったんですけど。
2周目するときには結構中毒性みたいなものがあって、ちょっと時間があればどういう話かっていうね。
どんどんちょっと気になって読んでしまっていたぐらい、なんかハマりましたね。
へー、すごい。
やっぱその教会の作家ダニエルオキシュっていう本がかなり詳しいんですね。
そうですね、もうこれがたまたまあった限りで。
副読本みたいな感じで。
そうなりましたね。
内容としては、すごいことやってるなっていう感覚はちょっと。
最初ちょっとね、笑い話なのかなとか思った瞬間もあったんだけど。
はいはいはい。
特にね、一番最初のシュタンへのナイフかっていう章はですね、ちょっとなんか最初コメディチックな要素もあったんで。
ちょっと笑い話の要素も強いのかなと思ったんだけど。
いや結構これ風刺であれだよね、もう本当にいろんなことを鋭く描いている作品。
まあ詳しかったら話すと思うんですけど、確かにこれが分かってきたらだいぶインパクトはあるだろうなとは。
ボルヘスとの関係
そうですね。
分かってきたら思った以上になかなか残酷な小説だなーってね。
その辺もね、ちょっと感じれたんで。
じゃあ始まっちゃう前にですね、著者の紹介をしたいと思います。
ダニエル騎士はセルビア北部の街、スポッテアでハンガリー系のユダヤ人の父とモンテネグロ人の母の間に生まれたと。
1935年に生まれていて、1989年に亡くなってますね。
で、かなり決定的なことなんですけど、お父さんがですね、1944年にアーシュピッツの強制収容所に送られ、消息を絶っています。
第二次世界大戦後、母の国をモンテネグロに移住、その後ベオグラード大学に進学し、比較文学を学ぶと。
1962年、最初の作品屋根ゆれ部屋と四編四十四画刊行、自伝的三部作庭廃、若き日の悲しみ、砂時計、作家としての地位を確立と。
大小作として、他に本書であるボリス・ダビド・ビッツのための墓などがありますと。
作品の多くが世界各国の言語で翻訳されており、国内外で高い評価を得ているという作家になっています。
ダニエル・キシュで読みやすいのは、やっぱり個人的には、今、自伝的三部作で名前があった、若き日の悲しみが文庫であるのと、
あともう一つは、死者の百花自転という作品も文庫で、東京草原社からですね、どちらも文庫で出ているので、
その辺りがダニエル・キシュを最初に読むには、とっつきやすいところかなと思いますね。
私ちょっと読んでないので、あれなんですが、ちょっと気になりますね。だいぶあれなんでしょうか、表現が違うっていうことなのね、若き日は。
そうですね、なんかもう文体とかも全然違いますね。 もうこの文体にしかないと思っちゃうとちょっと。
そうですね、でもね、今回のこの文体っていうのをね、なんでそうしたかっていうのはね、この後の話で出てくるので。
じゃあ行きましょうか。じゃあ半元ホームページの紹介文読み上げたいと思います。
ユーゴスラビアの作家ダニエル・キシュの代表作、ボルフェスの侮辱の世界史への大本として、オマージュとして、かつアンチテイゼとして構想された7つの連作短編集。
スターリーン時代の粛清に取材しながら、全体主義社会での個人の苦闘を描く。というのが、将来者さんの紹介ですね。
サブタイトルの通り、一つの教諭の歴史をめぐる7つの章となっておりますというところですね。 そうですよね、結構この作品、出版されてその後、文壇の中で話題になったんですけども、
あとそこもですね、教会の作家ダニエル・キシュとか、あとこの小説の略者と書き、さらっと書かれているんですけども、すごいこれが出版されて、なんか評価がすごい高くて、もうさすがダニエル・キシュと、ユーゴスラビアのすごい作家がいるというので、評価を得たんですけど、一方で評価の人からは小説ですね、当作みたいな。
声もあってですね、なんかこの作品のこの文と、なんかあの作品からあの文章をね、取ってるんじゃないかと。そんなちょっとね、いろいろ何かと話題になっている本で、ただまあそこもですね、この大倉役さんが解説で書かれていたんですけども、
まあその当作とか小説とかっていう疑惑があったんですけども、まあダニエル・キシュも結構その作品の中で散りばめていてですね、ヒントを読んでいけば、まあこれがなんかちょっとあの作品から文章を拝借しているとかっていうのも自分でヒントを出していてですね、まあそれをなんかそのこっそりとかじゃなくてですね、結構あからさまに書いていたりして。
なんで、ダニエル・キシュのその言い分というかですね、やっていることを読んでいくと、まあそういう当作とか、なんかそういうよりかはですね、まあ結構そのオマージュ的な意味合いとかですね、まあそっちの方で読んでいけるんじゃないかっていうですね。
このラジオでですね、あんまりそこの文壇でどうだったみたいなところはね、触れていかないんですけど、まあそんな声もあって、何かとちょっと話題になった、出版当時話題になった本であるというところが一つですね。
