どうもみなさんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするラジオ番組です。
お相手は、私小説が好きなおかわりのダイチと、数字をめぐるカフェのミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
お互いの紹介に関しては、2021年最初の回で話しているので、そちらをお聞きください。
また、このラジオへのご質問やリクエスト、メッセージを随時受付しています。
番組概要欄にホームのリンクを貼ってますので、そちらからお寄せください。
ご質問などある程度いただけたら、お返事をする回をしたいと思いますので、気軽にお寄せいただけると嬉しいです。
少し本編に入る前にですね、ちょっとお知らせをさせてください。
先々週と東京小説読書会の浦野さんに来ていただきましたが、
その浦野さんを筆頭に今計画しているノーベル文学賞メモる会というのが、10月7日に開催予定です。
こちらはですね、オンラインで開催する予定でして、20時の受賞者発表の瞬間、このライブをですね、みんなで見届けるという内容になっております。
一緒にメモってくれる方を参加募集しておりますので、よろしくお願いします。
参加は無料で、概要欄のリンクから申し込みができますので、ぜひご興味がある方はご参加いただければと思います。
ちなみにですが、9月26日ぐらいの収録なんですけど、この段階でイギリスのブックメーカーのオッズでですね、村上はるきが今単独1位になっております。
ちょっと去年が3位だったんですけど、今年1位に上がっているという状況で、
これがそのまま受賞するわけじゃないんですけど、ちょっと注目かなぁとは思いますね。
そうですよね、過去最大のチャンスかもしれないですよね。
このノーベル文学賞メモブル会っていうのは、もともとはこの村上はるきしか取り上げられない日本のノーベル文学賞に対する考え方を変えようみたいなところから立ち上がっている部分もあるので、
ちょっとここで、これだけ我々準備的に村上はるきが取っちゃうとちょっとオーってなるんですけど、
まあでも、もちろん村上はるきさんがですね、受賞すると嬉しいので、楽しみにはしております。
ノーベル文学賞メモブル会なんですが、受賞するだろうと思われている作家たちの、候補作家たちの作品をかなり我々読んでですね、別冊含めてですね、ちょっと文集を作っております。
で、こちらこの感想文集なんですが、11月23日の東京の文学フリまで発売予定でございます。
こちらはちょっと思ったよりもスッてなさそうなんで、ちょっと私もちょっと詳しいこと把握したいんですけど、もしかしたらそんなにないかもしれないんで、
ぜひ文学フリまで手に入れていただければなと思います。
残部が出たら後日オンライン販売するかもしれないらしいので、そのあたりも期待していただければなと思います。
じゃあそんなところで今回の紹介をいきたいと思います。
今回はですね、定伝の夜にというじゅんぱらるひさんという方の作品をご紹介したいと思っています。
今回なんですけれども、まあちょっと我々2人ともちょっと仕事が立て込んでおり、なかなか大物にチャレンジするっていうのはちょっと難しい。
大物っていうか長い作品ですね、とかちょっとチャレンジするのはできないので、ちょっと短編集をっていうところで。
かつ私大地がですね、すでに読んでいて、あのぜひ一度取り上げたいと思っていた作品なので、このタイミングにというところでご紹介させていただきます。
この作品なんですけども、個人的な感覚なんですけども、海外文学入門としてはめちゃくちゃおすすめな一冊でございます。
短編集かつ文庫化もされていて手に取りやすい。
結構一時期売れたので、文庫も出回っているので手に取りやすい作品だと思います。
そうですね、文庫買ったの多分もう10年以上前だと思うんですけど、すごく名作だと言われて、買ったもののずっと純読のままだったので、今回ラジオで売り上げるとなってちょうど読むのにいい機会でしたね。
いい作品でしたよね、これね。読みやすいというか。
そうですね、なんかすごい評判高いと思うんですけども、その通りだなと本当に思いましたし。
署名いっちゃいましょうか、まず。
そうですね。ではこの流れで今回紹介する本の話をしたいと思います。
