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思いがけない展開を見せる物語に身を委ねれば、思いがけない場所に到達できる。四季四部作で知られる現代英語圏を代表する作家、アリ・スミスのユーモアと不思議に満ちた短篇集、五月その他の短篇をゲストとともに紹介します。
どうも皆さんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするポッドキャストです。
パーソナリティは私、ダイチとミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、アリ・スミスの五月その他の短篇です。岸本幸子さん役で川出処防審者より、2023年3月に発売された本です。
今回はゲストの方をお呼びしております。ゲストはヨルさんということに来ていただいています。ヨルさんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい、初めましてヨルと申します。SNSやYouTubeで本の紹介をしたりしています。
ただの本好きの凡人なんですけど、今日はどうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ヨルさんはですね、今回はですね、私とヨルさんがインスタ等でやり取りをしていて、お互いの番組にゲスト出演しましょうという形になって実現した形になっております。
個人的にはヨルさんは海外文学以外も読まれてますけれども、我々が取り扱うような作品を読まれてるなという印象があって、その辺ちょっと親和性を感じていたので、今回ありがたい話をいただけたなと思っております。
で、今回のアリ・スミス五月その他の短篇なんですけれども、こちらはちょっとヨルさんからのですね、リクエストで実現しております。
で、ちょっと我々もですね、ヨルさん側のチャンネルにもゲスト出演しますので、ぜひぜひ皆さんそちらもチェックしていただければなと思います。
配信のタイミングなんかは決まり次第何かしらで通知いたしますのでよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今回はですね、アリ・スミスなんですが、私はもう読もうと思って買ってはいた一冊なんですけど、なんかですね勝手に四期四部作っていうのがアリ・スミス多分有名で、それも積んでるんですけど、なんか結構正当派なイメージがあったんですけど、
今回読んでみてですね、結構展開が予想もつかないところに飛んでいく作品ばかりで、不思議な短篇集でした。
なんか割と誰もが抱く感情みたいな足掛かりしながら、でもなんかもう登場人物の行動とかちょっと突飛すぎるし、展開もすごいし、理解不能な部分もあるんですけども、その割と自分の中にもある感情とリンクする部分があって、なんかすごい不思議な小説だなと思いました。
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個人的にはですね、こういう小説すごく好きなので、ちょっとアリ・スミスのイメージ全然思ってたのと違ったんですけど、むしろめっちゃ好きだなと思った今回の短篇集です。
僕もですね、アリ・スミスは秋がつんどくになっていて、いつか読みたいなと思っていたんですけども、ずっとつんどくに来てですね、今回初めて読めて本当に良かったなと思っています。
今回は岸本幸子さんが翻訳されているんですけども、岸本幸子さんって結構その変わった話とかですね、なんか面白おかしい話とかを訳すのがすごい相性が良いと個人的に思っていて、今回のアリ・スミスの短篇集も本当に岸本幸子さんとすごい相性良いなって思いながら読んでました。
翻訳小説なんですけども、日本語で読んでも違和感がないというか、すごくナチュラルにですね、作品が読めたような印象がありましたね。
大地さんも言ってましたけど、本当に展開が予想つかないというようなのはそうで、出てくる人は結構普通の人ですね。
特殊な何か職業だとかそういうのよりかは至って普通の人が出てくるんですけど、ただ何から何までが普通ではないというような、そんな話が多かったのですごく面白かったです。
あと言ってなきゃですね、斜め読みはできない小説でした。本当に一行先が読めないので、もし斜め読みしてしまうと一体何の話だったのかというのがですね、もう分からなくなるような。
でも面白いという、そんな小説でしたね。
私も今、三枝さんが言った斜め読みできないっていうのは改めてちょっと今気づきましたね。
それとあと岸本さんとの相性バッチリっていうのも、私あんまり岸本さんの翻訳したのを多くは読んでないんですけど、
改めて岸本さんのこういうトリッキーなちょっとトッピーな設定の作品が好きなんだなっていうのが改めて感じました、これを読んで。
で、私の第一印象は、いい意味で問題短編集っていう感じで、アリス・ミスの自由な文体がすごく効いていて、私はすごい面白いなと思いながら読んだんですけど、
短編集っていうことで、なんか勝手に読みやすいかなと想像していたんですね。
それをちょっとこういい意味で裏切られた感があって、本当にこう個性的で自由な文体が炸裂しているので、
アリス・ミスを所読の人は最初どういう印象を受けたんだろうって正直なところ思ってしまいました。
っていうのも、私はアリス・ミスの四部作を独立しているんですけど、
私の動画を見てくださっている方とか、独立ツイートを見てくださっている方は、結構読もうとしてくれている方が多かった一方で、
挫折しましたとか、諦めました、難しかったですっていう方が結構多くいらっしゃって、
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単純にその作風の文体の好みとかっていうのもあると思うんですけど、面白さがわかる前に読むのを諦めてしまっている気がしていて、
なんかもったいないなと思っていたので、今回空飛猫さんたちとこのアリス・ミスの作品を語ることで、
この作品の面白さや素晴らしさを少しでも多くの人に伝えられるといいなと思っています。
ありがとうございます。そういうところを配慮して選択していただいたわけですね。
でも単純に好みで。
なるほどね。
夜さんはアリス・ミスの四部作、秋、冬、春、夏ですね。
はい。
読まれているとお聞きしたので、そこの長編なんですよね。長編というか大長編ですよね。
そうです。
この短編集の印象の違いとかもしいただけたらありがたいです。
季節四部作は長編でシリーズものなんですけど、観光順が秋、冬、春、夏で全部で4作品あります。
これはEU離脱の国民投票の結果に衝撃を受けたアリス・ミスが猛烈な勢いで仕上げた作品として結構有名な作品だと思うんですけど、
独創的な文体とメッセージ性のある作品で大変面白くて、私はこの作品が海外文学初読みだったこともあって、
