あらすじ書くだけで、一つの小さい物語みたいになって、自分が楽しめたのと同時に、
あと、自分が訳している本を改めて把握できたんですよ。
ここでこういうふうに盛り上がってこうなるんだな、こういう結論だな、みたいなのが把握できて、
で、それでね、まあまあ面白かったからだ、目元だなと思って送ったら、何ヶ月か経ってから、
はっきり言って面白かったですって言って出版しましょうと、ハットリーさんがおっしゃってくれたって。
で、後に分かるんだけど、はっきり言って面白いですって、ハットリーさんの口癖だったみたいなんですけど、
でもね、私はね、え、はっきり言って面白いです、すごいすごいなんてもう興奮しちゃって、
で、それでもうモチベーションもバリバリに上がって、
ちなみにですがあらすじっていうのは、今回だと1章のだいたい10ページぐらいの分量ですけど、
あらすじどのくらいの分量の書かれてたんですか?
それはもうもちろん何、1、2行とか2、3行制で。
あ、そんなもんなんですか。
そんな感じで、そうそうそうそう。
なるほど。
それを繋いだだけで確かに1個の大きなものが出てきますもんね。
そうなんですよね、そうそうそうそう。
でもあと、編集者のハットリーさんがそこまでしつこく催促をしてくれたっていうのは、何かそれは見込みがあってだったんでしょうか?
ね、何でしょうね、あ、そうだそうだ、思い出した。
あのね、原書、英語のその原書のAmazonのレビューがわりと良かったんです。
すごくもね、何百枚レビューがついてて、で、わりと好評が多くて、
で、あの、あ、だから皆さんプロの方々Amazon見てるんだなって思ったので、
アンダーゼアサム読んで面白かった人はAmazonにレビュー書いてくださいって改めてここで言いますけど。
確かに。
で、それというのも多分ね。
意外と重要だな。
そうそう。
で、あの、ビル・ジャーマンは、その、あの、それとび猫たちさんの前編で語りましたけど、
あの、もともとミニコミッション、ファンジンを長年発行し続けてましたよね。
で、その、あの、ファンジンの読者が大勢いるから、余計に多分この本に食いつく人が多かったんだと思うんですよ。
もう本当にビル・ジャーマンの歴史のなせる技っていう、そう、ビル・ジャーマンの人生がつないでくれたご縁ですね。
ちなみにその、久保田さんにお聞きしたいのはの、この、ま、今回持ち込み企画で翻訳本を出版されたということなので、
何かその持ち込み企画をされるときに、これが有効だったとかですね、
これはやっといてよかったと思うようなことって他にもあったりしますでしょうか。
うーん、なんかね、それあったらほんと私が聞きたいぐらいなんだけど、
持ち込み企画の方法に関する情報がほんとになくて、
えっと、数少ない情報にあったのはやっぱりね、あらすじを書いたっていうのがあったんですよ、何件か。
あ、ほんとなんだって私言われて、初めてわかって、
で、その最初のうちは、あの、この、えっと、アンダー・ゼア・サムの前書きがありますけど、
その前書きを訳したものと、あと、えっと、もうほんとにごく簡単な企画書とまでは行かないような、
だいたいこんな本です、みたいなことをね、あの、書いてメールで送ったり、みたいなことをしてたんだけども、
もうそういうんじゃ全然だめでしたね。
あらすじってほんと説得力あるなと思いました。
じゃあある程度こういう本なんですって、ちょっと感性系のイメージを持てるもの、あらすじであったり、なるほど。
そうですね、そう。
なんか魅力を伝えるには、その感想文みたいな感じで役者が、
ここが魅力です、あれが魅力ですっていうよりも、中身がこうですって伝えて、
その中身に魅力を感じてもらうことがいいっていうことだったのかなと思います。
なるほど。ありがとうございます。
それで、ちょっと企画がまっとうってですね、実際にではこの一冊の本を翻訳されるとなっていって、
今回の翻訳本もですね、やはり苦労した点であったり、
ワクフンした点であったりっていうのがいろいろありだと思うんですけども、
そのあたりも教えていただけたらなと思います。
何しろ訳したくて訳した本なので、伴う苦労や工夫があったとしたら、
それは全部やりたくて自分が飛び込んでいったものなんですけれども、
特に時間と労力を費やしたのは、フレディ・セスラーの口調を教える。
結構、話し言葉が多いのが特徴の本ですよね。
前編で言ったように、まるで漫画を読んでいるよだったりとか、
映画を見ているよという人も多いですけれども、
本当にいろんな人の個性的なしゃべり方が次から次へと飛び出して、
有名なローリン・ストーンズというバンドのメンバーたちのしゃべり方も、
すごい自然体だから、本当に自分に語りかけてくれるよだって言ってくださる方が多いんだけども、
その中でフレディ・セスラーというとんでもないおじさんが登場するんだけど、
この人がめちゃめちゃナマってるっていう、設定というか実際にナマってるんでね、
そういう人なんですけど、東欧出身でいろんなところを渡り歩いてきたユダヤ人で、
海戦、山戦、いまだに英語が変っていう人なんですよね。
翻訳の世界って、訳文にナマリを使うのは避けるべきだみたいな暗黙のルールがあって、
それは何でかっていうと、例えば特定な人物を大阪弁にしちゃうと、
大阪弁への偏見が助長されちゃうとか、全編大阪弁だったら面白いんだろうなと思うんだけども、
でもこっちの人東京弁なのに、あっちの人大阪弁。
みんなアメリカ人なのにおかしくない?みたいな感じになりかねないじゃないですか。
だからナマリは使っちゃいけないとされてるんだけれども、
でもこのアンダー・ゼア・サムはナマリで成り立ってる本だから、
使わないわけにいかなかったので、それをどうやって文字にしようかということで、
