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中村泉さん
中村泉の三味線民謡ラジオ。
中村泉さん
こんにちは、玉村町在住の三味線木付講師の中村泉です。
この番組は、かごめかごめ、ソーラン節など、
知っていた曲が実は民謡だった。
そんな身近にある民謡や三味線についてご紹介します。
今回ご紹介するのは、曲名がユニークな民謡です。
民謡といえば草津節、秩父音頭のように地名のついた歌、
あるいは草刈唄や酒屋唄などの作業歌。
曲名を聞けば、なんとなくわかる歌が民謡にはたくさんありますが、
この歌はどんな歌?と思うような曲の中で、
熊本県民謡から2曲ご紹介します。
タイトルは、キンキラキンとぽんぽこにゃです。
では、キンキラキン。
この曲は、熊本県の花柳界で演じられていお座敷唄です。
起源は、明和年間。
熊本藩6代目藩主、細川重賢が奢侈禁止令を出し、
中村泉さん
藩民の華美贅沢を取り締まっていた頃、巷に歌われたものです。
中村泉さん
キンキラキンとは、キラキラと光る金のかかった贅沢な着物の意味で、
極端な倹約主義に対する庶民の一種の不平不満を表したもの。
唄の囃子に、「キンキラキンのがね政どん、がね政どんの横バイバイ」と歌っていますが、
重賢公が平太左衛門の名で知られる堀勝名を家老とし、
この家老が織物商の政という人を起用します。
その政という人物が、蟹のように横っ飛びして活躍したことから、
カニ政と呼ばれ、それが肥後なまりでがね政どんになったといいます。
それでは歌は佐藤松子さんで、キンキラキンをお聴きください。
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中村泉さん
ひごの刀の下げをの長さ、長さばいそら金キラ金。
朝が違えば玉出すうち、それも爽快金キラ金。
おらがちごさんばこなさばこなす、こなせばいそら金キラ金。
星のしゅざやはだてじゃない、それも爽快金キラ金。
しんとんとろりとみとれる、とのごばいそら金キラ金。
とのはだてしゃで、よかおとうこ、それも爽快金キラ金。
なんみょほれんげきょ、どろつくどんのたいこ、たいこばいそら金キラ金。
ひごのめいぶつほんみょおうじ、それも爽快金キラ金。
よこいへいしろさん、じつがくなさる、なさるばいそら金キラ金。
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中村泉さん
がくにきょじつがあるかいいな、それも爽快金キラ金。
中村泉さん
はなのくまもと
中村泉さん
はなのくまもと
ひみつはきでるすいぜんで、すこしさがればな、おやえぶこのなそび。
おうさぽんぽこぽんぽこにゃ。
おとにんなんじょうからながむれば、おやこしたわせいしょうこうぼだいしょう。
すこしさがれてのごろさん。
おうさぽんぽこぽんぽこにゃ。
おとじょうろくばしからながむれば、おやこしたわしらかわりょうしばい。
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中村泉さん
すこしさがればたしぶね。
おうさぽんぽこぽんぽこにゃ。
おまちなかざかこゆればこうじ。
ようきゅうかっちりしなののぜんこうじ。
すこしさがればな、おやほんまのにじゅよかい。
おうさぽんぽこぽんぽこにゃ。
中村泉さん
いかがでしたか?
どちらも、花柳界で三味線に合わせ賑やかに唄い踊られる曲です。
ユーモラスでリズミカルな囃子言葉が、なんともおもしろおかしいですね。
熊本県にはほかにも、キンニョムニョ、のんしこらという歌もあります。
こんなおもしろいタイトルなら、一度聴いたら忘れないでしょうね。
中村泉の三味線・民謡ラジオ、今回は、曲名がユニークな民謡をご紹介しました。
ここで、私からのお知らせです。
4月27日土曜日、14時から、玉村町小泉の重田家住宅にて、
「琴と三味線の奏」と題して、琴と三味線の演奏を行ないます。
ぜひお越しください。
この番組は、ラジオななみポッドキャストでもお聴きいただけます。
また、次回お会いしましょう。中村泉でした。