あ、そうだ。
それと、あと、この配信の何回前かな。
えっと、2、3回ぐらい前にですね。
ドンキボンの読み方っていう番外編を配信しておりまして。
ちょっとドンキボンってなんだとか、
ドンキボンの読み方どうしたらいいんだろうみたいな人は、
もしそちらを聞いていただけるとありがたいかなと思います。
実際に今回実践したところもありますね。
そうですね、今回実際読んでみて、振り返ってみて、
こう読むと読みやすいみたいなんですね。
ちょっと思ったことがあるので、
最後、失われたスクラップブックの読み方ロードマップみたいな話もですね、
前編の最後の方にしたいなと思いますね。
で、ちょっと心構え的なところで、ちょっと何でしょうね、
ドンキボンって長くて重くて大変だよねみたいな人もいると思うんですけど、
なんか私この間ふと思ったんですけど、
これなんか大河ドラマを見るような感覚なのかなと思ってまして、
もしくは異様に長い海外ドラマを挑戦するときに、
ちょっと腰引けるけど読み出したら面白いとか、
見出したら面白いみたいな感じなのかなってちょっと思ってまして、
ちょうど私、今2025年の10月頭ぐらいに収録してるんですけど、
ネットフリックスで今はの牙のアリスっていう、
山崎健人と土屋太岡が主演のドラマが公開されていて、
私それ、これシーズン3になるのかな、
なんですけどシーズン1、シーズン2が結構前に公開されて夢中で見てたんですね。
で、なんですけどシーズン3早く見たいなって思ったんですけど、
結構時間かかるなと思って、
ちょっと躊躇しちゃったんですね。
で、この時にドンキボンを前にした時の感覚見てるなって思って、
多分あのやっぱりあのドラマを一回見出したら止まらなくなったりとかすると思うんで、
ドンキボンとかもですね、ちょっと読み始めると気になる部分まで行ってしまえば加速し始めると思うので、
まあ多分三重さんこの前編の最後で話されることと被るかもしれないですけど、
やっぱり読み出すと、とにかくページをめくると進んでいくっていうのは、
まあちょっと何か当たり前のことを言ってるようで結構大切なことだなと思うので、
今回失われたスクラップブックも途中途中ですね加速する感じはあって、
それはすごく感じましたね。
というところがちょっとなんかざっくり私の感想になっちゃうんですけど、
いろいろちょっと後で話したいとこがあるんですが、内容はめちゃめちゃ面白かったです。
この調べると結構実験的な小説で、
もうかなり独特な書き方がされている小説でもあるとわかるんですけども、
実際読んでみるとやっぱ面白いんですよね。
なんか話ね、どれもこれも聞き込まれるものがあってですね、面白いんですけども、
ただまあやっぱり厚みがすごいと。
550ページぐらいあるんですけど、小説としては2段組なんで実質1100ページの小説なのかなと思いますね。
そうですね。
なので1000ページ超えの本を読んだぐらいの大変さもあれば充実感もあった読書で。
前編ではそんなに語らないと思うんですけども、やっぱ後半の部分が僕すごい好きで、
最初はこういう話か面白いなと思って読んでたんですけど、後半から一気にですね、
こういう展開になるのかというすごいもう本当予想もしなかったちょっと展開が訪れてですね、
そこからもかなりハマって読んでいったので、それをやっぱり味わえる中でやっぱすごい良くて。
そうですね。
この本もし読まれたらですね、読むの大変なんですけど何とかちょっと後半まで行ってもらいたいなと思う作品ではありますね。
そうですね。これ長いけどやっぱこの長さというかこの分量が必要な理由というのがあるので、
それはもう後でちょっとお話ししたいと思いますが、本当すごい作品だなと思いました。
さてじゃあここで著者について紹介したいと思います。
著者のエヴァンダーラさんなんですけれども、謎の人物とされています。
本名年齢ともに不詳とフランス在住かもしれないというところで、
この1995年デビュー作失われたスクラップブックがFC2賞というのに選ばれまして脚光浴びるんですね。
いろんなことが言われてるんですけれども、正体は不明なんですが、
なのでいろんな作家が注目はしてるけれども、一体誰だかわからないっていうところなんですけれども、
リチャード・バワーズさんのところにエヴァンダーラから原稿が送られてきたっていうことがあって、
リチャード・バワーズはエヴァンダーラさんと親交があるらしいというところですね。
だから謎の人物とされております。一旦は。
本書の最後には役者解題っていうので、木原義彦さんが解説を書かれていて、
