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2023-09-25 54:28

番外編 第41回「持ち込み企画が出版に至るまで」(ゲスト:翻訳家 久保田祐子さん )

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今回は作品紹介のない番外編です。

ゲストは先週に引き続き、久保田祐子さん。「アンダー・ザア・サム」翻訳出版にいたるまでの経緯などをお聞きしています。

是非お聞きください。

『アンダー・ゼア・サム』ビル・ジャーマン著 池田祐司監修 久保田祐子 訳 リットーミュージック https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3120317120/ 【番組内で紹介したトピック】 2023年8月30日発売の久保田祐子さんの新訳本「チャーリー・ワッツ公認評伝 人生と時代とストーンズ」(ポール・セクストン著、シンコーミュージック・エンターテイメント) https://www.shinko-music.co.jp/item/pid0653289/ 【文学ラジオ空飛び猫たちを初めて聞く人向けのnote記事】 声で届ける文学!Podcast番組「文学ラジオ空飛び猫たち」おすすめエピソード特集 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://note.com/cafecatwings/n/nab636ad54a35⁠⁠⁠⁠⁠⁠ 【番組へのお便りはこちらから!】 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://forms.gle/a569tyUhMDDaCXGF8 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠ 【メルマガ会員募集中! 】 毎週土曜日朝7時に配信! 無料版は本編エピソードには収めきれず、泣く泣くカットした部分を聞いて頂ける内容になっております! 有料版は我々2人に対しての応援・支援をしたい!という想いを持って頂ける人を対象に、月額500円のサブスクをご用意。ささやかな御礼として編集後記という配信後の感想などをお送りします。なお、こちらに有料登録して頂いた方々を我々はサポーターと呼ばせて頂いております。 どちらも theLetterというニュースレター配信サービスを使わせて頂いております。最初は無料購読登録から始まりますので、是非気になった方はまず無料登録を! ⁠⁠⁠⁠⁠⁠ https://radiocatwings.theletter.jp/⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ※登録されると確認メールが迷惑フォルダに入ってしまう可能性がございます。すべてのメールをご確認ください。 ※もちろんサポーターとしてご支援頂かなくても、Podcastを聴いて頂けるだけでも本当に嬉しいです。 【文学ラジオ空飛び猫たちとは】 硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。 案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ 京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ 文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、 読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます! 毎週月曜日朝7時に配信しています。 【SNSでご投稿ください】 番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください! よろしくお願いします! ■twitter ⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/radiocatwings⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ■Instagram ⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.instagram.com/radiocatwings/?hl=ja⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ■Gmailでも受付中です bungakucafe.catwings@gmail.com ■ダイチ「小説家が好き!の会」 Twitter ⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/welovestory ⁠⁠⁠⁠⁠⁠ Instagram⁠⁠⁠⁠⁠⁠ https://www.instagram.com/booklogd/?hl=ja⁠⁠⁠⁠⁠⁠ ■ミエ「羊をめぐるカフェ」 Twitter⁠⁠⁠⁠⁠⁠ https://twitter.com/hitsuji_meguru ⁠⁠⁠⁠⁠⁠ Instagram ⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://www.instagram.com/hitsujiwomeguru.cafe/⁠⁠⁠⁠⁠⁠ #本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

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どうも皆さんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするポッドキャストです。お相手は私ダイチとミエのお二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には厚く、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
本日は作品紹介のない番外編となっておりまして、前回アンダーアジアサム会でご出演していただいた翻訳された久保田祐子さんをお招きしてのゲスト会となっております。久保田さん今週もよろしくお願いします。
久保田祐子です。
今回はテーマとしては、せっかく翻訳された久保田さんに来ていただいているので、翻訳裏話を聞いていきたいと思っております。
作品への思いや情熱、また翻訳に至ったストーリーなどを聞けたらなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
