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2025-03-10 44:45

第187回 人間と人間ならざるものの分断と共存『派遣者たち』 キム・チョヨプ著

spotify

文学ラジオ第187回の紹介本

『派遣者たち』キム・チョヨプ著、カン・バンファ訳、早川書房 2024

https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0005210375/

 

パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください!

 

【今回の内容】

ラジオで恒例のキム・チョヨプ作品/K-BOOKフェスティバル2024の来日対談を現地見学/カシワイさんの表紙/今回はアニメ化を期待したい内容/著者の作品で一番読みやすい/後半から思考を揺さぶられる哲学的要素/人間と非人間の分断/著者紹介&作品紹介/地下で暮らす人間と地上ではびこるカビや菌のような氾濫体/クールでかっこいい主人公の師匠/派遣者試験などエンタメ性高い/ネタバレなしでストーリー紹介/人間の自意識が問われる/穏やかな氾濫体の生き方/グロテスクな外見を受け入れられるか/自我をも持つから苦しくなる仏教の考え方/次回予告

 

▼参考情報

K-BOOKフェスティバル2024  イベントレポ:チョン・セラン×キム・チョヨプ初対談!「小説を書く時の足し算引き算」

https://k-bookfes.com/information/event9/

 

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版元サイトより

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11月、K-BOOKフェスティバルで著者来日! 韓国ベストセラーSF作家の長篇大作

 

地下都市に暮らすテリンは、もはや人が住めなくなった地上へ行くことを切望していた。師匠のイゼフが地上の素晴らしい夕焼けの美しさや夜空を横切る星の輝きを教えたから。だがテリンは地上へ行ける“派遣者”になるための試験の直前、不思議な幻聴を体験する。

 

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サマリー

キム・チョヨプの『派遣者たち』は、地下都市に住む主人公テリンが地上に出るための試験に挑む物語です。作品は、生命を支配する氾濫体との人間の共存について考察します。文学ラジオ『空飛猫たち』では、本作の哲学的なテーマとエンターテインメント性について詳しく語られます。このエピソードでは、テリンと彼女の師匠イゼフとの関係が重要な要素として描かれ、人間と氾濫体の共存や分断について深く掘り下げられます。『派遣者たち』は、個々の自我と全体的な存在についての考察を通じて、人間と反乱体との関係における哲学的な問いを探求する小説です。また、物語では人間の生き方や感覚が反乱体によっていかに揺さぶられるかが描かれています。このエピソードは、人間と人間でない存在の分断と共存についての議論を展開します。

