どうもみなさんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするラジオ番組です。お相手は、私小説が好きの会のダイチと富士を巡るカフェのミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。お互いの紹介に関しては、2021年最初の回で話しているので、そちらを聴いてください。
また、このラジオへのご質問やリクエスト、メッセージを随時受け付けています。番組概要欄にホームのリンクを貼っておきますので、そちらからお寄せください。
ご質問などある程度いただけましたら、お返事をする回をしたいと思いますので、リアルにお寄せいただけると嬉しいです。
ありがとうございます。本編入る前に告知を一つさせてください。
ジョン・ウィリアムズのソナーの読書会を9月18日土曜日20時から開催いたします。
イベントの申し込みはPDEXというサイトからできますので、そちらからお願いいたします。
概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひ気になる方はご確認ください。
本日はザリガニの鳴くところをご紹介したいと思っております。
もともとこれはですね、年末年始にリスナー様からのリクエストもあった作品でございます。
ちょっと夏っぽい話ではあるので、夏に向けてちょっと今回撮ったっていうのと、
これラジオ撮ると思って、さらっと読み返そうかなと思ってたんですけど、
結局私面白くてしっかり採読してしまいまして、なかなかすごい作品だったなと思ったので、紹介したいなと思っております。
僕もラジオで紹介するために最近読んだんですけども、
本当は年末年始にリクエストあった時に読もうと思って買ったんですけども、
その時結構ボリュームのある小説なんで、年末年始に断念してしまったんですよね。
ただ今回読んでみると思いのほか面白くて、これは良い小説だなと本当に思いましたね。
ですよね、なかなかボリュームの割には読みやすかったりするんで、
これから話すと思うんですけど、結構いろんな人にオススメになった作品だなと思いました。
だからベストセラーになってるんだなとちょっと思いましたけども。
そうですね。
じゃあ、どうしようかいきましょうか。
今回紹介するのはリリア・オウェンズさんが書いた
「ザヨビガニの鳴くところ」になります。
トモヒロ・ジュンさん役で、早川書房から2020年に出版されています。
じゃあ私の方からあらすじを。
ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。
人々は湿地の少女に疑いの目を向ける。
6体で家族に見捨てられた時から、カヤは湿地の小屋でたった一人で生きなければならなかった。
読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、
彼は大学進学のために彼女の元を去っていく。
以来、村の人々に湿地の少女と呼ばれ避け詰まれながらも、
彼女は生き物が自然のままに生きるザヨビガニの鳴くところへと思いを馳せて静かに暮らしていた。
しかしある時、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく。
みずみずしい自然に抱かれて生きる少女の成長と不審死事件が絡み合い、思いもよらぬ結末へと物語が動き出す。
2019年にアメリカで一番売れた本、感動と驚愕のベストセラーとなっております。
補足を少ししますと、著者のディリア・オウェンズさんは、
もともとアメリカの動物学者の方で、これまで小説ではなくてノンフィクションの本は何冊か出されていて、
研究論文もネイチャーシーなどの学術雑誌に掲載されているような、そういう学者さんとして活躍されてきた方になります。
ちなみにですけど、この8月に早川書房からディリア・オウェンズさんの最初のノンフィクション本のカラハリが読んでいるという本が文庫本で出ます。
内容としては、著者が同じく研究者であった旦那さんとともに、若き日にフィールド研究で訪れたアフリカのカラハリ砂漠で見たものを綴っているという、
そういうノンフィクション本で、これもちょっと面白そうだなと思ったんですけど。
作家ではなくて、学者さんなんですよね。
そうなんですよね。このザリガニの鳴くところなんですけれども、彼女が69歳で初めて書いた小説でございます。
初めて書いた小説がベストセラーになっているという、しかもかなり高齢な方で、本がベストセラーになるのは、なかなか日本だと結構考えにくい状況ですよね。
こういうことがアメリカの出版界で起きるんだなぁってちょっと思って、なんとなく感心して、感心というか、すごいなぁと思った記憶がありますね。
作品自体なんですけれども、ちょっと語弊を恐れず言わせてもらえば、69歳で書いたとは思えないようなみずみずさが宿ってまして、
最終読んだ時に後書き読むまで、私30代か40代が書いた本なんじゃないかなってずっと思ってました。
もしかしたら20代くらいなんじゃないかみたいな。
確かにみずみずしい差ありますね。
冷静に考えてみるとね、時代が1960年代とかになったりとかしてるんで、
具体的には確かにある程度高齢の方がイメージするような時代設定だなぁとは思ったりはしましたね。
で、アメリカでだいぶベストセラーになっていて、ちょっともう、私が2020年3月、あ、これ初版だ、初版ですね、初版で持ってます。
初版はですね、帯は全米で500万部って書いてあるんですね。
みずさんってどうなってます?