結構このエヴァンダーラについても手厚く書かれていてですね。
一つが謎の作家でポスト・ギャリスと目されるということで、ウィリアム・ギャリスですね。
JRというすごい大地さんが読んだドンキ本があるんですけど。
そうですね。これも日本翻訳大賞を取っております。
ちなみに木原義彦さんは初の日本翻訳大賞を2回受賞された方となっておりますね。
すごい作家がいるんですけど、ポスト・ギャリスと言われているし、
あとこのポスト・モダンっていうところではピンチョン的という部分もあれば、
ピンチョンよりもギャリスを引き合いに出してたりみたいな。
そうですね。なんですけど、木原義彦さんの役者解題でも話されてるんですけれども、
リチャード・パワーズと作風が似てるんですよね。作風というか知識量かな。
リチャード・パワーズが正体なんではないかっていう噂もあると。
これただの事実しか書いてないので、この役者解題にはですね。
リチャード・パワーズとメールのやられているときに、エヴァン・ダーラについて触れたことがあったらしくて、
エヴァン・ダーラさんとメールのやられているとしていたら、我々の共通の友人のリチャード・パワーズがみたいなところがどっかに
あ、ありましたね。私の共通の友人のリチャード・パワーズがと書かれていたっていう。
これただの事実ベースのあれなんですけど、これから解釈しちゃうとなんか同一人物っぽい感じがすごい私はしちゃったんですけど、
まあちょっとここは謎めいているとこですよね。
そうですね。でもその前のページで、両者、リチャード・パワーズもエヴァン・ダーラも共通点はいくつかあるんですけど、
ただリチャード・パワーズがすごいペースで本を毎回書いてて、そこにこのエヴァン・ダーラの作品を書く余地なんてないんじゃないのっていうですね。
というのも書かれていて。
まあ確かに、リチャード・パワーズってすごいとんでもない長編をいくつも出してるんですけど、その間に別名でわざわざこれだけのエヴァン・ダーラの作品を出すっていうのをちょっと考えられないなっていう、謎は深まるわけですけど。
でも別にちょっとこれはもうあれだけど、別にその発表した瞬間に書いてるわけじゃなくて、書き溜めてたものをさ、別の名前でって、なんかそれはあり得る気がするんだよな。
なんか別に日本でも何だっけ、おついちさんがほら他の名前で小説発表したりもするしさ、そういうこともあり得るんじゃないかなってちょっと私は思っちゃいましたけどね。
というぐらいに留めておきましょうか。 じゃあそんな謎の男、男なのか女性なのかもわからないのか。
そうですよね。 ペンネームからすると男性みたいな名前ですけど、わかんないっていう。
わかんないですよね。性別も不明ですよね。性別の不明なエヴァン・ダーラさんの失われたスクラップブック紹介していきたいと思います。
ありますし、すごく斬新だと思いますし、でも難しいだけではないんですよね
やっぱりこの面白さ、読みやすさもそうですし、独創性もすごいあると思いますし
この物語って言っていいのかな、そこにすごく入っていけるような、そういった小説なのかなと思っていて
なのでポストポストモダンというところで、なんか難解そうと思うかもしれないですけど、実はその難解というよりかは
とっちきやすい部分を持っている そうですよね、この読みやすさっていうのは、なんか本当に言い方ですけど超びっくりしてまして
やっぱりこういう本ってかなり読みにくい印象がすごいあって、引き合いに出されているウリアムギャデスさんですね
これ私JRしか読んだことないんで、ちょっとわからないですけど、JRは正直読みにくかったですね
あんなに長いのに読みにくいっていうので、苦労したというか、なんで苦労してまで読んでるんだって話あるかもしれないですけど
苦労しましたね、でもJRの話でいくつか何回かしたことあるかもしれないんですけど
JRは主人公JR少年がめちゃくちゃ面白いんで、どっちかというと演劇的な感じで私は読んでて
ほぼ会話劇、会話なんですね、ほぼほぼ、なんで演劇みたいな感じ、劇局みたいな感じの見方をしていて
そうするとね、結構入ってきやすいんですけど、ただ劇局と違って誰が何言ってるか、誰がどのセリフ言ってるかわかんないんで
っていう読みにくさがすごいあって、結構苦労した記憶がありますと
で、ちょっと正直そういう印象を持って、何か無数の語りとかだったし、これはと思ったんですけど
実験的な無数の語りなんですけれども、読みやすいのは何か誰が今どの話をしていても気にならなくなるんですよね、読んでるうちに