派遣者の資格試験
人間が生きることができなくなった地上に憧れ、地下都市で暮らす主人公テリンは、唯一地上に生きる派遣者の資格試験に挑む。
地上を支配する氾濫体と呼ばれる生命の正体は、人間と人間ならざるものは共に生きて生きるのか。
韓国ベストセラーSF作家、キム・チョヨプの長編対策、『派遣者たち』を紹介します。
どうも皆さんこんにちは。文学ラジオ空飛猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするポッドキャストです。
パーソナリティは私、ダイチとミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には作り、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、キム・チョヨプの『派遣者たち』です。
カム・バンファさん役で、早川書房から2024年に出版された本になります。
はい、来ましたねキム・チョヨプ。 そうですね、もうちょっと恒例になってますよね。キム・チョヨプさんの新刊が出ると紹介するという。
11月、2020年11月に出てるから、ちょっと3ヶ月ぐらい寝かしましたね。
ちょっと楽しみにしていた、列冊でいつ読もうかなと思っているところですが、今回読めてよかったなというところと、あとキム・チョヨプといえばですね、ちょっと時期としてはずれちゃうんですけど、昨年の、これも11月になったんだっけ?
そうです、11月ですね。本が発売されてすぐ、このタイミングで。
ケイブックフェスティバルでですね、神保町のあれは出版会館かな?で行われたケイブックフェスティバルでキム・チョヨプさん来日されていて登壇されてましたね。
この時目玉としてはチョン・セランさんとキム・チョヨプさんの初対談ということですね。タイトルが小説を書くときの多種な引き算という非常に魅力的な対談で、これ私と三枝さん現地で聞かせていただきましたが、人すごかったよね。
そうです。もう後から来た人はもう座れなくて、部屋の中でも立って、すごい人がね、やっぱり来てましたし、僕と大地さん結構早い時間から並んでたんですけど、それでもちょっと整理権漏れるのかどうか、
もうちょっと怪しいぐらいかなり、もう人がすごい並んでて、それだけやっぱり人が集まるんだっていうので、すごい広い会場ですけど、それに本当に人がすごい満員になって、イベントレポートが公開されていてですね、このケイブックフェスティバルのサイトで、
このイベントレポートの最後の方に集合写真があるんですけど、すごい人がワーッと。 後ろまでびっしり。 そうですね。僕と大地さんがですね、実は顔がちょろっと写っている。 ちょろっと写ってる。そうだね。で、他の回も非常に人が入っていた印象で、ケイブックフェスティバル盛り上がってるなって思っていたんですけれども、
ちょっとキムチヨプさんとチョンセナンさんの対談はちょっと別格でしたね。 ちょっとびっくりしましたね。おおって思いました。こんな入るんだっていう。 そうですね。その前の年は、ちなみにキムチヨプさんが小川さとしさんと対談していて、2年連続で来日されて、このケイブックフェスティバルで登壇されていたんですけども、やっぱすごいキムチヨプさんの人気、プラスチョンセナンさんも人気でっていうので、もう人がすごいなって思いましたね。
ケイブックっていうか、韓国文学盛り上がってるなっていうのを感じましたね、改めて。 そうですよね。この対談がどのくらいかな。1時間半くらいのお二人のトークイベントなんですけど、実はYouTubeで公開されていまして、ケイブックフェスティバルのイベントレポートのページでYouTubeの案内もありますので、概要欄に貼ってますので、
ぜひですね、小説を書く時の足し算引き算っていうすごい面白いテーマで話されているので、こちらも無料でYouTubeでも見れますので、気になる方見ていただけたらなと思いますね。 ふとっ腹ですよね。
人間と非人間の共存
僕もその対談聞いていて、面白いなと思ったのが、小説を書く時の世界観は何に重点を置くかという質問があって、それに対してキムチオプさんが、科学が先に来て社会的なものが後に来るというですね。
もともとキムチオプさんが科学専攻されていた方なんで、そこの視点から入って、その後社会的なものが来るというので、なるほどなとちょっと思ったと。そんな印象的なところがありましたね。
確かに小説の構造もちょっとこれに近いよね。科学的な話から入って、社会的なとか、ちょっと哲学とか人間とかみたいな、社会問題に触れそうな話とか。
そういう印象が広がっていくよね、確かに。 今回の派遣者たちも、読むと結構やはり社会性であったり、哲学的な要素がすごく強くてですね。
そっちが先かなと思いきや、でも確かにやっぱり後書き、最後のキムチオプさんの後書きとか読むと、やっぱり先に科学的な方ですね、そっちがまずあって、その後も物語が作られていったというので。
確かに対談で言われていたとおり、そっちの科学的な方が先になるんだなというので、知れたのもなんか面白いなと思いましたね。
そうですね。で、今回またキムチオプさんの本といえばイラストは柏井さんが担当しておりまして、これ日本のイラストレーターの方で、漫画とかも書いていらっしゃる方なんですけれども、非常に印象的なイラストを毎回書いてくれて。
今回もですね、読み終わってこの表紙を見ると、なるほどこういうモチーフがこういうふうにっていうことで、納得感のあるこの話を思い出せるような表紙になっているなと思います。
