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メキシコのある村で魔女が殺された。魔女は何者で、なぜ殺されたのか。
世界の文学界が絶賛したメキシコ初の衝撃作。フェルナンダ・メルチョールのハリケーンの季節を紹介します。
どうも皆さんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするポッドキャストです。
パーソナリティーは、私ダイチとミエの2人でお送りします。
文学のプロではない2人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、フェルナンダ・メルチョールのハリケーンの季節です。
宇野和美さん役で、早川書房から2023年に出版された本になります。
はい、こちらですね。もう発売前後からかなり話題になっていた印象の本で、去年の12月に出ましたね。
かなり最近出た本っていう印象なんですけど、とりあえずこれは読まなきゃなってずっと思ってましたね。
そうですね、もう出てすぐ読みたいと思ってた本ですね。
めちゃめちゃ評判もいい本なので、いや間違いないだろうなとは思っていたんですけど、読み終えてみて、ほんと圧巻の一冊でしたね。
いろいろ話したいことが多いんですけど、私はこの作品の構成とか展開にかなり驚きました。
そして、書き方というか独特なスタイルを持っているんですけど、これもなかなかすごくてびっくりしましたね。
話の内容だけで言うと、もう様々な歯車が重なり合って、ある事件が不可否的に起こっていくっていうことを表しているので、
個人的にはそういうダイナミックさって結構味わえる作品、たまにあると思うんですけど、これはなかなかすごかったなと思うので、
いろんな話がちょっとずつ出てきて、こういうことになったのかっていうのを楽しむことができる一冊だなと思うので、めちゃめちゃおすすめですね。
読んでいく中で真相が見えていくっていう構成が面白かったですし、
僕はやっぱりこの発売前の段階で、オビにもですね、コーマックマカーシーのブラッド・メリディアとロベルト・ボラーニアの2666につながる壮絶な悪を直視する傑作って紹介されていてですね、
ブラッド・メリディアの2666っていうのが僕が大好きな小説のトップ2に入ってくるようなものなんで、
これは絶対に読まないといけないっていうので、すごくまた期待していた本でしたね。
確かに読んでみてこの作品の、作中の世界ではびこっているこの暴力性とかですね、
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終わりのない負の連鎖のような、ちょっと救いのない現実みたいな感じとかですね、
ちょっと通じるものはあるなっていうのは感じましたね。
そうですね。
いやもう、このオビ見てミエさんきっと好きな一冊なんだろうなって思ってました。
何でしょうね。なんかすごいタイプですね。ただ一つ答えてみたいのは、
ブラッド・メリディアン2666っていうのはもう読むのがすごい大変な長編なんですけど、
それに比べるとこれは200数十ページで結構読みやすいんで、
何でしょうね。
なんか重さで言うとやや軽めかなっていう、作品のインパクトは重いんですけど、
読む分の大変さっていう面ではハードルやや低めかなと思いますね。
うん、なるほど。
いやでもただですね、ちょっとこれ多分翻訳するのめっちゃ大変だと思うような作りをしてまして、
これはすごい、翻訳された宇野さんはかなり苦労されたんじゃないかなと思いますし、
この翻訳をやり切ったってすごいことだなと思います。
そうですね。
まだこれちょっと収録段階では私投稿したいんですけど、
ちょっとまだ迷ってますけど、このハリケーンの季節を今回の日本翻訳大賞で押そうかなと。
個人的には今のところ思ってます。
まあ確かにこれがでも日本語でちゃんと読めるっていうのはすごいなって思いますよね、こういうのが。
いや本当だよ、すごいよこれ、すごい偉業だったんじゃないかなと思いますね。
宇野さんあれだもんね、ちょっと前にも、
あそうですね、吹きさらう風。
アルゼンジか、吹きさらう風も多分翻訳していて、
ちょっとどういうふうに仕事が被ってたかわからないけど、
発売が結構近かったもんね。
セルバー・アルマタだっけ?の吹きさらう風とね、
どういうお仕事をされていたのかわかりませんが、
ちょっとこのハリケーンの季節すごかったなと思います。
と、翻訳者の方の紹介だけではなくて、
ちょっと著者紹介いきたいと思いますね。
著者はですね、フェルナンダ・メルチョール。
1982年、メキシコのベラクルス州生まれです。
82年生まれてだいぶ若いですよね。
そうですよね。
40ぐらいだもんね。
小説家、ジャーナリストとして活動しています。
現代メキシコの最重要作家の一人と称されている。
2013年に長編小説を書いてデビューしています。
その後ちょっといろいろあって、第二長編の本作を2017年に発表。
これがですね、ドイツ語に、
そもそもこれはベラクルスの架空の村で起きた殺人事件を土地の言葉で語り、
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国内のみならずスペイン語系の特写から注目を集めた。
2019年にドイツ語版が出版されて、
アンナ・ゼイ・ガス賞と国際文学賞を受賞。
ちょっとこの賞がどれぐらいすごいのかわからないですけど、たぶんすごいんでしょうね。
2022年に英訳されると、
英米の文学界に強烈な衝撃を与え、同年のブッカー国際賞最終候補、
全米図書賞翻訳部門の候補に選ばれるほか、
数ヶ月の新聞紙などで絶賛され、
34言語で翻訳が決まり、近年最も世界的な注目を集めるスペイン語圏の作品となったとありますが、
いやこれはすごいですもんね。確かに。
2017年にハリケーンの季節を書いていて、
これがもう7年くらい前なのかな?
6、7年前のことだと思うんですけど、
ペースで言ったらそろそろ書くのかな?