紹介するのは、「停電の夜に」で、じゅんぱあらひりさんが書いて、小川たかよしさん役になります。
新調文庫から出ています。
もともとは単行本が2000年に発売されているんですけど、今はもう文庫で買うことができます。
ではちょっとあらすじの方から紹介させていただきます。
毎夜1時間の停電の夜に、ロウソクの明かりの下で、隠し事を打ち明け合う若夫婦。
停電の夜に、観光で訪れたインドで、なぜか夫への内緒事をタクシー運転手に打ち明ける妻。
病気の通訳。
夫婦、家族など親しい関係の中に存在する亀裂を、みずみずしい感性と単例な文章で表す急変。
ピューリッツアー賞など著名な文学賞を壮大な目にした、インド系新人作家の鮮烈なデビュー短編集となっております。
これすごいですよね。
デビュー作なんですけど、本当にも数々の賞を取っていて、ペン・ヘミングウェイ賞というのが、アメリカの賞ですかね。
そうです。
オー・ヘンリー賞とかですね、あとピューリッツアー賞も受賞していると、これなかなか新人作家のデビュー作でピューリッツアー賞を取るとかってなかなかないことかなと思うんですけど、
本当にいろんな賞をいきなり取ってしまったという、すごい大型、新人のデビュー作だという。
当時だいぶ衝撃が走ったと思いますよね。
個人的に考えると、かなり早いタイミングでこれを翻訳しようと決めてるっぽいような印象があるので、当時かなり期待というか、出てきてみんな衝撃が走った作家だろうなと思いますね。
ラヒリさんはですね、1967年にイギリス・ロンドン生まれなんですけれども、両親はインド人でございます。
ロンドンで生まれたんですけれども、幼少期にすぐアメリカに移ってきました。
このインド・イギリス・アメリカっていう、ラヒリさん自体はイギリス・アメリカっていう移民なんですけれども、でも親がインドという文脈を持っているので、移民というアイデンティティというのが作品に現れている方ではあるんですけれども、
これ面白いのが、移民が主題になってないというところが、その作品のテーマになってないというところが結構面白い作家ですね。
あくまでもこの人が主題に置いているものはですね、人の心のありようなんじゃないかなと思います。
ちょっと後ほど詳しく話しますが、この期待をしてしまうこととか、自分の立ち位置に対しての不安とか、そのあたりをちょっと描いていて、もしかしたら移民という文脈もあるのかもしれないですけど、このあたりには。
でも、そこを描いていないから結構普遍的な内容に転換できているっていうのが、この作家の強いところなんだろうなと思います。
ラヒリさんも本当、代表的な移民文学の作家だなと思いますよね。ちなみにこのラヒリさんは、2012年ですかね、もともとイタリア語の勉強をされてたんですけど、そこでイタリアにハマって、
家族と一緒に、今はローマに移住しているみたいで、しかもイタリア語でも小説を書いて発表しているというので、すごく幅が広いことをやっているなというのを思いますね。
そうですよね。すごい方ですよね。最近の作品を読めてないんですけど、どんな感じに今なっているのかちょっと気になるな。私もちょっとこれしか読めてないんで、これから読みたいなと思っているところなんですけどね。
そうですよね。イタリア語で書いた文章とかって、どういう感じになるのかすごく気になりますね。
こちらなんですけれども、もともと新潮クレストブックスで出ました。それの文庫化っていうのは結構いいなと思ってて、最近本当なくなっているパターンですね。
クレストブックスで終わるような作品が多くて、もともとクレストブックスって海外のあんまり知られていない作品を日本に紹介したいっていう思いがあるレベルで、
なのであんまり文庫化っていうのはないんですけど、ラヒリさんはクレストブックスで結構何冊も出てるんですけれども、こちらともう一冊文庫化になってますね。
結構ちょっとこのあたりもクレストブックスの文庫化っていうのは、最近のクレストブックスを知っている方からするとちょっと驚かれるんじゃないかなと思います。
ちなみに僕ももともとクレストブックスから出ていたというのは知らなかったので、
昔はそういう単行本で出る、それが文庫化になるっていうパターンがあるんだっていうのをちょっと今回初めて知りましたね。
ちなみにこちらの本なんですけど、実は私これ海外文学入門書としてはおすすめなんで、よく読書会とかって本交換があると出してました。
