これ元々ロジャー・イーノ?
ブライアン・イーノですね。
ブライアン・イーノごめんなさい。
ロジャーは確かブライアンのお兄さんかな。
ロジャーさんの話だからグッチャになっちゃった。
ブライアン・イーノは私も大好きなんですけど、イーノが元々やってたことにインスパイスがあるんですかね。
そうですね、元々彼の作品、一つの作品名なんですね。
シビックリカバリーセンターが英語名で、日本語に直訳すると市民回復センターって呼んでるんですけど、
2000年にロンドンのヘイワードギャラリーで実は彼が発表した作品なんですね。
大きいちょっと暗めの空間に入りますと、彼がよく知られてるちょっとアンビエントで不気味な音がその空間の中で聞こえて、
大きいスクリーンの中では、彼実は画家でもあるので、
すごいゆっくり変わるデジタルな画像があって、そして床にカーペットやソファーがいっぱい置いてあって、
そこで5分でもいいですし、2時間でもいいですし、くつろげると。
そして自分の心、精神状態をちょっと整える、あるいは回復するような場所として、いいのは提供してるんですね。
いいのってすごく面白いアーティスト、ミュージシャンだけではなくて、思想家でもあると思っていまして、相当面白いレクチャーとか話すんですけど、
その中で彼はずっと大事にしてきたのは、公共空間を取り戻さなくちゃいけないというか、
ロンドンも東京もそうだと思うんですけど、年々公共だった空間がどんどん企業に売られたりして、
民営化されていくっていう動きが20年30年あると思うんですね。
これロンドンもすごいあって、いいのさんは2000年に入るときにそれをすごい警戒してて、
やっぱりどの町に行くと公園とか図書館とかそういうパブリックでオープンで、非常にそこに行くと安全。
そこでちょっと自分のことを回復できるような空間ってすごい大事だよねっていうことを、
多分この市民回復センターっていう作品を通して提案してていると思うんですよね。
その考え方、そして空間に非常にインスパイアされて、ディープルッキングと実は無関係ではないと思うんですよね。
長い時間そこにいてもいい空間っていうことですよね。
椅子とか寝てもいいですし、のんびりゆっくり休んでもいい。
そういう空間を住んでいる餅月作地域で友達と一緒にイベントとしてやるんですね。
市民回復センター餅月という名前で、それは例えば音楽鑑賞のイベントだったり、レコードをA面B面聴くとか、
一緒にゲストを呼んで何かについて議論するとか。
ドームの中でやったり、外でやったり、そういう絵画鑑賞セッションをやったりとか、
本当に半分遊びですけど、地域の中でもこういう面白い芸術体験をやろうということでやってますね。
この市民回復センターは公共施設を使うんですか?
今までは外、野外でやったり、あとはドームの中でやったりしてますね。
さっきおっしゃってたドームの中で。
本当はいろんな公共図書館とか公民館とかそういうところでもやってもいいと思うんですけど、
もしかしたらこれからそういうところでもやっていきたいなという感じですね。
この市民回復センターというのはどういう人が集まってくるんですか?
大体地域に住んでいる音楽とか美術に関心ある方ですかね。
学校の先生も来たことありますし、年配の方も何人か来てるし。
Facebookとは口コミで回すので、本当に地域にいる人たちですね。
なるほどね。面白いですよね、こういう活動。都会でもそれやりたいですね。
ぜひできると思いますよね。
多分やっぱり長野に住んで一つ思ったのは、やっぱり東京は非常にある意味では情報も豊富だし、
いろんな面白いイベントが毎晩あるんですけど、やっぱり作とか餅づきみたいなところに住みますと、
自分たちである意味では作っていかなきゃいけないところがあって、
向こうの地方美術館とかギャラリーも少ないっていうのもあるし、
そんなにイベントもないので、自分たちでやるっていう楽しさもすごく生まれるところだなと思っていて、
その分、みんなそういう高い思いで参加してくれるっていうのがあって、
ちょっと東京でやるイベントと質が違うなっていう感じもたまにしますね。
あと大自然の中でできるっていうその良さ、ザワザワ感が少ないと言いましょうかね。
そうか、だからやってる趣旨として文化的なものに、もうちょっと地域の人々に触れてほしいっていうこともちょっと思いもあって、
それでやられてるっていうことなんですね。
でもそれ以外にもいろんな活動を、実はロジャーさんやってて、
餅好きで、モアカ?
モアカですね。
気候変動運動。
そうですね、これも本当に市民、市市民として、一親として、
実はきっかけとしては2018年ぐらいに気候変動について、
ちょっと英語のメディアが非常にその年ね、覚えてると思いますけど、
グレタ・トゥンベリーさんが多分学校ストライクを始めたのが2018年なんですね。
多分英語系メディアが非常にやっぱり気候問題に対して大きく報道し始めた年で、
私もだいたい英語メディア読むので、なんかこれって何なん?
それまでは多分多くの人と環境には関心あって、できることはちょこちょこやってたけど、
まだ100年先の問題だよねって軽く考えてた自分もいた。
2018年ちょっと1回論文やちょっと1回調べてみようと思ったんですね、自分なりに。
いろんな気候科学者のウェブサイト行ったり、本買ったりして、
これは相当思ってたより深刻な問題だなっていうのが2018ぐらいに自分なりに目覚めたって言ってもいいと思うんですけど、
そこから地域にいる似たような考えを持った方たちとよく話す機会があって、
勉強会から始めようっていうことで、我々が住んでる町で何をできるか。
こういうこれから日本も全く無関係ではなくて、多くの自然災害も起きるエリアなので、長野県もそうですよね。
なので、そういうこれからの未来に適応するようなことについてみんなで話そうとか、そういう活動をして、
あとは地域の学校に呼ばれたりして、この間は餅月中学校で気候変動問題を中学生たち300人ぐらいに対してネクチャしたりとか、
どっちか言えばディスカッションですね。
日本ってまだ特にヨーロッパとちょっと温度が違うなと思うのは、まだ多分意識改革の段階な気がしてて、
ヨーロッパって本当に危機的な状況と思っている方が多いと思うんですね。
本当に緊急事態、アージェントっていう言葉がよく使われるんですけど、メディアもそのぐらい熱くて、
日本ではまだまだちょっと怪議論者たちが多かったり否定する人もよくいるんですよね。
なので、まずは問題意識を高めていこう、まず話し合おうっていう段階でそういう市民運動をしてますね。
そこから生まれた具体的なアクションとかやってることってあるんですか?