第1長編、第2長編の間から考えるとね。
ちょっと正直これ読んだ限りでは、他ももっと読みたい作家の一人ですね。
さて、こっから作品紹介いきたいと思います。
じゃあまずですね、
版元の早川処分さんのホームページからの引用をお話ししたいと思います。
魔女は死んだ。鉄格子のある家にこもり、
誰も本当の名は知らない。村の男からは襲われ、女からは頼られていた。
魔女は何者で、なぜ殺されたのか。
現代メキシコの村に吹き荒れる暴力の根源に迫り、
世界の文学界に衝撃を与えたメキシコの深淵による長編小説。
国際賞、全米図書賞翻訳部門、
なんとなく国際的文学賞候補になっている話題作とあります。
これは、現代メキシコ画舞台で魔女が出てくるという。
それ面白いですよね。魔女が出てくるという。
ちょっと、最初の自分の時代設計がうまく使われず。
ちょっと中世っぽい。
そんなに何か文明が派手してないというか、
時代がちょっとね、ちょっと昔かなと思ったんですが、
現代メキシコの話でした。
ちょっと、著者紹介にもあったんですけど、
これはメキシコにある架空の村が舞台ですね。
そこに本当に吹き荒れる暴力がありまして、
それにちょっと翻弄されている人たちかなと思いますね。
が出てくるようなイメージです。
ここから本書の特徴の話をしていって、
その後ですね、簡単にどういうストーリーかというのも紹介したいと思うんですけども、
まず特徴でいうと、ドキュメンタリーの手法で書かれているという点ですね。
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先ほどの紹介でも魔女が死んだって出てくるんですけども、
魔女は殺されていて、殺人事件ですね。
というのが起きています。このメキシコの片田家で。
それについて数人の人物の視点で語られるというですね、
そういうドキュメンタリータッチで物語が進行していくんですけども、
語り手が誰が何をしてどうなったかっていうのを語っていくんですけども、
次の語り手にバトンタッチしたときに、
違った事実がまた浮かび上がってきて、
どうして魔女殺されたのかとか、本当は何があったのかっていうのが読んでいくと、
徐々に明らかになっていくというので、
読めば読むほど、実はこうだったんだとかですね、
そういうのがわかってきて、どんどんハマっていく、
そういう小説かなと思いますね。
よくあるミステリーもののタイプの小説だと思うんですけど、
それって何だろうな、いわゆるちょっとずつ明らかになっていくけど、
そこに対して掘り方が深いというか、
一つ一つの登場人物の掘り方が深いというか、
これ視点で言うと、ちなみに三人称なんですね、一人称じゃなくて、
三人称で語られるんですけど全て、
でも主な登場人物の視点、
二称がちょっと魔女の視点っぽい感じはするのかな、
そうではね、
主には三、四、五、六称、四人の視点から、
この事件が語られるんですけど、
それぞれ四人のですね、人生とか環境とか、
大変な思いをしていることとかですね、
ちゃんと描かれていって、それがちゃんと各人物の行動に繋がっていって、
ちゃんとパズルになっているっていう、そこがすごいなと思いましたね。
正直これどんなプロットを作ったらこんな入り組んだソースを描けるんだろうっていうのは、
ちょっともう天才の息がしていると思いました。
当たり前だけど、この殺人事件っていうのは、ただ単純に殺しましたじゃなくて、
誰がどういう殺意を抱いていたとか、殺したいと思っていたとか、
それに至るには何があったとか、結構いろんな要因が、
言い方はあれだけど、バタフライエフェクトのように重なりまくっていて、
それが結構ちゃんと描かれるっていう深さはですね、
結構読んでいて、私は本当に圧巻でしたね。
何でしょうね、描き方がちょっとわかりづらいと思うんですけど、
予測できないような描き方で急にこの話が来るとかですね、時系列もバラバラで、
それで話がちゃんと繋がっていくっていうのはすごいなと思いましたね。
徐々に明らかになる真実を読むと多分結構興奮するんじゃないかなと思いますね。
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こういう作品なんで、今回はネタバレなしで紹介していくので、
この作品読んでない人は安心してこの後も聞いていただけたらなと思います。
そうしましょう。
次の特徴と言える点なんですけど、貧しさとか理不尽な暴力の連鎖ですね。
これはやはりメキシコのビラクルスという州の片田舎の町というか村が舞台なんですけど、
登場人物もみんな貧しいと。
そこでどういう生活しているかというと、人にはもちろんよるんですけど、
結構若者とか酒と薬に溺れている人間も多いという。不良になっていったりとか。
語り手として出てくる4人の少年少女。
1人ですね、男性の大人もいるんですけども、それ以外はですね、
比較的若い、ちょっと魔女の子供時代を含めて少年少女が出てくるんで、
特にこの少女ですね、家族の中でも理不尽な暴力の被害を受けているという現状があると。
そんな少女を救う大人は現状いないという。
1人語り手としてくるノルマという女性がいるんですけども、
このノルマもかなり過酷な状況の中で生きているという。
そのノルマを救おうとする少年もいたりするんですけども、
ここでもやはりですね、暴力がもともとはびこっていたと。
じゃあ救おうとするけども、その手段もやはり暴力になっていくとかですね。
なんかそういうちょっと不能連鎖を感じるようなところがあるという。
そういう特徴、世界観というところですね。
本当ですね。これちょっと時代設定が最初わからなかったっていうところもつながるんですけど、
結構これ携帯電話とかも出てくるんで、現代なんだなって思うことあるんですけど、
この魔女が信じられている世界観とこの暴力がはびこっている世界観というのが、
ちょっと現代に同居しているっていうことが結構私あんまり結びついてなくて、