ではですね、この番外編では久保田さんにちょっと翻訳裏話というところを聞いていきたいと思うんですが、まずその前にですね、翻訳業を生業にされているということで、そもそもというところでどうして久保田さんが翻訳家になられたのかですね、ちょっとそこからですね、まず指摘していけたらなと思っています。
はい、えーとですね、もともと私あの全然翻訳を仕事にする気は全くなくて、アンダーゼアサムのビル・ジャマン君じゃないんですけど、好きなものを仕事にしてはいけないと思っていたので、ジャマン君と逆ですね。
それで私、旅行会社の会社員辞めて地域活動とかボランティア活動とかやりながら子育てしていたある日ですね、30歳も過ぎた頃のある晩、昼間に目にしたとある漫画のセリフはあまりに訳したくなって眠れなくなってしまったんですね。
で、あの眠りたいので仕方がないから、これちゃんと勉強してなんかこう形にしようかなと思って、洋画字幕翻訳の勉強を通信教育で始めて、そこまでやったなら通学しようかなと思って翻訳学校に通学して、そこまでやったならプロを目指してみようかなっていう感じで転がり込みました。
で、翻訳で何を目指してきたかっていうと、例えば同じ映画を見ていて、同じ洋画とかを見ていて、それを言語の例えば英語で見ている人と日本語字幕でそれを読んでいる友達同士が一緒に見ていて、同じとこで笑ったり感動したりできる翻訳を私はね、目指してきたんです。
で、何でかっていうと、私が翻訳を始めた頃ってそういう機会があんまりなかったよね。ちょっとタイミングずれてたりとか、なんかここ笑うとこなのに訳し切れてな、しょうがないよなみたいなのがね、結構あった、まだまだ多かった時代だから、そうやって同じ土俵でみんなが楽しめるようになるといいなと思っています。
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なるほど。
字幕の翻訳ってすごい難しいってもうね、決まった文字数、枠の中で、なんかタイミングとかもあると思いますし。
そうそう、あれね、難しいと思う人は難しいんだろうけど、好きな人は大好きなんだよね。で、私結構割と最初から大好きで、で、みんなこんな楽しいじゃんとか思ってて、翻訳を少なくとも志す人はみんな好きなのかと思ってたら、全然そんなことなくて、おかげさまでね、結構なんか動画系の翻訳は私に回ってきたりとかしたんですけど。そうなんですよ。
すごいですね、翻訳の中にもそんなジャンルはもちろんね、得意不得意好き嫌いとかっていうのがあるんだって。
うん、例えば本一つにとっても、写事ってあるじゃないですか、あの何々さんありがとうこの人にお世話になりましたみたいな、そういうの大体1ページとか無視されて2ページにわたって書いてる人とかいるんだっていると思うんだけども、それをね、私訳すの大好きなんですよ。で、私みんな好きなのかと思ってたら、なんか大嫌い苦手とかっていう人が多くて、おかげさまで協約、何人かで訳す本を訳す場合に、大抵そのページが私に回ってきます。
ちなみにアンダーゼアサムの写事は、写事自体が物語になっていると私は思っていて。
なんかもう人物名の数がとんでもないんですよ。
ね、そうそうそう、それで写事の中で言葉遊びもやってて、だから写事も微妙だけど、言葉遊びと言っていいのかわかんないけど、だけど写事まで読み終わって、この本を全部読み終わるって感じだなって私は思ってる。
あー確かに、これ並びが、今ちょっと見てますけど、なんでこの並びなんだろうってちょっと思ったの。
そうそう、考えられてますね。
やっぱそうなんですね。
そうそうそう。
自分では読み解けない。
さすがにこれは一般的な読者はやらないと思うんだけど、訳してる段階で、無名な人たちの名前を一応正しく表記するために調べるわけですよ、翻訳者は。
同じカタカナでも、万が一違う表記で流通されてたりとか、こういう名前は一般的に日本語でカタカナになってるとか、そういうのってあるから、一応一つ一つ調べていくと、
なんかね、思わぬ面白いことやってる人がいっぱいいて、今度はこの人の翻訳してみたいなとか、あーこの人がこういうところで活躍してるからこの本が成り立ったんだなみたいなのがわかってね、それも面白かった。
そういうの大好きなの、私。
いいですね。
ありがとうございます。
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岡田さんは今の話で翻訳の世界に進まれ、その前にもともと英語自体はアメリカにも住まわれていたということで。
はい、私小学校時代のほとんどアメリカに住んでて、アメリカの小学校を卒業してるんだけど、だけど、やっぱりそれだけでは全然つぶしか聞きませんので、英会話できますっていう程度です。
子どもの英語だししかも。
なので、特に例えば英語から日本語に訳す場合は、紙面にのるのは日本語ですから、日本語として面白い文章を書けないといけないわけですよ。
なので、翻訳学校で例えば習うのは、主にいかにして読ませる日本語を書くかなんですよね。
だから、その辺はもうちゃんと勉強し直しました。
一応、大学で専攻したのは日本文学だったので、それもちょっと助けになっていると思いますけど。
むしろ日本語の方を磨いたっていう。
でも、翻訳者はみんなそうだと思いますね。
基本的には、自分が詳しい外国語を母語に訳す仕事ですので、もちろん逆もしっかりですし、私も英訳やるときもあるんですけど、
基本的にはそういうことなので、母語をできるだけ正しく書けて、もしくは正しく書けるよう調べ物をこたわらないということですね。
そこがやっぱり通訳との大きな違いで、通訳はもう瞬発力でポンポン正しいことを言っていかないといけないんだけど、翻訳者は幸い寝かせて、一晩でも二晩でも調べて、正しくて面白い文章にできればそれでOKっていう感じなので。
たぶんね、今英語でこれ何て言いますかとかって言われても答えられないことがすごい多いと思う。
頭の中にたとえ入ってても、それが出てこないみたいな。
それを一生懸命自分の毎辞書を調べたりとか、世の中の辞書を調べたりとか、いろんな調べ物をして文章として吐き出すっていうことをやってるのが翻訳者ですね。
なるほど。面白いですね。通訳の人も翻訳の人もどっちもすごいとイメージで思ってるんで、どっちもどっちもできるんじゃないかなとかですね。
そうそう。理論的にはできるんだろうけど、得て増えては皆さんあると思います。
そういうもんなんですね。
ちなみに久保太さんは翻訳のお仕事は普段はどのようなことをされていらっしゃるんですか。
それで翻訳学校に行ったものの、なかなかすぐに仕事にやりつけるわけではなかったんだけれども、いろいろありまして、最初のうちは音楽雑誌の翻訳、インタビュー記事を訳したいとかっていうのが多かったですね。
あと映画情報番組の字幕翻訳とボイスオーバーっていうんだけれども、しゃべってる上にかぶせるような、そういうような翻訳をやってたこともあって、単行本も共訳、何人かで訳した本は何冊もあります。