例えば餅づきで本当に年配の先輩方たちが長年作ってきた、例えば竹籠作り。
それは地域で、竹ってもともとすごい重要な資源として使われてたんですけど、
この数十年やっぱりどんどんどんどん人が餅づきから出ていくことによって、
竹林がボウボウになってきてて、ちょっと問題化してるっていうところもあって、
これは多分日本全国にある問題だと思うんですけど、
そういう竹をもう一回再利用して、ショッピングバスケットみたいなものに作れれば、
少しは、例えばプラスティック問題に対して地域で作った竹籠でショッピングできたらどうかということで、
あるメンバーたちはそういう竹籠プロジェクトを立ち上げたりしてて、
具体的に地域の資源を使って、地域の先輩たちのスキルをマッチングさせて、
竹籠を売ったりしてますね。
何人くらいの方やってるんですか?
5、6人かな、中心メンバーね。
なるほど。
でもそういう人たちが集まって、自発的にそういったことに取り組むっていうのは、
いい流れですよね。
都会でむしろそういうことをもっと推進していけるといいですよね。
そうですね。
長野取り組みを参考にしながら。
東京は東京で多分大きい団体いっぱいあると思うので、
ぜひ、特に若い方たちね。
今、すごく頑張っていろんな活動してる高校生とか大学生いるので、そういうところもね。
あと、エイトさんの方でもグローバルな環境問題について取り組むアート関係者の。
そうですね。
やっぱり私もエイトもそうですけど、アートっていう業界にいるので、
そこのインダストリー、そこのアートセクターの中で、
気候問題に対して何ができるんだろうっていうことを、
もうちょっと真剣に日本でも考えてもいいんじゃないっていうことで、
例えばエイトは2年前にロンドンでできたギャラリークライメイトコアディション、
ギャラリー気候連合っていう素晴らしい運動ができて、
これは主にギャラリストたちが始めたんですけど、
今は美術館から個人のアーティストからNPO、
さまざまな美術団体がそこに参加してるんですけど、
本当に参加すると自分の会社、ギャラリー、美術館、団体がCO2に対するコミットメント、
あるいは環境に対するビジョンをこれから3年間どう思ってるのか、
ウェブサイトに書きましょうとか、具体的な数値目標とか、団体美術館としてのビジョンを示す、
こういうコミットメントを出すっていうことをGCCは促していて、素晴らしい活動なんですね。
ウェブサイトもいろんなトゥールがあって無料でダウンロードできるんですけど、
そういうことを日本でどうにか広めたいなっていうのは、エイトとして頑張ってるところなんですけどね。
素晴らしいですよね。実は美術館の展示、展示全般に言えることですけども、
すごい排気物が出るんですよね。
前は学院の方と話してて、終わった後に出るゴミがすごいっていうことは聞いていて、
私もこのGCCのサイトちょっと拝見させていただいたら、
取り組みとして、例えば海外である展覧会にも行く人たちの人数を減らしたりとか、
飛行機に乗ることによって、やっぱりすごく環境破壊が、白車がかかるっていうことなので、
そういうことに気にしたりとか、やっぱり海外からの作品を運ぶのに、運搬するのに、
すごいなんかやっぱり、そこでもエネルギー消費っていうのがあるので、
それはさすがにまだ船便に全部切り替えてるのがなかなか難しいって話だったんですけどね。
そういう意味でも、これエイト以外に入ってる日本の団体とかあるのかしら。
今はGCCに参加してる日本の団体はエイトのみですね、今のところね。
そうなんですね。ぜひぜひ、ちょっとエイトからこの取り組みを、
またさらにいろんな日本の中でも広めていられると嬉しいなというふうに思っているんですけれども、
私もちょっと個人的にも、もう一回この問題に関しては色々考えていきたいなというふうに思っています。
これね、そのことについても、このディープルッキングの5章の中では色々書いてあるんですけれども、
やっぱりそのアートを、これからの環境問題もそうだけど、色んな危機がこれから訪れてくるって、
その時代を生き抜くためにもアートの活用をしていくっていうことが書かれたんですけれどもね。
そういった意味でも、もう一回ちょっと前回の話に戻りますけれども、
やっぱりアートをみんなで共有し合ったりとか、
一つのキーワードとして、コレクティブジョイみたいなこととかっていうのをロジャーさんがおっしゃってて。
そうなんですよね。コレクティブジョイって、日本語で言いますと集団的喜びって訳してもいいと思うんですけど、
もともとスピノザっていう、17世紀のオランダの哲学者までたどれる概念だと思うんですけど、
最近の思想の中でもちょっと話題になってるキーワードでもあると思うんですけど、
やはり何かアクションを社会の中で起こす手前に何が必要かというと、やっぱりやりたいという気持ちですよね。
それって大体喜び的な感情があるほど、多分アクションにつながるっていう考え方があって、
どんどん落ち込んでいくと、人間って何もやりたくならなくなっちゃうと思うんですよね。