なので実はこれ2回ぐらい出してもう手元になかったんで、今回買うのが3度目になりますね。
じゃあちょっと具体的に定伝の夜からちょっと話していきたいので、こちら定伝の夜にまずちょっとあらすじをお伝えさせていただきます。
この話なんですけれども、若い夫婦の話でございます。
子供が資産になって、その後関係がうまくいっていない夫婦の話です。
結婚してから3年ぐらい経ってる話だった。
同じ空間に住んではいるんですけれども、結局この2人はそれぞれの仕事なんかに向けてなかなか顔を合わせない状況が続いています。
夕食もですね、長い子と同じテーブルで撮るということがなくなっている状態です。
そんな折に、これから5日間、毎晩20時、夜の8時から1時間だけ定伝するというお知らせが入りました。
工事のためです。
その定伝の間、2人はロウソクの日だけで過ごすことになるので、食事もですね、結果的にこう一緒に撮ることになりました。
季節してこの夕食を一緒に撮ることがですね、2人の関係に影響を与え始めます。
暗がりの中ですね、この妻の方からですね、これから毎晩1晩につき1つだけ今まで隠していたことを打ち明けないかと提案があります。
それに従い、この2人は1晩ずつ隠していたことを告げ合います。
些細なことなんですけれども、自分たちのこれまでにつながる隠し事をお互いが知るような状況になります。
この結果ですね、夫はですね、また2人の距離が縮まってきたと思うようになっていきます。
割とこのロウソクだけで過ごす夕食が、夫はちょっと楽しみになってきて、
こうやって妻と2人で話すことで、少しずつですね、感情を取り戻していっているというか、
気持ちがですね、また妻に傾いていくという、そんな話になってますね。
なんですけれども、5日目の最後の日、急に工事が早く終わってしまって、停電がなくなってしまいました。
楽しみにした停電がなくなってしまいました。
この停電するものだと思っていた2人は、この事態をちょっとどうしようかということになるんですけれども、
この後ですね、話がグッと展開して終わっていくんですけれども、
ちょっとここまでで区切りたいと思います。
この後何が待っているかというのは、ちょっと読んでいただきたいなと思うので、ここで止めようと思います。
この後ちょっと我々、この話について感想などを言い合っていきますけれども、
この最後の部分はなるべく明かさずに、皆さんで知ってもらいたいなと思っています。
結構この話だけ聞くとですね、だいぶロマンチックな話だなと思うんですね。
私も読んでいる時に、もうめちゃくちゃロマンチックな話だなと思ってたんですけれども、
最後に人生の苦味が待っています。
この苦味についてはちょっと今回話さないでおこうかなと思うので、皆さんで確認いただければなと思います。
そうですね。僕もあらすじ知った時に、これはめっちゃ感動できる、いい話だなと思って読んでたんですけどね。
実はあんまりそうでもなかったというか。
でも思ったのはね、なんか夫婦が定例の夜に毎日秘密を暴露し合うということを行っていくんですけど、
結構最初は微笑ましい内容があったりして、その辺もうまいことリードしてるなと思ったんですけど、
だんだんね、ちょっと本当苦味の部分というか、ちょっと痛い内容になってくるっていうのも、
これでも面白いところかなと思いましたね。
そうですね。最初結構隠し事が2人の心を温めるような。
そうですよね。初めて付き合った時のね、ちょっと青春の思い出のような。
あの時ちょっと諦めようと思ったけど、あなたは諦めなかったみたいな。
とか、すげえいい話してくるじゃんみたいな。
うん、そうそうそう。
すごいロマンチックな空気になるんですけどね。そこがこのラリヒさんの手のひらで。
そうですよね。
この話なんですけれども、最初伝えたとおりですね、やっぱり期待というものを描いているので、
まずこの短編集の一番最初の定例の夜にでも示されますね。
ここでやっぱこのちょっと夫側の視点っていうのがメインで描かれるので、
男性が期待してしまうような、そういう流れがあって。
初読の時はですね、私この男女の思惑というか、期待の差が出ているのかなっていうのを感じましたね。
でも今回再読してみて、なんか男女っていうだけの差ではなく、
人間としてどちらかが先に行ってしまい、どちらかが留まっていたっていうだけの話だなっていう感じもするし、
