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2023-10-04 10:25

第四回中村泉の三味線・民謡ラジオ

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玉村町在住の三味線・着付け講師、中村泉がお送りする三味線・民謡ラジオ。

「みんなが知っているあの曲、どこかできいたことあるあの曲、実は民謡だった」をテーマにお届けします。


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中村泉の三味線民謡ラジオ、こんにちは。
多摩村町在住の三味線きつけ甲子の中村泉です。
この番組は、かごめかごめ、そうらんぶしなど、
知っていた曲が実は民謡だった。
そんな身近にある民謡や三味線についてご紹介します。
今回ご紹介するのは、静岡県民謡のちゃっきりぶしです。
この歌ができたのは、1927年、昭和2年、
作詞・北原博集、作曲・町田歌唱により作られた新民謡です。
ここで、新民謡のことを少しお話ししましょう。
新民謡とは、古来からあった民謡とは区別し、
大正末期、1920年頃から昭和初期にかけて、
作詞では、北原博集、野口右条、西条康など、
作曲では、町田歌唱、中山新平、小関雄二らによって
手掛けられた創作民謡です。
地方自治体や地方の企業によって歌ったり踊ったりできる、
その土地の特徴や観光地、名産品をPRする目的で
制作された歌曲です。
東京音頭、天竜下れ歯、東海バンチ小歌、常州小歌など、
たくさんの新民謡が作られました。
そして、北原博集が初めて民謡を作詞したのが、
このジャッキリ節でした。
この曲は、静岡鉄道、当時の静岡電気鉄道が、
日本平の一角に三万坪の土地を開き、
狐ヶ崎遊園地の開園を記念し、
園内の領邸兼旅館、水公園のお客さまのため、
そして、沿線の観光と物産を広く紹介するための宣伝歌として、
お座敷で警舎州の三味線を歌おうと北原博集に依頼しました。
はじめは、一企業のPRソングだったのです。
博集さんは、民謡の作詞はしたことがないという理由で、
何度も断り続けていました。
当時、担当者であった部長さんは、
人々に親しまれ愛される歌を、
その歌を通じて地域産業の発展につながることを、
熱意をもって説明したことで快楽したといいます。
ある日、博集さんは取材のため、
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静岡市に向かう東海道線の車内でばったり乗り合わせた
邦楽作曲家群馬県伊勢崎市出身の町田歌唱氏に、
民謡を作るために静岡へ行くが、
それができたら君に作曲を頼もうと言い、
歌唱さんもぜひよろしくお願いしますと言って別れ、
その後、正式に静岡鉄道から依頼があったそうです。
今や静岡県民謡といえば、
ちゃっきり節と言われるほど有名ですが、
この歌はなんとかしが30番まであるのです。
よく耳にするのは3番ぐらいまでですよね。
当時、博集さんは静岡に長く滞在し、
静岡独特の人情風俗に触れ、
知名や方言、お茶の知識を得ようと努力していたようです。
ある日、お店でお酒を飲んでいると、
地元の年老いた芸者さんが、
障子をあけ空を見上げながら、
誰に言うともなく、
「キャールが泣くんて飴づらよ。」
と呟きました。
それを耳にした博集さんは、
「できた!」と言って、
すらすら歌詞を書き上げたと言います。
その時、きっとピンとくるものがあったのでしょうね。
当初は、「キャールが泣くから。」としましたが、
地元出身の作家・尾瀬担雄氏に、
方言では、「泣くんて。ですよ。」と教えられ、
後に、「泣くんてが正しい。」と言明しています。
この歌は、かすりの着物に赤いたすき姿で
茶摘み風景を歌っていると思われがちですが、
よく歌詞を聞いてみると、
お茶を摘むのではなく、
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はさみを使う様子が表されています。
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歌詞の中に、
茶摘みばさみの、お手のはさみの音の良さ、
とあります。
このことから、手摘みから、
茶ばさみを使うようになったことがわかります。
茶ばさみと言っても想像がつかないと思いますが、
垣根などを刈り込む、
柄の長い刈込ばさみに似ています。
御林の茶っ切り茶っ切りは、
茶の葉を切るという意味ではなく、
はさみのリズムの音が御林の言葉としています。
そして、その茶っ切りばさみの擬音を曲名にしたのです。
茶っ切り節は、昭和3年1月25日、
NHK足小山放送局からラジオにより全国放送されました。
そして、全国的に大流行したのは、
経営者から歌手に転校した長野県松本市出身の一丸さんが、
1931年、昭和6年、レコードに引き込み、
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翌年、1932年、キット曲となります。
一丸さんは、レコード化する際、
キャールが泣くんでと標準語風に濁音で歌ったため、
現在でも誤った歌詞のまま歌われることが普通になっています。
正しい歌詞を知った後の再レコーディングも濁音のまま歌っています。
一丸さん独自のこだわりがあったのかもしれませんね。
それでは茶っ切り節をお聞きいただきますが、
三味線の伴奏にも耳を傾けてほしいですね。
作曲した町田歌唱氏は長歌の名取でもあります。
三味線の伴奏がとても軽快で、三味線独自の間やリズム、
技法が随所に見られ、素晴らしいものになっています。
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三味線の伴奏がとても軽快で、三味線独自の間やリズム、
技法が随所に見られ、素晴らしいものになっています。
三味線の伴奏がとても軽快で、三味線独自の間やリズム、
技法が随所に見られ、素晴らしいものになっています。
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三味線の伴奏がとても軽快で、三味線独自の間やリズム、
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技法が随所に見られ、素晴らしいものになっています。
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三味線の伴奏がとても軽快で、三味線独自の間やリズム、
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技法が随所に見られ、素晴らしいものになっています。
いかがでしたか?
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なお、この番組はポッドキャストでも配信中です。
また次回お会いしましょう。
中村いずみでした。
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