逆に海外文学にハマるきっかけになった作品だったんですけど、海外文学一冊目にしては結構ハードルが実は高くて、
そうですよね。四部作ですよね。
最初からとても面白くて世界観にハマって一気に独了したんですっていうわけではなくて、
本当にわからなすぎてコテンパンに打ちのめされた感があって、諦めようかどうしようか迷ったんですけど、
その時になぜかわからなくてもいいからとにかく最後まで読み切ろうと思って、
読み切ったら後からじわじわと面白さがわかってきていいという感じだったんですね。
そんな私なりにアリスミスを読むときに一番大事ななと思っているところがあって、
それは独創的な文体を楽しみながら読むっていうことが結構大事なのかなと思っています。
それは季節四部作でも結構話が飛んだり、登場人物がいっぱい出てきたり、
ユリダツとかイギリスの政治問題とかいろんなところに話が飛ぶので、
そこで一回躊躇してしまったり、踏みとどまって考えたりしてしまうと、
逆に面白さを反映してしまうような気がしていて、
一見細切れに見える物語でも、実はコラージュのようにつながっているっていうのが季節四部作の特徴なんですけど、
読み切らないと本当の意味での面白さはわからないような作品なのかなと私はちょっと感じています。
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なるほど。ありがとうございます。
この感じなんですね。長編でどんな感じなんだろうなと思ったけど、
この短編のこの、まあ短編が故に詰まっている部分ってのはすごいあると思うんですけど、
そっか、この感じで長い作品があるんだっていうのはちょっと気になりますね。
すごく四季矢武作について詳しく聞いてみたいですけど、
詳しく知りたい方は夜さんのYouTubeを見てもらって、
ちょっとね、どんな話かっていうのを知っていただくのが多いかなと思いますので。
多分あれですね、YouTubeでこのアリスミスの四季矢武作について語っているのって、
夜さんしかいないですよね、日本語では。
そうなんですね。
僕ちょっと調べた限りだと夜さんしか見つからなかったので、
調べてくださったんです。
四部作について語っているのは。
でもあの、ちゃんとうまく説明しきれてないので、
今回ちゃんとアリスミスの作品についてみんなで話せたらいいかなと思ってます。
ちょっとアリスミスちゃんと話すのめっちゃ難しいですよね。
難しい。
短編集なんて本当に思いました。
短編集ってちょっと救われてるよね。
そうですね。
じゃあアリスミスいきましょうか。
ではですね、ちょっとアリスミスについて簡単に説明したいなと思います。
これもですね、ちょっと本からの引用になるんですけども、
1962年スコットランド生まれになりまして、
それまではですね、もう現代の英語圏を代表する作家の一人として知られている方になります。
四部作が最も知られているんですけども、
短編の名詞としても知られていると。
あとはそうですね、
両方になる、日本で翻訳された長編小説でそちらも知られていますし、
本当にいろいろな文学賞を取っている方というので、
8年ですかね、のアンケート、
これはタイムズということでイギリスあってですかね、アメリカかな。
現在最も優れたイギリスとアイルランドの小説家で一位に選ばれているという、
本当に現代の一番最先端な作家さんであるということですね。
あとですね、これは役者、後書きに書かれていたんですけども、
アリスミスは代表作、長編で知られているんですけども、
短編の名詞ということでもあって、
インタビューで過去に答えていたのがですね、
その短編について語っていてちょっと面白いところがあったので、
ここも引用したいと思うんですけども、
短編という形式は完璧に開かれている。
終わりは決して終わりではなく、常に何かの途中であり始まりである。
短編は長編小説のようには時間の流れをたどらない。
全く別種の旅なの。
で中略があって、時間や時代に紐づけされていない分、
短編は長編よりもずっと自由が利く。
と答えていてですね、
今回の短編誌もそうなんですけども、
著者の方がもう自由が利くって言ってる通りなんですけども、
すごいですね、本当に自由だなって感じる短編を書かれてます。
っていうのがアリスヴィスさんですよね。
著者が思っている以上に私たちは結構自由だなと感じますよね。
そうですね。
こんな自由なのありなのって思うようなね。
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そんな話ばっかりだったので。
いわゆるマジックリアリズムみたいなのとかたまに読むんですけど、
それと全く違う。
突拍子の無さみたいなのがあるから。
今回もちょっと後で触れると思うんですけど、
木に恋するとかもそうだし、
後は登場人物の性別が、
女性だと思われるけども女性かどうかはっきりわからない。
はっきり書かないとかですね。
どれもこれも本当に斬新だなって思いましたね。
そんなところですが、本編いきますか。
まずちょっと私の方からあらすじを。
あらすじと言っても短編集なんで、
こういう話が入っている程度の感じなんですけども、
ちょっと読ませていただきたいと思います。
近所の木に恋する私。
バグパイプの虐待につきまどわれる老女。
おとぎ話風の語りの反復から立ち上がる予想外の奇談。
現代英語圏を代表する作家のユーモアと不思議に満ちた傑作短編集となっております。
これだけだと何も伝わらないと思うので、
これからこういう魅力があるよというところと、
あと今日はそれぞれ1本ずつ紹介しようと決めているので、
3本紹介しますので、ぜひ聞いていただければなと思います。
じゃあまずですね、作品の魅力入っていきたいと思います。
このアリスミスの5月、その他の短編集の魅力はですね、
まずですね、ちょっと前段でだいぶ出てきていますけれども、
展開がまず何を置いても上げられるんじゃないかなと思います。
なんていうか全くですね、普通の小説にはないような展開の仕方をするので、
読んでいると衝撃度が高すぎて、ちょっとまず面食らうと思いますね。
で、それなのに当たり前のようにどんどん話は進んでいくし、
そしてまた飛んでいくっていう、表題作になっている5月という作品があるんですけど、
これ、歩いていたら木を見て、その木に恋をしてしまうっていうちょっと不思議な話なんですけれども、
木に恋をして、その木が生えている庭の持ち主に対して逆情をしたりするんですね。
もうちょっとここの辺りの展開とかですね、もうとんでもなくてですね、
これ何なんだみたいな感じになるんですけど、
でもこのはちゃめちゃな世界観はですね、ちょっと他では絶対味わえないものなので、
ここは理解が追いつかない瞬間っていうのは必ずあると思うんですけれども、
でもそれでもなんか面白いっていうのは、このアリス・ミスの魅力かなと思います。
で、なんか斜め読みできないのって本当こういう部分かなと思ってまして、