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そして、そうやって翻訳をやって25年ぐらいになったんですけど、近年では一番多いのは映画パンフレットの翻訳をやってます。
映画パンフレットはね、ちなみになかなか内情が面白くてですね、映画パンフレット自体にのる日本語に訳す仕事もやってるんだけど、
洋画のパンフレットってね、こういう形で公式パンフレットと銘打って、映画館で売りますっていうことを、映画を作った本国に大かがいを立てるのが基本なんですよ。
それでね、そのために、この本の何ページにはこういう内容の記事が書かれています、ああいう内容の記事が書かれてますっていうことを送らないといけないんです、出版社は。
で、それを訳すことをやってます。だから概要を訳すこともあれば、本当に映画評論家が書いた評論を丸ごと英訳したりとか、そういうことをやってますね。それも結構楽しいですよ。
面白いですね。映画パンフレットってあれですもんね、私もよく映画館行くとパンフレット買うんですけど、監督の言葉とか、ディレクションノートみたいなのがあったりとかして、で、どっかに日本の映画の評論家の方の入ってくるじゃないですか、大体それがセットになってますよね。
そうですね、大体。
ディレクションノートはもともと多分英文で来てるのを翻訳されてるってことですよね。
いろいろですね。独自にインタビューを誰かが撮るときもある。あと音声から訳し、書き起こすっていうのかな、訳し起こすっていうのかな、そういうときもありますし、いろいろです。
なるほど、確かに面白いですね。
すごいね、膨大な量の未編集、音声から起こした文章にすらまともになってないようなものをいきなりきれいな日本語にしたりする仕事もいっぱいあります。
わかります、言ってること。たとえばね、今こうやってしゃべってるでしょ、私たち3人で。
それで、これなんとなく聞いてるとわかるけど、これ文字に一時一句丁寧に起こしてみると、すごいいっしり滅裂なものなんですよね。
そうですよね。
でしょ、やってみるとわかるよね。人間のしゃべり言葉ってすごいいい加減なのよ。
だから、それを文章で読むと、なんだかわかんないけど意味わかんないんだよね。で、それを音声がない状態で、そのいっしり滅裂っぽい文章を読んで、いろいろ背景を研究して、想像して、わかりやすい文章に起こすっていうことをやったり、かなりちょくちょくやります、それは。
ライターさんがやってそうな仕事ですね、まさに。
そうそう、だからちょっとライターさん的な技術も問われると思いますね。ただ、ライターさんは本当に、自分が書くことをいちからいろいろ調べて取材したりとかして、見えないところの努力がまた翻訳者とは違うんだと思うんですけれども、書くという要素というか技術というか、それはちょっと似てると思います。
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面白いな。じゃあ、まるっと外国のパンフレットをまんま訳すときもあれば、作り上げるような過程も。
ちなみに、外国のパンフレットってないんですよね、ほぼ、まず。
映画パンフレットって日本独自の文化と言われていて、独自とは言わないけれど、外国で見かけたこともあるけど、だけど、だいたいあれですよ。
あ、そうだ、でもあった。あったっていうかね。
ウエストサイドストーリー、スピルバーグのウエストサイドストーリーは、既成の本を丸ごと訳すという、なかなかやりがいのある仕事だったんだけど、それはすごい稀で、日本の映画配給会社が出すパンフレット、マスコミ用に出すパンフレットみたいなのもあるんですけど、それと全く同じでもないんですよ。
そこを資料にしながら、劇場で売るパンフレットを作る会社がまた別にあって、その会社から私は雇われることが多いんですけど。
なるほど。
そうそう、いろいろ話すと、きりがないからね、脱線しまくるけど。
ちょっと裏側のところで1個気になってしまったのが、翻訳を担当した映画とかですね、見せてもらえるんですか?
それがですね、いい質問ですね。
見せてもらえると、めちゃめちゃ翻訳はやりやすくて、正確にできるんだけど、必ずしも見せてもらえなくて、例えば、マーベルとかディズニーは見せてもらえないことが多いんですよ。
それっていうのは、秘密主義とも言われてるんだけど、本当にね、なんかギリギリまで作ってるみたいなんだよね、公開ギリギリまで。
そうなんですね。
ギリギリまで編集というか、だから宣伝で出てるようなことでも本編で削られてるとか、もちろん加わってることがいっぱいあるし、だからね、そういうなこんなもあって、言っていいのかわからないけど、例えば、CGが施されてない動画を見せてもらったことも何度かあるし、
でもそれ見せてもらえる、まあでもね、それは面白くないんだよね。でも本当はあかまでも資料として見てるから、見せてもらえるだけ大歓迎なんですけど、
そう、そんなこんなでね、パンフレットを見て、えーこれ載ってないじゃん、あれ載ってないじゃんって皆さん大思いになるかもしれないけどね、いろいろ事情があるんだよね、すみません。
そうそう。
まあ確かにそうか。
いろんなものを作るのが同時並行に進んでるからそうなるんですね。
確かにね。
そうそう、それで同時公開だからね、大抵今時の映画が。
本当そうですよね。
そうそう。
じゃあちょっとここからはですね、いよいよアンダーゼアサムの翻訳ですね、ちょっとそっちの話に移ってお聞きしたいなと思ってまして、
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これもですね、翻訳の経緯は役者後書きにも久保田さん書かれているんですけども、ちょっと改めてですね、アンダーゼアサムを久保田さんがどうして役されることになったのか、ちょっとここお聞きしたいなと思います。
はい、話せば長いのですけれども、このアンダーゼアサムの監修をしてくださっている池田祐治さんという方がいらっしゃいまして、
日本のローリングストーンズファンクラブの会長を長年やっている、まさにビル・ジャーマンの日本版、ただしニューヨークに住んでいなかったというような人なんですけど、
その方はね、ちなみに私もファンクラブの会員なんですよ、ストーンズファンクラブのね、最前列で踊ったりしてますんです。
それで、そんなこんなで池田さんとお付き合いさせていただいていることもあり、ある時突然ですね、こういう英語の本があると、
これ訳しませんかって、池田さんがヤブカラボーにメールをくださいまして、
それでなんかわけわかんないけど、訳してほしいなんてすごい話だなとか思って、
で、読んでみたら、読書が苦手というか、私読むのがめちゃめちゃ遅いんで、本好きなんだけどたくさん読めなくて、
その私がね、もう全然飽きることなく、結構分厚い原書だったんですけど、もうすらすら読めて、読み終わるのが惜しい本だったんですよ。