なんかこういう世界なんだなみたいな感じで受け止めざるを得なかったんですけど、
もちろん多分こういう土地っていうのはあるんだろうなっていうのは、
ちょっと想像することはできるんですけど、
ちょっと実感を伴ってイメージすることができなかったなと思います。
ただ、この本に書かれている暴力っていうのは、今三枝さんが言った通りかなり理不尽でして、
なかなか、しかもこれなんだろうな、誰が悪いってわけじゃないんだよね、ほんとね。
なんか諸悪の根源がいるのかって言ったらそうでもないしさ。
もうただただこういう社会になってしまっているっていう感じではね。
そうですね。
ある意味辛いというか。
そうですね。
いいものなんですが。
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そういう点では、もしかするとスラム街を舞台にした、結構暴力的な作品とか、
そういうところと共通しているところはあるかなとは思いますね。
なんかそういう、確かに理不尽なものがあるとか暴力があるとかっていう点では。
最後の特徴なんですけども、文体ですね。
これはもうこの小説を語る上では説明しておかないといけないところでして、
1章が開業なしで語られると。
全部で確か8章かな、あるんですけども。
そうですね。
章によってもう長さはバラバラで、メインの章は3章からですね。
3、4、5、6がメインになってくるんですけども。
長いと数十ページとかもうちょっとある章もあるんですけど、
それが開業なしでバーって語られるというこの独特な書かれ方ですね。
とはいえ語りが、語りというか文章の運びが上手いというか、
また登場人物の喋りが生き生きしているというか、
そういうあれで読みやすさはあったんで文字がバーってくるんですけど、
読んでいてそんなに苦にはならなかったっていう。
意外と読みやすくて面白かったっていうのがありますね。
ただこれ多分だいぶ面食らうと思うんですよ。
そうですね。最初読む前はちょっとビビってましたね。
確かにみえさん言う通り、
載っちゃえばめちゃめちゃ癖になる文体というか作りで、
載るまでが結構大変かなっていうのと、
あと載ってしまった後も1章分的に例えば60ページとかあるったりするんで、
それを一気に読むのはなかなか難しくて、
時間確保して読んでるときはいいんですけど、
細切れのとこで読もうとするとちょっとどう切ってっていうかわからないという。
それはなりますね。
なのでオススメはなるべく1章だと読み続けることだと思うんですけど、
とはいえ私多分普通に1つの章3,4,5,6だともしかしたら2時間ぐらいかけてたかもしれないんで、
なるとですね結構時間確保するって。
なかなかね仕事してるって難しいと思うので、
ちょっと読み方は難しいかなと思いながら読んでましたね。
で、正直ちょっと小説読み慣れてない人は結構きついかもしれないですね。
開業なしの。
あとカタカナの冬名詞もかなり多いんで。
あ、そうですね。
で、私多分人生で何度目かのメモを取りました。
あ、そうなんですね。
登場人物、創刊図作りながら。
そうやったんですね。
でもここまで細かく作ったの初めてかも。
誰が誰と結婚してて、誰の親でとか、
ちょっともう分かんなくなるなと思ったんで、結構最初の方から作ってきましたね。
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確かに意外と。
そしたらだいぶ整理できた。
確かに。
そうですね。
意外と登場人物つながりが深いんだなっていうのが読むと分かってきて、
そういう創刊図があると分かりやすいですよね。
正直登場人物一覧でもいいから入れておいてほしいかなと思いましたね。
でも難しいですよね。
そういうのがあったとしてどこまで当てにしていいのかっていう。
そこに記載する情報もね、メタバレするとね。
メタバレを配慮すると当てになる情報がどうか悩しくなると思う。
難しいとこか。
まあでも関係図書きながらちょっと読み進めたら割と整理できましたね。
僕はちょっとこの文体の話とは変わってきちゃうんですけど、
この小説結構性描写多いじゃないですか。
その辺も読む人によっては苦手な人がきつく思うかもしれないですね。
確かに。
しかもいわゆる男性同士とか。
同性同士の多いですし、
そこプラス暴力的な描写とかなんていうんですかね、傷つくというかね。
妊娠した女性の描写とかですね。
なかなか読んでて辛いところもあるんで、
まあでもね、それはもうこういう小説を読む上では先では通れない描写かなと思いますので。
確かに。じゃあストーリー紹介いきますか。
ここからストーリー紹介いきましょうか。
ネタバレなしで話していきたいと思っています。
最初のですね、そもそもどういう物語なのかっていうところをですね、
役者解説から引用して、その後ですね、各章の登場人物、
どういう人物たちで、どういう話なのかというのを簡単に話していきたいなと思います。
まず物語は、遊んでいた男の子たちが洋水路に浮かんでいる魔女の残殺死体を見つけるシーンから始まるというですね、
死体発見するところから始まってきます。
舞台はメキシコのベラクルス州のカクーノ村ラ・マトサというところです。
近所の町ビジャからも10キロ以上離れている、
サトウキビ畑と製糖工場の他は北部の油田と港を結ぶ道路沿いの食べ物屋や飲み屋や売春宿しかない村というですね、
そういったベラクルス州というなかなか聞き慣れないところのカクーノ村が舞台と。
ここからですね、いろんな話が語られていくんですけども、
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最初語り手としてくるのが魔女のチビと呼ばれる少女ですね。
これはお母さんがもともと魔女と呼ばれている女性で、その子供になります。
村の人たちは結構魔女という名神を信じている傾向があって、恐れられているんですけども、