で、私ですね、このK-BOOKフェスティバルの時に、この対談の1時間ぐらい前の時間だったかなに、キムチオプさんファンミーティングっていうですね、30人ぐらいしか入れないイベントがちょっと開催されていまして、会議室で。
で、それにちょっとこれ俺入れんのかなと思いながら、一応ちょっと試しに並んでみるかと思って試しに並んだら、結構ね10何番とかで普通に入れて、キムチオプさんのファンミーティングということで、ちょうど派遣者たちが出たばっかりだったのもあるんですけど、自由に質問に答えてくれるっていう時間がですね、1時間ぐらい、本当貴重だった。
で、そこでですね、私はですね、2つ質問したんですけど、1つが実は柏井さんに関する質問させてもらって、毎回キムチオプさんの作品が日本に翻訳される時に教師のイラストは柏井さんが担当されてますが、そのことについてどう思いますかと、どういう印象を持たれてますかっていう質問をさせていただきました。
そしたらですね、その質問自体にすごく喜んでいただきまして、柏井さんのことめちゃめちゃ好きらしくて、インスタでDMを送ったぐらい嬉しくて、自分の表紙をやってくれたことに対して、それぐらい感激してますっていう、ちょっと回答が出てきて、韓国で自分の本が出るときはやっぱりイラストを選ぶことができるらしい、表紙を選ぶことができるらしいんですよ。
いくつかデザイン案もらって、これでお願いしますみたいな話ができるみたいなんですけど、やっぱり日本だともうお任せきり、翻訳だともうその国の編集というか出版社にお任せきりになってしまうので、もうそこに関しては少し関与できないけれども、毎回この柏井さんがやってくれていることにはすごく喜んでいるということもおっしゃってましたね。
なるほど。確かにすごい作品と絵がマッチしてますよね。 マッチしてるよね。今回ちょっとこのままズルズル印象の話に入っていきたいんですけれども、今回の派遣者たちは自分は読んでみて、これほんとなんか2時間ぐらいのアニメ映画にしてほしいような。
分かりますね。 ちょっと柏井さんみたいな絵だと非常にイメージしやすいんだけれども、なかなかそういうの難しいと思うんですが、なんかアニメ映画向きだなって思いましたね。
この起承転結というか展開の仕方も含めて。一人でも話すと思うけど、この主人公の頭の中で声が響くんですけど、それとかもアニメで表現しやすいなってちょっと思ったので、非常にアニメ映画にしてほしい作品だなと思いましたね。
いや僕もですね、キム・チョープさんの作品、今まで読んできた中で一番エンタメ色強く感じてですね、ほんとアニメとかに確かに向いてるなと思いましたね。
今回派遣者っていうのになるための資格試験っていうのがあるんですけど、それとか結構その生き残りが、生きるか死ぬかの試験とかもあったりしてですね、すごいなんかちょっとアニメとか漫画向きな内容だなって思いましたね。
ハラハラドキドキするし、物語の展開もかなりダイナミックな部分もあるので、そのあたりもアニメ向きというかね、だなって思いましたね。
そうですね、それ意味ではキム・チョープさん作品で個人的には今までで一番読みやすいなって思いましたね。
あーなるほど、そっかそっか。確かになー、なんというかあんまり違和感がないというかなんだろうね。
前作の長編の地球の果ての音質というか、ちょっと展開が急だったりとか、ちょっとついていけない、読みやすさっていう意味では、文体は全然優しいんだけど。
あのなんていうか、ちょっと構造が深いっていうんですかね、ちょっと重層的なところがあってですね、その分深みがあって面白いんですけど。
ちょっとそこの触れ幅というかね、あの頭の中整理しなきゃいけない感じはあったけど、今回はもうストレートにね、まあ過去の話とかも出てくるけど、そんなになんかストレスなく入ってくる話でしたね。
そうですよね、まあでもとはいえっていう部分ですよね。
なるほど、そうだね。
とはいえ、エンタメ小説かなと思って読んでいたらですね、やっぱりさすがキム・チョープさんで終盤の方ですね、
からはやっぱりこの小説としての性質がちょっと変わってきたなっていうのをすごい感じてですね、それまでやっぱりストーリー性もすごく強くて、エンタメ小説もあって面白く読んでいけたんですけど、
すごい哲学的なテーマですね、この人間と非人間との共存の話とかですね、こっちの読んでいる側の思考を揺さぶるような小説になってきてですね、
僕実はキム・チョープさん作品で一番読みやすいと思ってたんですけど、やっぱり終盤のところに関してはかなり読むのに時間がかかってですね、
すごいやっぱりこれはもう相当な読み応えがある小説だなって、ちょっと最後まで読むとですね、小説の見方が変わってしまうぐらいのものがありまして。
そうですね、なんかテーマがどんどん深くなっていく感じはしましたね。元から多分このテーマでっていうのは一貫してあると思うんですけど、そのテーマがよりどんどん考えさせられるファクターが増えていくっていうか、それはちょっとやっぱり非常にうまい作りだなと思いましたね。
そうですね、この後話していくと思いますけど、すごく今のよく分断社会とかですね、言われていることあると思いますけど、人と人の間にも何か分断されているものがあると、それをよりも際立った形で人間と非人間という形でですね、その分断というものを書いたりとかしていて、
すごく作品として面白かったんですけど、やっぱり後々考えさせられるものが残って、読んでみるとやっぱりキムチヨープさん作品だったなってすごく、その印象が強かったですね。