で、はいはい、訳したいです、訳したいです、読んで面白かったですって池田さんに返事をして、
どこで出版してくれるんですかって言ったら、既読スルーされちゃって、出版してくれるとこない?みたいな感じになって、
で、それで出版してもらえないからには、私もなかなか時間と労力を避けないわけですよ、私もそんなにお金と暇があるわけじゃないんで、
で、それでこれはどうしたもんかなとか思いながら、出版してくれるそうなものを探してみたりとかしたんですけど、なかなかうまくいかず、
で、私申したように、協約書なら何冊か出してるので、なんか本って、訳したいですって言えば、出版してもらえるのかなって、
バカみたいに思ったら、全然そんなことないんですよね。
それで、特に出版社、各社で言われたのが、役者が無名だからとは言われませんでしたけど、著者がね、無名な本だから、売れないかもしれないから、リスクを得ないと、
で、もっともなんですよ、今出版不況ですし、ただデザイン本は売れない、音楽系の本はますます売れない、
で、ビル・ジャーマン、誰それ?みたいなところでは、確かに出版社がかぶる分が多い、だから、なかなかね、出版してもらえなくて、
アンダーズやサムって、有名人と近づくっていう話なんだけど、ここでも出たか有名人、みたいな感じで、ネームバリューがないと本も出してもらえないのか、というふうに思いながら、
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なんか、悶々とした日々を送っていて、そのうち、結局、出版社さんがおっしゃるように、この本にはニーズがないのかな、なんて思ってね、翻訳を中断した時期もあったんですよ。
ちなみに、最初、池田さんがね、話を持ってきてくれた時期が、2011年ぐらいだったんですよね。
ちょうど震災の頃ですよね。震災の頃でも、悶々としてたっていうこともあって、楽しい本だし、高揚するし、とか思って、それで翻訳したかったんだけど、それから何年も時が経って、出版するあてもないから、ダメかな、なんて思って、一旦本を引きました。
そして、訪れたのがコロナ禍です。
だから、もう10年近く、寝かせてたんですね。
そうなの、そうなの。でね、話が、さっきの映画パンフレットの話に戻るんだけど、コロナ禍になって、皆さん思い出してください、映画がのき並み、中止になりましたね。公開中止になりましたね。公開、中止じゃないけど延期になりました。
撮影も止まり、公開予定していた映画も延期になり、それがまた延期になり、007なんて2年ぐらい延期になったのかな、忘れちゃったけど。
それで、映画が公開されないと、その公開する劇場でパンフレットを入れないから、パンフレットの仕事自体が来なくなるわけですよ。
とか、出版物って基本的に、人の目に触れてからお金が支払われることになっているので、だいたいもう全部訳し終えて、あとは出版するだけみたいなパンフレットも、お金が入ってこないんですね。出版できないから。
それでね、このパンフレット、ちょっと延期になりました。
はい、もちろん大丈夫です。
あのパンフレットも延期になりました。
え、まあ大丈夫ですけど、あのパンフレットも延期になりました。
ちょっと待って、みたいな日が続いて、
で、もんもんとしながら、もうSNSぐらいしか書き込むところない、みたいな感じで、SNSにもバカみたいなこといっぱい書き込んでて、
でね、あったと思った、この書き込んでいる膨大な量の文字を、確か他の人が求めていたはずだと。
あ、そうだ、アンダーゼアさんもやかすことになってたんじゃん、私みたいな感じで。
たった一人の池田裕司さんっていう人がそんなこと言っていたと思い出して、それで本格的に立ち上がって、あちこちに売り込みをしてみたら、
まあそれも話せば長いのですけど、リッドミュージックさんが拾ってくださいまして、
で、それもね、最初、縁あって繋がった、ハットリケンさんという、後にアンダーゼアさんを担当してくださることになる編集者さんが、
まず各章のあらすじを書いて送ってくださいっておっしゃったんですよ。
これ何だっけ?何章あるんだっけ?みたいな感じで。
40章。
でしょでしょ?それ、え、なになに?一応読んだけど、これ書くの?一生懸命書いたら、意外とそれが自分のためになって、
21:00
あらすじ書くだけで、一つの小さい物語みたいになって、自分が楽しめたのと同時に、
あと、自分が訳している本を改めて把握できたんですよ。
ここでこういうふうに盛り上がってこうなるんだな、こういう結論だな、みたいなのが把握できて、
で、それでね、まあまあ面白かったからだ、目元だなと思って送ったら、何ヶ月か経ってから、
はっきり言って面白かったですって言って出版しましょうと、ハットリーさんがおっしゃってくれたって。
で、後に分かるんだけど、はっきり言って面白いですって、ハットリーさんの口癖だったみたいなんですけど、
でもね、私はね、え、はっきり言って面白いです、すごいすごいなんてもう興奮しちゃって、
で、それでもうモチベーションもバリバリに上がって、
ちなみにですがあらすじっていうのは、今回だと1章のだいたい10ページぐらいの分量ですけど、
あらすじどのくらいの分量の書かれてたんですか?
それはもうもちろん何、1、2行とか2、3行制で。
あ、そんなもんなんですか。
そんな感じで、そうそうそうそう。
なるほど。
それを繋いだだけで確かに1個の大きなものが出てきますもんね。
そうなんですよね、そうそうそうそう。
でもあと、編集者のハットリーさんがそこまでしつこく催促をしてくれたっていうのは、何かそれは見込みがあってだったんでしょうか?
ね、何でしょうね、あ、そうだそうだ、思い出した。
あのね、原書、英語のその原書のAmazonのレビューがわりと良かったんです。
すごくもね、何百枚レビューがついてて、で、わりと好評が多くて、
で、あの、あ、だから皆さんプロの方々Amazon見てるんだなって思ったので、
アンダーゼアサム読んで面白かった人はAmazonにレビュー書いてくださいって改めてここで言いますけど。
確かに。
で、それというのも多分ね。
意外と重要だな。
そうそう。
で、あの、ビル・ジャーマンは、その、あの、それとび猫たちさんの前編で語りましたけど、
あの、もともとミニコミッション、ファンジンを長年発行し続けてましたよね。
で、その、あの、ファンジンの読者が大勢いるから、余計に多分この本に食いつく人が多かったんだと思うんですよ。
もう本当にビル・ジャーマンの歴史のなせる技っていう、そう、ビル・ジャーマンの人生がつないでくれたご縁ですね。
ちなみにその、久保田さんにお聞きしたいのはの、この、ま、今回持ち込み企画で翻訳本を出版されたということなので、
何かその持ち込み企画をされるときに、これが有効だったとかですね、
これはやっといてよかったと思うようなことって他にもあったりしますでしょうか。
うーん、なんかね、それあったらほんと私が聞きたいぐらいなんだけど、