一方でこの魔女が困っていたら助けてくれる、病気になったら薬をくれるみたいなんですね。
そういうので頼られてもいたと。
この魔女のチビは非常に頭が良くて、魔女にあやかろうとする人間が周りにいっぱいいたんですけども、
今までそれをお母さんはお金のことを気にせず、助けを求められたら助けていたりとかするんですけど、
このチビはそういう人からもお金をもらうようになって、さらに金貸しも始めるというので、金を稼いでいくと。
村中で魔女の家には宝が山のようにあるんじゃないかと噂されるようになります。
これもちょっと噂ベースですけど、そんな風に語られます。
そんなある時、大規模なハリケーンが起きて、すごい被害になって、その後チビが本当の魔女のような全身黒ずくめの姿で現れるようになると。
結構家にも引きこもってなかなか姿も見せないというので、
ますます魔女の迷信というか、実体を伴わない噂というのがどんどん語られるようになっています。
その噂では魔女というのは結構色欲が強くて、金で男を飼い漁って、セックスばっかりしてるとかですね。
という噂もあれば、一方で村の女の人を助けてあげる、すごくいい人だという証言もあるというですね。
そんな魔女の、魔女のチビと言われた人の章ですね。
この魔女のチビ、もういずれ2代目の魔女かということになるわけですけれども、めちゃめちゃしたたかで、
とにかくこの2章で描かれていることってほんのわずかなことで、この後魔女のことはいろいろ描かれていくんですけれども、
どこを見てもですね、したたか強さみたいのは感じる存在ですね。
やっぱりこのハリケーンを生き残った強さがあるのかなとは思いつつ。
ちょっとネタバレ配慮であんまり具体的には言えないんですけど。
もう2章はこれぐらいでいいですかね。
僕は正直この魔女の存在、よくわからなかったですね一体。
一体何者なんだろうっていう、結局読み終わっても。
一体魔女ってなんだったんだろうっていうのがすごい残りましたね。
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確かに。
なかなかこれ、話の流れを全部知らないとなかなか話しにくい部分があるから。
あれだけど確かに魔女の存在っていうのは本当に何だったんだろうって。
そうですね。多分読んでるとね、本当途中でびっくりすると思いますね。
なんか自分読んでるの間違ってるんじゃないかって思うようなんですよ。
あれ魔女ってこういう存在なのかっていうですね。
だから2章とのギャップなんでしょうね。
の印象と途中でね、出てくるいろんな魔女の描写の驚きっていうのは、
これ読んでたらもう絶対感じるところかなと思いますね。
いや間違いなくあるね。この後話していくと思うけど、章ごとに視点が変わるので、
登場人物たちそれぞれの印象も全然違うから、魔女の印象も視点によって全く変わるしね。
そうですね。確かにそれとそうですよね。魔女だけじゃなくて登場人物も2人手によってレベル印象が変わってくるんで。
では次はですね、ジェセニアという少女の章になります。
この少女は母代わりの祖母ですね、おばあさんと姉妹と一緒に暮らしています。
このおばあさんがとにかくいとこの不良少年のルイスミを敵愛していて、
このルイスミという少年がすごい悪い人間で、子供の頃から他人家のご飯勝手に食べたり、
その辺にある物とか金とか盗んだり、人殴ったりとかですね、
遊んでて物置とか小屋を燃やそうとして物騒になったりとか、そんなことばっかりしてて、
その後しばしばずっとこのジェセニアがさせられるというですね。
というので、このジェセニアが結構このルイスミという少年を恨んでいました。
いい年になってもですね、10代後半ですね、
ルイスミっていうのは高校もいたず、結構不良仲間とつるんでいて、
魔女の家に入り浸っていて、そこではですね、噂では乱行パーティーをしているとか、
芸の相手を、別の場所ではまた芸の相手をしているとかですね。
で、あと酒と薬をずっとしているとかですね。
というので、ジェセニアはそんなですね、ルイスミが悪いことばっかりしてるんで、
それを現場を抑えて、このおばあさんにいかにこのルイスミが悪い人間、犯罪者だっていうのを告発しようと思って、
後をつけるんですね。
もうとうとう我慢の限界にきたから、告発してやろうって言って。
で、ある時ですね、魔女の家に出入りするルイスミの後を追っていったら、ルイスミと不良仲間が起こす事件を目撃するというですね、そんな章ですね。
このジェセニアなんですけど、ルイスミのことをクソガキって言っていて、文章中でもクソガキはみたいなことが出てくるんですけど、
なんだろうな、このジェセニアの章は、この村に置かれてる女性の話とか、環境の話とか結構出てきて、
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この話の全体像を捉える上で、こういう村なんだみたいなのを結構見せてくれる章であるなと思ってますね。
で、この後ですね、ちょっといろんな人の話が続くんですけど、このジェセニアの時はまあまあ平穏、平穏っていうわけじゃないんだけど、
なんて言ったらいいのかな、まだ怖さみたいなのは薄くて、魔女すげえなみたいなのもあるんだけど、
当たり前だけど、この話の入り口ではあるかなっていうところですね。
そうですね、読んでると結構おばあさんですね、めっちゃ怖いおばあさんで、結局ね、女の子が夜に出歩いたり、
で、他の妹とかは結構男の男に、夜出て遊びに行ったりして、そういうのがバレてたらもうめっちゃね、
無中一の系じゃないけど、なんかめっちゃ引っ張って、あ、あれか、学校を辞めさせられて、
先生になりたいと思ってたけど、もう学校を辞めさせられて、強制的に働かされたとかですね。
そんなね、もう怖いエピソードがいっぱいある。
これもあれだもんね、このルイスミ、男であるルイスミとの扱いの差がやばいもんね。
ルイスミとあとそのお父さん、息子ですね、おばあさんの。
