1. 文学ラジオ空飛び猫たち
  2. 第73回 「星のせいにして」エ..
2022-03-21 41:25

第73回 「星のせいにして」エマ・ドナヒュー著

【今回の紹介本】

■『星のせいにして』エマ・ドナヒュー著、吉田育未訳

今回はパンデミック小説をご紹介します。

舞台は1918年アイルランド、ダブリン。

スペイン風邪が猛威をふるう戦時下、妊婦のための隔離病棟で孤軍奮闘する看護師の視点から語られる痛切な物語。

あまりにも今のコロナの状況や世界情勢と重なる部分があり、不思議な気持ちになりました。

是非お聴きください!

【番組内で紹介したトピック】

■『星のせいにして』エマ・ドナヒュー著、吉田育未訳 河出書房新社

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309208411/


【サポーター募集します!】

Podcast番組「文学ラジオ空飛び猫たち」 のサポーターを募集しています。

案内人のダイチとミエは多くの方に海外文学を知ってもらいたいという想いがあり、ラジオでの配信を行っています。

サポーター費は月額500円。

今後の書籍代や案内役二人がイベント開催のための交通費、また我々の新たな活動費として、皆様から頂いたご支援を活用させて頂きます。

「文学ラジオ空飛び猫たち」を応援したい!という気持ちをお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひサポーターになっていただけると嬉しいです。

ささやかながらサポーター特典もご用意しました!

毎週土曜日に1本のメールをお届けします。

theLetterというニュースレター配信サービスを使わせて頂いております。

こちらの有料にご登録ください。最初は無料購読登録から始まります。

Podcast「文学ラジオ空飛び猫たち」を続けていくにあたり、皆様の応援は本当に大きな励みになりますので、今後ともよろしくお願いいたします!

登録はこちらから!

https://radiocatwings.theletter.jp/ 

※登録されると確認メールが迷惑フォルダに入ってしまう可能性がございます。すべてのメールをご確認ください。

※特典のサポーターのサンプルとして「番外編第16回」をtheLetterにアクセス頂けるとお読みいただけます。

※もちろんサポーターとしてご支援頂かなくても、Podcastを聴いて頂けるだけでも本当に嬉しいです。

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

【SNSでご投稿ください】

番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください!

よろしくお願いします!