持ち込み企画の方法に関する情報がほんとになくて、
えっと、数少ない情報にあったのはやっぱりね、あらすじを書いたっていうのがあったんですよ、何件か。
あ、ほんとなんだって私言われて、初めてわかって、
で、その最初のうちは、あの、この、えっと、アンダー・ゼア・サムの前書きがありますけど、
24:03
その前書きを訳したものと、あと、えっと、もうほんとにごく簡単な企画書とまでは行かないような、
だいたいこんな本です、みたいなことをね、あの、書いてメールで送ったり、みたいなことをしてたんだけども、
もうそういうんじゃ全然だめでしたね。
あらすじってほんと説得力あるなと思いました。
じゃあある程度こういう本なんですって、ちょっと感性系のイメージを持てるもの、あらすじであったり、なるほど。
そうですね、そう。
なんか魅力を伝えるには、その感想文みたいな感じで役者が、
ここが魅力です、あれが魅力ですっていうよりも、中身がこうですって伝えて、
その中身に魅力を感じてもらうことがいいっていうことだったのかなと思います。
なるほど。ありがとうございます。
それで、ちょっと企画がまっとうってですね、実際にではこの一冊の本を翻訳されるとなっていって、
今回の翻訳本もですね、やはり苦労した点であったり、
ワクフンした点であったりっていうのがいろいろありだと思うんですけども、
そのあたりも教えていただけたらなと思います。
何しろ訳したくて訳した本なので、伴う苦労や工夫があったとしたら、
それは全部やりたくて自分が飛び込んでいったものなんですけれども、
特に時間と労力を費やしたのは、フレディ・セスラーの口調を教える。
結構、話し言葉が多いのが特徴の本ですよね。
前編で言ったように、まるで漫画を読んでいるよだったりとか、
映画を見ているよという人も多いですけれども、
本当にいろんな人の個性的なしゃべり方が次から次へと飛び出して、
有名なローリン・ストーンズというバンドのメンバーたちのしゃべり方も、
すごい自然体だから、本当に自分に語りかけてくれるよだって言ってくださる方が多いんだけども、
その中でフレディ・セスラーというとんでもないおじさんが登場するんだけど、
この人がめちゃめちゃナマってるっていう、設定というか実際にナマってるんでね、
そういう人なんですけど、東欧出身でいろんなところを渡り歩いてきたユダヤ人で、
海戦、山戦、いまだに英語が変っていう人なんですよね。
翻訳の世界って、訳文にナマリを使うのは避けるべきだみたいな暗黙のルールがあって、
それは何でかっていうと、例えば特定な人物を大阪弁にしちゃうと、
大阪弁への偏見が助長されちゃうとか、全編大阪弁だったら面白いんだろうなと思うんだけども、
でもこっちの人東京弁なのに、あっちの人大阪弁。
みんなアメリカ人なのにおかしくない?みたいな感じになりかねないじゃないですか。
27:02
だからナマリは使っちゃいけないとされてるんだけれども、
でもこのアンダー・ゼア・サムはナマリで成り立ってる本だから、
使わないわけにいかなかったので、それをどうやって文字にしようかということで、
私はそういう時は大抵、実在の人物を思い浮かべるんですよ、有名無名の。
それでこの人物が実際にこういう喋り方する人実際にいますよって言えば、
もう言い訳は立つじゃないですか、みたいな。
しかもその人を思い浮かべながら訳すと、自然と訳文にリアリティが出るので、
結構訳す上でも便利というかね、モチベーションが上がるんですよ。
実際、キース・リチャーズの喋り方なんかも、正直言って読者さんの間では賛否両論だと思うんですけど、
だけどね、実際にああいう喋り方をする日本人を私は知っているんです。
なのでそれに真似てキースの口調を作りました。
そしてですね、話に戻ってフレディ・セスランは東音ナマリの英語を喋るという設定なんですけど、
じゃあ、東音ナマリの日本語って何ぞやということですね。
これが意外とどこにも見当たらず、
アンダー・ゼア・サムの中で、フレディは俳優のベラルゴ氏に喋り方が似てるという描写があるんですけど、
ベラルゴ氏ってドラクラ役で有名な白黒時代の俳優さんなんですけど、
そのベラルゴ氏の映画を探してみたら、日本語字幕も吹き替え版も普通の標準語を喋ってるんですよ。
だから、これじゃ何か成り立たないじゃんっていうふうに思って、
じゃあ、東音ナマリの日本語ってどういうものなのかなと思って、
YouTubeに入っていって動画検索したりとか、いろいろしたよね。
もう始まりにはね、東音ナマリは日本語に似ているので、
ナマリマセンなんて記念のお嬢さんが言ってる動画なんかを見つけたりして、
かっこいいなんて思ったりとかしてたんだけども、
最終的には、英語版のアンダーゼアサムの中で、
Wの発音をVの発音にしがちだっていう描写があるので、
じゃあ、日本語も全部そうしちゃおうということで、
ウーディーという登場人物が出てきますけど、
それを全部ウーディーして、
私をわたしにしたんですよ。
その私をわしにしましょうと言い出したのは、
鑑賞してくれた池田さんです。
池田さんは実際にフレディに会ったことがあるので。
なるほど。
自分のことをわしっていうタイプのおっちゃんっていうイメージなんですね。
そうだっていう風にイメージでした。
ここでも英語だから普通にアイなわけですよね、原文は。
アイに関してはそうですね。
そうですよね。
単語単位では全然考えませんね、翻訳は。
そうですよね。なるほど。
確かにこの登場人物の個性の強さといいますか、
30:00
それがすごい感じるので、やっぱりそこは本当セリフであったり、
そういったところもやっぱり人それぞれのものを作っていく必要があったんだなっていうのはすごい感じましたね。
そうですね。
ちなみにですね、アンダーゼアサムが、翻訳本が出版されたのが2021年の9月下旬ということで、
この企画が通ってからこの翻訳を、中身の翻訳をされていた期間というのはどのくらいで。
どのくらいだったかな。その前からぼちぼち訳してはいたんですけれども、
はっとりさんに話を持ち込んだ時点で半分くらいは訳し終わってたんですよ。
そうなんですね。
そうなんです。
すごい。
だからちょっと厳密にどのくらいって言えないんだけれども、そんな困難もあったから割と余裕があったんですよね。
なるほど。
精神的には少なくとも。
余裕があるということは大きいです。
脳機はね、余裕を持って設定しましょう。
何事も。
おっしゃるとおりです。
出版に限りませんね、これは。
この時期はあれですかね、結構もアンダーゼアサムの翻訳に時間をかけていらっしゃった。
コロナ禍に入って改めて企画持ち込みを本格的に開始したでしょう。
それでリートミュージックさんのハトリさんとつながったわけだから、私のコロナ禍はこの企画持ち込みと翻訳と編集作業に費やしたっていう感じですね。
なるほど。
そうそう。
ありがとうございます。
すごいですね、こう考えると何がどう転ぶか本当に分からないなって。