で、大地さんの紹介の中で、ボルヘスの侮辱の世界史の台本としてっていうので、なんかそのボルヘスの侮辱の世界史っていうのが結構なんかこの世界のね、個々の東西の悪い人たちですね。
を題材に、主人公にしてそれぞれのね、その悪党列伝っていうので作ったすごい面白い本なんですけども、僕もあのちょっとあのだけこれ買ってパラパラ見たんですけど、すごい面白く読めて、でそこに対してやっぱりオマージュですね。
あのダニエル・キシュはすごいボルヘスに影響を受けていて、単編小説を書くならね、ボルヘスのこういうやり方すごいなっていう、そういう影響を受けていて。
一方でアンチテイゼっていうのもあって、この侮辱の世界史っていう結構大きなタイトルをつけた割には、なんかその悪党とかのなんかその個人的な話っていうんですかね。
ダニロ・キシュの影響
まあそこにちょっと集中していて、で自分だったらこの侮辱の世界史っていうタイトルつけるような作品を書くんだったらこうかなっていうので、1930年代のスターリンのね、この粛清を題材にしてるっていうですね。
まあその辺のちょっとボルヘスのオマージュ、アンチテイゼも含まれているという。そういった作品で、まあそういうボルヘスから影響を受けているので、ちょっと今回の文体というか書き方が、それまでのダニエル・キシュの自伝的小説とはちょっと違ったね、また書き方になってるっていうのもあるというところですね。
そうですよね。じゃあ侮辱の世界史の文体に近いんだね、これもね。
そうですね。なんかちょっとボルヘスチックな。
ちょっとレポートチックっていうか、なんていうかね。
そうですね。なんかちょっと淡々としている。そんなダニエル・キシュの小説なんですけど、ちょっと特徴をですね、少し話していくとですね。
まず先ほどから触れている1930年代のスターリンの大粛清という、いわば負の歴史ですね、世界的な。それを題材にしていると。
副題にある一つの巨流の歴史を巡る七つの章というのはもうね、それのことですし、スターリンの大粛清というのがなかなか大きな話でもありまして、もう本当ちょっとウィキペディアで紹介されている情報を簡単に詰まったっていうぐらいなんですけど、
当時ですね、134万人の人ですね。政治的弾圧っていうところで。134万人の人に裁判で即有罪にして、うち68万人が死刑判決を受けて、実際その中から63万人が収容所とか刑務所に送られたというデータがあったりとかですね。
もうすごい数字が出てほしい。1934年に開かれた党大会というのでは、議員の人ですね、大議員の人1966人、2000人近くのうち半分近い1108人が逮捕されて、その大半がね、重殺刑ということで殺されてしまったとかですね。
他にもすごいたくさん書かれてるんですよね。もうこの議員会の何人のうちもうほぼ全員が処刑されたとかですね。まあそれはなんかそのスターリンがちょっと猜疑心を持っていて、その自分の権力というところですね、そこをちょっと確立したものにしたいっていうので、内側というんですかね、対立する派閥とかですね、一斉に取り締まってどんどん殺していくみたいなんですね。
敵の脅威みたいなものを作って、国民を恐れさせてなんか団結させるっていうですね。それでなんか自分のその支持とかそういった権力とか、そこを固めたみたいなんですね。そういう背景があったんじゃないかと。
目的がちょっと書かれたりしてるんですけども、すごいそれで、要は本当理不尽なに人がどんどん殺されていくみたいなんですね。そんなことが行われていたという。それがあって、1930年代。小説でもそこが扱われているので、結構この小説は内容はハードなものがいくつかあるなと。中には本当救いがね、全くないものもあるっていうが特徴として。
そうですよね、救い。そうですよね。今ちょっとスターリーの大粛清の話から入っちゃったけど、結構救いがないですよね。結構ね、絶望で終わる。
そうですね。なんか悪い人間が悪いまま生きながらいて、で、一方で理不尽に殺されてしまう人がいるみたいなんですね。まあそんな話とかもあったりしますし。
この章の中でもいくつか表題がついて分かれているんですけど、それでも読んでいくとなんかすごいパンパンパンって端的に話が繋がってくるんですけど、どんどん悪化していくっていうか、どんどん救いがなくなっていく瞬間が結構描かれてて、そのあたりは確かに内容は結構ハードですね。
歴史的事実の描写
最初ちょっとコメディチックなところあるって言ったんですけど、実際はどんどんもうハードな内容ばっかりなので、ちょっとあまりこういうの苦手な人は苦手かなとはちょっと思いますね。
まあそれも淡々と書かれているので、それがドキッと書かれているわけではないというところがありますね。
そこの描写にすごい力を入れて、なんか生々しく書いているとかではないですよね。確かに。事実ベースみたいな感じで。
そうですね。そこが結構この小説のもう一つ特徴として言えるところで、こうした歴史的出来事とか、あとは作中に出てくる登場人物の周りで起きる出来事とかっていうのを、事実として読者に提示しているという点もありまして、