じゃあちょっと盛り上がりすぎて、このままだと盛り上がっていってしまって本編なかなか入れないので、まずちょっとキムチヨープさん著者紹介したいと思います。1993年に生まれています。
母班工科大学科学科を卒業し、同大学院で性科学修士号を取得。在学中に2017年館内紛失で、韓国科学文学省中短編部門にて大賞を受賞してデビューですね。
その後ですね、数々の作品を出していて、短編集に私たちが光の話で進めないならこの世界からは出てくけれど、長編に地球の果ての温室で塔があります。
今ちょっと紹介した本はすべて以前、我々のポッドキャストで紹介しています。
で、本国ではもうちょっといろいろ出てるんですけれども、翻訳されているのは今回紹介する派遣者たちですべてとなっております。
そんなキムチヨープさんですが、具体的に入っていきましょうか。まずですね、刃元のホームページの紹介ちょっと読み上げたいと思います。
地下都市に暮らすテリンは、もはや人が住めなくなった地上へ行くことを絶望していた。
師匠のイゼフが、地上の素晴らしい夕焼けの美しさや、夜空を横切る星の輝きを教えたから。
だがテリンは、地上へ行ける派遣者になるための試験の直前、不思議な現状を体験する。というのがですね、あらすじですね。
ではここからですね、作品の特徴に移っていきたいと思います。今、刃元の紹介で地下都市に暮らすテリンはというので、人間が地下都市に生んでいて、
ちょっと地上では住めないという事情があるんですけども、この作品の特徴のまず一つ目が、その人間と非人間の共存を描くという点でして、
人間が地下でしか暮らせなくなってしまったというのが、非人間ですね、この氾濫帯と呼ばれる菌というのが、地上にはびこっていて、
その氾濫帯も、なんていうんですかね、それも一つの生命体で、人間は人間としていて、人間にとっては氾濫帯というのはすごい脅威になっていて、
人間と非人間の共存
敵のように思っているんですけども、氾濫帯は氾濫帯で、そっちの生存というんですかね。
その人間と非人間の共存を描くと、この氾濫帯というのも、なんていうんですかね、じゃあまるっきり人間と違うものかというと、
作品を読んでいくとですね、だんだんこの人間と非人間との、とその間っていうのが一体、なんていうんですかね、もう分からなくなってくるようなですね。
確かにね、そうですね そうですね、人間って一体何なのかみたいな話にもなってしまうかもしれないんですけども、
共存ですね、そこが一つ大きな、この人間が自分たち人間と思っているものとそれ以外のものとの共存についてすごく描かれているというところですね。
そうですよね、でこのまず氾濫帯っていうのが一体何なんだっていう話は結構気になるところだと思うんですけども、
これ今言った通りカビとか菌っぽいものなんですけど、これに触れたりとかこれに汚染されたものを口にしたりとかすると、
体の中に入ってきて、それが体に根を張って、なんというか氾濫帯になってしまうんですね、その体とかが。
これ人間だけじゃなくて動物、虫なんでもそうですね、生命体はなんでも同じような状態で、人間にこの氾濫帯が入ってくると、まず脳が壊されちゃうというかやられてしまうので自我がなくなる、
人間の思考というものがなくなっていくことになりますと、なのでこれがはびこっている地球、地上でですね、生活するともう人間としていられなくなった状態で、
氾濫帯だらけなので。
あの生活ができないとか生きていけないという状態ですね、で地下に逃げているという感じになりますと。
そうですね、今の聞くとちょっとゾンビっぽいイメージが湧くと思って、
これも難しいところで、何も知らないで見るとゾンビに見えちゃうんですけど、でも事情が分かってくると一概にゾンビとも言えなくて、
氾濫帯という一つの生命体というんですかね、そっち側の世界もあるっていうですね、そのような設定というか話というか。
そう、人間が向こうからすると自分たちの種なのか、種っていう概念もあるのかちょっとあれだけど、自分たちの生存のために取り付くというわけですよね。
何となくちょっとこれ人間と非人間ってとこで言うと、AIとかもちょっと似てるかなと思っていて、今後体の中に機械化みたいなのが進んでいったりとかすると、
AIがサポートで体の動きをしてくれたりとかした時に、SFでありがちかもしれないですけど、AIに体が乗っ取られるみたいな、そんなイメージもちょっとあったりしますね。
いや、それちょっと思いましたね、読んでて。
思うよね、ちょっとね。
やっぱり人間以上にちょっと合理的なところとか。
そうそう、合理性なんだよな。
あったりしますし。ではですね、ちょっと作品の特徴の2つ目というところで、これは主人公テリンとその師匠イゼフの関係ですね。
というところが大きな特徴かなと思っています。主人公テリンと師匠イゼフ、どちらも女性なんですけども、特にこのイゼフという人物がこの作品の中ですごく重要で、
派遣者という組織になるんですけど、そこの上層部にいる人で、遣者資格試験というのもあったりするんですけど、
そういったエリート集団みたいな組織のその資格試験のも統括をしていたりですね。
人物像としてはすごくクールでかっこいい女性で、厳しさもあるんですけど、この主人公テリンには優しさも見せていてというので、
すごく本当に憧れの女性というので、テリンもですね、すごくこのイゼフのことを憧れているという。
一方でイゼフもこの主人公テリンをすごく大事に思っていて、二人の過去というのもあったりするんですけど、その二人の関係ですね。
これがなかなかその師匠と弟子の関係というより、もうちょっと人と人との結びつきがすごく強いものがあるような、そのような関係性で、