10版なんですけども、それは2020年10月に出ているやつで、その時700万部。
あ、すごいですね。でも200万部上がってる。すごい。半年くらい。
で、これ日本でも翻訳が出てすぐ話題になって、まあ2020年翻訳大賞、翻訳書質問で1位になって、
まあ多分さらにまた話題になってるんじゃないかなと思うんですけども。
結構読んでる人多いイメージありますね、日本でも。
書店にすごい一時期、今もなんかわかんないけど平積みされてましたし、結構読んでる人が多い本ではないかなと思ってます。
ではまずこの小説の魅力から話していきたいなと思います。
その後、どういう小説なんだかという話をしていこうと思うんですけども、
魅力としては、一応ジャンルで言うとミステリー小説になるのかなと思うんですけども、
まあとはいえ単純なミステリー小説ではないっていうところはあって、
少女の成長物語もあるし、恋愛小説の部分もあるし、小説としての幅が広い作品だなと思っています。
しかもちゃんとミステリー要素もあるんで、特に後半になってきてからなんですけど、
すごいスリリングな展開っていうのも待っていて、もうグイグイ読ませてくれるので、
なんかその面白さと奥行きというところと二つとも兼ね備えているのが一つ魅力かなと思っています。
もう一つこの最大の特徴と言えるかもしれないんですけど、自然の描写が非常に丁寧かつ具体的で、
さすが学者さんだなと思うような。
あと生物学の知識とかもすごく小説の中で出てきます。
人の社会のことを、例えばホタルの世界ではこういうことが起きているとか、
カマガキリの世界ではこういうことが起きているとか、
人の社会を描く上でうまいこと自然のとか生物の世界というのを取り入れて説明されているので、
そのあたりにすごい思っているものがあって、そうしたところでこの著者の方の説得力ですね、
これがすごくあるなと思って読んでました。
その自然描写のところも説得力の一つだと思うんですけども、
人物のところですね、主人公の少女はじめとして結構複雑な心境の人物というのが出てくるんですけども、
そうした人たちの描き方がすごくうまいなと、本当に違和感なくて、
これもやっぱり人生経験がすごくある方が描いているからか、
そういった単純なわかりやすい人物で終わってないところがあって、
複雑な部分というのがやっぱりそれぞれに描かれていると、それはすごい良かった。
そこのポイントは多分、今回あんまり細かく一人一人話さないんですけど、
結構出てくる登場人物、それぞれ背景がしっかり描かれたりとかしていて、
そのあたりの差し込み方がうまいですよね。
主人公カイアの孤独というのがすごくこの作品描かれているんですけども、
当たり前なんですけど、主人公カイアの描写というのが一番力を抑えていると思うので、
彫り方も結構すごくて、
やっぱりなかなかこの彼女の孤独、その理由、環境がそうさせしまった、環境が生んでしまった彼女の性格、頑固さとか、
でも一人で生きていくっていう覚悟も強さ、そのあたりがですねすごくうまくて、
もう多分読んだ人わかると思うんですけども、そこがもうグイグイこの小説に引き付けられてしまうポイントでもありますよね。
あとはタイトルですよね。
そうっすね、ザリガリの泣くところね。
これほぼ直訳なんだけどね。
いいっすよね。
ザリガリの泣くところの意味するところっていうのは、やっぱり読んでくるとわかるんですけど、