私はそういう時は大抵、実在の人物を思い浮かべるんですよ、有名無名の。
それでこの人物が実際にこういう喋り方する人実際にいますよって言えば、
もう言い訳は立つじゃないですか、みたいな。
しかもその人を思い浮かべながら訳すと、自然と訳文にリアリティが出るので、
結構訳す上でも便利というかね、モチベーションが上がるんですよ。
実際、キース・リチャーズの喋り方なんかも、正直言って読者さんの間では賛否両論だと思うんですけど、
だけどね、実際にああいう喋り方をする日本人を私は知っているんです。
なのでそれに真似てキースの口調を作りました。
そしてですね、話に戻ってフレディ・セスランは東音ナマリの英語を喋るという設定なんですけど、
じゃあ、東音ナマリの日本語って何ぞやということですね。
これが意外とどこにも見当たらず、
アンダー・ゼア・サムの中で、フレディは俳優のベラルゴ氏に喋り方が似てるという描写があるんですけど、
ベラルゴ氏ってドラクラ役で有名な白黒時代の俳優さんなんですけど、
そのベラルゴ氏の映画を探してみたら、日本語字幕も吹き替え版も普通の標準語を喋ってるんですよ。
だから、これじゃ何か成り立たないじゃんっていうふうに思って、
じゃあ、東音ナマリの日本語ってどういうものなのかなと思って、
YouTubeに入っていって動画検索したりとか、いろいろしたよね。
もう始まりにはね、東音ナマリは日本語に似ているので、
ナマリマセンなんて記念のお嬢さんが言ってる動画なんかを見つけたりして、
かっこいいなんて思ったりとかしてたんだけども、
最終的には、英語版のアンダーゼアサムの中で、
Wの発音をVの発音にしがちだっていう描写があるので、
じゃあ、日本語も全部そうしちゃおうということで、
ウーディーという登場人物が出てきますけど、
それを全部ウーディーして、
私をわたしにしたんですよ。
その私をわしにしましょうと言い出したのは、
鑑賞してくれた池田さんです。
池田さんは実際にフレディに会ったことがあるので。
なるほど。
自分のことをわしっていうタイプのおっちゃんっていうイメージなんですね。
そうだっていう風にイメージでした。
ここでも英語だから普通にアイなわけですよね、原文は。
アイに関してはそうですね。
そうですよね。
単語単位では全然考えませんね、翻訳は。
そうですよね。なるほど。
確かにこの登場人物の個性の強さといいますか、
それでカバーを取った状態もまた綺麗なんですよね。
このカバー外すとすごい入れそうなんで。
ベガーズバンケットの過去の表紙がずらーって並んでるっていう。
で、これ図書館に行っちゃったらこのカバーは乗り付けされちゃいますからね。
なのでぜひとも紙版で買っていただけますと100倍楽しめます、これは。
すごいこのアンダーゼアさんを本当に読んで、
プラスやっぱりこの久保田さんからいろいろお聞きできて、
より楽しめたなって思いまして。
ありがとうございます。
最後に久保田さんからちょっと告知をお願いできたらなと思います。
前編でも言いましたけど8月30日に訳書が出ました。
チャーリーワッツ公認表伝、人生と時代とストーンズという題名で書いたのは
ポールセクストーンさんという30年間ローリングストーンズを取材し続けた人です。
シンコーミュージックから出版していただいています。
アンダーゼアさんのビルジャーマンくんはチャーリーワッツにだけは取材できなかったんですよね。
なので、なのでというわけではありませんけれども、
この本は丸ごと一冊チャーリーワッツでございますので、
チャーリーワッツに関して深掘りしたい方はぜひ読んでいただきたいのと、
あとチャーリーワッツはミュージシャンなんですけれども、
ミュージシャンとしての仕事はあくまでも職業として考えていた人なので、
プライベートと仕事のバランスの取り方について興味のある人なんかも
ちょっと面白いと思っていただけるかもしれません。
面白いですね。チャーリーワッツほどの、調べれば調べるほど本当すごい人で、
本当の大スターですけども、プライベートが割り切ってというか、
そこまでのスターになると、その辺も全部もプライベートなんてないんじゃないかって思っちゃうんですけども、
チャーリーワッツは結構自分の好きに生きてた人なのかなって、ちょっと判断してみると。
チャーリーにしてみれば足りなかったようなんだけども、
それを一生懸命念出して、念出できるようにローリングストーンズを持ってったっていう部分もあるみたいですね。
そんな生き方、ちょっと面白そうだなって。
アンダーゼア・サムを読んで、ローリングストーンズについてもっと知りたいな、
チャーリーについて知りたいなと思った人は面白いと思います。
おだしょー ありがとうございます。
じゃあ、2週にわたり、熊野さんありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。お粗末様でした。
おだしょー じゃあもう、名残惜しいですが、7回予告して終わりたいと思います。
我々はですね、次回はローナンビデ・HHHフラハ1942年をご紹介したいと思っております。お楽しみに。
番組の最後になりますが、メルマン会員募集しております。
こちら詳しいことは番組概要欄に書いておりますので、気になった方はぜひご確認ください。
番組の感想やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました、読み返しましたなどございましたら、
ハッシュタグそろとみ猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
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