その小説を読んでいる中で、そこのところの描かれ方というのもですね、読んでいてすごくこの二人はどうなるのかなというですね、
そこも気になるような、そんなところがあって、すごく特徴的だなと思ってますね。
そうですね、イゼフとテリンの関係はこの小説ではかなりキーンになってくるんですけど、場面場面でちょっと印象が変わってくる二人の関係でもあるし、
まあでも王博は前半ではあんまりちょっと出てこないから、ちょっとあれなんですけど、イゼフとしては結構テリンの娘に近い形で思っている部分はあるんじゃないかなって思いますね。
テリンは親という距離感というよりはやっぱり憧れの存在かなという状態で、やっぱりそのテリンはイゼフを目指して派遣者になっていくっていうところなので、
そこもこのテリンのね、このキャラクターをすごく作っている部分ではあるので、重要な部分ですね。
派遣者資格試験の試練
そうですね、このイゼフという人は本当にすごいかっこいい女性で、アニメ化とかもしたら多分一番人気が出るだろうと思われる。
特徴の3つ目最後がテンポよく読ませるエンタメ性というところがこの小説あってですね、
かなりでもそうですね、展開、ストーリー、そこがどんどん読んでいけるますし、本当単純に面白さっていうのがありますよね。
そうですね、展開に関しては今回かなり練られているような印象はありまして、ちょっと冒頭でも話したけど、地球の果ての音質では重層的なっていうところもあるけれども、
ラストの展開がややなんだろうな、ちょっと言い方考えずに言うと都合が良すぎる部分がちょっとあったかなってちょっと思った部分もあります。
フィクションだしストーリーが盛り上がっていって、そうなっていくっていうのは爽快感もあるし、そのエンタメとか物語としてはすごく面白かったんだけれども、
ちょっと引っかかりながらちょっと読んだ部分は、実はちょっとありましたと。でも派遣者たちはかなりその辺が、その辺りを感じることなく、ちょっとキムチョープの長編2作目だったので、
実はちょっと危惧しながら読んでいた部分はあるんですけれども、そういうものもなく非常に展開がですね、面白くて、個人的には後半の展開なんかすごく面白いので、
予想がつかなくなってくる部分とかも少しあったりして、かなり次の展開が気になる書き方をされているので、ここは本当エンタメ小説としてかなり面白いなと思いましたね。
そうですね。前半、中盤、終盤とそれぞれに違った面白さを待ち合わせている小説かなと思っていて、今からストーリー紹介をしていくんですけども、ネタバレなしで話はしていくんですけども、
やはりエンタメ色の強い物語ではあるので、ちょっとストーリーを気になって、どういう内容か知りたくないなという方はですね、ここでストップすることを推奨しています。またネタバレしないんですけど、重要な要素ですね、作品の中にある。
それをストーリーを話した後、ちょっと感想の話というところで話していこうと思っているので、そこも気になる方はそこは聞かずにというのもしていただけたらと思います。ではストーリーですね、紹介していきます。まず舞台は地下都市ラブバワーというですね、地上の地下にある都市になります。
地上ではですね、先ほどからの話で、氾濫帯という菌、カビみたいなものに地上は汚染されていて、人類は地下で住むことをもよぎなくされているという、そのような環境になっています。
人間が氾濫帯に触れたりして影響を受けてしまうと、桜症と呼ばれる症状が発症して、自我が失われて、地下にいるんですけど、地上に出ようとしてしまって、強引に体が動いて壁にぶつかったりとか、そういうので最終的には死に至るというですね、自我が失われるような、
そんな状態になってしまうと。そんな地下都市で唯一地上に出ることが許されているのが、氾濫帯の調査研究を行う派遣者と呼ばれる人たちになります。派遣者たちは氾濫帯を駆除して、地上の奪還を目指すというですね、そんなに取り組んでいる組織になるんですけど、
この主人公テリンという女性が、まさにですね、難関試験である派遣者資格試験を受けようとしているですね。そんなところですね、がこの小説の始まりの設定のところになります。もうちょっと設定を言うとですね、テリンは今は育ての父であるジャスワンと姉妹のような存在のソノと3人で暮らしているんですけど、
かつて派遣者であるイゼフに育てられていました。イゼフから訓練を受けて、さらに地上の美しさ、地上の素晴らしい夕焼けとか、海の美しさとか、夜空に輝く星とかですね、そういったのをイゼフから聞いていて、いつかその、テリンはそれで地上に憧れを持っていると。いつか地上に出て、そういった美しい景色見たいと。
テリンはイゼフにも憧れているので、イゼフと2人でそういった光景を見たいというので、イゼフを追って派遣者になるということをテリンは夢見ていました。派遣者資格試験が間近に迫っている状況なんですけど、ただですね、このテリンがそんな状況なのに、その頃、幻聴に悩まされることになります。
何年も前のラジオの放送が聞こえてきたりとかですね、突然頭の中で声が聞こえてくることがありました。ちょっとここで説明を入れたいんですけども、この作品の中でニューロブリックという単語が出てくるんですけど、ニューロブリックですね。
これは作品の中では脳への記憶補助ツールとして呼ばれるものになるんですけども、この作品の中では7歳前後で脳への記憶補助ツールであるニューロブリックを接続する手術を受けるというのが一般的だったんですけど、テリンはですね、ちょっと過去にいろいろあって、12歳の時にその手術を受けることになるんですけど、