これがやっぱりすごくしっくりきてて、やっぱりいいタイトルだなと思いますね。
なんか私田舎出身っていうか、わかります。ザリガリの泣くところっていう場所がなんとなくああいうとこだなみたいな。
よく奥に行ったことあるんで、山とか川の、なんとなくわかりますね。
ザリガリの泣くところっていうのは、自然が豊かで、ザリガリの泣く声が聞こえます。
ザリガリは泣かないんですけど、生き物たちが自然のままの姿で生きている場所っていう意味らしいんですけど。
ちょっと私の方からどういう小説かって話をして、上でちょっとストーリーラインの話に入っていきたいんですけれども。
ストーリーラインに話すと結構要素が多すぎて、パッとなんか、いつじゃ一本通ってるんですけど、理解しにくいかなと思ったので、
最初ちょっとこう、こんな話ですよっていうのを、ちょっと割とふわっとしたものをですね、ちょっと皆さんにお伝えした上で、
まぁ、だいたいこういう感じなんだなーっていうのを念頭に置いて、ストーリーラインの話を聞いてもらえたら、理解しやすいんじゃないかなと思うので、
どういう感じかっていうのを今お伝えしたいと思います。
あらすじとちょっと被るところも多いんですけど、この話はですね、アメリカのノースカルワイナ州の湿地の少女と呼ばれていた女の子の物語になります。
これは村外に湿地があって、で、もう電気も通ってないようなところなんですよ。
そこにある小屋で、一人孤独に生きている少女、カヤの話です。
で、その彼女が7歳ぐらいから、まぁ大人になっていき、その中で成長していく話でございます。
で、カヤはですね、たった一人で生きてるんですけど、湿地の自然から多くのことを学び、まぁ一人で生きていけるようになっていきます。
小説自体は、1952年から始まる、この少女が7歳ぐらいの時から始まる物語と、
1969年に起きた、チェイス・アンド・ルースという男性の死体が見つかる話の2つのパートがあります。
交互ではないんですけれども、まぁそれぞれ展開していき、やがて時系列が追いつき、まぁ1つの話になっていきますね。
で、この死んでいたチェイス・アンド・ルースなんですけれども、湿地の中で亡くなってました。
なので、なのでというかまぁちょっと色々あるんですけど、カヤにですね、この殺人の容疑が向けられます。
で、カヤはもう湿地の少女と呼ばれて、あの村から変わり者扱い、もう関わりたくない人間として扱われていたので、
殺人容疑を向けられたんですけれども、もうその敵だらけの村の中で、彼女のこの人生というかどうなっていくのか。
で、本当にそのカヤは有罪なのか無罪なのかっていうのが、まぁ最後の方ちょっと色々展開していく話になっていきます。
なのでミステリー要素がちょっとその辺り強いんですけれども、でもその枠組みの中で描かれるカヤの成長っていうのがものすごく良いので、
その辺りちょっと感じてもらいたい作品になっています。
じゃあちょっとこのままストーリーライン最初の方、私の方から話させてもらいます。
まずですね、そのカヤ7歳から始まる少女時代なんですけれども、この湿地っていうのは村の外にあるんですけれども、
歴史的に見るとなんか犯罪者とか、まぁちょっと危ない人間とかが、あと逃亡奴隷とかですね、が住んでいた地域になるので、
湿地出身というか湿地というだけで、あの村からは差別されてしまうような状況になります。
で、もともとここでカヤ生まれたわけじゃないんですけども、父親のある事情からこの小屋に住んできて、