ここが本当にすごいんです。感情が離れていく瞬間っていうのを描いた作品でもあるので、
ここが本当にすごいなと思いましたね。
この夫婦が秘密を打ち明けていくんですけど、確かにそういう打ち明けるということで、
本当の意味でお互いを知ることができたんじゃないかなと思いましたね。
なんかその旦那の生活環境っていうか、経済的にちょっと苦しい状況でもあって、
すごく焦りとかそういうのもあって、決して状況としては平穏な状況ではなかったんですよね。
仕事が次どうなるんだろうかという、そういうすごく焦りの中で定電の夜に秘密を打ち明けるっていう展開になったんですけども、
でもそういう打ち明けるということをやったおかげで、お互いに相手を普通の人として見ることができたんじゃないかなと思いましたし、
そこがやっぱりただのロマンチックじゃなくて、結構現実的な話になっていったというか、
ちょっと感情が離れていくようになっていったっていうところも繋がっていったのかなと思いましたね。
なかなかこれ以上言えないなと思っているところなんですけど、この話はちょっとこんなあさりして、
結構あらすじだけ聞いてもすごい面白いなって私は最初思ったんで、ぜひですね、
これ読んでもらいたいなと思うので、ここの程度にしてちょっと次に行きたいと思います。
そうですね。次に紹介するのが病気の通訳という作品になります。
この話はインドに旅行に来たインド系アメリカ人の家族とその家族をツアーガイドするタクシー運転手の男の話になります。
この家族が若い旦那さんと奥さんと幼い子供たちという家族構成なんですけど、
みんな父も母も含めて兄弟のように見えるような、そういうちょっと不思議な見え方がする家族です。
その家族をツアーガイドしているタクシー運転手も、実はこの他にメインの仕事というのをしていて、
それはとある病院でインドの公用語の一つであるクシャラート語の通訳の仕事というのをしています。
この地方にはクシャラート語を話す人というのが多くいるんですけど、
それがわからない人もいて、この運転手の男を通訳として雇っているお医者さんもその一人になります。
そこで患者とお医者さんの通訳というのを仕事としてしていると。
そういう話をこの家族に、車の運転している時にしたら、
その家族の奥さんがそこに興味を持って通訳という素晴らしい仕事だと褒め始めます。
そのことに運転手の男も気を良くして、そうするとだんだん奥さんのことが気になり始めます。
運転手の男は通訳の仕事、今まで誰からも自分の奥さんからも褒められたことがなかったので、
自分でもその仕事に対してちょっと謳つの上がらない男だと自覚しているところもあったんですけど、
初めて認められたというか褒められたというところで、ちょっと奥さんのことを意識するようになってきます。
ツアーのお昼時ですかね、みんなで写真を撮った際に、これは家族と運転手と含めてなんですけど、
その写真を後で家に送るから住所を教えてほしいと奥さんから運転手の男が言われて、
もうそこから奥さんと文通が始まるんじゃないかと勝手に妄想もし始めたりしていきます。
もうそろそろツアーも終わってホテルに戻ろうかという時に、
ちょっと観光地に寄り道をすることになって、
その家族の旦那さんとか子供は外に出ていくんですけど、
ちょっと奥さんは疲れたと言って運転手と一緒に車に残ることになります。
その車の中で二人きりになって、
その奥さんが今まで誰にも言っていなかった秘密を運転手の男に伝えるというそんな話になります。
この先も展開は続いていくんですけども、今回はここまでの説明にしたいと思います。
ありがとうございます。あれですね、ちょっと定伝の夜にと同じで、
ちょっと最後まで話さないっていう形になっちゃって申し訳ないですけど、
でも定伝の夜には結構ですね、最後のとこまで話さないといろいろ話せない部分はあるんですけど、
ここまでの話でも結構いろんなことが話せるので、この後も楽しみに聞いていただければなと思います。
この話なんですけれどもですね、今のあらすじにもあった通り、
写真を一緒に撮ったことから、文通が始まるかもしれないっていう勝手な期待とかですね。
奥さんがちょっと自分に興味を持ったので、自分のこと、名文化されてないですけど、ちょっと好きなんじゃないかとか、
そんなことをですね、考え出してしまう運転手の話で、