それまでの話は何だったのかっていうぐらいいきなりも違う話に飛んでいたりとかですね、
ちょっと思っても見ない方向に話が進んでいったりとか、
いや僕もこの短編集はそういう意味ではすごい面白いなって思って読んでましたね。
当たり前の概念を覆されるっていうか、木に恋をするっていうのも、
なんかこれが人だったら別に普通なことで、
それがたまたま木だったからっていう話をこの5月で書いていると思うんですけど、
木だったから恋しちゃいけないのかって言ったらそうでもないし、
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なんかそういうところがすごくアリス・ミスの自由で、すごくメッセージ性のある作風だなとすごい感じますね。
この今のところとつながるんですけど、
基本的にはですね、この作品集ですね、結構その感情を描いてるなって私は思ってまして、
展開が結構ぶっ飛んでいるのに読み進めることができるのは、
話の起点になっているのが結構感情の部分が大きくて、
一瞬ですね、理解できないなと思いながら読んでるんですけども、
気づくとですね、あれなんかこれちょっと自分の中にもある感情に似てるかもみたいな感じになってきて、
なんかじゃないけど、あれ、これもしかして理解できるのかみたいな、
なんかそういう気持ちにさせられてしまってですね、ちょっと目が離せなくなるんですよね。
で、もうグイグイ読んでしまって、まんまとアリス・ミスの世界観にハマっちゃうっていうところがありまして、
これ、例えばさっきのこの5月の木に恋をするところなんですけども、
木のことしか考えられなくなっていて、結果逆上するというか、
木の庭の持ち主に対してですね、ちょっと攻撃的なことをしてしまうんですけども、
いや、読んでると、いや、こんなんなんでやるのみたいな気持ちになるんですけど、
でもなんかその起点となっているところのその恋心というか、っていうのはなんかわかっちゃうので、
なんかそれで、こっちもなんか取り憑かれたように読んでしまうところがあって、
この辺の作り方がすごい、この展開とその感情の描き方みたいなのはすごい上手いなと思いましたね。
すごい感情が起伏というよりか、本当スイッチが急に切り替わるみたいな感じの人物が多いなというのは思いました。
なんか拒絶してると思いきや、次の瞬間には愛してるとかですね。
木の場合もそうですね、なんか木に恋してって話と思ったら、
もう今度は木のね、その所有者に怒りが込み上げてくるとかですね。
この辺が面白いなっていう。
確かに意味不明なところあると思うんですけども、全部が全部そうとは思えないというか、
逆にそういう感情がちょっとその論理的ではないのかもしれないなと思うんですけど、
ある意味人間らしいなとは思いましたね。
本当本能のままその木に恋した人は動いてるような感じをしますよね、やっぱりね。
フローリングを剥がした時は、私ちょっと衝撃。
フローリング剥がしちゃったよと思って。
植えるためにフローリングを剥がすんですけど、
相手の人もなんかそれに対して受け入れてる姿勢がすごくいいなと思ってて、
なんか別れる的な話なのかなと思ったら、そうじゃなくて、
なんかその最後の終わり方もすごい良かったし、
なんかその木に恋する、木に恋した時の私の思いみたいな文章が結構バーって書かれているんですけど、
その文章もすごく私は美しいなと思って読んでいて、
多分結構そういう風に思ってる人も結構いると思うんですけど、
なんで結構ね、面白いですよね、本当に。
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これね、5月はあれですよね、木に恋してしまう、
これも女性からは違うんだけど、
一回視点から始まって、もう一回視点が変わるんですけど、
それが一緒に同棲しているカップルの相手なんですよね、
の視点になって、
同棲相手が、夫婦なのか同棲相手なのかちょっと分からないけど、
木に恋してフローリングを剥がし出すっていうのを見て、
その受け入れるっていうのは本当にすごいですよね。
すごいですよね。
結構そこは感動しましたね。
僕、アリセンスが一番好きなの。
そういうとこかなって自分では思ってまして、
確かに本当に突拍子もない出来事とか展開になるんですけど、
登場人物がやっぱり誰か知らない人と繋がっていて、
突拍子もない出来事があった時に、
人との繋がり、その人とその先どうなるのかっていう、
そこの反応がすごいなんか、
どの作品も感動することが、感動というか、
すごい心に残りましたね。
そこが僕、すごいアリスミスの好きなところでしたね。
いいよね。
で、ちょっとその話とも絡むんですが、
最後にちょっとですね、
このアリスミスの魅力だなと思っているところは、
この視点の切り替えですね。
それとあとその文章の運び。
三重さんが今言った通りですね、
一文先がマジ分かんないんですよ。
急に変な展開を見せるから、
読んでると、あれ、なんで急にみたいな展開になるんですけど、
でもそこがなんか上手くて、
さっき話した通りちょっと視点がですね、
切り替わる話が多くて、
最初見てた人と付き合っている側の人とかに切り替わったりとかして、
急に違う視点からの語りになって、
そのおかげでですね、おそらく短いながら深みのある作品が生まれていて、
もうそれだけで読んでしまいますし、
我々やっぱり読み手をですね、開きさせないポイントだなと思いました。
これはすごいと思いました。
僕も一人称で書かれてるんですけども、
基本私とあなたですね、
パートナーがいる時とかは、
私目線の一人称の時と、
パートナーに切り替わって、
パートナーが私とあなたっていう、
2人いたら2人とも私とあなたっていうので、
話を進めていくんですけども、
ちょっと基本のこともどっちがどっちか分からなくて、
しっかり読めば正しく物語を理解できると思うんですけども、
もしこれしっかり読めなくて、
あやふやなままその物語を受け取ったとしても、
それはそれですごい魅力的に読めるような、
そんな作りだなと思って、
これはすごい、なんていうか、
こういうのを書けるって、
なかなか他では感じたことがなかったので、
ここもちょっと自分の中ではかなり斬新なところでしたね。
そうですよね。
あえて女性男性とかしてないっていうのが、
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アリスミスの意図なのかもしれないなって思いましたね。
そういう決めつけ、
5月の中でも、
あなたが私に、
木の種類を聞いて、
私が逆上するっていう場面があるんですけど、
それも、
例えば人だったら、
性別とか人種とか国籍とか、
そういうのになるわけじゃないですか。
性別とか、
だから、そういう決めつけで、
見てほしくないみたいな、
物語を読んでほしくないみたいな、
いろんな可能性を考えて、
読んでほしいみたいな、
メッセージ線もあるのかなって、