最初は父親と母親、また兄弟もいて、5人ぐらいで住んでたん…6人かで住んでたんですけれども、
父親が結構乱暴で母が出て行き、兄弟も出て行き、で、父とカヤ2人残されちゃうんですけれども、
父もですね、ある時急にいなくなってしまいます。結果彼女は1人で取り残されます。
そんな折ですね、カヤは何とか1人で生きていこうとしている時にですね、少年テイトと出会います。
テイトっていうのは実はカヤの兄にあたるジュディという方の友達で、カヤはあんまり覚えてないんですけれども、
テイトは昔からカヤのことを知っていました。で、この2人はテイトがカヤに色々手を差し伸べていき、惹かれ合っていきます。
カヤが14歳、テイトが18歳の時ですね、テイトがカヤも実は学校に通ってないので読み書きが分からないので、
読み書きを教えるという状況になっていますね。テイトが結構この辺り優しくて、カヤに辛抱強く文字とか数学かなとかも教え始めますね。
この結果カヤは詩や書を読むことができるようになっていきますね。実はこの詩っていうのが割とキーになっていて、
時折詩が挟まれます。これはちょっと読んでいろいろ感じてもらいたいところであるので、
ここのラジオの中では割愛しようかなと思います。カヤとテイトはこの流れで付き合いだすんですけれども、
テイトが大学進学、知知の研究者になりたいと思っていて、生物学のある大学に進学します。
この時にカヤとテイトは離れ離れになってしまって、テイトはですね、大学行っても愛に戻ってくるよとか、
時折愛に来るよって言うんですけれども、大学行ってしまうテイトはなかなかもう現れず、カヤはテイトが自分を見せたなと思うようになります。
これが前半のパートですかね。3分の1くらいかな。
なかなかの過酷な状況で育ってきたっていうのがカヤですよね。
うん、ヤバいですよね。
お父さんがね、なかなかヤバい人間で、もうすぐね、暴力暴言飲んだくれたりして、
ひどいお父さんで、これはちょっとカヤ、そもそも生きていけるのかっていう、そういう心配を結構最初の方はしながら読んでますね。
ちょっと結構描写ありますけど、結構ね、ジュディっていう兄に対しての暴力とかもひどかったんで、
殺されるんじゃないかみたいな、なんかことぐらいも考えましたよね。
なんか小説読んでて、途中でテイトが出てきて、テイトのお父さんも、チョイ役なんですけどね、出てくるんですけど、この辺で初めてね、僕はまともな人間にやっと出てきた。
で、あとはこの前半の部分、最初の方で、カイヤの本当に数少ない理解者というのも現れて、それがジャンピンっていう黒人の男性なんですけど、
カイヤが生活のためにお父さんのボートですね、これを乗りこなせるようになっていくんですけど、ボート用のガソリンをとか、日用品とか買えるようなお店を経営しているのがジャンピン。
で、この村の人たちっていうのはやっぱりカイアに偏見を持っているので、もうこれはまずいだろうっていう気持ちがカイア側、テイトとかジャンピーとか言ってくれるんですけど、カイア側、人間たちには起こりますね。
で、この時にですね、カイアを助けようとしてくれるというか、ついてくれた弁護士のトムっていうのはめっちゃすごい人なんですよ。
この人の頑張りでいろんな展開が待ってます。
で、もう話は、もうほんとこれ止まらなくなるんで、ぜひ読んでもらえればわかると思うんですけども、この裁判どう転がっていくかっていうのが、もう最後の100ページくらいかな?