そのためですね、それがですね、なんかその事実として提示するので、やっぱり資料があって、その資料をもとに文章を作っているみたいなんですね。そんな書き方がされていてですね。
なんでその資料っていうのは、やっぱりちょっと不揃いな部分もあって、それちょっとあえてなところもあると思うんですけども、そういう不揃いな資料を積み上げて一つの事実を物語ベースで見せてくれるみたいな手法になっていると思いまして、
で、ちょっと不揃いなっていうところが、この小説だとやはり登場人物基本的に無名の人たちなので、やっぱりその物語の中でちょっと触れられていないところとか、なんかその時間が突然空いてしまうとかですね、その後どうなったとかですね。
書かれているところもあれば、ちょっと飛んでいるところもあったりっていうですね。ちょっと飛躍したり説明不足に思える箇所もあるなと思うんですけども、ただそこをですね、作者が想像力で補って1から10まで物語を作ってしまうと、
だから読者ってやっぱりそれをフィクションと捉えてしまうみたいで。これはダニエルキシュがそう言ってたっていうかですね、そう考えていたっていうので、教会の作家ダニエルキシュでちょっと読んだんですけども。
まあ、というのであえてそういうスタイルで説明不足に思われるかもしれないけども、まあそういう実際にあったかもしれないかのようなスタイルでこの物語を作っていると。
で、読んでいる側はスターリンの粛清っていう実際にあった出来事なんですけども、その中で書かれていることも事実として受け取ってしまえるような、そういう考えられて作られているという。
実際はフィクションなんですけども、受け止める時にこれはでも事実じゃないかと思えるような、そんなすごく凝った作りをしているという。
物語のスタイル
そうですよね。この確かにスタイルはすごい不思議というか面白いというか、確かにこのフィクションに見えちゃうからっていうスタイルは面白いですよね。
注釈がついているんですけど、ところどころ。それもフィクションなんですよね。そこが混乱するから、注釈ついていると何か不足だなと思って読んじゃうと、混乱するというか別に混乱した状態で読むことを前提とされているので、全く問題ないんですけど、ちょっとわけわかんなくなるときはあるなとはちょっと思いましたね。
でも注釈とか読むと本当にそう。ちょっとした人物の補足が説明があったりするんですけど、実際そうだったのかなってね。何も知らないまま読むとそう思ってしまいます。
そうですよね。このスタイルのせいで結構読みにくさはあるから、ちょっとやっぱり慣れるまで時間かかりますよね。
まあそうですね。なんか丁寧に読もうとするとね、すごいちょっと時間かかるなと思いますね。
うん、そうですよね。
なかなかこれはね、もうすらすら読んでいけるものではないなぁと思いましたね。
まあそういう意味では、なんかすごい密度濃かったですね、の短編集は、部品によってはですね、20ページ30ページぐらいの作品とかあるんですけど、
実際ね、もう20、30ページとは思えないぐらい濃い話として読むことができたので、
ちょっとここからストーリー紹介をしていきたいと思います。7つ短編が入っているんですけども、
ちょっと簡単にまず触れようと思っているのが3つありまして、一番最初に収録されているシタンへのナイフというのと、
巡る魔術のカードと、兄弟作のバリス・ダビドビッチのための墓ですね。
ちょっとそれ以外で4つ入ってるんですけど、まずはちょっとこの3つから話していきたいなと思います。
シタンへのナイフですね。これ、話が分かるとすごい面白いと言うとね、ちょっと語弊あるかもしれないですけど、なかなか引き込まれる話だなと思っていて、
まず主人公ミクシャという人ですね。この人は仕立て屋の職人の見習いをしていて、お館、腕の良いお館がいるんですけども、
このミクシャという人が何でしょうね、ちょっと何を考えているかよくわからないようなタイプの人であって、
親方が家で飼っているニワトリがいるんですけど、それがスカンクに狙われてですね、ちょっと被害を受けているという話があった時に、
ミクシャはスカンクを捕まえるんですけど、捕まえたスカンクの皮を剥いで、それを吊るして無惨に殺すというのをしていて、
なかなかヤバい人物なんですけども、主人公なのに。そのスカンクを殺すところを親方に見つかってしまって、
破門にされてしまうんですね。やっぱりその親方っていうのが名のある人だったんで、
仕立て屋の他のところに再就職しようとしても、やっぱりその親方のところ破門にされた人やしっていうので、なかなか再就職ができなくて、
っていうですね、それでちょっとミクシャがですね、この親方に対してまず恨みを持つんですけども、そこからちょっと話が進んで、
ある人物とこのミクシャが出会うんですけども、そのアイミケという男性ですね、これがある。そのアイミケっていう人が、
とある組織にちょっとミクシャをスカウトして、ちょっとした地下組織みたいな感じですかね。
大正反対制みたいな。で、スパイがいると。水車小屋にスパイがね、ちょっと来るから殺すようにって指示されるんですね。