ニューロブリックの適用に失敗したということがあって、その現状が聞こえてきたというのはその手術の、ニューロブリックの手術の故意性ではないかと疑われます。ちょっとこの作品の中でニューロブリックというですね、聞き慣れない単語がよく出てくるんですけど、そういうものだと脳への記憶補助ツールでこの世界の人は7歳前後でそういう手術を受けるのが一般的だというですね、ちょっとそういうものと思ってもらえたらと思います。
テリンはですね、ニューロブリックの手術の故意性かもしれないと疑いつつですね、この現状の声ですね、頭の中から声が聞こえてくるんですけど、その声の主にソウルという名前をつけてコミュニケーションを取ろうとすると、頭の中で会話をしたりですね、そういうのを試みたりしていきます。
その中はですね、派遣者資格試験が始まって、試験全部で3つあるんですけど、1つは筆記試験、まあ派遣者とは何ぞやみたいなですね、まあそういった筆記試験から第2次試験が生存試験ですね。立ち入り禁止のエリア、廃校みたいなところに入って80時間耐えるか出口を見つけて脱出すれば合格というですね。
ただ、過去に受験生が死亡したケースも多くある、すごい生きるか死ぬかの試験というので、それにクリアしたら最後第3部、第3試験が地上でのサンプル収集試験といって、地上に出てですね、木もあった区間を移動していって観測ポイントで指定のサンプルを収集するというですね、内容で。
まあ氾濫帯だらけの地上にいかに影響を受けずに耐えれるかというですね、この体勢をチェックされたりとか、あと危険なその高難度のポイントに接近してサンプルを取ったりするので、そういう情報を得られるかどうかというですね、腕っていうんですかね。
そこが試される、評価されるという試験で、この派遣者資格試験のゲーム性っていうんですかね。そこを非常に読んでいて面白いところで。
一応、テリンも最後まで残って、その最後の第3次試験ですね。数十人の受験生と最終試験に挑んでいくんですけど、ただ試験の最後の方である大事件が起きてしまうというですね、というところが第一部になります。
第一部になって、まだまだ前半なんですけども、ちょっとネタバレ控えてこの辺りにしておこうかなと思います。一応、ここから説明するのがなかなか難しくてですね。
一応、第2部以降も話がたくさんあってですね、派遣者になったテリンがベテランの派遣者とたちとチームを組んで、地上で調査を任されるんですけど、
そこでですね、この反乱体に関してのある秘密を知ることになっていったり、あと物語が過去に遡って、イゼフとテリンとの出会いというか、その2人の関係の秘密ですね。
そこでテリンの秘密も明らかになってくるんですけど、そうした過去と現在の話が繋がってきて、この反乱体という存在ですね。
と一体何なのかとか、人類にとって反乱体とは本当に敵なのかとか、テリンの頭の中の声ですね、このソウルの正体は何なのかとか、
あとテリンはイゼフとともに地上に出て美しい景色を見ることができるのかどうかとかですね、そういったところが第2部以降、第3部とかですね、いろんな展開があるんですけど、
この本で描かれていくことになります。ざっと前半中心ですけど、話をしてきまして、でもあれですね、前半は結構派遣者資格試験とか、ちょっとエンタメ性のある話があって、
本当に面白く読んでいけるところかなと思うんですけど、結構読み終わったところでは、やっぱりあれですかね、強制というところが一つ。
ちょっと徐々に深い話になっていくので。
反乱体との交流
僕全然ストーリーの中では語っていなかったんですけど、人間と非人間というところの強制っていうんですかね、そこがすごく問われてくるような、この小説で。
そうですね、要はこの反乱体というものが何なのかっていうのが徐々に明らかになっていって、
テリン自体ね、この反乱体と交流するという言い方はあれだけど、意思をちょっと交換するというか、考え方をちょっと交換する場面があったりして、
そこでは、そうか反乱体はこういう感覚で生きていて、人間はこういう感覚で生きているみたいなのが明確に分かってくるシーンがあって、
あれですよね、要は反乱体というのは本当全体地の存在で、個々の感覚、個々の意思っていうのはあまり関係がなくて、
なので人間が個々の意思とか自我を持っていることに対して、まず最初に理解がないわけですね。
なので反乱体が体に入っていったら脳まで壊してしまったりする、壊してしまうというか脳まで根を張ってしまうわけですね。
それによって脳がやられてしまうので神経がやられてしまうので、機能しなくなって自我を失ってしまうわけなんですけれども、
それに対して反乱体は悪気がないというか、別に人間から大切なものを奪っているという感覚はないし、
生命体としてまだ生きているので、悪いことをしている感覚はないんですよね。
ただ人間からするとそれは肉体としては生きていたとしても、自我がなくなった時点で死だと。
テリンの考えからではそういうわけですけども、その感覚が反乱体には伝わらないっていう。
ただ人間がそういう感覚を持っているんだってことは分かってくれるっていうフェーズまでいくんですけど、っていうのがあって。
ここで言うとあれなんだよね、反乱体からするとそれにこだわる理由は何だというところで、
そうなるとテリンもこだわるのは当たり前じゃんって思っていたけれども揺さぶられてくるっていうところが結構、
正直言うと一番哲学的というか、人間とは何かっていうところに入っていく最初の部分ではありますね。
全体値の存在