だからそのあたりは慣れの問題で慣れてくるとすごい読みやすいっていう感じでしたね
そうですね、ここも完璧に話を理解しようとすると一気に難しくなると思うんですよね
誰がこの話を、何の話してるのかってわかんなくなることあると思うんですけども、ちょっとそこをあんまり気にせずにどんどん読み進めていくと
誰が話してるのかってあんまり気にせずに面白く読んでいけるのかなと思いますし、あとは特徴としてはピリオドなしで文章が続いていくというので
510ページあるんですけども、ピリオドなしで、日本語だと句点ですね、最後に文の終わりに丸がつくと思うんですけども
その丸がないと、じゃあ代わりにどうなってるかというと一文字空白ができていると、ここが丸がないっていうのが不思議な感覚なんですけども
でもこれはそんなに気にならなかったですね、個人的には。なんか読んでるともうすぐ慣れて、なんか一文字空白が丸みたいなものなので
そんなにピリオドなし、丸なしっていうのはそんなに個人的には気にせずに読んでいきましたし
あと無数の語りっていうところをですね、ここもテーマの響き合う連作短編のようだということもですね
役者会で述べられていて、その中で特にこの作品の持っているものとしてダーラがこの作品の縦糸として何度も繰り返すのは
孤独とコミュニケーション、不可思の個人と政治、反復と前進という問題だというふうにですね
書かれていて、まさにそうかなと、あのいろんな人物が出てくるんですけども結構その孤独とか
コミュニケーションというところ、そこは一つのキーワードかなと思いましたし
あと政治というところもすごくこの作品の中で入ってきてましたし、反復と前進というのも結構ね
クラシック音楽がこの作品の中で、ベートーベンの話もあればラベルですね、ボレロっていう曲で知られているんですけど
ボレロなんかも、あのすごく反復をして前進していくような曲なんですけども、そういうなんかその曲とこの
なんか小説がマッチしているようなんですね、なんかそんなところも感じましたし
このちょっと孤独とコミュニケーションとか、不可思と個人と政治っていうところは結構感じました。反復と前進っていうのは結構
ちょっとね繰り返してしまうところも、いろんなものが繰り返されたりするんですけど
こうなかなか前進っていうところがね結構難しいなってちょっと読んでて、読み終えた感じだと私はちょっと思ってますけど
まあでもそのですねテーマはすごくいろいろ感じますし、まあちょっと後にも出ると思うんですけどやっぱこれ普通にその一つ一つのなんかエピソードが面白いというか
読ませるんですよね。何気ない日常だったりとかちょっと劇的なことが起きる瞬間とかもあるんですけど
エピソードが結構面白いんで、これそれだけでも全然なんか読んでてすごく引き込まれる部分が多かったですね
そうですよね。あとねそのちょっと面白いなと思ったのが、矢原由貴さんが書かれている
変化するスタイルっていうので、まあ語りのスタイルがいくつもあってですね、なんかワンパターンではないんですよね
いろんな語りが出てくるんですけど、時と場合によっては今までとはちょっと違った表現の仕方で
その語りがあって、例えばですけどラジオから流れてくる放送みたいなものだったらですね
結構あのスペースをたくさん空けてなんかね、すごくあのもうなんかその間を作って一文一文が書かれていて
それでそのテンポ感っていうんですかね、そのキャッチする側のがなんかすごいですね
こういう間で多分話がされてるんだろうなと想像できるような書かれ方がしていたり、あとなんかインタビュー形式のところだったらですね
質問、なんかインタビュアーの質問は空白で、その答える側はですね
記者会見の場面なんですけど、記者会見で話している人のなんかこういうこと聞かれてこういうこと答えてるんだなーって
想像できるようなですね、今まで見たことがないようなこれも形だったんですけども
その表現がされていたりっていうすごくいろいろなその語りが語りのスタイルがあるという
けっこうこの語りは本当すごいあって、えーとなんていうのかな、あ、でこれは日本語訳だからできていることだと思うんですけど
一人称が変わるんですよね、あのおそらく原文だと愛だけだと思うんですけど
それが私は俺がとかになったりするんで、正直するにはけっこう助けられました
そうですね、日本翻訳者賞の受賞式でもね、言われてますが、原文で読むと全倍なんですごく難しそう
日本語だとね、本当にそこが誰がその話してるのかっていうのがちょっとわかりやすくなって助かるっていう
