そうですね、なんか短編小説の映画で3時間で一体どうなるんだって最初思ってたんですけど。
結構ビビりましたよね。
そうそうそう、3時間ちょっと長いんじゃないかと思ったんですけど、まあまあでもね、結果的に全然そんなことなくて。
この映画で、なんかカンヌ国際映画祭、脚本賞受賞したみたいなんですけども、さすがその脚本賞受賞しただけの、なんかすごい作りだなって思いましたよね。
やばかったね、ここ。
なんかすごいですね、なんか狙ってできるような脚本ではないんじゃないかなって思いました。
確かに。どうなんだろうね、どういう作り方してるわけかわかんないけど。
役者にも合わせてるだろうし、なんか状況にも合わせてるから、なんか元々の脚本からだいぶずれたんじゃないかなとかちょっとわかんないけどね、その辺はね。
うんうん、そうです。
ちょっとこの後話すけど、やっぱ見て、その最初から最後までなんかすごかったなっていう。
本当ですよね。
まあ感想がもう強いので。
で、浜口隆介さんはですね、ちょっと私結構好きな監督で実は、また後でも話すかもしれないですけど、
柴崎智子さん原作の寝ても覚めてもっていう映画があるんですけど、それを見た時もですね、結構心を持って描いた映画で、まあちょっとそれはあんま今日は話さないと思うんですけど、
あの本当すごい映画監督なんだなと思っています。
ちょっと残念ながらちょっと東でさんと、あの佳田恵梨香さんが主演して、それがきっかけでちょっといろいろあった映画なんで、皆さんあんまりいいイメージ持ったらいいかもしれないですけど、まあ作品はすごい良かったなと思っています。
はい、まあちょっとそんな補足も入れつつ、ちょっと具体的に話していきましょうか。
じゃあちょっと映画の話の前にですね、原作のあらすじを簡単にちょっと私の方から伝えたいと思います。
この原作、まあタイトル一緒のドライブマイカーなんですけれども、これは主人公の俳優である加福という男がいます。
で、加福っていうのは、ちょっと字が家に幸福の福と書いて、加福と読みます。
彼はですね、視力に問題があることがわかって運転ができなくなるところから始まります。
彼の代わりに運転するようになったのが三崎という若い女。
加福はですね、最初その女性の運転に対して怪奇的でした。
まあそもそも加福は女性が運転がなんていうか、自分のこのなんかあの満足するポイントに達しないと思っているタイプの男で、女性が運転する車に乗るのはみたいな空気を最初出すんですけど、
実際ちょっとテストしてみてくれっていう形になって、テストで乗ってみると、この三崎というのがですね、ものすごいドライブテクニックを持っていて、加福は結果的に運転を任せることにします。
加福には亡くなった妻がいます。子宮がね亡くなり、妻も女優というか俳優でした。
周りから見ても素晴らしいカップルだと思われていたんですけれども、なぜか妻は浮気をしていました。
加福は実際に証拠をつかんだわけではないんですけれども、感慨よく気づいていたという状況です。
加福がわかっているだけで妻の脇相手は4人いました。同時期じゃないんですけど4人いました。
なぜお互い深く愛し合っているのに妻が他の男に抱かれるのか、彼には全く分かりませんでした。
そして病に苦しみ始めた妻に、子宮癌で苦しみ始めた妻にその理由を問うことができず、彼には理解できないまま妻は死んでしまい、その答えを得るということができないという状況でありました。
そのことを運転の最中三崎に告白します。
三崎との会話を通して、加福は少し苦しんでいた自分の立ち位置が変わり、幕を閉じるという形になっています。
一方映画なんですけれども、原作とはどういったところが違うかなというところをちょっとお話ししたいと思います。
妻にですね、多分原作だと名前はなかったんですけど、オトという名前が与えられていますね。
主人公の加福とその妻のオトの過去、原作だともう亡くなった段階で始まるんですけど、亡くなる前、一緒に暮らしている時から話が始まって、
結構そのあたりの過去、ディティールを詰めてきてますね。小説ではですね、その二人の部分結構削ぎ落とされているなぁと思ったんですけれども、
そこを押し付けがましくなく作り上げている印象があります。舞台設定もですね、原作は東京なんですけれども広島になっています。
加福が住んでいるのは東京なんですけど、三崎が運転する場所は広島になってますね。
結構ここがですね、なんか海とかが結構良くて、なんか自分は広島に設定変えてすごい変わったなぁと思って良かったなと思ってます。
なんかその加福がですね、自分が住んでいるエリアから離れて広島っていうところで寝泊りするのもその運命の宿をとっているんですけど、でもいいなぁと思いました。
なんか広島っていうところも結構良かったですよね。舞台が途中から変わって。
あと原作の違いだと三崎の故郷である北海道の田舎の村にも行くシーンが映画ではありますけど、
その辺とかは原作だとそういう名前だけ出てきたところに実際に行っていたりするっていう違いとかもあったりしますか?