僕は読んでいると反乱体として全体値みたいなのができるので、すごく穏やかな生き方。
そうですね、そうだと思う。
そうですね、そこに入れば楽になれるというか、全体の一部としていられるっていう安心感というか。
特に山あり谷ありみたいなことは起きないであろう。
そうですね、戦争とかないでしょうね。
ないです。もっと穏やかに穏やかな生命として生きるみたいなんですね。
一方でこの自我を人間が持つっていうところで、そうですよね、確かにそれって一体何のためにとか必要なのかとかって考え出すと何なんだろうって。
もう小説の中にもね、人間側のセリフでも印象的な、結構ラストの方なんですけど、自分が自分だけで成り立っているっていう幻想を捨てること、可能性は無限だよっていうセリフがある人物の口から語られるんですけど。
確かにこの反乱体の存在とかを知ると、なかなかこう、もちろん一つの個体というか、で、成り立っている感じは全くしないっていうのが大前提になっているんですけど、
人間ももちろん当たり前のように一人じゃいけられないので、共存するために社会を作って生きているなっていうのは分かるんですけど、この差分がね、ちょっと難しいよね。
そうですね。 どう捉えるか。どう考えるか。 そうですね。でもそれ難しくしている要素が、この反乱体のその全体値の中に自分の一部として自分が入ったときに、じゃあ自分がゼロになるかというとそういうわけではないんですよね。
ああ、そうだね。なんか不思議だよね。 そうですね。なんかその、自分が100のうち1あるとすれば、その全体値の100の中に入ったら、ちゃんとその1は生き残ってるというか、
まあその含まれている状態。だけど自我は一応ないのかな。なんかそんな。
ただなんかどうなんだ、なんか意見はあるよね。なんかすごく不思議になるんだよな。その反乱体の中でも、なんか複数の声がバババッと波のように広がるんですけど。
そうですね。そういう意味ではですね、自分だけのなんか固執はないけども、なんか全員同じ部屋に入ってるみたいなイメージなのかな。ちょっとこの感覚が何ともちょっと掴みづらいんですけども。
うん。そうだ固執しておらず、こう思うんだけどどうぐらいの感じで、なんかちょっと波打つぐらいのイメージか。
自分の存在っていうのはそう、中にはあるっていう。
そうだよね。意思決定的にはどうなっていくんだろうな。なんかちょっと難しい。でも合理的になんか、その中であれなのかな。
そうですね。たぶん。
一番合理性の高い判断をしていく感じができたね。
そうですね。集合地っていうので。
そうだよね。
全て決まっていくのかなという気がしますけどね。
そうですよね。確かに。
そうで、この作品の中でもやっぱり人それぞれなんですよね。なんかその、じゃあ自分はどういう存在として生きていきたいかっていうところはやっぱり人によって意見が分かれるところで、結構読んでる側もですね、これはかなり揺さぶられるところはあるなって思いましたね。
うんうんうん。
自分だったらどうなんだろうって。
そうだよね。この矯正。なんかてりん側からすると、人間側からすると結構自我に固執してしまうわけですけども、そこにこだわる理由って何なんだろうみたいになってきちゃうよね。本当に。
もう一個、そうですね。難しい問題があると思っていてですね、この反乱体っていうのが人間から見るとグロテスクなんですね。
ああ、そうですね。
今の話で、理屈ではですね、全体地として生きるっていうのも穏やかな生き方っていうので、ありやなあっていうのは思うところはあるんですけど、ただグロテスクでして結構。
うんうんうん。
キムチオフさん作品の中で今回一番気持ち悪いなと思ってですね。
なるほど。
そうですね。自分だったらっていう時に、人間でないものでも、見た目とかってもしかして大事なのかもってちょっと思うところがあって。
ああ。
なんかその理屈ではわかるところはあるんですけど、本能的にですね、じゃあ自分が何でしょうね、人間側か反乱体側かどっちか選ぶってなった時に、やっぱ今のこの人間の常識を持ってる自分からすると、ちょっと反乱体側気持ち悪いなっていうところがやっぱりどうしてもあってですね。
そうですよね。だって体の中にカビが生えてるような感覚だよね。
そうですね。
まあ、表面にも多分出てくるんだけどこれ。体中がカビ生えててって感じなもんね。
そうですね。これがもうちょっとなんて言うんですかね、機械チックなものとかですね、なんかその全体像みたいなものが、だからなんかすごく美しいものとかだったらですね、これ選ぶ側も人間じゃなくてもいいかなとかですね。
うんうんうん。
なんか選ぶ人増えそうだなって気はしたんですが、さすがキムチオプさん、そんな安易に綺麗なものではなくて、あえてもうちょっとグロテスクなものを提示してくるっていうところで。
確かにね。
ちょっと全体値に関してはおそらくSFでよく描かれがちな概念でもある、考え方でもあると思うんですけど、それを確かに金っていう形で持ってくるっていうのはなかなかちょっとグロテスクですよね。
そうですね。
あと最近全然ちょっと違う本で、100分で名調NHKの真理の言葉ブッダっていうのをですね、読んだんですよ。これたまたますごい前に買ってて積んでたんですけど、結構長い期間じゃないか、2時間から3時間くらいちょっと移動するときがあって、新幹線とかで。
その時にちょうどいいかなと思ってカバンに入れてたらちょうどよく読めて、初めて私ちょっとブッダの言葉というか、仏教絡めの本かっていうのをたぶん初めて読んだんですね。