で、そこにミクシャが水車小屋に行くと、ある女性がそこにいて、で、ミクシャが殺す、まずは襲って水に沈めようとするんですけど、
それだけで死ななかったので、ちょっとナイフで何度も女性を刺して、内臓まで取り出してしまうっていうですね、
これまたとんでもなく無語り、殺し方をしてっていうのをやってしまいますと。で、そういう事件が起きて、警察が捜査するんですけども、ちょっと犯人誰かわからないと。
で、そこからまた時間が経つんですけど、ミクシャを補足にスカウトした人物ですね、アイミケっていう人物がちょっと警察に捕まって、
で、自白するんですね。その水車小屋のところで女性が殺された事件っていうのは、ちょっとこうだと、ミクシャに殺すように行かせた。
で、ミクシャも警察に捕まるんですけども、殺人は認めるんですけども、合間は否定すると。
合間っていうところもですね、争点であったみたいで。で、そこで自白を、ミクシャが自白していくんですけども、自分も反対性の組織で働いてて。
で、同じく共犯者が12人いて、その12人の中には、その12人の中に仕立て屋をいたした親方の名前も挙げてですね、で、全員20年の刑を受けて収容所を送りにしていると。
っていうので、ミクシャが無業人殺しもするし、関係ない親方。親方にただ恨みがあっただけで、自白の時に名前を出して、その収容所、20年の刑を受けさせてるっていうですね。そんなことまでやっちゃってるっていうですね。
という話で、まぁちょっとあの、このストーリー全体の話はなるんですけども。これいきなりね、最初に入ってる作品からしてね、なかなかやってることが度きつい。ちょっと話で。
そうですね。これはそうですよね。だいぶ。そうなんですよね。
いやでもこれ、そうなんだよな。なんか結構これ始まった時、ちょっとそのスカンクのあたりとかちょっと笑い話ながら本当に思って読んでたら、なんかね、どんどんどんどん話が、そのスカンクの手際の良さとかを変われて、このミクシャがね。
そうそうそう。あのあれだ、川職人ですね。
あ、そうそうね。
収容所の中の人間ドラマ
仕事で誘われるんですよね。この下手屋ではもう再就職できなかったんですけど、スカンクをね、殺した腕前を見て、なんかね、川職人としてね。
うん、そうだよね。結構その辺とかもなんか、ちょっと笑い話っぽくて面白かったんだけど、最終的にこうね、とんでもない話になってくっていうところで。
そうですよね。なんか、いやなかなか狂気いじめてる人物かなと思うんですけど、このミクシャという人物が。なんかその内面とか全然見えなくてですね。
あーね、そうですよね。
いや本当にもうそれを淡々とですね、そのいろいろなそのなんていうのかな、一連の物語の中のいろいろなそのシーンを切り取って、この時ミクシャこうしたみたいなですね。
ふうに書いてるんですけども、なんでミクシャはそんな悪いことをするのかみたいなところまではね、わからないけどもっていう。
でもね、なんかそういう、やっぱり結構その当時本当に自白して、名前出されたらもうあっさり捕まって20年の件になるとかっていうのが、親方がそうなったんですけども。
この辺のね、なんか簡単に人が捕まっていくっていうところとかもなかなか読んでて、いやなんかちょっと衝撃を受けたところもありました。
そうですよね。なんかミクシャは本当に内面がわかんないっていうか、淡々としてて何か何考えてるかわかんない感じで、なんかまた親方の方がこうなんか見えてくる部分あって。
そうですね。親方はね、なかなか臨場味がありそうなね。
感情出してたりしたけどね。
でもなんかね、これは式がなかなかある。
最初の一歩としてはだいぶ、うん。
その後、作品は続いていくんですけども、ちょっと次紹介するのが、巡る魔術のカードという作品で、これもすごい式のある作品と思っていてですね。
スタンゲのナイフと同じく、これもなかなかきつい話ではあるんですけども。
まず物語の始まりとしては、1956年にタウベ医師という人ですね、お医者さんが殺害されたというですね。
で、その3年後にその殺した犯人、コルシュニゼという人が捕まると。
コルシュニゼはですね、アーティストとかワシとかクマ使いとかといったあだ名があって、
ちょっと悪党ですけど、そういうあだ名も知られている人物と。
一方のこの殺されたタウベ医師という人は別名を持っていて、別名で論文を書いていてですね。
それはもう革命を志していたというですね。
やっぱり今のこの体制というか、ではやっぱりソ連ですね。今のままでは駄目で革命を起こさないと世の中良くならないよというところで。
で、そういうそっちの活動をお医者さんとは別でしていて。
で、その革命を求めてウィーンからベルリンに行ったりモスコアに行ったりするんですけど、
モスコア行っている時に逮捕されて収容所に送られてしまうと。
ただお医者さんでもあるので、結構収容所の中で活躍というか認められるんですよね。
で、ある時ですね、この収容所のボスみたいな、これを何ていうか捕まっている人の中のボスみたいな人で、