そうなんですよね。
コロナになって。
面白い。
すごい面白いです。
コロナでいろんな、我々もそうなんですけど、悪いことばっかりじゃなかったっていうのは怖いところがありますよね。
リアルで本のイベントとかができなくなったんですけども、逆にオンラインで大地さんとお互い知ることになったので。
そうそう、だからこの本もほぼ99.9%メールでやり取りして作った本なんですけど、
一回だけ担当編集者のハトリさんとズームミーティングを一回だけやって、あとは全部メールで、デザインとかもメールで送った、その想定のデザインもメールで送ってもらって、編集作業もメールで送ってもらったという典型的なコロナ禍作業でしたね。
すごい、僕勝手なイメージでは、久保田さんがたまにちょっと会社に出版社に行って、
全然なんですよ。
すごいですね、もうそういうオンラインで全て。
たぶんハトリさん自体が会社にいらっしゃらなかったんで、もう本当に全部メールで、出版した後でリットミュージックスさんの上の方でお茶飲んだりとかそういう感じでしたね。
本当にコロナ禍で苦しんだ方多いと思うんだけど、申し訳ないけど、すごい私にとっては充実感の多い日ね。
33:07
でもただ、それももとはといえばさっき言ったように、コロナ禍でどんどん仕事がバーッと死亡引いたようになくなっていった、悶々とした日々から始まったモチベーションではあるんですよね。
この流れでですね、いよいよ2021年9月にこの本が出版されたということで、その時の気持ちってどうだったんですか。
そうそう、だからもう感無量ですよね。
ただちょうどネタバレ気味になっちゃうかな、時を同じくして、ローリングストーンズドラマーのチャーリー・ワンツがなくなったんですよね。
だからもう本が出る嬉しさと、チャーリーがなくなってしまって、この気持ちどうしようっていう気持ちと複雑なものがありましたよね、当時は。
ローリングストーンズ何十年、メンバーの人も、お年っていうのはもちろんあるにしても、存在しているのが当たり前みたいなですね。
そういう感覚だと本当に思いますので。
60年近く誰もメンバー死んでないしね。
それはすごいですね。
結構ロッキーミュージシャンって体に悪いこといっぱいやってるから、ぽんぽん死んじゃうんですよ、残念ながら。
だけどこの人たちは一番死にそうなキースなんてバリバリに元気だし、それも木から起こったりとかいろんなことしてるんですよ、事故にあったりとか。
ミックジャガンなんて喉痛めて、公演延期したりとかいろいろしてるんだけども、でもちゃんとね復活して、もういまだにステージを走り回ってガンガン歌ってるし、すごいバンドですよね。
本も出版されてですが、ちょっと話が戻るかもしれないですけども、著者のビル・ジャーマン、実際にこの本を翻訳されているとき、メールのやり取りを主にされていらっしゃったんですかね。
訳しているときはあんまりしてなかったんですけれども、まず最初に企画持ち込みをするときって、出版の権利を獲得できるかが結構課題になると思うんですけれども、
それを多分大抵の方はエージェントを通して確認、エージェントって言っても日本にエージェントってあまりないんで、あの手この手で著者のエージェントに連絡を取って、判件を確認するっていうことが多いんじゃないかと思うんですけど、
ビル・ジャーマンの場合はファンのために尽くしてきた人なので、ファンっていうのはローリン・ストーンズファンのためにね、ローリン・ストーンズファンのためにファン陣を作り続けてきた人なので、
ファン陣を辞めてしまった今もホームページを持っていて、ファンの皆さんご連絡ください、バックナンバーも売ってますからみたいなことをやってるんですよ。
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それでそこに連絡して、こういうものですけど、まだ判件、どなたにも譲ってなかったら私引き続き訳してどっか持ち込みたいですっていう、
低調なメールを書きましたところ、心よくお返事をいただきまして、それでよしと改めて、これはやりがいがあるぞ、やってもギャフンっていうことにはならないぞと思って、
あちこち出版社を探すことができたんですね。それで最終的に出版するときにはもちろん、著者であるジャーマン君もエージェントを、いろいろこの辺は話せば長いんですけど、
時が経ってしまったので、改めてエージェントを見つけていただいたりする必要があって、それはリートミュージックを通して連絡してもらって、いろんなことをしなきゃいけなかったんだけども、
でも質問は気軽にできたので、一通り訳した後で質問一覧にしてメールに送って、それに対して多くの場合ってそれができなかったりとかするんですよ。
翻訳の方法を出すときで、著者と連絡がつかない場合も多いし、下手すると著者が死んでたりすることもあるし、連絡がついても一回のやりとりであっさり終わることもあるし、
ファンのためのジャーマン君なので、お返事もすごい面白くて、お返事の中でお互いに言葉遊びとか、ファンとしての体験談を共有しあって、面白おかしい話とかいろいろしながら、何度かでメールのやりとりして、
そのうち出版した後は世間話でもメールでするようになったりして、今となってはね、私アーケリーってまだビルジャーマン君と一度も対面してないんですけど、通話すらしてないんだけど、今となっては本当の弟としか覚えない感じです。
すごいですよね。いいですよね。今回の場合、ローリングストーンズっていうのがまず共通の好きなものとしてあって、著者の方と翻訳者の方がそこでどっちも好きだから仲良くなっていくっていう、すごい面白いですね。
そうですね。
すごい聞きして、ビルジャーマンも自分でファン陣作ってたっていうところもあって、そういう自分で何かしたいっていう、特にローリングストーンズの関わることでっていう人にはすごい応援してくれる、そういう人なんですね。
そうですね。結構やっぱり人の役に立ちたいっていう思いが強い人なんだと思うんですよ。特に同じものを好きでいて、自分が力になれるなら何かしたいっていう、きっと思いが強いんだと思うんですよね。
分かります。
それに助けられてるし、楽しませてもらってます。
そうですね。たぶんきっと自己犠牲しがちな。
そうだね。よくも悪くもね。
それが良い悪いあると思うんですけど、そういうタイプの人だろうなとは思いますね。
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そこで、翻訳もされて、本も出版されて、その後ですね、いよいよ世の人たちがこの本を手に取るわけですけども、何か出版後の読者の反応とかですね、そのあたりで久保田さんが感じたこととかってあったりしますでしょうか。
出版してみて、こんなところに魅力を感じてもらえるのかっていう驚きの連続だったんですよ、私はっきり言って。
私は小学校時代にアメリカに住んでいて、しかもビル・ジャーマンと9ヶ月違いの年齢の61歳でございますので、このアンタゼア・サムの冒頭から共感する部分がいっぱいあったんですよ。