ほんと出来合いしてて、この差ですよね、この女の子と男の子の愛し方の差っていうのは結構強烈でしたね。
で、その次出てくるのは、ムンラという男の将王ですね。
このムンラというのは、その妻であるチャベスという女性が売春屋と営んでいて、
話としては、たびたび出てくるルイスミという少年は、このチャベラの実の息子であると。
ムンラにとっては、ただルイスミを産んだ後、チャベラと結婚しているので、
ルイスミにとってムンラは義理の父にあたるというですね、そういう関係になります。
結構このムンラは、ルイスミとよく一緒に酒を飲んで、つるんでいるという、そんな関係です。
で、ある時ですね、このチャベラがノルマという少女をですね、家に連れてきて世話をするようになったんですけど、
ムンラはですね、それをちょっと鬱陶しく思っていると。
結構このムンラという男性がですね、男尊女卑の思想が強くあって、
それがなんかね、その村での元々の、なんていうんですかね、そういう思想を持っている人が多いんですけど、
ムンラもそういう男性であると。
で、ノルマというのが結構いい子で、なんでしょうね、素直な子というか、そういういい子はただ好きではないというんですね。
そんな感じで。
で、ある時ムンラが出血をして、意識網路落としして助けを求めるんですけど、
最初は助けを断ったりするんですけど、やっぱりですね、本当に命の危険があるんじゃないかというぐらいですね、
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ちょっとやばい状況になってきたんで、ノルマを連れて病院まで車で送ってあげるというですね、
そういう出来事がありましたと。
で、この時というかですね、このタイミングの時に妻のチャベラが3日間家に帰ってきていないという、
そういう状況でもあって、チャベラが男の元に行ったんじゃないかとか他の。
いやでも、売春やので、なんかそのチャベラも男の相手とかしてるんですけど、
そういう仕事してるんで、3日ぐらい不在になるっていうのはよくあることだって言って、
不安にはなってるんですけど放っているという、そういう精神状態ですね。
そんな時ですね、ルイスミと不良仲間がムンラの元にいて、魔女の家まで送ってほしいと言われて、
魔女の家まで車で送っていくというので、ちょっとさっきの話でジェセニアが目撃した事件ですね。
そこに繋がってくるという、そんな要素ですね。
このムンラっていう男が、元々は結構たくましい男だったのかな?
バイク乗ってる時に事故にあっちゃって、片足が何でしょう、ちょっともうあまりうまく動かせなくなってるんですよね。
それもあって、できることっていうのが限られてきてしまっているんですけれども、
とはいえ、ムンラっていう男が足のせいなのか、ちょっとやっぱり弱い部分があって、
この章だと結構強そうに見えたりするところ多いんだけれども、
他の章だとね、この後話すかもしれないけど、結構弱い男として描かれたりする。
結構周りに利用されやすいタイプかもしれないですね。
なかなかムンラもちょっと影のある人間かなっていうのを読んでいると感じましたね。
その次ですね、その次はノルマという少女の章になります。
このノルマは13歳の女の子なんですけども、家が貧しくて、お母さんもすごい厳しくて、
妹たちの世話もね、ノルマがいないと家はダメだというので、
そういうかなり背負わされているものがあって、すごく生活が大変という、そんな状況でした。
この話に登場してくる段階ですでにノルマが妊娠をしているんですけども、
13歳で妊娠しているんですけど、ただ誰の子供かというのは決して言わないと。
そんなノルマは自殺を考えています。
やっぱりちょっともう、この現実の世界はもういたくないというので、
かつてお母さんと一緒に夏休みを過ごした都市に行こうと思って、
それでですね、ちょっとお金もないんですけども、バスに乗ったら途中で下ろされてしまって、
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そこでさまよっている時にルイスミと出会います。
ここでもね、ルイスミが出てくるんですけども。
ルイスミが面倒を見てくれて、旦那が恋中になっていって、
ルイスミはもうノルマと結婚を決めますと。
そんなルイスミが連れてきたということで、さっきのですね、
ムンラのショーでもあったんですけど、このチャベラがルイスミのお母さんですね。
ちょっとノルマを世話もするようになって、
肝心の話ですね、ノルマが誰の子供を宿しているかというのはですね、
このショーの途中で語られていくんですけども、
そこはですね、本当読んでいってほしいなと思いますね。
そうですね。
ちょっとこの登場人物の中で一番悲惨な状況にあるのがノルマかなと思いますね。
なかなかちょっとね、これはもう本当になんていうか、
社会のせいとまでは言えないな、なんかすごいとんでもない状況にありますよね、彼女は。
そうですよね。
このノルマのショーが読んでてきつかったですね。
ああ、そうだよね。
これが一番読むのに時間がかかったというか、
ちょっと勢いよく読めなくて、なかなか辛くて。
あとなんかね、読んでて結構こっちも痛みを感じるような。
ノルマがね、結構傷つくことがね、妊娠してるんであるんですけども、
それがね、そういう話はちょっとね、なかなか読んでてきつかったですね。
そうですね。
ちょっとここは本当に、この順番で読むからこそやっぱりいいと思うんで、
ぜひ5章をね、読んでいただきたいですね。
ちなみにあの、ルイスミという少年が各章で出てくるんですけども、
やっぱこのノルマのショーになった時のこのルイスミの見方はだいぶ変わりましたね。
そうなんだよね、クソガキとかね、ちょっとわがままな息子みたいなイメージがあったけど。
ムンラと言った時はもう、薬と酒に溺れてるっていう印象だったんですけど。
ひたすらビール飲んでるとか。
そうだね。