■twitter https://twitter.com/radiocatwings

■Instagram https://www.instagram.com/radiocatwings/?hl=ja

■Gmailでも受付中です bungakucafe.catwings@gmail.com

■ダイチ「小説家が好き!の会」

Twitter https://twitter.com/welovestory 

Instagram https://www.instagram.com/booklogd/?hl=ja

■ミエ「羊をめぐるカフェ」

Twitter https://twitter.com/hitsuji_meguru 

Instagram https://www.instagram.com/hitsujiwomeguru.cafe/

#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:03
どうも皆さんこんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするラジオ番組です。お相手は私、小質が好きのカイのダイチと羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
番組概要欄に詳細情報を記載しているので、初めてお聞きになる方などそちらを見ていただけるとありがたいです。
早速ですが、本日紹介する本は、エマ・ドナヒューさんが書いた「星のせいにして」という小説になります。
吉田育美さん役で、川出書房審査より2021年11月に出版されています。
こちらは私がやりたいと言った本ですが、まずはこちらです。今年も日本翻訳大賞が始まってまして、こちらも候補作15作の中に入っている小説です。
我々は去年は最終候補5作というのを読み切るということをやって全部紹介させていただいたんですが、今年もその気概を持って今挑んでいるところではあるんですけれども、
まだこの3月13日の収録段階では、まだ最終5作が発表されていないので、ちょっとこの星のせいにしてが入ってくるかどうかちょっと定かではないんですけれども、その前にちょっと読んで紹介していこうと思っております。
もともとこれ私が見つけて、三重さんにこれやりたいんだけどって言ったのは結構前で、
日本翻訳大賞に候補になる前に、確か見つけてすぐ三重さんに連絡したんですけど、これヤバそうって言って、当時本屋で面出しで置かれてたやつを見てすごそうだなと思ってちょっと連絡したのを覚えてます。
で、その時はデカメロンプロジェクトと最後のライオニオンをやるのが決まってたんで、ちょっとパンデミック続きはちょっと重くねって話になって、ちょっと後で取り上げようかみたいな話をしたのを覚えてますね。
そうですね、帯にパンデミックケアギバー小説の禁止等と書かれていて、これはちょっと強烈というか結構重そうだなと。
結構第一印象で覚えましたね。
で、ちょっと後にしようかと思ってたんだけど、翻訳大賞の候補に入ってきたし、よしやろうみたいな、そんな感じで今日は取り上げさせていただいております。
ちょっと今パンデミックって言ってたんですけど、結構ですね内容が重い小説で、私久しぶりに読みながら声出してふざけんなってキレましたね。
結構辛いシーンが続くんで、ちょっとそのあたりもこの後紹介していきますが、結構重い小説だということはちょっと念頭に置いて聞いていただけたらなと思います。
この本に関してのちょっと補足を話したいなと思うんですけども、まずこの本自体は2020年にアイルランドで出版された本になりまして、
03:01
1918年、およそ100年前を舞台に出る小説になりまして、その100年前のパンデミックという状況なんですけど、それが今のコロナと重なるというところですごくちょっと注目もあってというところで。
ただその作者が、そもそもその執筆を1918年というのがスペイン風邪というのが大流行した時であったんですけど、ちょっとそこから100年というので書かれたというのが元々で、
なので執筆自体はコロナ前にされていたというのが実際のところではあります。
これね、ちょっと後で話すけど、結構いい重なり方をしてますよね。
なんかすごくタイムリーになってますよね。
偶然だと思うんですけど。
この小説の作者、エマドナヒューさんはですね、映画ルームという2016年にアカデミー主演女優賞を取った作品の原作者でもあり、この映画の脚本も担当していました。
結構大御所ですね。
私ちょっと映画ルームみたいんですけど、結構これネットで調べてみたら、これ完全に見逃したやつだと思って、めっちゃ見たくなりましたね。
作品がすごい評価されてますね。
作者についての記事とか読むと、すごい狭い空間を描くのが得意な人というので描かれていて、今回の作品もそうですし、映画ルームも本当に一部屋の中のその模様というのを描いていて、すごい特徴が面白い作家さんというか人だなと思いましたね。
ではちょっと具体的に話をしていきましょうか。
ではですね、ちょっとここから作品紹介をしていきたいと思います。
どういう小説なのかというのをちょっと簡単に話しさせていただきたいと思います。
まずこの腰のせいにしてという小説は1918年のアイルランドダブリンが舞台になりまして、スペイン風邪と呼ばれるインフルエンザが大流行していた時代ですね。
その時に産婦人科病室で奮闘する看護師の物語であると。
パンデミック小説であり、さらに戦争も起きている、そういう状況であったので、まさに今のコロナであったり、ロシアによるウクライナ侵略というのが起きた今の時代にも通じるものがあるというふうに思います。