ちょっとその話だと思うんで、これ読まれる方は楽しみにしていただけたらなぁと思う。
もちろんこのちょっとミステリー要素が強い話なので、この裁判の行方とか、チェイスはなんで死んだのか、事故なのか、殺人なのかとか、その辺りはちょっとこう言わないでおこうと思うので、
ぜひ読んでいただけたらなと思っております。
そうですね、なんか終盤は結構ミステリー要素の強い話にはなってきますけども、これがこれでまたね、ほんと面白いんですよね。
この状況に追い込まれたカイアの心境とかね、心情が結構いろいろな形で書かれて、で、カイアも初めてちょっと拘留されちゃうんでね、
湿地から離れて、まぁちょっと生活することになり、結構迫ってくるものがありますよね。
で、これ、弁護士のトムっていうのが本当にカイアの味方についてくれるんですけど、読んでいてよかったのは、トムだけではないんですよね。
村にいるいろんな人たち、一部の人たちかもしれないんですけど、カイアのことを見守っていた人たちっていうのもいて、
なんかそういう人たちのちょっと昔のエピソードとかが途中途中に挟まれたりしてるんですけど、
あそこがね、結構泣かせるところがあって、これはもうスウィングな展開プラス、この泣かせる要素を持ってきていて、すごい書き方が上手いなと思って。
それはベストセラーになるわって思いました。本当にね、ここね、終盤ね。
そうですね、最後のこのね、何だろう、終わり方すごい良いですね。本当に終盤。
もうちょっとこれ以上言えないかなと思ってるんですけど。
本当はね、言いたいこといっぱい。
結末した人たちだけで話したいっていう部分もあるんで、何かしらでリアルで会う、
リアルというか何かで会うときは、ぜひこのザリガリの泣くところを読んだ人と話したいなとはちょっと思いますよね。
でもこの最後のところでも、弁護士のトムのセリフですごく好きなところがあって、466ページになるんですけども、
これは最後ですね、ヴァイシーンの人が判決を出しますという、その手前でトムがヴァイシーン席に向かってちょっとスピーチをするんですけど、
そこでカイアという存在ですよね、湿地の少女として村ハゼテで差別されながら生きてきた少女であったんですけど、
そのカイアが異質だから締め出したのか、それとも我々が締め出すから異質の存在になってしまったのか、
そういう問いかけとかも聞いて、このあたりはすごい胸に刺さってくるようなセリフだったんで、
この焦っ張った中でもそういう問いかけというところも、これも本当に読書のすごい、読んでていい醍醐味体験かなと思うんで、
本当最後まで読んでほしい小説ではありましたね。
今回はこのあたりでちょっとやめときましょうか。なんかこのまま行くとずるずる最後まで話しちゃいそうだから。
大事な秘密だからね。
最後いつも通りどんな人に読んでもらいたいかと交えてちょっとお話ししたいと思います。
じゃあ私の方から。本当これですねエンタメ作品だなと思ったんですけれども、
でもこの登場人物それぞれの心情が結構出てくる良い小説でもあるので、ちょっと文学好きな人にもはまるんじゃないかなと思います。
2回読んでも面白かったです。人間の孤独とか生き方、自然、その自然を洞察する視点とかをですね、
いろんなことを感じたり学べたりすることができる小説だったので、
もう何度も話しますが本当これ非常に読みやすくて展開もいいので止まらなくなる小説なので、
しかもこれ500ページあるんで長いものちゃんと読んだなみたいな満足感も絶対得られる作品だと思うので、
もしなんかこう読むの迷ってる方がいたら読んでみたらいいかなと思います。
夏も多分配信する時にはもう後半差し掛かってると思うんですけども、夏の終わりにぜひ読んでいただけたらなと思います。
ここは最初、ザリガニを鳴くところっていうタイトルであったり、湿地が舞台ということでちょっと地味な印象を持っていたんですね。
でも読んでみると全然そんなことはなくて本当に面白い小説で、
カイアの人生がすごいドラマチックなんで、全然地味なものではなかったというのがわかりました。
本当にエンタメ要素もかなりあるし、あとやっぱりカイアの生い立ちがすごい過酷で大変だったんですけど、
でも周りにはテイトとかジャンプとか優しい人たちがいて、そういう人たちとの間にできるドラマっていうのもすごく印象に残りました。
そういう状況的な心に残るような要素と、あとやっぱりこの作者の生物とか自然の世界への洞察の部分ですね、
この要素っていうのがすごくマッチしていて、本当に奥が深い小説だと思います。
さすが2019年アメリカで一番売れた小説だったので、本当に面白いので興味持たれた方はぜひ読んでほしいなと思いました。
すごくお勧めの小説です。
じゃあ今日はこの誰が世を泣くところをお届けしました。
じゃあ次回予告して終わりしたいと思います。
次回ですがアマル・エル・モータルさんとマックス・グラッドストーンさんが書いた
こうしてあなたちは時間戦争に負けるというSF小説をご紹介したいと思います。
私も今のところ半分まで読んでますけど、マーダーボットとか3体とかと全く違うベクトルのSF小説でめちゃめちゃ面白いので楽しみにしていただけたらなと思います。