ルイスミの本当の一面みたいな、そういうのがちょっと見えた気がしましたね。
なんかね、ルイスミもやっぱりこう、こういう状況にありながら、
求めてたものがあるんだなってなんかちょっと見えるよね。
そうですね。
次がですね、ちょっと紹介するのは最後になるんですけど、
ルイスミの悪友であるブランドという少年のショーですね。
このブランドは小さい時から周りの不良連中とつるんでいて、
なんていうか、悪い話ばっかりしてきた人なんですけど、
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そういう環境の中でずっといたんですけども、
ただ一つですね、セックスに対してだけちょっとコンプレックスを持っていたと。
で、それが若干今も残っているのかなという。
登場時確か19歳かな、そのくらいなんですけども。
そういう性に対しては結構思うところがあるというですね。
そんな少年です。
他の悪いことは、他は悪いこといっぱいしてきてるんですけども。
で、このブランドも結構家庭環境が大変で、
両親離婚していて、お父さんは遠方でもう違う家庭を持っていて、
で、わずかなお金を家に送っていると。
で、お母さんは二人暮らしなんですけど、お母さんはもう宗教に完全にハマって、
それだけ現実逃避状態になっていると。
結構ブランドにも宗教を押し付けてくるんで、
ブランドはそれを鬱陶しいと思っているという。
で、ブランドは性に対してちょっと思うところがあって、
ゲイとかですね、同性愛というところを軽蔑していたんですけども、
あるときですね、この友達であるルイスミに性的な魅力を感じる、
そういう出来事がありましたと。
そこからですね、結構話が展開されていくんですけど、
このルイスミがさっきのノルマの章で話したように、
ノルマと結婚を決めて、それを仲間うちで突然発表するんですね。
自分はもうこのノルマと結婚するって。
昨日出会って、その次の日に言うんですけども。
で、それだけじゃないんですけども、
そういう家庭環境とかいろいろな問題があって、
ブランドはですね、町を離れるということを決意します。
で、ルイスミを誘って魔女の家から、
魔女がね、家にお金が山ほどあるっていう噂があるんで、
お金を盗もうという、そういう計画を考えます。
で、ブランドはですね、そこでお金を手にしたら、
お母さんとか、ルイスミとか、そういう村にあるものが全部置いて、
自分はもう違う町に行こうと。
そういう心積もりだったんですけども、
ただルイスミを誘って魔女の家に行ったら、
事態が思いもしない展開を迎えていくという、そういう話ですね。
そうですね。ここは確信に入っていくショーなんですけど、
ブランドはね、結構最初からも出てくるし、3章からも出てくるんで、
ちょっと怖い存在だっていう印象がすごいあったんだけれども、
ブランドのショーに入って、彼の内面とか思いみたいなのが語られていくと、
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かなり弱い、だからこそ強がってるっていうタイプの人間で、
やっぱり彼のですね、ちょっとした行動とか、恐れを成してしまった行動とかが、
結構物語を動かしていて、
ここはやっぱりちょっと面白い、物語としてはすごい面白いポイントだなと思いましたね。
ブランドも見方によっては普通の少年かなっていう。
マンチスター・ユナイテッドっていうサッカーチームのシャツ着て、
ちょっとね、お金を手にしたら、アディダスの新しいスニーカーを買ったりとかですね。
なんかそんな、なんか同じような、なんか世代の少年と思考とか同じ、
このもの一緒なのかなと思うんですけど、
結構考えることとかはね、なんかえげつないことをね。
お金を盗んで街でようとかですね。
そういうことをね、考えてしまったりもしてしまったり。
ね、そうですよね。
で、あとあれですね、もうこの後はちょっといろいろ核心のところからあるですが、
ストーリーとしてはこんなところですかね。
そうですね。そうやっていろんな人物のお語りが、
視点ですね。視点があって、
クライマックスになっていくっていう。
で、あの、これ8章あるんですけど、で、主にメインが3から6なんですけど、
これあれなんですよね、ルイスミって人物がとにかく描かれるんですけど、
ルイスミの視点の章はないんですよね。
ここが面白くて。で、今、各章の話をしてた通り、
このルイスミっていう人物に対して話が語られるんですけど、
どれもですね、やっぱり人物像として、
重なるところ少しあるけど、やっぱりちょっとずつずれてて、
なんかこれがやっぱり、この小説の面白いところでもあるなとは思いましたね。
そうですね。
僕思ったのは、このルイスミが、
なんかもう、なんていうか、この愛されるのと嫌われるの、
この、結構両極端なんですよね。
確かに。
好きな人、魔女とか、なんかおばあさん、ジュセニアのおばあさんですね。
ルイスミのおばあさんからはすごい出来合いされるし、
なんで周りはこんなにルイスミを出来合いするんだろうかとかはちょっと思いましたね。
確かに。極端ですよね。
人物像としても結構描かれるから、
なんとなくもうこういう人物なんだろうなっていう、
あの人物像は、読み手には多分浮き上がってくると思うんですけど、
その中でもいろんな面があるんだなっていうところですね。
僕はやっぱり、ちょっと読んだ中では、
ルイスミはただの少年だったのかなっていう、
なんか本当にもう少年っていうか、小学生がそのまま年取ったみたいなんですね。
確かに。
そんな感じは受けましたね。
純粋なとこはあるよね。
薬はやってるけど。
そうですね。
42:03
僕はちょっと読み終わって思ったのが、
ジュセニアのおばあさんがやっぱりこの、
本当に理不尽なまでに怖い存在であって、
あともう一つがですね、このムンラですね、男性。
弱い部分も抱えてると思うんですけども、
そこを知らない恐ろしさも持ってるっていうのは思っていてですね。