セギルーギンという人がいて、その人がですね、指を自分で切断したんですけども、
強制労働みたいな、本当にすごいきついところに送られるのを防ぐために、自分で指を4本切断して、
それを免除してもらおうと思ったら、タウベイ市、その収容所にいて、4本、2本包合してつなげることができて、
結局セギルーギンが強制労働を送りになってしまったんですけど、
ちょっとそこでですね、セギルーギンがタウベイ市に恨みを持つというかね、
もう何てことをしてくれたんだっていうので、ちょっと復讐心を持ち上げて、
で、そのセギルーギンはですね、猿というまたあだ名があるんですけど、
そうやって指を切ったり、切断して、入院している間に、収容所のボスですね、
がコルシュニゼに変わったんですね。自分がいない間に別の人になった。
で、コルシュニゼはタウベイ市を殺して、3年後に捕まった人なんですけど、そこで2人で、
その収容所にいたと。で、セギルーギンが入院から戻ってきて、
ボスがコルシュニゼになってきたから、どっちがボスかちょっと決めようというので、
カードゲームするんですね。これがちょっと兄弟のめぐる魔術のカードに現れているところで。
で、猿とワシというですね、それぞれのあだ名があるんですが、猿かワシかどっちがボスになるか決めようというので、
カードゲームを行って、勝つのがセギルーギンだったんですけど、
そしたらね、コルシュニゼにタウベイ市を殺してこいと命じるんですけども、
これはもう絶対みたいで、賭けをして、勝った方の言い分が絶対で、負けた方はもう従わないと、
というか命令されたことを実行しないと、一生下のままでというので、
セギルーギンはタウベイ市殺せと命令したんですけど、わざとですね、殺せないようにうまいこと仕組んで、
コルシュニゼがずっと、そのせいで収容所の中とか、下の身分のままいるようになってしまうという。
そこから時代が流れて、戦後になって、1956年ですね、戦後になったタウベイ市も収容所からとっくに出ていて、
とある病院の院長になるんですけど、その知らせがですね、
これまた収容所から出たコルシュニゼの元にその知らせが届いて、
賭けをしたのってもうだいぶ昔の話なんですけど、コルシュニゼはその知らせを受けて、
ちょっとタウベイ市を殺しに出かけるっていうですね、そんな話ですね。
これもね、なかなかすごい、コルシュニゼっていう人がお医者さんを殺したんですけど、その背景にそんなことがあったのかっていうですね。
これもね、本当にびっくりするような話で、これまたなんか救いがないなと思うのは、
このセギドゥーギンっていう人をですね、この収容所のボスのカードをゲームして賭けに勝った方が、
結局恨みを持っていたタウベイ市を殺したいし、で、自分がいない間にボスになったコルシュニゼにも復讐というか、
なんかしたいし、で、両方とも叶えてしまうという、そういう話でもあるという。
タウベイ市が最終的にもう殺されてしまうっていうところでね、なんかこの流れが変えられなかったというか。
なのでこれも、このタウベイ市っていうのも、もともとはね、ちょっと別名で論文書いたりして、
革命を志していたような人物で、やっぱり呼んでいくとですね、そこの人物像っていうのも結構見えてくるとですね、
結構ね、このタウベイ市、逮捕されて収容所に送られたりもしたんですけども、
その背景とかを知ると、やっぱりその国のためっていうのすごい、革命を起こすっていうね、
そこの求めるっていう、それだけの気持ちを持っていた人だし、
それが結構ね、収容所のボス同士のカードゲームによって、運命がかなりあっさり決められてしまうっていうところ。
まあなんかちょっと、映画とかでありそうな感じはするけどね、このシーンはね。
あとこのタウベイ市もね、一番最初の一行目で殺害されたっていうのが書かれてるから、
要はどうやってこうなったかみたいなのをずっとたとって悲しいなっちゃってはいるんだけど、
その辺の構造もね、ああなるほど、もう避けられないのかっていうのを読み手に突きつけてくる感じもあって、
メギル文字のカードはちょっと面白かったですね。
革命を志した者たち
なかなかのドラマ性がね、あると思いましたね。
この作品もやっぱり人の命の軽さみたいなものがすごい。
タウベイ市の殺され方もそうだし、あとは収容所の中って結構掛け事が盛んだったみたいで、
カードとかもよく自作されて作られたりしていたみたいなんですね。
あと掛けだと、例えば白身かな。
部屋に人がいて、誰の肌に白身が這い上がってくるかみたいな、
そういうのが掛けの対象になって。
あったね、あったあった。よくわかんねえなと思ったけどね。
タウベイ市 これもね、どういうルールかちょっと分かりづらいんですけど、
白身が這い上がった人物にはですね、
その勝者によって犠牲者と定められた者の喉を掻き切るという、
一向に愉快ではない任務が待っているというのがほとんどであったっていうですね。
いや、もう命が軽すぎるんじゃないかなと。