この彼の勝手な期待とか妄想がですね、止まらない、止められない様がですね、めちゃくちゃ面白い作品ですね。
やっぱりこれも、この男がですね、自分の人生に満足しておらず、妻との生活もおいて満足しておらず、
ふと自分を見てくれた人に傾いていってしまう、そんな話ですね。
この姿っていうのはかなり滑稽なんですけれども、個人的な感情としてはめちゃくちゃわかるなっていう部分があって、共感してしまいました。
結構これは、先が気になって読むのが止められないような作品じゃないかなと思います。
本当そうでしたよね。この運転手の男の期待って、ただの思い込みな部分っていうのもあるんですけど、
やっぱり裏切りさんがすごくいいなって思うのが、この運転手の男も、実は昔語学に打ち込んでいて、政治家の通訳とか、
そういうのを目指していたことがあったんですけど、そういう過去のエピソードとかを持ち出してきて、
すごく男っていうのも、いい人物描写をしているなと思っていて、本当に感情引入してしまうところがあって、やっぱり共感すごくしましたし、
じゃあこの男がこの後どうなっていくのかっていうのは、結構気になって読んでいきましたね。
そうですよね。なんかこの人間としては、結構小物だなっていう感覚を読んでいるのにもちつつ、
でもそういう相手に感情移入をさせるっていうのが、この作りが結構うまくて、
ここは本当この作者のすごい、他の作品もそうなんですけど、すごいところだなと思いましたね。
本当に裏切りさんはこういう話を作るのが本当にうまいので、なんだろうな、これ男心をよく描いてるなって思ったんですよ。
で、なんでこんなにわかるんだろうみたいな。裏切りさん女性なんですけど、すごいなって思いましたね。
そういう描写が結構いっぱい出てきていて、例えばツアーガイドで、もうそろそろ1日が終わろうとしているときに、
男がバックミラーで奥さんを盗みにしているんですけども、ここにもいろんな感情があって、
ただ単に奥さんのことが見たいっていうのも、そういうのもあるし、あとは男の心の中で、
どうやったらもうちょっとツアーを長引かせることができるんだろうかっていうのも考えていたりして、
小説の中ではこういったところが結構うまく描かれているというか、リアルに思えるように描かれているんですよね。
あの流れ結構いいですよね。面白いですよね、あそこね。
ちょっと私はそういうところで言うと、細かいところだと、この男性50くらいですよね。結構いい年。
46かな。
46でしたっけ。奥さんが確か20代なんですよね。
28ですね。
すでに3人くらい子供がいるんで、結構早くに結婚したっていうのは分かるんですけど、結構年の差があるというか、
お父さんと言ってもいいぐらいの年に近いんで、
でもこの運転手の方はですね、結構輪っか作りをしているのか、
声優を持ってて、それを塗るシーンがあるんですけど、額に。
そことか結構ですね、塗るタイミングとかですね、面白くて。
一番最初に話した、このラッキリさんが描く細かさっていうところもあると思うんですけど、
そういうのも結構奥さんに対しての感情が見えるところで、ちょっと面白かったですね。
そうですね。本当運転手の男とか奥さんとか、そういう人物の描写もすごく丁寧だし、
あと個人的にすごい好きな部分があって、それが観光案内の中で寺院ですね。
小奈落というところの寺院を男が家族を連れて案内する2ページぐらいの描写があるんですけども、
これがすごい、小説を読んでいるとすごく美しく描かれていて、
94ページ、5ページですね。
男と家族のそういうドラマではあるんですけども、結構この寺院の描写のところだけ読んでいても、
急にすごくいい風景が浮かんできて、これだけでも小説いいなって思えるような部分だったので、
こういったところでも何気ない場面ではあるんですけど、すごく引き付けられましたね、小説に。
ちゃんと説明してくれますもんね。
こういうところが小説の魅力というか、どんどん引き込んでくれるなっていうのがありますよね。
いいですよね。
たぶんアメリカで出版されているからアメリカの方々にイメージしやすいように描いているとは思うんですけど、
太陽神、スーリアのブロンズとか。
これ最後なんですけど、結構ですね、後味が悪い感じで終わります。
奥さんの内緒ごとの話の内容も結構あれだし、ラスの展開もちょっとううって思うようなところもあるし、