これもともと多分人から勧められて買ったんだったかなとかで手に取った理由は確かそんな感じだったんですけど、ちょうど面白かったのが、これ仏教っていろいろあると思うんですけど、
ブッダが提唱した仏教の大元というか大枠は、自分を消してそうすることによって死の苦しみがなくなるっていう、要は自我を持つから、こだわりを持ったりするから、性に執着してしまい死が怖いんだと。
で、大きな流れの中の一つと自分を捉えることでその死の苦しみから解放されるみたいな話が、すごいざっくりだからもっといろいろあると思うんですけど、ちょっとそういうことが書いてあって非常に面白く読んだんですけど、なんかちょっと似てるなと思っていて、やっぱり自我を持つが故に苦しくなるっていうのはちょっとあるなと思っていて、
全体値っていうか全体の一部だっていう捉えて、それに委ねていくとすごく楽になるのかなっていうのは思う反面、これもね、やっぱり読んでて、なかなかそんなにすぐ捨てられるものではないっていうことも書かれていて、それはそうですよねっていうところなんですけど、
なんかこのこだわりとかを捨てちゃったらどうなるんだろうなとかちょっと思ったりもする分もあって、生きやすくなる、もっと言うと短絡的に生きやすくなる部分ともっとなんか楽になる部分で言うと多分メタで捉える、メタ認知できるみたいなところとか多分あったりとかすると思うんで、どういう功用があるかとかはちょっとわからないですし、ちなみにこの本結構、
ショワイクさんだろう、これ多分もらったものっぽいからあれなんだけど、2012年か出てるからあれなんだけど、これやっぱアメリカで仏教流行ってますみたいなのがちょっと書かれてて、ビジネス漫画もなんだろう、瞑想するとかっていうのが書かれて、それはやっぱりちょっと引きで自分を見て客観的に状況を捉えるみたいなのとかっていうのに多分効果的っていうことだと思うんですけど、
ちょっと話が外れてきたんで戻していくと、やっぱりこの自我をどう捉えるかって結構重要だなってちょっと思ったりして、全体の中の一部として捉えることっていうのが意外とやっぱりこの生きる上では結構いいスタンスなのかなってちょっと思ったりして、それに関してはちょっと派遣者たちの中でもなんか考えさせられるような話がいくつかあったなとは思いますね
派遣者たちの選択
全体値を持つ生命体と共存することによって、なんか部分的にそれを借りるみたいなイメージがちょっとあったんで
でもなんかこの派遣者たち読んでいると仏教の考え方とか確かにそれができたら楽になれるんだろうなと思うところあるんですけど、それはでも実際やるのは難しいって言ってるみたいで
派遣者たちでも結構人それぞれなんかそのスタンスがあって、やっぱりなんて言うんですかね、この氾濫帯っていう全体値に入ったとしても、でもその中でも自分の個室は欲しいなって思う人がいたりとか、
まあもう全体値に含まれてもいいよって思う人もいたと思う、いるんだろうなと思いますし、そもそも今の人間のままでいたいって思う人もいますし そうですよね、なんかすごくそれまで生きてきて、じゃあ急にその生き方を変えるっていうか、なんかそういうの違う生き方を受け入れるっていうのって相当厳しいんだろうなっていうのは小説読んでて思いましたし
そうっすね、そうなんだよな、やっぱこれはそうですね、派遣者たちの世界の中で人がいろんな考え方で分かれていくっていうのはまあわかる話だなっていうのはちょっと思いますね
面白いですね、派遣者たちが一つの地下都市の中の出来事なんですけど、もしそれが仏教の国の地下都市で起きたことだったら、じゃあどういう状況になってたんだろうかとか、また違う宗教とか違う思想を持っている人たちの集団の中で同じ状況が起きたら、みんなどういうふうな選択をしてたんだろうかとか、
なんかそういうのをちょっとシミュレーションしたりするの、なんか面白そうだなってちょっと思いましたね 確かに、いやでも、反乱者たちそうだね、なんかその国が信じているものによってだいぶ受け入れ方が変わりそうですね
じゃあ派遣者たちなんですが、なかなかこうネタバレなしで話していくとこんな感じになるかなってところなんですけど、ぜひですね、たぶん我々が今感じた、今日話したその全体地の話とか、自我の話とか、きっと読むとすごい考えてしまう一冊だと思うので、ぜひ興味を持ったらですね、読んでみてください。もし読んだ方でね、私はこう思いましたみたいなのがあったら、ぜひお便りいただけると嬉しいです
そうですね、いや本当に読みやすくて、考えさせられる話はあるんですけども、大部分はやっぱりエンタメ性が強くて、めっちゃ面白く読んでいけると思うので、面白い本読みたいなっていう人にもですね、本当すごくお勧めかなと思っています
ちょっとこれ、今日ストーリーで話したところが第1部が120ページぐらいで、第2部の最初まで話したから、実際には150と160ぐらいの内容までしか話してなくて、全体では400ページぐらいあるので、結構厚い本なんですけど、でも話した通り読みやすかったりするので、そこまで時間がかからず読めるかなと思うので、ちょっと時間できた人は、気になった人は読んでいただけたらなと思います。
じゃあそのとこで次回ここ帰ってきましょうか。次回はですね、冒頭でもキムチオヨフさんとの対談というところでお話をしたんですが、チョンセランさん、チョンセランさんの作品を紹介しようと思っています。チョンセランさんの私たちのテラスで終わりを迎えようとする世界に乾杯という作品をですね、ご紹介しようと思っております。お楽しみに。
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