というのは、著者ビル・ジャーマン君の子供時代の話から始まりますので、例えば土曜日に子供向けのテレビが面白かったとか、こんな押し置きがあったとか、学校がこうだったとかっていうのは、すごいいちいちあるあるなんですよね。
でも考えてみたら、これを日本語で読む人はそこには共感できないんだなっていうことに気がついて、これちょっと出版してみたところで何を楽しんで読んでくれるのかななんて、途中から心配になっちゃったんですけど、いざ出してみたらですね、ジーンをずっと作っていた経験のあるライターさんがすごい厚くて長い感想をしてくださったりとか、
あとですね、読者さんの中には世の中は理不尽と愛で溢れているから、それが本書から伝わるからね、ストーンズファンとかロックファンのみならず、新卒くらいの若者にも読んでほしいなんておっしゃってた人もいらっしゃるし、編集を担当してくださった服部健さんはローリングストーンズに詳しくない音楽ファンなんですよ、そもそも。
だからまず、もちろんストーンズに詳しくない人でも楽しめたんだなとわかるのと同時に、服部さんの意見を入れながら、確実にストーンズファンじゃない人にも伝わるような文章にしてありますし、あとね、フォロワーが満を超える少女漫画家の永美凛子さんから感想が投稿されたときには、私もはっきり言って驚いちゃってもう嬉しくてたまらなかったんですけど、
それで永美さんの著書というか漫画を読んでみたら、確かにリズム感が似てたんですよ。楽しく始まって高揚するんだけれども、ちょっと切ない瞬間もあってでもちゃんと落ちがつくみたいな、そういうのが似てて、これは共感するのも当然だなというふうに思ったし、
本当に自分と被るっていうことをいろんな形でおっしゃってくださる読者さんがいらっしゃるので、読んでるあなたも何か発見があるかもしれませんと思ってます。
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うれしかったのがね、これ本当に女の人が訳したのって言ってくださった方がいて、すごい嬉しくて、男の人が書いてる本ですので、ビル・ジャーマンという、だから女性である役者が女性っぽさが出るとちょっと嫌だなと思ってたんだけども、そういうふうに感じてくださる方がいらっしゃるのと、
あと、感想を述べてくださる方とか、日本翻訳大賞の15選に選ばれたのは、読者の推薦が多いと15選に選ばれるんですけれども、その推薦文を書いてくださった方の中には、SNSでつながっている方もどうやらいらっしゃるようなんですけれども、全くそういうつながりのない方が、久保田裕子のリズム感が抜群だというふうに書いてくださっていて、
それ、たぶん久保田裕子のっておっしゃってくださっている方には、さっきから言っている希少転結的なビル・ジャーマン君のリズム感の良さとは別に、私の文字の選択をちゃんと読み取ってくださったんだなとか思ってて、
私結構1文字入れるか抜けるかにちょっと内心こだわっているところがあるので、誰にも気づかれないと思うんだけれども、
たとえば冒頭に殺されそうだが本当、殺されそうだが本当だっていうフレーズがあるんだけど、そこも殺されそうだが本当なんだじゃダメなんだよ、私の中では。そんな文脈の中でね。
殺されそうだが本当だ、〇じゃないといけないんだっていうね、この気持ち悪さみたいなのが私の中にはあって、それによってリズムを保っているというところがあるのを読み取ってくださった方がいらっしゃるのが嬉しかったですね。
なるほど、こだわりは持つべきポイントというか、それを気づいてもらえるのは本当に嬉しいですね。
そう嬉しいですね。でも気づかずにスラスラスラッと読んでいただくのも、それは本当に本望ですよね。
だいたいそういうのは同業者な気がしますけどね。
私もポッドキャストの編集で凄くこだわっているポイントがあるんですけど、同業者というか同じポッドキャストをやっている人があれ、結構時間かけてるでしょみたいなのがあって、ああ、はいみたいな。
それはあるある。面白い感想を書いてくださるなという方がいらっしゃって調べてみると、ご自身でも文章を書いていらっしゃったりとか。
でもリズム感というのを書いてくださった方は、たぶんこの人だなというのをSNS上で見つけたんだけれども、でも文章を書くという立場で売っていらっしゃる方ではどうやらないみたいなね。
私とプライベートとしてSNSを使ってるだけなのかもしれないけど、でもきっと文才のある方なんだろうとは思うんだけど。
そうですね。リズム感の話とかになってくると、なかなか読んでてもそこに気づきにくいというか、もし自分が書くんだったらどう書くんだろうかとかですね。
45:10
そこまで想像してみたりしたときに、結構このリズム感はすごい良いとかですね。気づけたりするかもしれないと思うので。
いいですね。そういったコメントといいますか、反応が。
反応大好きですよ。たとえ悪い反応でもありがたいですね。
でも売れないうちは悪い反応こないんですよって聞いたこともあります。
売れると悪い反応があるんですよね。
でもそうかもしれないですよね。確かに。でも注目されるってことですもんね。
そうですね。良くも悪くもね。もうちょっと売れると嬉しいです。
そうですね。もうちょっと売れてリニューアル版ですね。これを読んでみたいですね。
近況報告を知りたいですね。
そう。去年ビル・ジャーマンが30ページ分の近況報告を付け足した英語版を出しましたので、それを日本語でも出したいんだよね。
でも本当に売れないまでも、こういう本があるんだっていうことをぜひ知ってもらいたいなと思って。
読んでみてつまんなかったらしょうがないんだけど、知ってこんな面白いものもあるんだって発見してもらえると嬉しいですよね。
僕も本当に読んでみて、気づいた。こんな面白い本があったんだっていう。
嬉しい。
もしかすると、この本を当初出された時、ターゲットとしていた層の人たち。
もしかすると音楽好きとか、ローリングストーンズ好きとか、そういう人だったかもしれないですけども、そこに当てはまらない僕が、結構この本にハマって感動ポイントもいっぱいありましたし。
めちゃめちゃ嬉しい。
もしかすると、本当に幅広い人に結構刺さる本なのかなというのは、ちょっと思いましたし。
だといいですね。
それがいろんな、実は10年近く寝かせていたとかですね。
そうなんですよ。
ちょっと運よく曲説があって出版されたんだと知って、すごい面白かったですね。
そもそも、これ物語が著者の90年代までの軌跡を追っていて、そこからだいぶ時が経って、2009年に著者が英語版を出版してて、その本に私は2011年に気がついて、やっと2021年に読み出すことができたっていうね。
なかなか数字並べると複雑なものがありますけどね。
それを僕とだいちさんも、この2023年に読めたという。
そう嬉しいです、本当。