勝手に思いましたね。
確かに。
確かにこの短編集を読んでると、
そういう決めつけとかされるのが、
一番嫌なタイプの人物ばかり、
出てきてると思うので、
そうですよね。
ちょっとこれから、
一人一作品ずつ紹介していきたいと思います。
じゃあまず三枝さんがいきますか。
僕が印象に残った作品を、
紹介したいと思うんですけども、
天国という作品ですね。
これはですね、
今回の短編集の中ではちょっと長めのもの、
40ページぐらいかな、
になると思います。
舞台はですね、
イギリスといえば、
ネッシーがいるネスコが、
観光地として、
知られているみたいで、
その観光地に住んでいる、
3姉妹が、
登場人物になるんですけども、
そこの町は、
そういう観光名所でもある一方で、
教会があって、
その墓地とかにはですね、
古くからある天使像とかが、
あるんですけども、
そういう天使像とかが、
ただ壊されていたりしてですね、
ちょっと驚しいところもあるというような、
そんな中で、
そんな町に住む、
3姉妹の長女、
次女、三女の順番で、
語られていくんですけども、
まず長女がですね、
町のバーガーショップに勤めている人で、
深夜シフトの責任者をしていると。
その長女が、
どんな話を迎えるかというと、
ある夜にお店にいると、
植木鋏を持って、
強盗に来た3人組がいて、
その強盗を追い返そうとしたら、
実はそれが、
高校の同級生だったと。
その高校の同級生たちと、
ちょっと喋ったり、
過去を回想したり、
その長女と高校の同級生だけじゃなくて、
その長女自身が抱えている、
不安というか、
周りへの苛立ちとかですね、
そんなのも語られるという、
これが結構いきなりパンチのある、
面白いされるというのが印象的で、
その次ですね、
次女の話があって、
次女はネスコを回る、
クルーズ船でアルバイトをしている、
女子大学生になります。
もうあと3ヶ月ほどしたら、
大学も卒業したり、
バイトも終わるというタイミングで、
この観光客を乗せる船なんですけど、
観光客がちょっと地上に上がって、
観光地を回っている間、
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数時間ぐらい、
船で待機しないといけないと、
いう時に、
その船に残っていたお客さんと、
ちょっと一問着を起こすというですね、
そんな話で、
面白い次女の話があると。
最後、三女ですね。
三女は12歳の女の子なんですけど、
酔っ払って、
夜中に、
家の外に出て、
墓地に行くと、
墓地の古くからある天使像ですね。
それに銃をどんどん撃っている、
薬虫かもしれない男を見つけると。
女の子が酔っ払っているので、
酔いながら、
その男にしゃべりかけて、
自分も銃を出してほしいと。
その女の子は、
男をスナイパーと呼ぶんですけど、
女の子とスナイパーとのやり取りが、
ちょっと見れるというですね。
何とも言えない、
これもちょっと面白い話で。
街が夜を迎えて、
行くというですね。
そんな短編ですね。
ざっくりしたあらすじは、
そうなんですけども、
細部で面白いところが、
いくつかあって、
例えば、
僕がすごい好きだったところ、
2つ紹介したいと思うんですけど、
1つが長女の話の時に、
強盗に襲われて、
襲われたのは会社の同僚ですね。
特に被害を受けたとかじゃないんですけど、
植木鋏で人質みたいに捕らえてしまって。
ショックを受けた。
その同僚を帰らせた。
あと、長女は、
強盗を追い返すことに成功したので、
結構自分は、
表彰してもらえるんじゃないかと。
世間的な評価を得られるんじゃないかというので、
自分の将来とかですね。
あと、自分の仕事の正当化とかですね。
やっぱり、
深夜シフト入っている他のスキリンシーとかも、
めっちゃ適当な人間がいたりして、
それに加えて、
自分がどんだけ正当に仕事をしているかという、
妄想語りをするっていうのが、
なぜか3ページたっぷり語られるというですね。
話の展開と関係ないのに、
自分の妄想で3ページ続くとかね。
面白いですし、
あと、次、
次女の話の時に、
クルーズ船で、
観光客向けのアルバイトをしている人が、
その船に残って、
観光客が地上に上がっている時に、
ちょっと他の観光客の人も、
一部残っている人がいて、
船に水を提供してほしいという依頼が来るんですけど、
それを断ると。
普通に水ぐらいあげたらいいやと思うんですけど、
会社の決まりか何かで、
ダメで。
ただその、
相手が水欲しいという理由が、
他のお客さんでちょっと脱水しちゃって、
脱水症状を起こしている人がいて、
ちょっと水あげないと危険だと、
いうのを、
そういう理由を言われるんですけど、
そこを予想外に、
急にですね、
次女が、
ムカムカって怒りが湧いてきて、
それはやっぱり思うところがあって、
自分の中でね、
そういうちょっとネガティブな感情が、
どんどん湧いてきて、
どんだけピンチな脱水症状で危険な状態の人がいても、
もう本当にね、
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形式的に、
ノーって言って断ってしまうというね。
これもすごい展開だなと思って、
印象的でした。
なんかすごいですよね。
姉妹のエピソード、
それぞれになんかパンチが効いてるから、
面白くて。
個人的につぼったのはあれですね、
強盗に現れたやつがなんだっけ、
葉っぱを吹き飛ばして掃除する、
風を出すやつでさ、
嘘をしようとしてるじゃん。
嘘をしようと。
警備員が駆けつけたときも、
その3人組が、
本当にもう、
どうしようもない園芸用品ばっかり持って、
強盗に来てたから、
園芸屋さんが営業に来ただけですよ、
って言ってね。
あっさり警備員を説得できてしまって。
強盗がまた金が要る理由とかもね、
説明されるんですけど、
すごいしょうもなくて、
浮気がばれて、
奥さんと危機になってから、
奥さんと旅行に行かないと機嫌取れないから、
金が要るとかですね。
あとはなんか、
耳がピタッと、
寝ているって言ったらですね、
耳の形がちょっと変だと、
ちょっと針が出ているって言うのかな。
それで人生が何もかもうまくいかないから、
ちょっとね、退勤払って、
耳の整形手術をしたりとかですね。
そんな理由でね、
強盗に来ている。
ユーモアがあってすごくいいですよね。
普通に金持ちになりたいからとか、
そういうのじゃなくて、
遠慮用品で強盗を行おうとしているとか、
そういうところがユーモアがあって、
面白いなと私も思いました。
このしょうもなさんは、
本当に面白いなって思いましたし、
またね、強盗される、
長女がいるハンバーガーショップですけど、
長女の日頃の鬱憤とかですね、
そういうのもしょうもないなと思いながらね、
読めてもそれが面白いっていう。
結構その、3姉妹みんな、
やっぱり何かしら鬱憤を持っていて、
最後に出てくる少女も、
12歳で学校、小学校かな?