僕とか俺とかね、本当に集中して読んでないと本当に誰が話してるのかってね
ちょっとわかんなくなることが多いんで、そこはこの小説のすごく切り替わりがなんかシームレスなんですけども
そこもねちょっと面白いところで、最後の特徴なんですけども
無数無名の一人称の声の波というところですね、これも役者会談に書かれていて
これ小説の終盤なんですけども、ある一つの出来事に焦点が当てられて
さまざまな語り手がそれに対して声を上げていくというですね、まさに声の波を感じるような書き方がされているんですけども
あそこがちょっとどういうことかっていうと、結構後半部分に関しては社会性のある話になっていて
企業の環境汚染問題、そこがクローズアップされていて
それに対するその街の人々の反応ですね、なんかその街の発展とか生活を支えてきた大企業ですね
その信頼できる地域が誇る大企業っていうのがあるんですけど
そこが環境問題汚染問題というのを起こしてしまって、っていうのでですね
荒れていくと
そうですね
結構これが日本だとみなまた病っていうのもありましたし
ここ10年の話だと3.11、放射能の問題とかありましたし
金髪の問題ですね、そういったところと結構重なるような内容かなと思ってましたし
それはどう書くかっていうときに、無数の無名の一人称の声の波で書いてるっていうところも作品の特徴かなと
詳しくはその辺のことは後編の方でストーリーでちょっとお話ししたいと思いますね
一体どういうことがこの小説の中で起きているのかっていうのはね
そうですね
なのでこの小説って結構後半の方はですね、物語性みたいなものを感じれると思うんですけど
前半部分、最初の300ページぐらいですかね
は本当に個別バラバラの話がされていて、それはそれで面白いんですけども
なのでなかなか一冊を通じてこういう話ですよ、前半はっていうのがちょっと説明しづらいところもありまして
といえばというところでは一番最初出てくるのは学生なんですけども
なんですよね、ちょっと進路進学というところに行き詰まってというか
ちょっとこの先、何ていうのかな、なんかちょっと下に構えているような学生でこの世の中に対して
それがね、カウンセラーと面談するんですけど、結構そこがね面白おかしくそのやりとりが書かれていたりと思ったらまた
語り手が切り替わって男が話を聞くんですけども、そこはすごい話聞く人がその語り手がベートベンに関する論文を書いて
アマチュアなんですけども、研究者というよりかは、でその論文がなんか雑誌に掲載されてってやったんだよみたいな話をしてると思ったら
息子の話になって、その息子が結構いいドラムセットが欲しいと言い出して
でまだドラムやったことがないんですよ、その息子が。まずはちょっとね、まあ安くでお試しでこっちからどうって言うけども
いやもうこのメーカーのじゃないとダメなんだって息子がもうめっちゃ拗ねて、急にそんな話を知らす人が現れたり
というのもあればですね、大統領選挙についてのこんなのは茶番だみたいな話になっていったりして
そんな大統領選挙茶番だみたいな話を読んでると思ったら急にですね、選挙について、やっぱり選挙って投票しない人がすごく多くて
本の中では沈黙させられた多数派みたいなんですね、なんか言い方をしてるんですけど
そこに対してなんか働きかけをしようとする人の話で、なんかでその人が何したかっていうと個別訪問
一軒一軒訪ねていって、でなんて言うんですかね、その選挙しましょうというよりかはなんか話は聞きますよみたいな感じで
回っていくんですけど、いやなんでそんな発想になるんだろうかっていうですね、すごく面白いところなんですけども
訪問してる話であるところ行くとお父さんと息子が住んでる家に行って、なんか家にあげてもらえて話聞いてくれるのかなと思ったら
いきなり捕まえられて警察に呼ばれるみたいな話があったりっていう、なんかそんなちょっと変わったことしてる女性の話かなと思ったら
急にですね、おじいちゃんの話になって、その人の、これもしかするとその人のって言ったんですけど、ちょっと途中で語りって変わっている可能性もあるんですけども
なんかのウェールズ系かな、なんかそのヨーロッパの方でにルーツがあって、そのおじいちゃんが、でアメリカに来てアメリカで町を作って
でアメリカで初めて学校が、学校を作ったとかですね、なんかその先進的なことをしたけどもちょっと評価上手くいかなくてみたいな
そんなおじいちゃんがいて、そんな人が旅の音楽家みたいな、放浪の音楽家みたいなことをすることになってっていうですね