白身だもんね。
タウベイ市 まあまあそんなちょっとした掛けで、掛けの対象になるのが本当に命っていう。
さらにね、この作品の中で、セギ・ルーギンとクルシュ・ニゼの2人のボスに関しては、
もう人生そのものが掛けに対象になってたと思いますし。
確かに。
タウベイ市 いやーっていう、なかなかこれもちょっと強烈な話でしたと。
で、ちょっと次紹介しようと思うのが、
小大作のボリス・ダビドビチのための墓ですね。
これもなかなかのすごい読みごたえがあった作品で、
ボリス・ダビドビチっていう人は脱走兵だったんですけども、
この人もすごいいくつかの名前を持っていて、またの名をノフスキと言うんですね。
で、ちょっとここではボリス・ダビドビチのことはノフスキと呼ぼうと思うんですけども、
ノフスキ、もともとこの人も革命にのめり込んでいて、
革命活動をしつつ好きな人と結婚もするんですけども、すぐに離婚したりみたいな。
して各地を転々とするっていう生活をしてたんですけども、
1930年代にカザフスタンで逮捕されて、そこからですね、この話。
取調官でフェルーキンっていう人がいてですね。
結構このフェルーキンっていう人が粘り強いタイプというか、相手をコテンパンにやっつけたいみたいなタイプの取調官で、
かなり厳しい人なんですけども、もちろんこのノフスキのこともへし折ってやろうと思ってたんですけども、
ノフスキもすごい粘り強くて、なかなかフェルーキンの顔を脅したりいろいろするんですけど、
ノフスキは折れないというので、ある時とかですね、
ノフスキが結局なかなか自白をしてくれないんで、折れなくて。
ノフスキが自白しなかったら目の前で別の人物を殺すということをやったりするんですけど、
それもノフスキはぐっと我慢すると。殺される人物から頼むから自分のために自白してくれみたいな、
そんな泣き言を言われたりするんですけど、それでもノフスキは耐えるというのもあって、
フェルーキンは結局はノフスキを味方につけてしまうんですよね。
陰謀グループみたいなものが収容所の中にあって、そこの指導者に任命してノフスキを、
いわばフェルーキンが自分の部下にしたという、2人が協力関係を結ぶというですね。
もちろんノフスキが怪しいこととかしたら、それはまた捕まえたりするんですけども、
ただノフスキがですね、ノフスキという人が元々エンジニアだったんですけど、
爆弾を作る技術を教えてくれた恩師の先生がいて、その先生が捕まった時に署名を求められた時に、
ノフスキがちょっとですね、逃げようとするみたいなところがあってですね。
そこでノフスキとフェルーキンの協力関係というのも、ちょっとひびが入っていくことになって、
最終的にですね、ノフスキという人がやっぱりちょっと逃げる運命になっていって、
ちょっと捕まってしまって、死刑判決とか受けるんですけど、
死刑の刑が執行される前に刑が変更して、どこかまた追放されたりみたいなんですね。
そういうふうになっていって、また逮捕されたりみたいな。
ノフスキがそうやって、フェルーキンの元はもう離れるんですけど、ずっと身柄を捕まって、
どこか遠い収容所に送られて、みたいなやっていって、最終的にはですね、
ノフスキの伝説と社交界
また、とある収容所にたどり着いて、そこでノフスキが最後を迎えるっていうですね、そんな話で。
で、その最後っていうところを踏まえての、このブリス・ダビド・ビッチのための墓っていうですね、
そういうタイトルになっているという。これがちょっと説明となかなか分かりづらいところがあると思うんですけど、
実際はすごく読むと、これもかなりドラマ性のある話で、すごい濃厚な短編でしたね。
そうですね。
ブリス・ダビド・ビッチのための墓って面白かったのは、結構最初の方で、
このノフスキが出てきた時が、社交界の結構人気者だったんですよね。
なんかその上流階級の人たちが集まって、やっぱりちょっとパーティーとかするんですけど、
そこで国で働くエンジニアとしてノフスキがやってきて、結構周りから噂されたりして、
気になる存在だってなっていくんですけど、ある時パタッと顔を出さなくなって、
そしたらこのノフスキが、今度は逮捕された囚人たちの中にいたっていうので、
また1回はそれで顔を出さなくなって忘れられたんですけど、囚人の中にいたって発見されたらまたね、
社交界で話題になってしまったみたいな、そんな話もあったりして、
ノフスキ最初どういう人物かなと思って見ていたんですけど、
だんだんなんかね、すごい作品の中でも伝説的存在になっていくんですよね。
この周りから取り調べ家の人と対決しても自白をしないとかですね。
確かに。
そういうので、革命をやっぱり志す人たちにとってのすごい伝説神話みたいな存在になっていて、
また最後がすごい強烈な、最後が待っていて。
ちょっとここで言うのはやめておこうと思うんですけど、
すいません、もうこれはもう最後まさか終わるのかっていうですね。
タイトルの墓ってもしかして、最後のところとタイトルっていうところも結構重なってると思うんですけども、