小学校か。
で、やっぱり先生とか、
同級生に思うところがあって、
みんなやっぱりストレスっていうか、
不満を抱えているんですけど、
それはね、
3人ともみんな、
めっちゃ歪んだやり方で、
うさばらしみたいなのをしていくっていう。
うさばらしできているかもわかんないけども、
そんなことをしようとしているっていう。
なんかちょっとこれ、
はちゃめちゃ感があって、
面白かったですね。
面白かったよね。
これでも最初から3人姉妹だと、
わかりました?みなさん。
いや、俺ね、
わかんなかった気がするな。
ですよね。私も、
ちゃんと読まないと、
気づけないとこですよね。
僕も正直2回見読んで、
やっとわかりました。
ですよね。
街の印象から入っていって、
光の描写に、
焦点当てられていくじゃないですか。
光は光にしかできないやり方で、
あたりを徘徊するっていって、
いろんなところにスポットライトが当てられているかのように、
30:00
話が進んでいく感じが、
私はすごいいいなと思ってて、
この3人にも1人ずつ、
光の描写が、
実はついていて、
それも、
1人1人スポットライトが、
当てられている感じで、
最後そして光で、
終わるみたいな。
その終わり方も、
すごい私は好きだなって思っていて、
でも、
1番、3女のジャスミン。
ジャスミンは最初から暗いところにいて、
最後光が来るからって言って、
帰りなさいみたいなことを言われるんですけど、
それぞれの光があって、
ちゃんと読むと、
そこがわかってくるんですけど、
そこが私は、
好きだなと思いました。
ジェマなんかは、
最初光が当たったところにいるのに、
自分でシャッターを閉めたばっかりに、
シャッター閉めたら、
暗い光が当たらないところに、
いることになった、
みたいな感じの描写もあったりして、
本当に、
一行一行追っていくと、
そういう、
アリスミスのユーモアな文章が、
見つかったりして、
面白いなと思いましたね。
全然そこを意識してなかったですね。
そうですね。
最初と最後は光で隠れていますし、
ここを思い出しました。
地上のジェマが、
ドイツ人観光客のことを、
すごい嫌って、
それで水の提供を断るんですけど、
すごいと思ったのが、
ムカムカしてきて、
最後、
ドイツ人観光客のことを振り返ると、
目が綺麗だったと言って、
女性に、
恋心を持つようになって、
もし自分が、
ドイツ人観光客と付き合ったら、
こういうことをしていたんじゃないかなと、
妄想をしていくという、
その展開になるのはすごいなと、
思いましたね。
ジェマって結構、
私の勝手な妄想なんですけど、
自分の得になるようなことじゃないと、
しないようなタイプの人なのかなと、
思っていて、
そういう規律があるから、
水をあげれませんみたいな、
後々面倒になったり、
命を優先して、
水あげちゃうと思うんですけど、
そこができないっていうような人も、
多分世の中にはいて、
そういう人を、
描きたかったのかなと思っていて、
でも自分が得するような、
付き合えるかもしれないとか、
いいふうに思われるかもしれない、
っていう気持ちが芽生えたときに、
じゃあ行動しようみたいな、
ことを思うタイプの人を、
描きたかったんだろうなと、
私は思ってみてましたね。
キンバリとは結構対照的な、
性格ですよね、そこは。
ジェモンもね、
自分勝手な人間と思うんですけど、
僕はなんかね、
結構好きになりましたね。
正直でいいよね。
そうですよね。
確かに。
あと3人の、
両親のことについても、
33:01
ジャスミンが学校で、
両親はモーターボートに乗って、
水死して死んだっていう、
嘘を言いふらしてるっていうのを、
ジェマが聞いたときに、
それをジェマは、
あんまりこう、
やばいみたいな感じで捉えずに、
逆に、
2人はどういうふうに、
ひっくり返ったかみたいな、
オムレツのようにひっくり返ったのかな、
あるいはパンケーキのように、
ひっくり返ったのかなっていう、
ちょっとこう、楽観的な考えのほうに、
行くんだっていうところが、
そこの描写も面白かったし、
普通そんな妹が、
学校で言いふらしてるってなったら、
まず止めなきゃいけないし、
そんなこと言いふらされたくないって、
思うのが普通だけど、
なんかそこらへんの感覚が、
ちょっと狂ってるところが、
なんか逆に面白いなと思ったし、
そのパンケーキとか、
オムレツのようにひっくり返るっていう、
この表現が、
ユーモアがあって、
いいなと思いました。
両親がひっくり返ったのを、
面白いですよね。
じゃあ、次の作品は、
よるさんのほうからお願いします。
はい。
私は生きていることという作品を選びました。
季節は、
一応4月という形になってます。
あらすじなんですけど、
ものすごく簡単にまとめると、
地下鉄駅構内で、
死者とすれ違った後、
乗っていた電車が、
先の駅で事故があったために、
止まってしまって、
家に帰れなくなる話、
という感じで、
ぎゅっとまとめてしまうと、
こんな感じのあらすじになります。
結構わかりづらいかなと思うので、
整理しながら、
簡単に話していくと、
まずいきなり、
冒頭で死神と出会うんですね。
そこを引用すると、
キングクロスの駅の、
コンコースの人並みをぬって、
あなたと電話しながら歩いていたとき、
危うく向こうからやってきた死神と、
ぶつかりかけたという、
ここから始まるんですけど、
ここが結構インパクトが大きくて、
結構ここから、
作品に引き込まれて、
私は行きました。
私はあなたと電話している最中に、
死神とぶつかりかけて、
その瞬間に、
私の携帯電話が、
死んでしまうんですね。
死んでしまうというのは、
携帯電話の電源が切れてしまう。
電話ができなくなったので、
あなたにかけなおしてという感じで、
物語が進んでいくんですけど、
実は、
私が死神だと思っていた人は、
ただの人で、
それはあなたに、
もう一度よく見てと言われたときに、
改めて見て、
この人ただの人だったと、
気がつくんですけど、
そこの死神だと思ったときの、
最初の印象も、
本当は私は死神だと、
あまり思わなかったと書いていて、
ここも引用すると、
ハンサムで、
頭髪の薄い、ほとんどはじれるように、
36:01
色の淡いスーツを着た、
中年男性で、
うっすらどこかで見たことのあるような、
漠然とクリエイティブ業界っぽい感じに見えた。
全く死神っぽくない、
印象なんですけど、
なぜか私は死神だと思ってしまっていた、
という最初のこの下りなんですね。
そこから、
私は家に帰るために、
電車に乗るんですけど、
ただの人を死神だと勘違いしたことに対して、
これは何か不吉な、
前兆なんじゃないかと、
私は思うわけです。
すると、電車のスピードが遅くなって、
先の駅で、
地震事故が起きました、
というアナウンスが入るんですけど、
ここで私は、
いろんな人の乗客を見たりして、
その間過ごすんですけど、
死んだ人のことを、
少しでも考えなかった自分のことを、
恥じるという場面があるんですね。
私は先ほど電話した、
あなたのことを考えるんですよね。
そこの部分を引用すると、
私がもうじき帰ってくることを、