まずこのおばあさんですね。
なんで息子とか、あと孫のルイスミは死役にしていたのに、
周りの娘とかにはそんな理不尽なほど怖いのかっていうところで、
もしかするとそれが一つ国家ですね、
メキシコの国家というか村というか、
っていう存在そのものを暗示してるんじゃないかとかですね。
そんな気はちょっとしましたね。
でもシンプルに男尊女子の世界、
韓国とかも今は違うけど昔はこうだったわけでしょ。
日本も残っているのか、あるのかもしれないけど、残ってるんだろうけど。
そういうのを理屈抜きに体現してるような人かなっていうふうには見えましたし。
あともう一つがですね、ムンラですね。
これが作中の中でですね、
このムンラっていう人物が紹介される前に噂ベースでムンラについて語られてるところがあって、
それはムンラっていう呼び方じゃなくて金髪って呼ばれてたんですけど、
その金髪は麻薬を運ぶために北部の麻薬団、グループが送り込んできた男で、
トラックを乗り回してビデオに出ていたと。
そのビデオっていうのが皆が携帯電話で回し合っている有名なビデオで、
その中で彼は、まだほとんど子供でしかない少女、
麻薬のせいか具合が悪いのか顔を上げることもできない少女を相手にゾッとする行為に及んだ。
彼らは国境近くで哀れな未成年の少女たちをさらっては、
売信用で奴隷のように働かせるのだと言われていたと。
で、セックスするのに役立たなくなると、
ビデオの中でしてみせているように羊のように殺して切り刻んでというふうに書かれていて、
これは噂ベースとして述べられていた説明なんですけど、
このムンランもそれって本当なのかどうか、そこまでの話はそれ以上出てこないんですけど、小説の中では。
ムンランの章を読む限り、ムンランってそこまで怖い人間には見えないんですけども、
でも、金のためとか生き延びるためなら何でもするタイプの人間でもあるんじゃないかなと。
そんなに倫理的なこととか考えずに。
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このムンランの存在も、この国というかこの社会が抱えている、そこの見えない怖さを表しているんじゃないかなっていうのをですね。
一見するとですね、そんな怖くなさそうとかですね。
ちょっと頼りないだけだとかですね。ちょっと弱い部分があるとかっていう。
そういうふうに見えるけど、でもそこ知れないあにかで。
怖さも感じる。そんな人物でしたね、僕の中では。
それはもう人物だけじゃなく、そういう社会かなっていう。
あー、確かに。そうですね。ムンランもおそらく結構流されていた人物ですからね。
今もそうかもしれないけど、ちょっと足が不自由。不自由までいかないか。足がちょっとね、障害を抱えてもね。
まあそうですよね。
なんかね、そういうので、この小説を読んでて、結構村の人々ってそういう悲惨さとか、
ダンソン女子とか、暴力とか、酒とか薬とか、そういうのを当たり前のものとして受け入れているところがあるなと。
特にこの男たちとか、古い人間ですね、古い世代の。
ムンランとか、ジェセニアのおばあさんとか。
それがこの村の世界というか、自分たちが生きている世界だって思っていると。
一方で、この小説に出てくる語り手のジェセニアとかは、なんか少女たちはそれを違うって感じ。
違うというか、そんな世界にはおかしいって思ってるっていう。
魔女のチビはそういう女たちを助けて、ジェセニアは悪い住みを告発しようとしたり、
ノルマは世界から逃げようとしたりっていうですね。
まあそれがね、ただ可能なかどうかっていうところはですね、読んでみないとね、分かんないところですけども。
そうですね。
あの世代間でだいぶギャップを感じるよね、この小説からはね。
そうですね、とは思いますね。
ちょっと今のムンラの話に通じるかもしれませんが、ちょっとテーマトークいきますか。
いいでしょうか。
今回はですね、悪とは何かということでちょっと話してみたいんですが、
これオビにね、ちょっと最初の方話したけど、壮絶な悪を直視する傑作と書いてあるんですけど、
このハリケーンの季節の中の悪って何だったんだろうなとちょっと思っていて、
これは間違いなく魔女とかではないし、登場人物一人一人のこいつが悪だったというわけではない気がしていて、
完全にこの村を支配した空気とか、この社会を支配した空気が多分悪だったんだろうなとは思うところはあって、
誰も悪くないっていうのはおかしいんだけど、
ただ当たり前のように薬をやる世界が、酒に溺れるような世界があって、
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そうなってくるとね、ちょっとどう捉えていいかわからないところがあるよね。
逆に何でしょうね。
例えば正義として警察とかそういう存在を考えた時に、そういうのはもう機能してないんですよね。
警察もチャンスがあれば、金のあるところから押収して、自分らだけ金持って逃げようとかですね。
そんなの考えているような連中で、そういう意味ではそうですよね。
誰がというか、そこにある空気とか、世界そのものなのかとかってちょっと思ったりもしますし。
わかりやすい悪は描かれてない気がしていて、
だからこそ立ちが悪いというか、
一人一人の行動に少しずつ影響しちゃっている空気、社会、環境、
それによって悲惨な目に遭っている人たちだなと思いました。
暴力が増幅しやすい変な環境なのかなと思います。
日本とかだったら、例えばちょっと人を恨むことがあっても、
その人を殴ったりとか殺したりとかってするまでには相当なステップというか距離があると思うんですよ。
ここでは人を恨んだりしたその瞬間にも、
その人がもう役に立たないとかってなった瞬間にもあっさり暴力になったり殺してしまうとか、
そういうのができてしまうようなところなのかなと。
何だろうね、警察もちょっと腐敗してそうだしね。
警察も確実に腐敗してますよね。
