分かっていて、そこでね、男性葛藤するんですけど、そういうのもしっかり書かれているっていうのがまたいいなと思いましたね。
だから設定だけでね、もう面白いなーで書けそうなものなんですけどね。だからその先の、その男性の、やっぱりその感覚というかね、やっぱその悩みをちゃんと書いているというところを読んでて、面白いところでしたね。
ですよね。先週紹介したキムチオヨプさんの作風にも感情をフォーカスするっていう良さはあったなと思ってるんですけれども、それと同じではあると思うんですが、やっぱりここで差分があるなと思ってまして、サラピンスカーさんはですね、なんかエモいという感じもあるんですけど、でもなんかエモさだけじゃなくて、
冷静に詰め上げていくような、あの本当静かな筆地っていうのが、あのすごいよく表してるなと思うんですけれども、冷静に詰め上げていって、で、あのある時感情の発露というのが見えてくる、あの表現されるというような形になっていて、
ここの言葉のチョイスと差し込み方がめちゃめちゃ上手いなって思いましたね。で、えっともうこれは本当1本目から感じていて、1本目があのさっき三枝さんが言ってたコロド州の道路と右手が繋がってしまう男なんですけれども、ここ、まあこれは一筋伸びる二車線のハイウェイっていう作品なんですけど、これもですね、あの喪失感の話がパッと出てくるんですけど、もうそこの差し込み方にですね、だいぶ自分はやられてしまって、
もう1本目読んだ時からヤバい作家なんて本当に思ったんで、あの本当ここは上手いとこですよね。
そうですね、結構ね、なんかその人物描写がやっぱりね、なんかすごい、読んでるとやっぱその人物のね、やっぱ感情にね、ちょっと自分も乗っかってしまうというのがなんかね、あるんですよね。
で、あとですね、この作品全体として言える良さとして、これは文体ですね、あのテンポの良さが非常にあると。
ああ、うん、ある。
これもしかすると他の作家さんとはですね、ちょっと違うサラフィンスカーさんの個性なのかなと思うところでもあって、基本的に文章短いんですよね。
もうね、もうすぐね、パッパッパってね、文が書かれていて、なんかね、長々書かれているっていうところはなかなかないかなと思ってます。
なので、どんどん読んでいけて、リズム感が良くて、非常に読みやすいと。
これもなんかセンスが良くないとできないことかなとは思っているんですけども、なんか真似しようと思ってもなかなかできないのかなと思っていて、
この辺やっぱりね、なんかミュージシャンだけあって、なんかこういうセンスの良さというか、そういうのを持っているのかもしれないなと思いますね。
で、そこから言えることとして、小説に苦手意識ある人とか、SFが苦手な人とかですね、
もしかするとサラピンスカーさんなら読めるっていう人の中にはいるんじゃないかなと、ちょっと思ったりしますね。
あるね、それは。あと確かにこれ非常に読みやすくて、小説が苦手な人でも読めるなと思っていて、
で、なんかその辺がもふまえて小説書くのが上手いなって私感じる部分なんですけど、
最近やっぱりちょっと前にオートフィクション作品をよく紹介していて、ポーランドのボクサーとか雨に打たれてか、
あの辺りってちょっと読みにくさみたいなのがどうしてもどこかにあったような気がしていて。
ジョージの元に軍からニューメキシコに来てほしいと依頼の手紙が来ます。
ミリーは行く必要がないと言ったが、ジョージは自分が設計した建物が建てるかもしれないと言って、軍の誘いに応じます。
ジョージはすぐ帰ってくると思っていたが、帰ってきたのは1ヶ月後だった。
その時ジョージは疲れ切っていて、かなりピリピリしていて、
家に帰ってくると子供にも短期に当たったりしながら、ツリーハウスに行って一人で泣き出すという状況でした。
その時ジョージは軍に命令されて作った施設のことをミリーに語ります。
詳しい話はしないが、ある施設を作ったということを語ります。
それ以来ジョージは仕事への情熱が消えて、
ただ、ツリーハウスを作っている時だけ、昔のような情熱の面影が見受けられることがありました。
ジョージは施設へ来なく定例を迎えました。
ミリーはジョージとの思い出や、ジョージに起きた出来事を回想して、
ジョージが今病院にある中、加工している設計図は何なのか、それを探り当てようとします。
そしてミリーはジョージにとって、なぜ情熱が消えてしまったのか、そのことを疑問に思っていたので、そのことについて分かり合おうとしていきます。
という話なんですが、これだけ聞くと全くSF要素がない話なんですけど、
ちょっとSF要素があったりする面白い話ですね。
タイトルの意味はですね、役者跡書によるとホムレスのオデュースセイヤーという作品にある、
ようやく故郷にたどり着いた時に妻と再会した喜びをかみしめる場面でのセリフが、
この深淵を後にして歓喜して、ということらしいですね。
という内容になっております。
ぶっちゃけこれめちゃめちゃ読んで名作だと思いました。
このミリーの感情の動きと、ジョージが遠いところに行ってしまったみたいな感覚が途中あったけれども、
それに追いつこうとする最後、そこが結構描かれていて、結構泣ける作品でしたね。
そうなんですよね。僕もこの作品やっぱ一番好きで。
いいよね。
やっぱり何がいいっていうのが、このジョージとミリーの夫婦の若い頃の描き方がすごい上手いなと思って、
このジョージという建築家がとにかくすごく優しくて良い人で、特に若い頃はもちろん出生欲とか野心を持ってたんですけど、
ただ人として持っているこの優しさというか、そこもすごい現れていて、
こういう本当に幸福なこの夫婦の様子を描いているのが、その一つがツリーハウスですね。
子供が生まれてからこのジョージが子供たちのためにツリーハウスを作ってあげるんですけど、