信じて疑わずに、
家のリミングで待っている、
あなたのことを思うと、
見ず知らずの人々を、
何百人と気にかけるよりも、
その人たちが死ぬことを想像するよりも、
ずっと胸が痛んだ、
というふうに、
引用があるんですけど、
やっぱり、
自分の危険を感じる時って、
身近な人だよなって、
思うんですよね。
またここから、場面が変わって、
私が電車に乗っていて、
あなたが家で、
私の帰りを待っている、
という話だったのが、
今度は逆になります。
電車に乗っていた私が、
家であなたの帰りを待っていて、
家で私を待っているはずだったあなたが、
電車に乗っていた、
という逆の設定になって、
ごめんなさい、駆け足で話したので、
わかりにくかったと思うんですけど、
私的に思ったことがあって、
出だしの死神の下りと、
電車での不穏な雰囲気、
後半の話で、
立場が逆転するという下りが、
やっぱり最初はわからなくて、
何度も読み直したんですけど、
読めば読むほど、
面白い要素が見つかるなと思って、
読みました。
これ、私の癖なんですけど、
これはどういう意味なんだろうって、
勝手に考えてしまう癖があって、
私なりに考えたのが、
あなたと私の立場を置き換えることで、
私に起きていることは、
あなたにも起こり得るということを、
言い表しているんじゃないかなと、
勝手に解釈しながら読みました。
というのは、駅から歩いて帰るのは、
私じゃなくて、
あなただったのかもしれない。
逆に、家で待っているのは、
私の場合もあるよね、
みたいな、
そういう意味が含まれているのかな、
と思いました。
あと、タイトルの
生きるということっていうのは、
生きるということは、
死と隣り合わせであるっていうことが、
この物語からすごくわかるかなと、
39:01
思って読んだんですけど、
死神との出会いもそうですし、
携帯が死んだっていう表現もそうですし、
電車での地震事故も、
地震事故もそうですよね。
この電車での
出来事がすごく印象的に
残っていて、
私を含めた他人が、
死に対して、
鈍感な様子が描かれているなっていうのは、
私の印象でした。
でも、実際はやっぱり、
そうなってしまうのは、
人間なんだよなっていうところも、
さっきも言ったんですけどあって、
身近な人になればなるほど、
死に対しての実感も湧くし、
そういうところが、
リアルに描かれているなと、
思った印象でした。
あと、皮肉を込めた文章っていうのが、
すごく面白いなと思って、
私は読んだんですけど、
41ページのところにあるんですけど、
男の人が電車が止まって、
逆乗するっていうシーンなんですけど、
引用すると、
いつもだ。俺が電車に乗ると、
いつもこうなんだ。
誰も責任を取りやしないんだ。
その人は言った。
何とかしようと思わない。責任不在だ。
誰を責めればいいんだ。
誰もだっていう。
ここが、アリスミスの世の中に対する、
皮肉を込めた文章かなと、
怒りとか、
叫びでもあるなって思っていて、
一見、場を明けまえない、
ちょっとヤバい人が、
理不尽な怒りをぶつけているだけの、
文章にも見えるんですけど、
誰もこれを何とかしようと思わない。
責任不在だっていうところは、
自殺してしまう人がいるっていう、
世の中に対しての、
アリスミスの、
モノモース的な、
そういう文章なのかなって思いました。
モノモース的な文章って、
他にもあって、
さっきの天国、
ミエさんが紹介された、
天国の一文でもあるんですけど、
キンバリーが、
深夜アルバイトの責任者になるのは、
前例がなくて、テストケースだ。
でも、ある人は、
上野本部まで行ったけど、
自分は女性だから、
そこには行けないだろう、
行くことは無理だろう、みたいな、
そういうような一文とか、
一見結構、それだけ見ると、
重い出来事なんですけど、
アリスミスの小説に、
折り混ぜてそういうことが書かれていることによって、
面白く、
そういうことも知ることができるし、
アリスミスのモノモース的な、
そういう文章がかっこいいなと、
私は思って、
読みました。
かっこいいけど、結構いろんな様子が詰まっていたなと、
ちょっと思っていて、
結構読んでて、
後半の方とか、
すごい歩くじゃないですか、
電車が止まっちゃったから、
そこのシーンとか、すごい好きで、
こういうことあるな、みたいな、
死神から始まるから、
結構突拍子もなかったんだけど、
深夜のコンビニじゃなくて、スーパーみたいなところで、
入って買い物する、
電話するとこか、
だけど、お金無いから、
何も買えないとか、
42:01
そういうのとかも結構いろいろ、
何にリンクするかわからないんだけど、
すごく印象に残る、
部分だったんですよね。
誰でも経験するようなことでは、やっぱりありますよね。
自分のそういう記憶と、
リンクするみたいな。
もう一つ言うと、
死んじゃったっていう、
携帯電話の表現があるじゃないですか、
これが最初の、
本当の冒頭の、
死神とぶつかって、
電話が死んだっていう、
時の死んだよりも、
一番最後の、
46ページの、
電車の中に携帯を忘れてきちゃって、
今スーパーで電話してるっていう時の、
どうせ死んじゃったし、
って言ったっていう、
自分って同じ携帯のことを言ってるんですけど、
全く違う印象を受けるというか、
この間に、
電車での人身事故があったりとか、
死に対しての、
いろいろ考えたりすることが
入る中で、
最後のこの死んじゃったっていうところが、
私的にハッとなって、
これってもしかして、
あなたが死んじゃってる可能性が、
もしかしたらあったよねみたいな、
誰でもその、
自殺するの、
その人は、
その人が悪いとか、
そういうのじゃないっていう風に言ってる一文もあるし、
誰にでも怒り得るっていう、
あなたと私の立場を逆にするっていうことで、
そういうメッセージ性を、
言ってるんであれば、
もしかしたら、
あなたも、
みたいなことをちょっと思ったりもしました。
考えすぎなところは、
あるのかもしれないんですけど。
タイトルとも絡むかもしれないしね。
生きるということというね。
でもこの死んじゃったっていうのね。
うん。
自面で見るのと、
自分が言うのでは全然違いますよね。
自分も携帯死んじゃってさ、
とかって言うじゃないですか。
っていうのより、
文章でどうせ死んじゃったし、
っていう風に見るのとでは、
その前に、
メガネも携帯も何もかも、
っていう風にね、
一文が入ってどうせ死んじゃったし、
ってなってるんですけど、
そこを自面で見るのとではまた違うな、
って思ったりとか、
いろいろ考えさせられる作品だったな、
と思いました。
タイトルの生きるということっていうのは、
やっぱり、
そういう死を意識して、
勝手な解釈なんですけどね。
うん。
いずれ死ぬっていう。
うんうん。
あと、
そんなシリアスな展開の中にも、
ユーモアに笑えるような一文もあったりして、
例えば、
35ページの電車の中で、
隣の人が風邪をひいてて、
それを聞いている私がいるんですけど、
今電車、
うんうん、風邪ひいちゃって、
風邪、
風邪の次の下にゲボって、
せき込んだ様子も書かれていて、
もしもし、