後追いでどんどんこの小説に状況が重なっていくっていう、なんか奇跡的なことが起きてますよね。
すごいなって。
そうですよね。何かちょっと繰り返されるものがあるのかなって。
ウクライナのことなんかも本当に、これね、日本で出版されたのは2021年11月だから、そこから考えてもだいぶこの時代の重なり方っていうのはすごいなってちょっと今読んでて思いましたね。
それとですね、この小説が三婦人化が舞台であるので、やはりそこで起きる出産であったり、またインフルエンザという病気にかかった方々のそういった数々の格闘っていうのを本当にリアルに描写をしているというのが特徴としてありまして、300ページを超える長編小説なんですけども、実は3日間のことしか描いていないという。
06:12
そこで1日が結構長く描写されているというのがあります。
なので、病院の中で起きる出産であったり手術であったりというですね、そこのディティールというかリアルな描写があって、苦手な人はちょっと読むのがきついかもしれないなと思いました。
僕も実際読んでいて結構きついところがあって、なかなかスムーズに読むというのが難しかった作品でもあるんですけども、さらにですね、これもちょっと時代背景というところだと思うんですけども、この三婦人化は修道院が、教会が運営している病院になりまして、そこでは新婚や新婚によってその当時の理不尽な問題というのもあって、
そこがもうだんだん小説の中で明らかになっていくんですけども、そういったですね、社会によって起きる痛みというか辛さというか、そこもあってですね、なかなかもうダブルパンチなのかトリプルパンチなのか、結構やられるところが多かったです。
この小説は本当そういう辛い状況っていうのが結構重なっていく瞬間が多くて、なかなか読むのは辛いなっていうところがありましたね。
この小説の本当私最大の特徴というか、魅力でもあるポイントだなと思っているのは、文章がすごく臨場感が溢れてるなと思ってまして、そういうことができてるかっていうと、この主人公の看護師の視点から一人称で語られていくんですけれども、その彼女が見たほぼ全てのものを描写していくんですね。
このパンデミック下での妊婦のための隔離病棟のこと、生まれてくる命とこぼれてしまう命とか、手術とか出産時の痛烈なシーンが連続することとか、そういうのをですね、かなり細かく主人公の視点を通して描かれます。
彼女の目を通して、しかもその主人公の感情が乗った上で描かれていくので、それが読んでると結構ですね、ダイレクトに読み手に入ってくるような作りをしています。
なので、私は本当にこの現場にいるような、そんな読書体験になっていて、結構これはですね、読んでて消耗するところは正直ありました。
ただやっぱりそれが故に目が離せない小説だなと思って、ここは本当にすごく面白かったし、うまくできてるなと思ったところですね。
なんか本当にぼやかして書かれてないですよね。すごい臨場感だと思うので、具体的に細かいところまで、何ていうかその一部始終があるとしたら、それをね、1から10までちゃんと書いてるというような、そういう話だなと思うので。
そうですね、さっきみえさんが言った通り、結構3日間しか書いてなくて、1日が長いってあったんですけど、この小説おそらく始まってから、彼女が寝るっていうこと以外のところは全部描写されてると思います。
09:00
寝てる時だけ時間が飛ばされるけど、起きた時からまた描写が続くので、結構すごいなって思いましたね。
こんなに看護師さんの1日大変なのかと。
それもね、ただ寝ることだけ考えたいっていう時もあったしね。
ここまでちょっとですね、読むのが辛いとかですね、そういうことを言ってたんですけども、ただその文章自体は読みやすいかなと個人的には思ってまして、これは日本語としてというところもあるのかもしれないんですけど、すごくスムーズに頭に入ってくる文章を書かれていて、物語に入っていきやすいなとすごく思いました。
あと、登場人物の特徴っていうのも、これもそれぞれはっきりしていて、この書き方がうまいなと思っていたんですけども、そういったところでちょっとわかりやすさっていうのはあるので、そこの読みやすさ、わかりやすさっていうところは良いところかなと思いましたね。
で、今三重さんが結構読みやすいって話をされたんですけど、結構実は私最初慣れなくて結構読みにくいなって思ってました。後半全然気にならなくなるんですけども、最初ですね、これ登場人物のセリフにいわゆる書き括弧が使われなくて、完全に字の文と同化している形で書かれてるんですね。
これ、役者と書きによると原文に忠実に書こうとしている意図があって、なんか読者も主人公の夢のような感覚や、主人公のような疲れを味わってほしいということで書き括弧がなくていいっていう感じだったんですけど、これ慣れてしまえばそんなに気にはならないんですけど、最初読みにくさを感じるかなと思います。
やっぱり最初、私はそれでちょっと入りにくかったところはちょっとありましたが、でも読み進めていくうちにぐんぐんこのストーリーに気持ちが持っていかれるんで、最終的には気にならなくなりましたね。
そうですね、確かに最初の何ページかは慣れていないところがあると読んでらっしゃるかもしれないですけど、僕は結構すぐに慣れましたけどね。じゃあ早速、ストーリーを次は話していきたいなと思います。
じゃあ私の方から詳しいストーリーをちょっとご説明したいと思います。この書籍はですね、4章構成になってまして、章にはそれぞれ赤、茶、青、黒と名前が付けられております。
この色はですね、この色の順番はですね、このスペイン風、インフルエンザにかかって悪化していくと、こういうこの色の順番で肌の色が変わっていき、死へと向かうという順番になっております。