そこの、なんて言うんですかね、その一族の話も結構面白くて、引き込まれるところがあってですね、そうやって話がどんどん切り替わっていくんですけども
そしたらね、なんか急になんかラジオの放送ですかね、その80ページぐらいから、この謎の放送が始まって
誰が語ってて誰が聞いてるのか、そこさえよくわかんなくなるような、で一応なんか登場人物が森の中で迷子になるんですけども、呼んでる側もちょっと迷子になるようなですね
そんなことがあったりっていうですね、で他にもエピソードいっぱいあるんですけども、そんな感じでなんかあっち行ったりこっち行ったりみたいな、急に話がコロッと変わったりみたいなんですね
そんなのが前半部分結構ね、繰り返されるっていう、で後半に突入していくという
で、今の話があっていろいろあれだけど、そんな感じでいろいろ話が展開していくんですけど、端的にですね、ちょっと私はこの本で結構すごいなって思ったのは、ちょっと後半になってからなんですけど
そういうことなのかな、ちょっとこれあるんですけど、タイトルのこの失われたスクラップブックっていう言葉の意味っていうのが、個人的にはラストあたりで読んでる時に、今無数の声があったとかあると思うんですけど
このスクラップブックってなんかこういろんな写真とかをスクラップして、新聞記事とかバーって貼ってくるようなイメージがあると思うんですけど
失われたってあるんで、もう無くなってしまったものっていう意味だと思うんですけど、この町の人たちの声、存在なんていうのかな、っていうのが最終的には無くなってしまう感じで
でも確かにこの人たちの声、存在はあったっていうのが、この本を通してわかるみたいな、そういうイメージがあって、それになんかこのちょっと後半読んでるとき、この失われたスクラップブックってこういう意味かもってちょっと気づき始めて
それでちょっとこう結構震えたんですけど、そうやって読んでいくと結構この無数の声っていうのがなんか一つ一つやっぱりこう意味というか、いや意味がなくてもなんかすごく存在感があるっていうか
そういうのがちょっと思えてきて、作りとしてやっぱすごいなって思ったんですよね、で結局これいわゆる主人公みたいのはいないわけですよ
本当、スクラップブックって感じで、その一個一個のエピソードで、その時その時で一輪称になってる人はいるんですけど、でもこの明確になんかこう主人公がいるわけではなくて、ただただ寄せ集めた声が浮かび上がってくるっていう感じ
寄せ集めた話が浮かび上がってくるみたいな感じなので、そのあたりがすごくこのタイトルの意味も含めてすごく面白い小説だったなって思いますね
僕はやっぱり今まで話してきたのはちょっと前半のところですけど、前半から後半にかけて変化していくので、すごい面白いなと思いましたね
なんかあの話自体と前半というか、結構こんなのあり得ないだろうみたいな話がやっぱりいくつかあってですね
状況としては日常の状況で、日常の中だけど現実よりちょっとフィクションを感じるな、それが前半なんですが
後半はなんかちょっとその非現実的な状況で、汚染問題、環境問題っていうのが起きて、でもここで描かれていることは結構現実かなとやっぱり思えて
この小説の中の日常はフィクション感があって、非日常になると現実感が出てくるみたいなんですね
そういった感覚が自分の中にはあって、あそこは読んでてすごい面白いなと思ったところでしたね
特に前半の中にもやっぱり緊迫しているところがいくつかあって、ちょっと火事が起きてどうなるのかとか
車運転してる人が目の前からまた車が来て、うわーってなってとかですね
あとこれは身の危険ではないんですけど、ずっとラベルの話をしたいしたいって言ってる人がやっとできるのかみたいな
で、このちょうどいいところで話が切り替わってしまうんですよね
ラベルの話したいしたいって言ってる人も早くすればいいのにって思うんですけど、なんかもう何かとつけてなかなか語らずに
やっと今から語りますよみたいなところで、次の人の話になっちゃうみたいなですね
そうですよね、中断させられる感が
いいところで結末わかんないみたいな
そんなところがいくつもあるんですけど
これはあのあれですね、イタロウカルビーノの海の夜一人の旅人を私は思い出しましたね
あそこまでね、すごい作り込まれた感じじゃないんだけど、一個一個のエピソードの
なんか気象転結の気象をぐらいまだ見せてくれるんだけどみたいな感じで
転結はわかんねえのかみたいな感じの話が続けますね
そうですね、たまにキリのいいところで終わったりすることもあるんですけど