コボ、もしもし、
っていうふうにカッコで、
せき込んだゲボっていうのも書いてるっていうのも、
45:01
ちょっとクスッと笑えるし、
あと、
トンネルに電車が入って、
回線が途切れるっていうシーンがあるんですけど、
そこで、
みんな、
電車の車両で、
あちこち通話中の人だったりが、
周り中で迷子か、
目の見えない人のように、
心おもなげな、
もしもしが上がった、
誰にも届かない、
迷子のもしもしたちは、
自分の宛先ではない、
人々の上を通りして、
ふわふわ宙を舞っていたが、
っていうふうに書いてある描写があるんですけど、
そういうのも、
ただ電波が途切れたっていうのじゃなくて、
迷子のもしもしっていう、
それを、
描写するっていう、
そこが、
シリアスな展開にも読める物語であるんですけど、
そういう面白いクスッと笑える描写が入っているのは、
アリス・ミスの、
すごい面白いところだなって、
改めて思います。
この辺、面白いですよね。
僕も、
次のページで、
すごい好きな文章が一つあって、
死神と出会ったことで、
自分の意識が、
ちょっと変わる瞬間があって、
そこに気づいた時の、
描写なんですけど、
その時、ぼんやりと窓の外を見ていた私の頭に、
唐突に、ちょうど誰かが、
頭上で生卵をナイフで割って、
カラカラ流れ出た、
冷たい中身が脳天から背中に、
滑り落ちていくように、
ヒヤリとした気づきが訪れたっていうですね。
この描写が、
気持ち悪さもありつつ、
なんかめっちゃ面白くて、
つい付箋を貼ってしまいましたね。
面白いですよね、本当に。
これは引っかかるよね。
俺もここ印象に残ったな。
でも確かにそういう感覚、
あるなって思うけど、
生卵をそうやって、
脳天からっていうのは、
思わない。
想像できなかったけど、
今はそういう感じ。
いやいや、これもちょっとね、
遊び心かもしれないですけど。
そうですよね。
天国と生きるということで、
割と骨太だなって思った、
作品の後にですね、
私最後に紹介したいのは、
これ一番最後に入っている作品ですね。
始まりに戻るという作品が入ってまして、
これが一番最後なんですけど、
個人的にはですね、短編集って、
私一番最後の作品が、
大体好きになることが多くて、
今回も例外なく、
いいやつ来たと思って、
ちょっと紹介したくなっちゃったんですけど、
この作品はですね、
12個の中で短めの方の作品になっています。
一言で言うとですね、
メンヘラカップルのやりとりかなみたいな、
作品なんですけど、
おそらくある女性同士のカップル、
ちょっと明記されてないんで、
男性同士かもしれないですけど、
異性同士はなさそうな感じはするなっていう、
カップルが一緒に住んでいます。
1点である私はですね、
一緒に住んでる相手から、
水漏れ雨が降る寒い日にですね、
家から追い出されてしまいます。
中に入れてくれないんですね。
48:01
家を出たので、まさか鍵をかけられて、
追い出されると思ってなかったので、
薄切れてしまい、凍えるという状況になってきます。
途中でですね、
鍵を持っていることに気づき、
開けようとするが、
同時に相手にも気づかれ、チェーンをかけられてしまい、
結局中には入れないと。
この主人公の私はですね、
その鍵をですね、玄関のところに、
郵便入れという、
日本の家ではあまりないんですけど、
郵便入れという、入れると、
郵便物が玄関のところに落ちていく、
そこからですね、
鍵を中に入れて、去っていきます。
で、場面は変わりですね、
今度は2人がベッドの中で、
話すシーンになります。
ベッドの中でですね、片方が、
帰ってこなかった日のことを話しているので、
一瞬ですね、これ、水漏れの雨の、
寒い日の続きなのかなと思うんですが、
読み進めているうちにですね、
ちょっと違うことに、読み手は気づいてきます。
帰ってこなかったというのは、鉄道で、
意図せず離れ離れになってしまった日のことを話していて、
2人はですね、
ベッドの中で穏やかに仲良く、
過去のことを語り合っていました。
で、場面がまたその水漏れの時に戻り、
視点は今度はですね、
家の中で追い出してしまった側の女性なのか、
段差が分からないですけど、に変わります。
で、さーって行った相手を、
家の窓から探すがいません。
バスタブが傷んでいることに気づいて、
イエローページで業者を探そうとするんですが、
そのイエローページが見つからないんですね。
これはですね、さっき追い出した、
一緒に住んでいた相手が、
自分に見つけることができない場所に隠したと思って、腹を立て始めます。
そして、外に出てですね、
その相手に文句を言いに行きます。
外に出るとですね、その家の小屋の中にですね、
庭に小屋があって、
そこにさっき追い出した相手がですね、
ブランケットに車って本を読んでいました。
自分がですね、このイエローページのことで、
問い詰めるんですけれども、
何も反応してくれないし、
もう何かないものとして扱われ始めます。
イエローページのことを問い詰めている最中にですね、
イエローページ、車の中に置いてあるということをですね、
急に思い出して、
決まりが悪くなりながら、
どうしようかなと思っていると、
あとふとですね、なぜか、
自分も追い出されたことにしようと思い始めます。
家から追い出されたことにしようと思い始めて、
それをですね、相手に伝えようとします。
で、鍵もですね、
郵便入れから玄関に入れて、
自分も中に入れなくすると。
そして、この相手にですね、助けを求め、
一緒に家に突入しないかと、
そういう話をしようとします。
また、始めに戻ることができるのではないかと、
思うというところですね。
で、そういう行動に移る決意をしたところで、
話は終わるという。
結構ですね、これだけざっくり話したんですけど、
これだけ見ても結構ぶっ飛んでいる話で、
この12本、この前の11本ですね、
読んできて、
だいぶこんなぶっ飛んだ展開になりきってしまっていて、
わけわかんねえなって思っているんだけれども、
でもなんかすごく、
この状況っていうのはですね、
自然に受け止められる素地が読んでいると、
もう生まれていて、
なんかすごくラストにいい1本だったなと、
ちょっと思いましたね。
これも話だけ聞くと、
なんかすごいしょうもないじゃないですか。
それはね、なんか最後やたら感動しましたね。
この漢字は一体何なのかって思いましたね、本当。
これ文章がうまいんだよね、きっとね。
展開だけ追うともう、
51:01
やばい話だから。
本当にしょうもないことばっかり起きるんですけど。
私これ思ったのが、
この短編集の中で、
私とあなたで語られている作品と、
名前で語られている作品があるじゃないですか。
その、私とあなたで語られている作品の、
登場人物って全部一緒なのかなって思って、
なるほど、あり得るな。
っていうのも、
このベッドの中での回想シーンあるじゃないですか、
ここで191ページの、
覚えているっていうところから始まるところが、
前に、
あなたが一晩中帰ってこなかったことがあったよね、
と私は言う。
どこにいるかまでは、
いるかまるっきりわからなくて、