これが途中で序盤にこの色の話が出てくるんですけれども、そうか、これはどんどん状況が悪化していく話なんだろうなと想像できる部分でもあります。
具体的にちょっとどういう話かという話をさせてもらうと、まずこれ主人公はジュリアパワーという30歳の独身女性になります。
修道院が運営する病院の産婦人科の看護師をしているが、スペイン風の大流行で病院の人手が減っていき、彼女は一人で隔離病棟を任されることになってしまい、物語の始まりの方でシスター代理という立場になります。
12:05
このジュリアが担当する病室にはスペイン風にかかった妊婦が3名いましたが、1名が前日に亡くなってしまったためベッドを一つ空いているという状態です。
でも患者は2人だけになったんですけれども、それでもジュリア一人で回していくには負担が大きくて、ジュリアは上司にボランティアの派遣を依頼します。
そこでボランティアとしてやってきたのが、ブライディ・スウィニーという女性。22歳くらいの若い女性だけれども、自分の年齢をちゃんと言わずに22くらいとか言ってごまかしたり、この年齢の割には常識がないというちょっと変わった感じの子が来ました。
ジュリアは最初ブライディにいろいろ仕事を頼むんですけど、あまり上手くやってくれなかった感じもあって、期待外れかなと思うんですが、ブライディ自体はすごく素直で明るくて、仕事にも全力で取り組む。
しかも結構吸収力が高くて、仕事は割とすぐ覚えていくようなタイプの人間でした。なのでジュリアはブライディをどんどん頼るようになっていきます。
一方で患者の状態はめちゃくちゃ深刻で、こんな大変な状況の時にベッドが空いているからということで新しい患者が1人運ばれてくるという状況から1日目が始まります。
この患者の状態が悪化しても当時の看護師には薬を投与するということが許されておらず、例えば高熱を抑えるためにアスピリンを投与したくても医師がやらなきゃいけないので、医師が部屋に来るまで待たないといけなかったりするんですね。
なかなかこの部屋が結構大変な状況でして、ジュリアはこれに関してやきもきします。さらに医師が来ても、経験不足の医師が来たりすると、ちょっとそんなことするのかよみたいなことをされそうになってしまって、それもジュリアがどうしようどうしようみたいな感じになるシーンも多くて、このあたりは結構ハラハラさせられます。
そんなジュリアの元に、ジュリアの病室に病院に新しく来た医者のキャスリン・リーンという人物が来ます。このリーンはめちゃめちゃ経験豊富なお医者さんで、かなりジュリアに適切な指示を与え、さらにジュリアに痛みを緩和するためのアルコールやクロロフォルム、モルヒネなんかを自分の判断で患者に投与していいよという許可を与えます。
これは実際にはだいぶ規律違反ではあるんですけれども、かなりこれに関してジュリアは感謝します。ただこのリーンという人物なんですけど、テロリストと噂されている人物で、実際に1回逮捕もされているし、英国軍と戦うアイルランド市民軍の一員という立場でした。だからちょっとですね、警察にも追われたりしている立場にもありました。
このジュリア、ブライディ、リンの3人で、この隔離病棟の患者の困難な出産に立ち向かっていきます。ジュリアはこのブライディとどんどん仲良くなっていきますが、ブライディがある秘密を抱えていたことを知ることにより、この病院を飢えする修道院に疑問を抱くようになったりします。
この3日間の出来事ではあるんですが、ブライディやリンとの出会いによってジュリアは確実に変わっていきます。そしてこの3日目に物語は大きく動き、終焉を迎えるという流れになっております。
15:01
ちょっとこのあらすじの中でうまく組み込めなかったんですけど、ジュリアには弟のティムという人物がいて、一緒に暮らしています。ティムは戦争からの機関兵で、精神面に後遺症を残しており、話すことができなくなってしまった人物です。
ジュリアはこの弟のことが本当に大切で、家に帰ると話しかけていることをしていて、食事を一緒に取るということをしています。
ティムはこの小説の中ではかなり重要な位置を占めているんですが、今回は割愛させていただきたいと思いました。
今回はネタバレなしで話しているんですけども、本当にやっぱりこの3日目に物語が動いていくというところが、すごく小説らしいところかなと思いました。
今の話で割愛していたのが、患者一人一人が本当に人物描写というのがしっかりされていましたし、トータルで5人くらいかな、ジュリアのいる部屋に。
本当に一人一人がすごい大変な状況で過酷な出産をするしかないというような大変な状況なんですけども、一部始終というのをハラハラしながら読んでいましたね。
本当に僕はこの小説を読んで、このジュリアの過ごす1日がすごい激動で、これがちょっと今の時代に置き換えると、コロナ禍で医療従事者の方達というのが本当に大変だというのを聞いてはいたんですけども、
この激動というのが毎日続くとなると、とんでもないことだなというのを読んで思いましたね。
この描写が本当にすごいですよね。だいぶこれは思っていかれますね。
そのおかげで人の命というのが続いているんだなというのもすごく感じましたし。
ちょっと自分も看護師の友人とかいるんで、大変なんだろうなっていうのを改めて思った次第ですね。
この物語なんですけど、結構大きくこのジュリアが変わるっていうのに主軸が置かれているところではあるなと思っていて、
3日間なんですけれども、彼女の成長というのを感じられる部分も大きい作品です。
いろんな状況がちょっとあって、彼女はいろんなことを考え、ある決断を最後にしていくようになるんですけれども、