結果的にこの男の期待っていうのがですね、砕かれる話で。
でもその描き方がすごくいいんで、ぜひ読んでもらいたいなと思っております。
この2作品続けて最後が言わずであれなんで申し訳ないですけど。
そうですね。でもね、さっきの定伝の夜にと同じく、これも秘密を打ち明ける話でもあって、
思ったのは、こういう秘密を打ち明けて本当のことが明るみになったら、打ち明けた方も聞いた方も関係っていうのが変わってしまうものなのかなと思いましたね。
これ初めは馬鹿にされているのかなと感じた主人公なんですけれども、老婆はボケが進行していて、昔はピアノを教えることで生計を立てていたようなんですけれども、今は腕が悪くなってピアノが弾けないということを知ると、この老婆に対していろいろと世話をしたくなるようになります。
やがて妻がアメリカに来ることになり、彼は老婆の元を出て二人で暮らせる物件に移っていきます。
妻は初めて暮らすアメリカの土地に慣れていなく、また主人公はそんな妻に距離を感じていました。
帰国時代、二人はこのまま形だけの夫婦生活を送るのか、そんな風に思わせるんですが、ある日妻を外出に誘いあてもなく歩いていると、老婆の家の前を通ります。
老婆のことを訪ねてみたんですが、そしたら老婆が腰を、椅子から落ちちゃったみたいな感じで怪我をしていて、寝たきりになっていました。
妻を紹介すると、完璧良い人を見つけたねと言われます。
この老婆とのやり取りの中で、夫婦は結構笑いあったりして、打ち解け始めます。
そしてここから、二人の関係が本当に始まるような形になっていきます。
やがて、老婆の死を新聞で知る主人公なんですが、その時に涙が止まらないという形ですね。
この後、二人の夫婦の人生が続き、息子が誕生して、息子とのことなんかもちょっと描かれて、この話は終わっていきます。
という話なんですけれども、本当にさっき話したようにめちゃくちゃ良い名作ですね。
なんか本当、この作品集、ちょっと辛いなと思うような話が多かったんですけれども、
この話は別に辛さがないわけじゃないんですけれども。
本当に良い作品でしたよね。やっぱりこの作品に関しては、主人公の思いやりというのがすごく魅力だなと思いましたね。
老婆も奥さんも普通に考えると、上手く付き合っていくのって、もしかすると難しいんじゃないかなと思うような描写がいくつかあったんですけど、
でもこの主人公ってすごく優しくて、相手に思いを馳せることができる人で、
そういうふうにして、老婆であったり奥さんであったりと特別な絆を結んでいくことができたと思いますし、
そういう人たちと過ごしたっていうのは、主人公の人生って幸せだったんじゃないかなと思いましたし、
なんか本当に良い小説でしたね。
本当そうですよね。この話に関してはすごい良い小説っていう話を…
細かい話はいくつかあるんですけど、それ以上のことがなかなか出てこなくなっているんですけど、
でもこの主人公の誠実さっていうのが結構出てて、最初奥さんと短い間インドで夫婦生活を営んでいる時に、
奥さんが初めて…この当時のインドならではだと思うんですけど、初めて家を出たので、
ちょっと主人公と一緒に住んでいる時に、夜ベッドで泣いてるんですよね、いつもね。
それを触れないように主人公は背を向けてそっと寝るんですけど、
なんかその辺りも結構あって、なんかこの感じうまくいかないんだろうなと思ったら、
なんかうまく回り出すから良い小説だなと思いますね。
そうですよね。この奥さんがアメリカに来た時も、もっと服装とか、アメリカだからこうした方がいいんじゃないかとか、
まあその職生活もそこまでしなくても、もっとアメリカだから簡単に進ませたらいいのにみたいな感じで、
ちょっと最初はトゲトゲしくっていうところはあるんですけど、やっぱり主人公も、
なんか決して自分都合で考えるだけではなくて、ちゃんとやっぱり相手に目を向けることができる人で、
やっぱり何かね、ふとした時に、つまり自分もイギリス初めて来た時って本当にもう右も左もわからなくて、
めっちゃ苦労したし不安あったなっていうのを思い出したりして、
だからね、そういうやっぱり主人公の思いやりな部分というか、
そこはなんかちょっとね、最初に紹介した2つの作品の主人公とはちょっと違うなとは思いましたね。
この老婆との出会いが結構ね、主人公に影響を与えてて、そこが本当にいいですよね。