なんかね、私聞いた話では、本って出版後1週間だか何だかが勝負とかって言われて、それすぎると、なんかこうあんまり数字が上がっていかないとか、数字の話ばっかりであれなんですけど、
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そう言われているけれども、こうやって時々発掘される感じの本に携われてね、すごい嬉しいです。
あとね、これデザインもすごい素敵な本なんだけれども、デザイナーが、まずこの本って、書いてる人60、今歓歴の人なんで、やっぱり歓歴世代とか40歳以上の年齢の人に受けがどうやらいいんですけど、
でもね、デザインした人って30代ぐらいの若い男の方で、ヨクシーさんっていう方なんですけれども、読んですごい面白いって思ってくださって、それで若い人にも手に取ってほしいっていうことで、表紙が赤と黒が貴重なんですけど、この赤に微妙にピンクを混ぜてくださってるんですって。
というのはね、若い人って淡い色がお好みの傾向があるんですって。そういうのもデザイナーさんならではの発言だなと思ったら全然わからなかったんだけど、それでちょっと工夫してくださってるので、この微妙な赤を見つけたらぜひ若い方も手に取ってみてみたいな感じなんだけど。
この表紙のキース・リッチャーズが何かカニもって感じの当時の70年代の。そうそう、このメガネの形何?みたいな感じだよね。
でもちょっと服はだけて胸毛を出してて、ウイスキー片手に。そうそう、ウイスキー片手に路上に立ってるぞみたいな。
これ多分アメリカだと違法だよね。そうそう、酒瓶持ち歩いちゃいけないことになってると思うんだけど。
逆に今この写真を見るとですね、すごい当時の空気感と言いますか、それが感じれてすごい興味を持ってしまう、そんなすごいいい写真で、表紙もすごいオシャレなんですよね。
あと左上にあるアンダー・アゼアサムのフォントがめっちゃかっこいい。よくぞお気づきになりました。これもよくついさんのこだわりで、少年漫画みたいな雰囲気の地面にしたかったっていう。
影にいるジャーマンが小さく写ってんだよね。ミイって書かれてますもんね。
これはちなみにアメリカ版にはないんですよ、このミイが。ところがイギリス版にありまして、イギリス版が気に入ってるってジャーマンくんがどっかで言ってたんで、
それを出版社側に伝えたら、デザイナーさんがこういうミイっていうのを書いてくださって、ちなみにこのミイという文字はデザイナーのヨクシーさんの文字なんですよ。手書きなんですよ。
なるほど。
それで各章の章題のところにも丸つけてくださってるんですよね。
同じような丸ですよね。
丸だって章ごとにちょっとずつ形が違いますもんね。
そうなんです。
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それでカバーを取った状態もまた綺麗なんですよね。
このカバー外すとすごい入れそうなんで。
ベガーズバンケットの過去の表紙がずらーって並んでるっていう。
で、これ図書館に行っちゃったらこのカバーは乗り付けされちゃいますからね。
なのでぜひとも紙版で買っていただけますと100倍楽しめます、これは。
すごいこのアンダーゼアさんを本当に読んで、
プラスやっぱりこの久保田さんからいろいろお聞きできて、
より楽しめたなって思いまして。
ありがとうございます。
最後に久保田さんからちょっと告知をお願いできたらなと思います。
前編でも言いましたけど8月30日に訳書が出ました。
チャーリーワッツ公認表伝、人生と時代とストーンズという題名で書いたのは
ポールセクストーンさんという30年間ローリングストーンズを取材し続けた人です。
シンコーミュージックから出版していただいています。
アンダーゼアさんのビルジャーマンくんはチャーリーワッツにだけは取材できなかったんですよね。
なので、なのでというわけではありませんけれども、
この本は丸ごと一冊チャーリーワッツでございますので、
チャーリーワッツに関して深掘りしたい方はぜひ読んでいただきたいのと、
あとチャーリーワッツはミュージシャンなんですけれども、
ミュージシャンとしての仕事はあくまでも職業として考えていた人なので、
プライベートと仕事のバランスの取り方について興味のある人なんかも
ちょっと面白いと思っていただけるかもしれません。
面白いですね。チャーリーワッツほどの、調べれば調べるほど本当すごい人で、
本当の大スターですけども、プライベートが割り切ってというか、
そこまでのスターになると、その辺も全部もプライベートなんてないんじゃないかって思っちゃうんですけども、
チャーリーワッツは結構自分の好きに生きてた人なのかなって、ちょっと判断してみると。
チャーリーにしてみれば足りなかったようなんだけども、
それを一生懸命念出して、念出できるようにローリングストーンズを持ってったっていう部分もあるみたいですね。
そんな生き方、ちょっと面白そうだなって。
アンダーゼア・サムを読んで、ローリングストーンズについてもっと知りたいな、
チャーリーについて知りたいなと思った人は面白いと思います。
おだしょー ありがとうございます。
じゃあ、2週にわたり、熊野さんありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。お粗末様でした。
おだしょー じゃあもう、名残惜しいですが、7回予告して終わりたいと思います。
我々はですね、次回はローナンビデ・HHHフラハ1942年をご紹介したいと思っております。お楽しみに。
番組の最後になりますが、メルマン会員募集しております。
こちら詳しいことは番組概要欄に書いておりますので、気になった方はぜひご確認ください。
番組の感想やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました、読み返しましたなどございましたら、
ハッシュタグそろとみ猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
ツイッターやインスタの投稿などでお待ちしております。
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お便り本も番組情報欄に記載しておりますので、ぜひお寄せください。
2ヶ月に1度ぐらいやっているお便り紹介会で紹介させていただきます。
そしてこの番組気に入っていただけましたら、積極的に拡散共有してあげると助かります。
今お聞きになっているPodcastのプラットフォーム、Apple、Amazon、Spotifyなどあると思うんですが、
そちらのお気に入り登録、フォロー登録もお願いいたします。
ではまた来週。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
54:28

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