そこに彼女が決断に至るまでというか、このジュリアがある事実を知り、
そしてブライデとリンとの影響もあって、この自分の感情に従い、そこに向き合おうとしていくっていう部分があるんですけれども、
その感動がこの書数を私は大きく支えているなと思ってまして、
ちょっとネタバレにしないように話すのは結構難しいんですけど、
結構ラスト付近そういうグッと物語としてのダイナミックさみたいなのがあって、
そこが結構辛い話なんですけれども、結構絶望的な話でもあるなと思うんですけど、
18:01
ラストは結構美しさを感じたようなところもあるので、
ジュリアの成長っていうのがだいぶこの小説の支えになっているなと思いました。
個人的にはなんですけど、とは言いつつなんですけど、
ちょっとこれ読んでいる時に結構気になっていたのは、
このジュリアがもうめちゃめちゃ強いんですよ。
感情が全部トローされていることを読むんで、
あ、弱ってきたなっていう瞬間もあるんですけど、
でもなんか諦めない感じとかあって、
環境はですね、彼女が今置かれている環境は全く彼女に対して優しくないですし、厳しいものだし、
上司のこととかもあるんですが、彼女が自分の心に従って正しくあろうとしても、
正直それが許されないような状況だったりもすることもあって、
これは私がジュリアの立場だったら間違いなく心が折れて諦めてたと思うんですね。
諦めるポイントすごい多かったなと思うんですけども、
ジュリアはもう本当に折れずに立ち向かっていくところがあって、
その姿勢にめちゃめちゃ感動はするんですけれども、
ややちょっと現実感がないような印象もちょっと自分は、
そんな強くなれないよみたいな気持ちもあって、
正直ちょっとそういうところも思いました。見えないことでしたかもね。
なるほど。ジュリアがシスター代理になった初日という、
あそこもあったと思うんですけども、
やっぱりジュリアが自分が手を抜いたり諦めたら、
もう本当相手が死ぬっていう、それを強く思ってたんじゃないかなと思うんですよね。
僕結構、実は新卒で入った会社でクレーム対応したことが、
あ、そうなんですね。
ちょっと自動車に関わるクレーム対応で、
それ認めたら本当にもう会社潰れると思って対応してたんですね。
それが本当に潰れるかどうかっていうのは分からなかったんですけど、
当時ちょっとあまりにも大きな金額というかですね、
そんなことを先方から言われて送られて、
ちょっと一歩でも引いたらこれはもう本当自分のせいで、
会社がなくなってしまうって本当に信じて、
そういう意味ではですね、
ジュリアが折れずにっていうところは、
もしかすると一歩でも引いたら、
本当にもうここにいる人たちに死んでしまうんだろうなっていうのが、
その危機意識というか、
それが操作していたんじゃないかなっていうのはちょっと思いましたね。
確かに命かかってますもんね。
患者のね。
それが自分の手にかかったっていう。
確かにそれを文明で読み込んでいくと、
それをずっと彼女は繰り返したわけですよね。
ジュリアってね、
自分の持っている銀時計にね、
患者がとか、
患者の胎児がなくなってしまったりとかしたとき、
印をつけるんですよね。
自分が助けられなかったっていうか、
自分が関わってたけれども死んでしまった人の死者の数っていうのが打ち込まれてるんですけど、
その銀時計には印が全部その分数があるんですけど、
その経験後が彼女を強くしてるのか、
なんかちょっと自分がそこは読み取れてなかったかもしれないなって今ちょっと話を聞いて思いました。
強くなきゃ働けないですよね、この環境ね。
21:03
僕も他人の命を背負って働くっていう経験はないんですけども、
実際そういう状況になるとやっぱり、
逆にもしかすると他人の命を背負ってるんだって意識してる人じゃないとできない仕事なのかもしれないとは、
思いましたね。
そうですよね、心がね、だいぶ潰れるでしょうね。
いや、これそうか。
そうですね、いや。
なるほど、ちょっと今考えを改めますわ。
これめっちゃ看護師さんとかに超響くじゃん。
この小説本当に。
いや、かもしれないですね。
僕も結構さっき大地さんが言っていた4章ですね、
特に終盤、やっぱりすごく美しい瞬間っていうのが描かれていましたし、
3章まで読んでいた時の小説の印象と、
4章、最後まで読み終えてからの小説の印象がちょっと自分の中では違ったんですね。
自分が見ている視点にちょっと変化があったりですね、
小説に対して思っていた観察みたいなものがちょっと変わったりしてですね、
これこそ小説の醍醐味だと思うんですけども、
すごい後々まで残る読語感というか、
それがありましたね、読み終えてからも残ってますね。
そうですよね。第4章、すごいですよね。展開がね、そこもね。
小説のやっぱり魅力というところでは、この登場人物。
で、ジュリア以外の2人について話すと、
リンは結構この小説で言うとヒーロー的なポジションで、
その場にいなくても適切な指示が飛んできたりとかしたりして、
ジュリアを結構助けてくれる人物で読んでいて、
自分もこのリンの登場っていうのにかなり安心するし、非常に救われましたね。
で、ちょっと私面白いなって思ったのは、
ちょっとこの登場人物の話とはちょっとずれるところはあるんですけども、
このリンのセリフですごい印象に残ったセリフがあって、
183ページに出てくるんですけども、
医学は黄金の時代だが、風邪だがインフルエンザごときに完敗だと言っていて、
結構ここが割と衝撃だったというか、
結構鳥肌が立ったポイントで、
当たり前なんですけど、どの時代も今の医療が過去から見たら最先端なわけで、