そこの様子とかもすごい楽しそうに描かれていて、途中でその文章の中ですごい上手い文章が、
ジョージがですね、ツリーハウスを作るためにちょっと息子に杭を打ってもらったのを見てですね、
上手な大工さんだ。この仕上がりを見ろよと。
これはジョージがミリーに言うところかな。
それをですね、ミリーの視点で、一瞬を瓶詰めにして取っておけるものなら、
ミリーはこうした瞬間を選んだかもしれないというですね、
このジョージとね、子供たちがツリーハウスを一緒に作ろうとしているね。
その描写を一瞬切り取れるならここかなっていうですね、そんな文章があったりですね。
あとはこのツリーハウスがですね、なかなか楽しそうで、
なんか思った以上に手が凝っていて、
ジョージが何年もかけて海賊船の鋼板みたいなとか、
長靴下のピッピー風の浴灯とか、スイスのロビンソン風の増築部分とかですね、
ちょっと今頭の中でイメージはできないんですけども、
このね、ツリーハウスがどういう姿、形の建物なのかっていうのもすごい気になるんですけども、
まあまあでもすごいこのね、夫婦の若い頃の特に描写は僕は好きでしたね。
この出会いのシーンとかね、恋に落ちていく流れとかね、すごい良いよね。
そうですよね。
そこだけ読んでも多分なんかグッとくる人は多いと思いますし、
あとツリーハウスはやっぱこの物語のキーにもなってくるから非常に重要で、
やっぱりジョージが最後まで退出にしたかったものの象徴なんだろうなとかちょっと思ったりして、
そこもかなりいいなと思いますね。
そういうですね、読んでると前半やっぱすごい個人的にはもう楽しい作品で、
でやっぱり後半ですね、ジョージが軍にですね、ちょっと誘われて1ヶ月家を開けて、
そこから帰ってきてからちょっと人が変わったようになってしまってですね。
ジョージがもう仕事のなんかね、情熱がなくなってしまって、
あのもう仕事なんてもう定時で帰れるのが大事で、
そんな残業とかね、そんなするほどではないとかね、
とかなんかその大きな建物を作るよりかはもう身近な家を作ったりとかですね、
まあそういうふうになっていくんですけども、
まあそこでミリーがですね、ジョージに対して多分最初の方はね、
ちょっと残念な気持ちを持っていたと思うんですね。
ミリーとしてはやっぱり20代の野心に溢れていたジョージが好きだったと思いますし、
でも軍から帰ってきた後のジョージは本当にもうね、
なんか仕事全然やろうとしない人になってて。
っていうところを踏まえての、読んでいっての終盤の方ですね、
あのこのミリーがですね、年老いたジョージを受け入れるに至る文章っていう、
そういう描写があるんですけども、やっぱそこがすごい良くて、
読んでてすごい感動しましたね。
うん、うん、わかる。
そこの中にはね、20代の頃の姿を基準に人を評価するのはフェアな態度なのだろうかというのをですね、
そういう問いかけもあったりするんですけども、
やっぱりこのね、ジョージがなんでね、そうなっていったのかっていう、
まあ全ては語られてはいないんですけども、
でもジョージなりにやろうとしたことがあって、
そことかね、わかるとね、これなかなかね、ちょっと泣けそうになりますね。
うん、うん、うん、うん、本当だよね。
ジョージは多分、おそらく何か苦悩した末に何か決断をしたっぽいことは、
あの、あの本当読んでも明かされないんだけど、そこがわかるシーンがあって、
で、やっぱり家族は変わっていってしまうもの。
子供たちもいるし、子どもたちも大きくなって出て行っちゃうし、
まあジョージはジョージで変わっていくしっていうところで、
なんかそういうものを、どうしようもない流れみたいなのも多分描かれつつも、
まあこう時間によって育まれたものを感じることができる作品だったので、
これは結構感動作だったなと思いますね。
で、えっとちょっとこの後、メルマガの音源行きになっちゃうけど、
ちょっと他の作品をちょっと話したいなと思います。
気になる人は、ちょっとメルマガ登録して聞いてくださいっていうところですかね。
じゃあ最後、感想とどんな人に読んでもらいたいか話して終わりたいと思います。
じゃあ私の方から、
えっとマジで本当にですね、一番最初の作品からこんなめっちゃ良い作品来るんだと思って読み始めたら、
次も良くて、その次も良くてというですね、本当にハズレなしの作品集だったと思ってます。
こんなに小説作るのが上手い人がいるなんて、やっぱ世界はすごいなと改めて思った一冊だったので、
本当多くの人に読んでもらいたい一冊になったなと思います。
マジでこの配信で気になったらですね、手に取って何だろう、間違いはないと思うので、
ぜひぜひ皆さん読んでいただけたらなと思います。
僕はやっぱり読むとどれも良い作品で、短編なんですけど、最後にビシッと終わるような終わり方ではなくて、
作品に思いを馳せていくことで、じんわり登場人物の気持ちがわかってくるような終わり方をしているですね。
そんな作品が多い印象でした。
これで言えることとして、やっぱり読みやすさというのもあるんで、
SF好きな人もSF苦手な人も関係なく楽しめる作品集かなと思っています。
本当に幅広くオススメです。
では次回予告して終わりたいと思います。
次回はですね、アニー・エルノの嫉妬事件をお届けします。
昨年、2022年か、ノーベル文学賞を受賞されたアニー・エルノさんの作品ですね。
お楽しみに。
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またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました。
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ではまた来週。
ありがとうございました。