そうですよね。
短編作品の多様性
そこのすごく考えさせられるものもあって。
確かにこれラストドラマチックっすよね。
ドラマチックっていうかなんか、これもなんかすごく映画っぽいっていうか。
そうですね。
確かにあと、途中でどこあったの忘れちゃったけど、なんか精神的に彼だけが止まなかったみたいな。
なんか心が折れなかったかみたいな、一文があったの、ちょっと覚えてるんですけど。
本当最後まで戦い抜いてって感じはすごいしますね。
文章は結構淡々と書かれてるんですけど、のめり込んでいくと、なかなかその世界観に没頭できるところもあって、
特にこのボリス・ダイビッド・ミッチの赤とか、巡る魔術のカードとかね、この2つは特にそれを感じましたね、なんか。
なんかこれあれだよね、端的にセリフが結構面白かったりするからかな、なのかな。
要所要所パンチの効いたセリフがあったりするので、なんかその辺になんか物語性みたいなのがすごく出てきてる気がするし。
字の部分もなんかたまにちょっと脚色って言い方したらいいのかわかんないけど、ちょっとね、演劇チックっていうか的な書かれ方。
芝居がかった文章みたいなのがたまに出てくるんですけど、そのあたりも確かに面白いし、ドラマチックで終わるなと思いましたね。
ちなみにこのボリス・ダイビッド・ミッチの赤にもタウベイ氏が出ていて、さっきの巡る魔術のカードで紹介した。
いくつかの作品になんか共通して出てくる人物とかいて、なんかその辺も作品を読んでる中でこの人がまたここで出てくるのかとかって思うとね、なんか面白いところでしたね。
そうですね、確かに。
ちなみにですね、これ以外にも4つ作品が入っていて、こう貪り食らうメス豚というですね、なかなかそのタイトルが面白いんですけど、ここにはですね、
ジェームス・ジョイスの若き芸術家の肖像をちょっとモチーフしているところがあって、その主人公のディーダラスですね。
ディーダラスという人はジョイスの自伝的な話でもあるので、ジョイス自身に重なるところもあるんですけど、イルランドというところがちょっと嫌で、
飛び出してっていうですね、そんな人物だったんですけど、ちょっとそこに重なるようなウィルコイルスっていう人物がいて、それについてイルランドを飛び出してフランスに来て、
そこからですね、革命というか、ちょっとこのソ連のアレに巻き込まれてしまうっていう人で、そんな話があったりですね。
機械地下家のライオンですね。これはなんか実在するフランスの政治家で、エドワール・エリオという人がいて、その人がマルシア訪問した時にキエフにも訪問することになって、
主人公の人がエリオに帯同してキエフを案内というかですね、するような話で。後にエリオはその旅の本を書くんですけど、文筆家でもあったんですよね。政治家でもあり文筆家でもあって。
一方でこの主人公でエリオを案内した人は、ちょっと逮捕されて、収容所を懲りにされてっていうですね。その後もいろいろちょっと話があるんですけど、そんな話で。
で、他にもあるのが犬と書物。これだけちょっとかなり異質で。
そうです。時代設定が14世紀南フランスという、この作品だけ中世になっていて、これはドイツからのユデア移民である人物が主人公なんですけど、当時ユデア人に回収を迫る動きが激しくなっていて。
で、街の人たちに脅迫されて、強制的にユダヤ教からキリスト教に回収させられるっていうのがあったんですけど、それは自由意思ではなかったと。自分の意思じゃなくて脅迫されたから。
だっていうので、もう一回ユダヤ教に戻るんですけど、そのせいでまた拷問されて、また回収するっていうですね。そんな話で。これが時代は違うんですけど、やってること、起こってることは今と重なるっていうですね。そんな話ですね。
回収の話は結構。回収の話で自由意思じゃないけど、元の宗教に戻りたいけどどうしたらいいみたいな。そういうのとか展開して結構迫ってきますよね。
そうですね。最初は結構明らかにしてる感じの話かなと思ったら、やっぱりだんだんちょっと重くなってきましたね。
最後がダルモラトフ小伝というですね。これ初めてユーゴスラビアが舞台となっているんですけども、それ以外の作品はちょっと。
ダニル・キシュの影響
確かに。
ダニエルキッシュがユーゴスラビアの作家なんですけども、ユーゴスラビア以外のところが今まで舞台だったんですけど、初めてユーゴスラビアになってきて、
ボンテネグラのとある都市で主人公である主人が、ロシア主人のダルモラトフという人がやってきて、1947年、戦後ですね。
ダニエルキッシュ自身ともらえる少年がですね、もう出てきてっていうですね。で、この短編っていうのが、これも解説用に言ったら、このダルモラトフ小伝っていうのは、
この短編が作者自身に捧げられているような、そんな短編になっているんじゃないかというんですね。最後は締めくくるすごく良い作品なのかなというものですね。
そうですね。これだけ短いしね、またね。
そうですね。本当最後は締めくくるちょっとした話になっていますね。最後もね、元はその後役者あと書きがあるんですけども、