めちゃめちゃ今医療が進歩してるっていう認識をその時代の人は持つと思うんですけれども、
私ずっと読みながら、
もうこれ2021年だったら全員救えてるのにとか思いながら、
ちょっと読んだところもあって、
でも1918年ではこれが最先端で、
これがもう裁量とか物資が十分足りないんで、
確かに今医学は黄金の時代を迎えていて、
なのにこんな風邪だがインフルエンザごときにやられちまうのかみたいな思いがリンが持っていて、
それはちょっとこう、
今この時代最先端なんだよなっていうのは、
登場人物からすると最先端なんだよなってことを自分はちょっと忘れてしまっていて、
24:03
それをちょっと思い出すポイントだったっていうのと、
あとずっと自分は気づかなかったけど、
作者はそれを前提、当たり前なんですけど、
時代を描くってことは当たり前なんですけど、
この時代は最先端の医療はこういう状況で、
病院で行われている医療はこういうことで、みたいなのを描いていて、
これに当たり前なんだけど、
なんか自分はあまり気づけずにいて、
この183ページのリンのセリフで気づいて、
結構鳥肌が立ちましたね。
確かにそうですね。
当時はそう思いますよね。
今が医学の黄金時代だって。
だけど、ちょっと感覚に似てますよね。
今、我々も2020年以降コロナが流行った時に、
こんなに医療が発達しているのに、
コロナごときでやられちまうのかみたいな、
こんな風邪ごときにみたいな、
気持ちをみんな多分どっか持っていると思うんで、
それもリンクもして、
結構私はこのセリフ、
しかもこれコロナ前に書かれたっていうことなんで、
結構すごいなって思っちゃいましたね。
確かに。
ちょっと細かい話でしたけど。
確かにね、考えさせられるところでしたね。
しかもこのリンという登場人物が、
実在の人物がモデルなんですよね。
これもあとがきに書かれていて、
それも実際にモデルとなる人がいたんだけど、
驚きましたし、
それだけ激闘の時代だったんだなというのを感じましたね。
あともう一人のブライディなんですけど、
ブライディが置かれている状況っていうのが、
彼女の明るさと反比例していて、
めちゃくちゃ悲惨だったりするんですよ。
これは結構後半でいろいろ明るみになるんですけども、
このブライディが育った環境とかかなり悲惨で、
これは時代のせいっていう括りをしてしまうしかないんですけど、
なかなか辛い部分です。
結構このことが後半肝になるので、
あんまりこのラジオでは話さないようにしたいなと思うんですけれども、
だいぶやらせない気持ちも抱きますね。
これもやっぱり時代、この時代だからこそなんだろうなっていうのが本当あって、
2022年の自分から見るとだいぶ辛いなと思いました。
とんでもない環境にありながらも、
このブライディが持つ明るさっていうところには、
なんて言うんでしょうね、
上手く言えないんですけど、
怖さみたいなのをちょっと私は感じましたね。
感動っていうよりは、
ちょっと欠けてるところがあるのかもしれない。
ある、そうですね。
それに近いのかな感覚で言うと。
結構このブライディっていうのも細かく見ていくと、
奥が深い人物であるんですけども、
心に残る人物の一人でしたね。
本当今の社会では、
そういう人、ブライディのような環境の人って、
なかなか想像しにくいと思うんですけども、
ただ100年前には社会の中で、
ブライディのような人が存在していたというかですね。
27:03
これもなかなか読んでて、
結構辛いところではありましたけど。
あとですね、この主人公のジュリアですね。
がやっぱりすごいいいキャラクターで、
作中で僕すごい一番心に残ったセリフがあって、
それがジュリアが言っていたセリフなんですけども、
この作中にグロインというですね、
男性が病院で勤めてるんですけども、
そのグロインっていうのも、戦争からの機関兵で、
仕事としては掃除をしたり、患者さんを運んだり、
何かそういう雑用的な扱われ方をする。
ちょっと一般の人がなかなかやるような仕事ではないので、
ちょっとですね、障害がある人とかがね、
働いていたりするんですけども、
このグロインというのはとにかく口が悪いというかですね、
読んでる方もちょっとね、
イラって思うようなことをですね、
作中でめっちゃその主人公のジュリアに言ってきて、
その中の一つが当時の男性社会というところで、
男はその戦争とかで国に対して払っているものがあると、
血税を払っていると。
一方で女性はどうなんだと、
血税とか払わないでしょうと言うんですけど、
それに対してジュリアが女性も、
ここを見渡してみなさい、グロインさん。
この場所こそすべての国の最初の息吹が開かれる場所です。
女性たちはその始まりからずっと長きに渡り、
血税を払い続けてきたのですというですね、
セリフがあってグロインを追い返すんですけども、
すごいもうね、結構やっぱり病院の中も、
男性女性というですね、
強い隔たりというのはまだあったと思うんですけども、
そこで戦っているジュリアから出てくる言葉というのは、
すごい力強くて、
そこは結構心に残りましたね。
ここかっこいいですよね、このジュリアね。
産婦人化というかですね、
出産というところに対して、
ジュリアが強く思っているものがあるというのは、
ここのだけじゃないんですけども、
全体通して感じるんですけど、
やっぱりそれは男性もそこは感じ取れるものだと読んでいると思いますので、
ちなみに今言ったグロインという人物も、
話すと本当に嫌な人物なんですけども、
ただやっぱり一人一人に背景があるというか、
このグロインも小説の中で、
後々で物語というか背景が描かれたりするので、
そこを読むとまた面白かったりしますね。
