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2023-12-07 09:20

第六回中村泉の三味線・民謡ラジオ

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玉村町在住の三味線・着付け講師、中村泉がお送りする三味線・民謡ラジオ。

「みんなが知っているあの曲、どこかできいたことあるあの曲、実は民謡だった」をテーマにお届けします。


サマリー

中村泉は、熊本県熊群五木村の子守唄である「五木の子守唄」について紹介しています。

「五木の子守唄」について
スピーカー 1
「中村泉の三味線・民謡ラジオ」
こんにちは、玉村町在住の三味線・着付講師の中村泉です。
この番組は、カゴメカゴメ、ソーランブシなど、知っていた曲が実は民謡だった。
そんな身近にある民謡や三味線についてご紹介します。
今回ご紹介するのは、熊本県民謡の「五木の子守唄」です。
熊本県熊群五木村の子守唄ですが、民謡でありながら子守唄ということで、広く知られています。
私は、お座敷町であったり、三味線合奏であったりと、よく演奏する曲で、好きな曲でもあります。
この曲は、子守をする少女が、自分の不幸せを嘆き悲しむというものです。
今まで、歌詞の内容を深く考えたことがなかったので、さらに心に残る一曲となりました。
スピーカー 1
この歌の歴史をひも解けば、五木村は「野の脇」「板木」「下谷な」ど37の部落が5つの地区に分かれているので、五木谷と呼ばれてきました。
一線小近い山村に33軒の地頭。
と呼ばれる家があり、村の人は旦那と呼んでいました。
この33軒は、村の一切を取りしきり、村の8割近くの土地を持つ大地主でした。
そして、旦那に仕えている名護と呼ばれる子作人は、小さな子供まで旦那の家へ奉公に出されたのです。
断るということはできないのです。
奉公は、子供の家に出されたのです。
奉公に行く子供たちは、男の子は2歳、女の子はメロウと呼ばれ、9歳くらいから奉公に出されます。
奉公の期間は、正月から次の正月、お盆からなら次のお盆まで。
奉公先へ行っても、衣類は自分持ち、食べ物は旦那の家の残り物、お給金などはありません。
親はその代わりに、山の斜面一旦ほどを1年間借りることができるのです。
歌詞の意味
スピーカー 1
この歌には、方言が多く使われていますので、歌詞の意味を簡単にご紹介しましょう。
1番(歌詞の意味紹介)
私は、お盆までしかここにはいません。
お盆が早く来れば、すぐ戻ります。
2番
私は貧しい。
あの人たちは、
お金持ち。
良い帯、良い着物。
3番
私が死んだら、誰が泣いてくれるでしょう。
泣くのは、裏山のセミだけ。
4番
泣いているのは、セミではなく、妹が泣いている。
泣かないで、心配になるから。
5番
私が死んだら、道の端に埋葬してね。
そこを通る人たちが、花を供えてくれるでしょう。
6番
花は、椿の花を。
水は、天から降る雨をいただけるから。(歌詞の意味終了)
では、千葉県市川市出身の民謡歌手、金沢明子さんの歌う、五月の子守唄をお聴きください。
スピーカー 2
(歌開始)おどま盆ぎり盆ぎり。盆から先きゃおらんと 盆が早よ来るりゃ
早よもどる
おどま勧進勧進あん人たちゃよか衆
よか衆ゃよか帯 よか着物
おどんがうっ死んだちゅうて誰が泣いてくりょか
うらの松山
蝉が鳴く
蝉じゃごじゃんせん 妹でござる
妹泣くなよ気にかかる
おどんがうっ死んだら
道端ちゃいけろ通る人ごち
花あぎゅう
花は何んの花つんつん椿
水は天から
もらいみず。
(歌終了)
スピーカー 1
いかがでしたか。方言がわかるとより一層味わい深い歌になりますね。しみじみとした哀愁が人の心を打つということで、第二次大戦後レコード化され大流行しました。
さて、「子守唄」には「遊ばせ歌」と「眠らせ歌」があり、この歌は「眠らせ歌」になりますが、子守を仕事とする子どもたちにとって、子守をするための仕事歌とも言えるのではないでしょうか。
中村泉の三味線民謡ラジオ、今回は熊本県の民謡「五木の子守唄」をご紹介しました。
スピーカー 1
なお、この番組はラジオをご覧いただきありがとうございます。
「ラヂオななみ」ポッドキャストでもお聞きいただけます。
また、私の所属する三味線を楽しむ会では、一緒に演奏してくれる仲間を募集しています。
番組へのメッセージもあわせて、ラヂオななみ宛にお寄せください。
スピーカー 1
たくさんのメッセージお待ちしています。
また次回お会いしましょう。中村泉でした。
09:20

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