だからいわゆる通常の抑止力としての警察機能は、
ちょっともしかしたらもう無しでないのかもしれないね。
そういう警察みたいな外部が取り締まってくれるというのがないのと、
あと自分の意思というか、
これはやっちゃダメとか、その辺の倫理観というか、
そういうのがだいぶずれているのか、そもそも倫理観みたいな反応がずれているのかもしれないですね。
そうかもしれないですね。
だからといって、日本に住む我々が読んだからといって、
すごく理解ができないというわけではなくて、
全然イメージはできてしまうんだけれども、
ちょっとやっぱり距離はあるのかなと。
この村で起きているそういう殺人事件って、魔女だけではないんですよね。
小説の終わりの方にも書いてあるんですけど、
本当にたくさんの殺人事件が起きていて、理由はそれぞれあって、
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ただ、その殺人事件が裁かれることは決してないというのがあって、
連鎖していっているというのがあるのかもしれないなという、
連鎖というのが都合が悪く、自分の都合が悪くなったらも、
邪魔な人間を排除していくみたいなんですね。
生存本能のままに、人の存在を消そうとしてしまうっていう。
それは、その人にとっては、自分にとっては都合のいいことですけど、
そうじゃないところから見たら、ただの人殺しですし、
そういうのがはびこっているっていう世界ってことは、
そういう世界が悪なのかなとかちょっと思いました。
確かに。
こんな壮絶な環境では、なかなか正義は生まれないような。
そうだね。
自分の身を守るためにいっぱいいっぱいだもんな。
正義とか考えられないような。
テーマトーク、アクトは何かにしましたけど、
これ考えるのもうあと何時間かちょっと。
そうですね。
ちょっとやめときましょうか、この辺で。
そうですね。
ちょっとこの作品を読む上で。
そうですね。そういうのを考える一つの題材というか。
一つのきっかけ、手がかりぐらいにはなるんじゃないかなと思います。
じゃあこんなところにしときましょうか。
じゃあ最後、いつも通り感想とどんな人に読んでもらいたいか話して終わりたいと思います。
今回いろいろ話してきましたが、
やっぱり環境とか状況とかは日本とは全く違うと思うんですけれども、
この公正力にはやっぱり圧巻させられたので、
話を聞いて暴力的とか性的描写多いんだなってなって苦手だなって思う人いるかもしれないですけども、
なんか大丈夫そうだなと思った人にはぜひ読んでもらいたいですね。
結構、おそらくなかなか読めなかったものが読めるんじゃないかなと思いますね。
他には同じような作品ないと思うんで。
確かにないですよね、なかなか。
そうですね。
みいさん的にはどうですか?
この悪の部分とかBlood Meridianとか2666とか比べて。
そうですね。
なんかそういう理不尽に思えるような人殺しっていうのがやっぱり描かれているっていうところでは、
共通しているところもやっぱりあるんだろうなとは感じましたし、
あとはなんでしょうね、結構2666もやはりメキシコでその本当に理不尽な殺人が行われているっていう、
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その描写があったりするんですけども、
ただそれも誰が人を殺しているかっていうのは全然わかんなくて、
犯人捕まったと思ったら同じ事件はずっと続いているしっていう、
なんかそういう感覚とちょっとリンクするところはあってですね。
違う、例えばこの殺人事件が起きる小説を読んだ時に、
なんでこの人は殺して、で犯人捕まってその後どうなったかとかっていうのって読んだらちょっとわかった気になったりするんですけども、
こういう先に全然わかった気にならないっていうですね。
2666とかBlood Meridianとかそうですけど、
一応聞けることは読んで、こういう小説なんだっていう物語なんだっていうのは受け止めることはできるんですけど、
なんででも人殺しにまで至ったんだろうとかですね、
で、なんでそれがその後も続いていくんだろうかとかですね。
その辺の考えても全然わからないようなことがあるっていうですね。
なんかそれを、なんでしょうね、そういうよくわからない感覚を味わってしまうっていう点ではね、
すごいなかなか他にはない悪い小説だと思いますし、
こういうのもあれですね、文学好きな人とか読んだらどう感じるんだろうかとかは興味がありますね。
他の人がどう思うかとかっていうのは。
そうですね。これ結構読んでる人いると思うから、読書会とかやっても楽しいかもしれないですね。
今回もだいぶ話そうかなっていうところとか、ネタバレとかも無しで喋ったりするんで、いいですね。読書会抜きかもしれないですね。
じゃあちょっとこんなとこにしておきましょうか。
では次回予告して終わりたいと思います。
次回はですね、村上春樹のお気に入りオススメの短編をお互いに紹介するという企画をやりたいと思ってます。
お楽しみに。
番組の最後になりますがメルマー会員募集してます。
こちら無料版、有料版でございます。
詳しいことは番組概要欄ご覧ください。
番組の完成をリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読み返しましたとございましたら、
ハッシュタグそろとび猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
Xやインスタの投稿などでお待ちしております。
お便り本も番組情報欄に載せておりますので、いただけましたら、
2ヶ月に1回ぐらいのお便り紹介会でご紹介させていただき、お返事したいと思っております。
この番組気に入っていただけましたら、まずこの番組のフォロー、そしてせっかく的に沢山共有していただけると助かります。
ではまた来週。
ありがとうございました。