本当にそれは感じましたね。
この小説は本当に人物一人一人の描写がしっかりしているので、
彼らにもいろんな事情があるというのは、
本当にうかがい知ることができる小説だなと思います。
グロインは私がラストにちょっと感動しましたね。
本当に見方が変わりましたね。
というのもいいところですよね。
あとこのジュリアが日中の勤務で、
30:02
夜勤でシスター・ルークという人物がこの病室を見てくれるので、
夜になると交代するんですけど、
このシスター・ルークが結構悪役っぽいと言うと、
ちょっと何か言い過ぎかもしれないけど、
若干そういう位置にちょっとあって、
ジュリアといろいろあるんですけど、
このシスター・ルークも、
言ってしまえばこの時代の犠牲者の一人で、
この修道院の価値観とか、
そこに置かれている環境に引っ張られてしまった人物でしかないなと思って、
なかなかこの時代というのがすごい感じる人物であって、
上手いんですよね。
こういう人物を使って、
でも視点はジュリアという、
この一つの視点から時代を切り取るというのは、
本当に成功している小説だなとは思いました。
じゃあちょっとこんな感じにしておきますか。
本編は。
ちょっとまた長くなりつつなってますが。
最後ですね、ちょっとテーマトークを設けたいと思ってまして、
今回この作品は、
1918年のダブリンを描いている作品で、
今から約100年前の世界を描いていると。
今回逆に、
2122年に、
この2022年、
今年を描いたらどんな感じになるのかなみたいなのをちょっと話してみたいなと思いました。
やっぱりこの作品を読んで、
この100年間で医療が進歩して、
今の常識からすると、
社会もそうですけど、
そんなことになっているんだみたいなのは結構あったなと思ってますし、
あと私最近ちょっと六本木のミッドタウンのあたりにある、
2121デザインサイトってところに行ってきて、
フューチャーインサイトかっていう展示会を見たんですけど、
それは2121年を想像するみたいなテーマでちょっとやっていて、
そこに雑誌の前に書かれていた言葉で、
2121年から現在を見たら、
ちょっと面白かったのが、
インターネットを使い始めたのがこれぐらいの時代だっていうことを言っていて、
それ以前のインターネットと区別されていて、
要は2121年はバーチャルリアリティが当たり前になっているから、
バーチャルリアリティを使い出したのは2022年、21年ぐらいだったよねみたいなことを、
未来から振り返ったら思うんじゃないかみたいなのが書いてあって、
面白い視点だなと思って、
未来から見た現在っていうのをちょっと想像してみたいなと思いました。
でちょっとこの話をとっています。
多分このコロナで苦しんでた我々は、
たぶん歴史の教科書とかにも載ると思うんですけど、
あ、そっか。
2021年はこの技術がなかったからこんなことでピンチになってたんだろうなっていうのは、
たぶん言われるだろうなってちょっと思いましたね。
それってさ、これがあれば解決する問題じゃない。
あ、なかったんだ。みたいな。
それは100年後から見たらやっぱり感染対策とかは結構突っ込まれるんじゃないかなと思いましたね。
100年後だったらもう全てが透明化されている社会になってるかもしれないなと思って、
例えばもうあの人はワクチンも打ってあって衛生面も大丈夫だから、
なんか対面で接しても大丈夫とかですね。
33:00
そういうのがもう事前に全部わかってる状態で、
今みたいにあの人大丈夫なのかどうかわからないっていう人と電車で乗り合うとかですね、
出会ったりするとかですね、
そういうすごいランダムな社会で生きているっていう現状をちょっと突っ込まれそうかなと思いましたね。
確かに。
まあ星野生にしても、
キスするのはハンカチ越しでみたいなのがあって、
休め!それアウトでしょ!って思いながらなんか読んでましたけど。
星野生にしても、
ところどころ建物に何て言うんですかね、
ちょっと掲示板のようなものがあって、
そこに注意書きがされたりしてるんですけど、
大衆への警告、カフェ、劇場、映画館、酒場などの公共の場に行ってはならない。
不要不急の面会は避けること。
握手、談笑、至近距離の会話の禁止。
キスするならばハンカチ越しに。
靴の中に医用を入れることとかですね。
怪しいと思ったら外に出るなとかですね。
結構でも今と重なってるところが多いなっていう印象がありますね。
100年で進歩してない可能性もある。
そうですね。
前に読んだ韓国のパンデミックSF、
最後のライオニーという短編集の中に
結構近いシチュエーションの話があって、
チャカタパの熱望でというですね、
これも未来から見た2020年についてちょっと言及してるような小説でもあったんですけども、
そのチャカタパの熱望でという作品では、
人が濁音とか、唾が飛んじゃうような言葉をしゃべってはいけない。
ちっちゃいツーを使ってはいけないとか、
ブーとかプーとかガーとかポーとか言ってはいけないとかですね。
それも感染対策の一つというところで、
今やっぱり自分たちが自由気ままに生きてるんですけど、
感染対策としてちょっと制限されるところっていうのが、
実は未来にはあるかもしれなくて、
そうすると逆にもしかすると、今の時代自由気ままに生きてるっていうのが、
羨ましく描かれるっていう側面もあるかもしれないと思います。
確かに監視されてなずく、自由に。
パッと人と出会えるとかですね。
好きな言葉をしゃべっていいとかですね。
とてもあれなのかな。
そもそもあれかもね。
人と会う必要がなくなってるかもね。
バーチャルリアリティで。
そうですね。
完全に。