っていう風になってるんですけど、
確か春だったよねって書いてあって、
でも、どこにいるかわからなかったってことは、
ないんですけど、
生きているということでは、
電車の中っていうことであるんですけど、
なんかもしかしてこれって、
そのことも言ってるのかなとか、
なんかこの、
その隣の、
それを言うとさ、とあなたが言う。
去年の夏にあなたが恋して、
それが自分以外の相手だったことを思い出したっていうのは、
5月ってギリギリ夏って言えば夏かなとか、
夏っていうか、
勝手に思ったりもしました。
確かにね。
だとするとなんかこの、
最後のちわげんかが納得いくというか、
こんな最後に、
お互い振り回って。
追い出して、
かぎしめて、
なんかふふみたいなこと言ってるけど、
それってどういう状況?って思って、
なんか最初やっぱり、
理解できなかったのが、
この物語に入っている私とあなたの、
作品を読んでいくと、
もしかしてこれって同じ人物で、
そういうこともあったりしたよね、
みたいなこともあるしとか、
なんか、
どういう意図かはそれは作者にしかわからないし、
勝手なあれなんですけど、
なんかそういうふうにも捉えられるなと思いました。
信じてほしいっていう端辺も、
あなたと私だけど、
これもなんか2人で住んでる話ですもんね。
うん、そうですよね。
確かにそう読んでくるともう、
これしか考えられなくなってくる。
ごめんなさい、私が。
でも鋭いですね。
いやいやいや。
このヨルさんの話聞いて、
もし同じ人たちだったら、
なんかちょっと見方変わるなって思いましたね。
やっぱり本当に、
一個一個切り取ると、
本当にしょうもない話ばっかりだし、
私とあなたって、
どっちもどっちっていうかですね、
なんかちょっと残念な人たちが多いなっていう感じなんですけど、
いやでも、
これだけぴったりくる2人組って、
なかなかいないんじゃないかなと。
実はこの2人って、
ものすごい、
愛し合うこともあれば、
すごく愛し合うこともあるっていう、
この振り幅がすごい大きいんですけど、
この2人が一緒にいられるっていうのは、
実はとんでもなく、
これはすごい幸福なことなんじゃないかって、
54:01
思えてきてですね。
どうしても短編集なんで、
一個一個って見てしまいがちだし、
やっぱりそういう作品、
本当に単独の作品が多いんですけど、
実はつながってるんじゃないかな、
とかって思ったりして読むと、
また世界観が広がるし、
さらに面白さが膨らみますよね。
じゃあこれはもう一回また、
2月から。
初めに戻って2月に戻って。
2月に戻って。
初めに戻って2月からまた読んでくれっていう、
メッセージなんですかね。
ではですね、最後ですね、
感想をどんな人に読んでもらいたいか、
お話しして終わりたいと思います。
じゃあまず私から。
今回のこのアリスミスの短編集なんですけれども、
本当にちょっと驚愕の展開すぎて、
なかなか衝撃度が高かった、
作品だなと思いました。
今年読んだベスト5には入ってきそうだな、
と思ってまして、
結構いろんな本読んできたんですけれども、
どの小説の持ち味とも全く違うですね。
ちょっとぶっ飛んだ作家で、
でもこんなに読ませてくれるみたいなのは、
なかなか本当にすごい作家だったな、
と思います。
個人的には最終的な着地点としてはですね、
どの作品も感情のバランスみたいなのが良くて、
自分の中に必ず何か引っかかってくるものが
あったなと思ってます。
これはちょっとやっぱり短編だからなのか、
というのはちょっとですね、
今回ヨルさんからも四季四部作の話がありましたけれども、
やっぱりちょっとこれを読んで、
確かめなければいけないなと思ったので、
今、積読している四季四部作に
手を出そうかなと思っております。
僕もすごい衝撃を受けました。
この短編集も、
読書界とかですね、
そういうのに向いているのかなと思いました。
やっぱり一回読んでも、
なかなか理解が追いつかないところとか、
ちゃんと読めてないところがあったと思うんですけども、
やっぱりじっくりまた
読みたいなと思いました。
やっぱり、
この物語で語られているところは、
人生うまくいかないとかですね、
思った通りにならないとか、
そういう話が多いのかなと思うんですけど、
ただ、何かその、
読んでいくとすごくちょっとこっちの心、
あの、
揺さぶるですね、
なんかそういうちょっと出来事であったり、
登場人物のその感情の変化とかですね、
意識の変化とかあって、
なんかもしかすると、
これ本は落ち込んでいる時とか
うまくいかない時、
寄り添ってくれるような、
そういう短編集じゃないかなともちょっと思いました。
まあでもすごく面白かったです。
じゃあ、洋さんお願いします。
はい。えっと私も大した言ったみたいに、
今年ベスト5には入ってくるかなと、
個人的に思っている作品でした。
で、
読書界であったら、
絶対面白いんじゃないかなと私も思いました。
いろんな人の意見とか、
そういうのも聞きながら、
作品を深めていけるような、
短編集なんじゃないかなと私も思います。
で、やっぱり
アリスミスの独創的で流れるような
文体を感じたい人とか、
この文体に触れたい人、
あとストーリー展開に振り回されたい人、
など、
57:01
そういう人にはすごく
おすすめな作品なので、
ぜひそういうのが好きだよという方や、
岸本幸子さんの
編約した作品が好きだよっていう方は、
ぴったりなんじゃないかなと思うので、
ぜひ読んでいただきたいなと思います。
そしてお二人にもぜひ、
4部作、
いただけたらなと思ってます。
そうですね。
そうですね。
秋になったら、
そうですね。
やってみましょうか。
来年の夏に。
そうですね。
一年かけて。
よろさん、今回ありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
すげえ楽しかったです。
こちらこそです。やっぱり、
普段一人で喋っているので、
こうやってお二人と喋るっていうのがすごく新鮮で、
いろんな意見が聞けて楽しかったです。
ありがとうございました。
こちらこそです。
ちょっと名残惜しいですが、
次回お送りして終わりたいと思います。
次回はですね、
クララリボンモノの受け入れ庭という作品を
ご紹介いたします。
お楽しみに。
番組の最後になりますが、
メルマガ会員を募集しております。
メルマガはですね、
無料版、有料版とございまして、
詳しいことは番組概要欄に記載しておりますので、
ご確認ください。
ツイッターやインスタのDMや投稿などでお待ちしております。
お便りもですね、ホームから受け付けておりますので、
番組情報欄ご確認ください。
この番組気に入っていただけたら、
積極的に拡散募集していけると助かります。
また、今お聞きいただいている
各種ポッドキャスト、
スポティファイ、
アップルポッドキャスト、
Amazonミュージック等で聞かれていると思うんですけれども、
ぜひお気に入り登録していただけると大変嬉しいです。
ではまた来週。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。