役者あと書きはね、もう正直、すぐ読みましたね。
私もですね。今回はもうちょっと1本目読んだらすぐ読んだな。
役者あと書きでも、それぞれの作品についてとか、作品の背景みたいなところが簡潔に書かれているので、読んでおくとですね、かなり参考になりましたね。
読んでいくお助けになりましたね。
そんなわけではないですけども、みえさんがだいぶ解像度が高く今回、教会の作家ダニエルキシューも読んでやったんで。
これあれですね、やっぱちょっと私も1回読んだだけだと、みえさんに言われたとき、ああそういえばああいうとこあったみたいなところとかあったりはあったんですけど、読み返さないとちょっとわかんないなってところがあったんで、
やっぱちょっとこれは何回か読まないと入ってこないだろうなと思ったし、なんかこうみえさんが感じた楽しさを私は全然味わえてない気がするので。
ちょっともったいないなって。
中毒性が多分出てくると思いますよ。
でしょうね、これね。
読んでたら。
なんとなくだって、犬と書物ってこの7本のうちの6本目ぐらいのときって結構のめり込んではいたんですよ、この段階で。
もう1回確かにちょっと読みたいなと思ってて、犬と書物はかなりちょっとこの回収の話とかはかなりグサグサきて読んでたんで。
これはなんか読みやすかったと思います。
やっぱそうですよね。
確かに確かに文体がちょっと違う気がしますね。
うんうんうん、確かに確かに。
そのところでちょっと今回はボリス・タピトビッチのための墓の紹介このあたりで終えていこうと思うんですけれども、
ダニエル・オキシュどうでした?なんか2つ読んでるみえさんからすると。
テイストが違う作品だったので2つとも、その2つが。
今回驚いたんですけど、やっぱりダニエル・オキシュってすごい、なんていうか、やっぱりその博学だし、ボルヘスの影響も受けてますし、
あとやっぱりユーゴスラビアだけではないんですよね。
この教会の作家ダニエル・オキシュでも書かれているんですが、
ダニエル・オキシュって人はやっぱりユーゴスラビアの土着性とかというタイプではなくて、もっとなんか世界全体に目を向けてる人で、
やっぱりそんなダニエル・オキシュが1930年のスターリンの時、全体主義社会ですね、ソ連の。
そこでの理不尽で亡くなっていった文明の人たちの記録を、記録がないんですけど、記録あったかのように書いていくっていうですね。
そこが読めたっていうのはすごいなんか、話自体結構ハードなんですけど、読めたのはすごい面白かったですね。
なるほど、そっか。なんか逆に私はその若き日の悲しみか、の方も気になってきちゃいましたね。
若き日の悲しみはですね。
文庫?
文庫で出てます。
出てますよね。
ダニエル・オキシュの少年時代がモデルとなってるんですけど、終盤に犬が出てくるシーンがあるんですけど、そこは号泣しながら。
そっか、それがあったから、なるほどね。今回ダニエル・オキシュっていう話が結構出てきたんです。
なるほど。じゃあ結構、みなさんの推しの一冊なわけですね。
そうですね。あと、持ってるんですけど、積んどくになってるダニエル・オキシュの本も何冊かあって、ずっと読もうと思って読めていなかった本が何冊かあるんで。
そんな中で最新刊で、このブリッツ・ダビドビッチのための博画が出て、このダニエル・オキシュの代表作で世界的に評価が高いっていうのは、これはまたすごい面白そうだって思った。
思った以上に。
ちょっと経路が違った。
作品だったっていう。
これは確かに評価を受けるのはわかるけど、消化しにくい本ではありますね。
そうなんです。
じゃあちょっとそのとこにしましょうか。
次回は、川上ひろみの大きな鳥にさらわれないようです。
お楽しみに。
番組の最後になりますが、無料版簡易募集しております。
こちら無料版、有料版でございます。
無料版ではですね、毎回長すぎてカットした部分を音源化してたんですが、最近では海外文学ニュースというものをお届けしておりますので、ご興味あればご登録ください。
有料版はサポーター特典となってます。
我々の日記のような編集講義をお届けしておりますので、ぜひこちら気になったらご登録ください。
詳しいことは番組概要欄から入っていきますので、よろしくお願いいたします。
番組の完成やリクエスト、またこの番組を聞いて紹介された本を読みました、読み返しがございましたら、
ハッシュタグそのときにこたちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
Xやインスタの投稿などでお待ちしております。
お便りフォームは番組情報欄に載せております。
この番組気に入っていただけましたら積極的に拡散寄与してあげると助かります。
ではまた来週。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
52:25

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