そうですね。あそこちょっと後で話すかもしれないですけど、いいですよね。
あとあれですね、車の色が原作だと黄色なんですけど映画だと赤になってて、
赤の方が広島に合うなって。勝手な印象だけど。
黄色い車が広島で走ってると結構乱しそうな。赤は乱すんだろうけど。
確か原作だとの加福ってちょっと髪が薄くなってきてるっていうのが書いてあったと思うんですけど、
映画はね、全然そんなことないですもんね。石井真人さん髪しっかりあるんで。
じゃあちょっと映画の方のあらすじをちょっと話し、前半部分ですけど伝えたいと思います。
まんまネタバレしないように話そうと思ってます。
主人公の西島ひとし演じる加福はですね、舞台演出家でございます。
これがちょっと原作だと俳優だけなんですけど、舞台演出家として出てきます。
妻の妻を演じる桐島玲香。これ今回オトという名前が与えられてますけど、
彼女も元俳優で、今は脚本家という立場になってます。
この夫婦はですね、セックスをした後にですね、妻が夫に対して、
まあ夫がですね、加福に対して脚本の草案であるような物語を急に話し出すんですよ。
翌日目覚めると、あの夫の記憶は曖昧になっていて、
夫から改めてちょっとそのことを聞いてメモして、それを脚本に仕上げるっていう方法を取ってるみたいですね。
なんかちょっとこの辺が不思議な設定なんですけど、
まあでもそういう情景を最初ちょっとこう見せてくれるので、
なんか急に物語がすごくかかり始まるんですけど、
割となんか不思議な空気で始まるから、なんか入りやすかったなぁと思ってます。
この辺りの設定って、ジェヘルアザードの短編の設定と同じで、
セックスした後に奥さんの方が奇妙な、女性の方が奇妙な話をして、
結構ね、そっちの話がなんか面白いんですけども、
なんかそれがキーになっていくような展開っていうのが、
なんかその辺の要素も入っているところですよね。
ここは結構ね、ドライブマイカーだけじゃない本当要素ですよね。
これをうまくくっつけたのも本当すごいなと思います。
それであの映画の話を少し進めると、
ある日その芝居を終えて楽屋に戻ってきた、
カフクの元に奥さんのオトがやってきて、
彼女が脚本を書いたドラマに出ている、
タカツキという若い俳優を紹介します。
このタカツキという役を演じているのが岡田茂樹ですね。
タカツキはこのカフクのことをすごい尊敬しているというか、
芝居に感激しましたというふうに言うわけです。
そうしてこの映画でも重要人物の人であるタカツキが出て、
カフクとオトという夫婦は、
映画を見ているとすごく仲のいい夫婦と思えていたんですけど、
途中で奥さんが浮気しているということをカフクは知ってしまいます。
ただそれを知っても、
そのことに関して奥さんに問い詰めるようなことはせずに、
そこには触れずに過ごしていたというんですけども、
ただある朝なんですけど、
カフクに対して奥さんのオトが、
今夜話したいことがあるというのを言ってきて、
何かちょっと思い詰めたような言い方だったのかもしれないんですけども、
カフクは用事があるから家を出ると言って出かけて、
夜にカフクは家に戻ってくるんですけど、
ただその時には奥さんが家の中で倒れていて、
すでに亡くなっているというのが分かります。
ちょっとその病気で蜘蛛膜が出血と言われているんですけども、
ただ奥さんが話したかったことって一体何だろうと分からないまま、
奥さんがこの世を去ってしまったという状況になります。
この後時間が2年流れます。
カフクは広島で行われている国際演劇祭というのに招待されていて、
そこでチェイフのワーニャおじさんという演劇をやることになっています。