自分が動かなくても誰かとコミュニケーション取れて、
そのコミュニケーションっていうのも、
今我々が実際会ってやってるようなレベルのコミュニケーションができるみたいな感じになってて、
なんで誰かと接触して病気をうつすリスクをこの人たちは取っていたんだろうみたいな、
多分この時代すごい効率が悪く見えるだろうね、今でも。
そういう意味では、今世の中的にちょっとその爆発されているようなこととか、
少数派なところとかが、逆に未来になるとそっちが主流になったりとかっていうのも、
36:04
逆転していくっていうのが十分に起こり得る。
バーチャルな世界が主流になっていくとしたら、
今バーチャルな世界にはまってて、
対面というか、人とリアルで会うところはむしろ終わらないとかって思ってるような人がいたら、
未来からするとそっちの人の方が先進的じゃないかって思われたり。
確かにそうですよね。
生き延びるには絶対バーチャルな方が安心安全なのに、
なんでみんな人と会おうとするんだろうかとか。
そうなっちゃうか。なるか。なるだろうね。
やっぱ寂しいですね、それはね。
すごく寂しさを感じるな。
今寂しさを感じるっていうのも、
未来の人からすると、なんでそんなので寂しさを感じるんだって。
どういう常識してたんだ、昔の人はってなるかもしれない。
あれですね、2122年の作品で、
リアルで会わないことに関して寂しさを感じるっていう描写をされたときに、
結構衝撃をみんな受けるんでしょうね。
あ、そうか、昔はまだまだオンラインが未発達で、
画像と動画と声しか届けられなかったんだ、今。
触ることを飛ばすことはできなかったんだとか、そういう感じになってるかもしれませんね。
どんな人に読んでもらいたいか、感想を交えて言いたいと思います。
じゃあまず私の方から。
この作品ですね、間違いなく名作で、
最近ちょっと本を読むときに、
この本というか、描かれていることの距離感っていうのを考えることが結構ありまして、
今回読んだこの星のせいにしては、
ゼロ距離だなと思いました。
距離がほんとゼロな本で、
読んでるとですね、居合もなく引きこもられてしまいます。
その分ですね、感じることとか味わえる部分っていうのはすごく大きなものがあって、
ただ、扱っているものがかなり辛いものなので、
こういう辛い小説を読みたくないなって人は、
少なからずいると思うので、
そういう人は絶対手を出さない方がいいなと思います。
今回いろいろ話しましたけど、読まないと絶対分からない部分はあると思うので、
なかなかきつい小説だなと思いました。
ただなんか、絶望系が好きな人というか、
辛い系が好きな人は、結構読んでですね、
楽しめるって言い方はちょっと違うのかもしれないですけども、
多分好きなんじゃないかなと思います。
とにかくそういう人には読んでほしいなと思った作品です。
確実に刺さると思いますね。
繰り返しになりますけど、最後のなんていうか、
このジュリアの会場っていうのは本当に自分は美しいなと思ったので、
その美しさも味わえる素晴らしい小説だなと思いました。
僕は今までラジオで取り上げてきた本の中で一番読むのが辛かったですね。
結構痛みを感じながら読んでいました。
39:01
でもやっぱり最後まで読むと印象変わったりしましたし、
読んでしばらくしても本当に心に残っているので、
そういった面では読んでよかったなと本当に思っています。
で、あと心に残っているところとしては、
一人一人の登場人物の存在というのがやっぱりすごく印象的だったので、
例えばもう主人公のジュリアやブレイディだけではなくて、
たとえばエキフというグロインという男性であったり、
あと患者の一人一人もそうだし、
患者だとヌーナンという女性はちょっと途中で意識朦朧して、
なかなか話とかできる状態ではなかったんですけど、
それでも人としての印象というのがすごく残っています。
本当に一人一人が人間だし、ある意味時代の犠牲者だったんだなと思ってしまったところがあって、
そういったところも考えさせられましたね。
これも繰り返しですけど、重い小説ではあるので、
好きな人であったり、余裕があって読めるなという人にオススメかなと思うんですけど、
最後まで読むと必ず心に残るものがあるし、
途中まで読んだのと最後まで読むのとではやっぱり残るものというのは違ってくると思うので、
読むなら本当に最後まで読んでもらうとすごくいい小説だと思います。
ありがとうございます。
次回予告して終わりたいと思います。
次回はクラリスでディスペクトルの星の時という小説をご紹介いたします。
星つながりかつ、こちらも日本翻訳大賞の二次選考に現在残っている作品でございます。
結構私の印象だと売れているイメージがありますね。
番組の最後になりますがサポーターを募集しております。
こちら番組概要欄に詳細書いておりますので、ぜひご興味のある方はそちらをご覧ください。
感覚としては、我々二人に対して年に一冊ぐらい本をプレゼントしてもらうような感覚で応援していただけるような内容になっております。
番組の感想やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました、読み返しましたとございましたら、
ハッシュタグそろとび猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
TwitterやインスタのDMや投稿などでお待ちしております。
メッセージ本も番組情報欄に載せておりますのでそちらから直接ご感想などいただいても大丈夫です。
積極的に拡散共有していただけると助かります。
ではまた来週。
ありがとうございました。
41:25

コメント

スクロール