最後の文章っていうかセンテンスがですね、めちゃくちゃ良くてですね、老婆がもう死んで、
彼も息子が生まれて、ちょっと時間が経ってきて、
自分が3つの大陸で生きてきたんだっていう話をちょっと振り返るシーンがあるんですけれども、
なんかこれ誰の人生にも当てはまるようなことが書いてあるんですよ、最後。
ちょっとこう、なんか自分の人生を認めたくなるような文章が書いてあるんで、
本当ここはラストが本当にいいなって。
ラスト本当に感動的でしたね。本当に勇気与えてくれましたし、
なんかね、この小説の中ではそんな大きなドラマって書かれていないんですけど、
でもラストにこれだけインパクトのある文章を書くというか、
最後これだけのインパクトになって、なんかその読んでて感じれるっていうのが、
やっぱりラフィさん、すごいなと思いましたね。
いや、本当このすごいですねって言いたい。
いやーこれ、この話読んだ後にちょっとね、すごいですねって言いたくなる。
そうそうそう。
この言葉がね、本当にいい役割を持ってて、いい小説だなと思いましたね。
最初はね、すごいですねって強制的に言わされてたんですけど、
最後はね、なんかそういう感情ではなくなった。
まぁちょっとこんな感じにしたいんですけど、3度目で最後の大陸、
ちょっと名産に読んでいただいて、自分はちょっと話せて嬉しかったですね。
本当に最後のところはね、なんか結構泣きそうになりましたね。
あーね。自分最初話しましたけど、結構定電の夜に行って、
この一番最初の定電の夜に行って話、ものすごく印象に残るんですけど、
結構私この最後の、一番最後の作品めっちゃ印象に残ったんですよね。
だから、きっとぜひ皆さんにも読んで、この感覚を味わってもらいたいなと思うので、
結構ここは推す作品でございます。
なんか短編集でね、結構苦味があるとかそういう話をしてきたんですけど、
この最後の作品がやっぱり必要なのかなと思いましたね。
この本当に勇気を与えてくれる作品を最後にやってくるっていうところがね、
なんかこの短編集の締めくくりにすごくいいなと思いました。
そうなんですよね。読んでると、ちょっとまたああいう話が来るのかなって。
好きだからいいんですけど、ちょっと思ってた時にこういうのが来るから、
それで余計に染みるっていう。
じゃあ今回はちょっとこんなところに最後、いつも通りですね。
どんな人に読んでもらいたいか、交えてちょっと感想をお伝えしたいと思います。
じゃあ私の方から。
もうこれ結構折に触れて今行ってきたんで、繰り返しになっちゃうんですけど、
この作品読んで思ったのは、もうこの作者、短編を作るのが上手すぎる。
もう本当無駄がない。これがデビュー作としては本当信じられない。
もうレベルが高いなと思いました。
ピューリッツ雑誌を取るだけは本当にあるなと思ったので、
本当読んで間違いない作品ではないかなと思っています。
本当に驚くほど読みやすいので、誰にでもお勧めできる作品ですね。
久しぶりに読んでみて、定伝の夜にのロマンチックな雰囲気からの
ラストに向けての楽さっていうのが本当に良くて、
本当に小説でこういうところがあるから、面白いなって思うことができる作品です。
さっきも話した最後の話が本当にいいので、全部味わってもらいながら、
最後の作品を読んでもらえたら、
この作品集の良さが味わえるんじゃないかなと思うので、
ぜひお手に取っていただけたらなと思います。
そうですね。僕も紹介した3つとも余韻の残る作品でしたし、
あと描写が丁寧なので、その分読むのに時間はかかったんですけど、
慣れたら読みやすかったです。
最後の作品を除いては苦味のある作品が多くて、
それだけ現実が厳しいものであるっていうのを、
もしかするとラヒュリさんは見てきたのではないかなと思ったりしました。
でも最後の作品は勇気を与えてくれて、
そういう素晴らしいことも人生にはあるっていうのを教えてくれたような気もしましたし、
すごく一つの短編集として、やっぱり本当にハイレベルでめちゃめちゃすごいなと思いました。
小説は全体的に落ち着いたトーンで書かれているので、
静かなこの秋の夜とかに読むのにはいいかもしれないなと思いました。
ありがとうございます。
じゃあ、そのところで今日は停電の夜にお届けしました。
次回は小川一水の《時綱の王》です。
村上春樹以外では久しぶりの日本人作家ですね。