むんぱれTuesday、その日の天使。
皆さん、こんばんは。ナビゲーターのナオエレーヌです。
むんぱれTuesday第1週、その日の天使。
この番組では、私が気になる様々な分野で活躍しているゲストの方を迎えして、その方たちの声をお届けしています。
早いもので、今年も12月となってしまいました。
ということで、今回が年内最後の放送となります。
この1年間、番組には様々なゲストにご出演いただきました。
振り返ってみますと、アーティストで活躍しているのもいますし、それから地方で個人美術館をやっている人だったりとか、
ジェンダーという切り口でインディベントマガジンを編集しているチームとか、またアートプラクティショナーと名乗る、そんな方々もいましたけれども、
今回もですね、アートの分野で非常に面白い活動をしている方をゲストにお招きしています。
黒木健一さんです。こんばんは。
皆さん、こんばんは。黒木と申します。本日よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
皆さん、ほんとつい最近ですよね、お会いしたの。
そうなんですよね。
あるね、作家さんのレースオフィションパーティーでお会いさせていただいて、
あら、面白い方いるなと思って。
いやいや、黒木さんもその後お話を伺う機会があって、大変面白い活動をしているなと思って、今回来ていただいたんですけども、
現代アートコレクターというふうにご紹介するのがよろしいですかね。
そうですね。
普段は会社員をされているということで、プライベートの活動の中で、現代アートを中心にコレクションされているということなんですけども、
そういう方は過去にゲストでも来ていただいたんですけども、
ただコレクションしているだけじゃなくて、これ面白いなと思ったのは、ご自身の作品をいろんなところで積極的に公開されていたりとか、
それから地元でなんと芸術祭もやられているということで、
その辺のお話は後で詳しくお聞きしたいなと思っているんですけれども、
よく聞かれると思うんですけども、そもそもどうしてコレクションを始めたのかなと思ってまして、
例えば小さい時によくアートというか見てたとか、それとか絵をよく描いてたとか、そんな感じだったんですかね。
小さい時から趣味で手品をずっとやってたんですけども、不思議なものがすごい好きだったんですね。
魔法に近いですよね、手品って。
あれ自体は種があって、演技なんですけども、超能力とか、魔法使いとか、そういうものにすごく興味があって、
その世界観ってですね、宗教画がいろいろ出てきたりとか、あと幽霊がいれば丸山王居さんが出てきたりとか、
もちろん当時知らないですよ、小さいですから。
でも、なんとなくそういうことを触れていることで、アートってあるんだなというのは幼児期の体験であったとは思います。
なるほど。美術にすごくハマってたというよりかは、手品をやっている中で。
感性的に何か情報として入ってた。後で気づいたらそれがアートだったというのは、振り返るとあるかと思います。
でもコレクションを始めたのはどういったきっかけで。
そうですね。ちょうど2011年にコレクションをスタートするんですけども、振り返ると震災がきっかけだとは思います。
東日本大震災。
そうですね。これは皆さん本当にそうだったと思うんですけども、ものすごくショックを受けましたし、今でもそうだと思いますが、不安な日々を過ごすわけですね。
その中で、その年にたまたま香川県の直島に行ったことあります?
直島に行ったことないですよ。
もったいないです。
行きます行きます。
そこに行った時に、そう見えたんですけど、海に黄色いカボチャが浮かんでましたね。
ほうほう。
実際は飛び出ているところに置いてあるんですけども、本当に海の中にどっぷりしたカボチャがあって、
その作品を見た時に、何ですかね、安堵感というか、不思議な安心感があったんですよ。
それを見て、実際草迷いさんの夢の中カボチャの作品ですけども、それで帰宅した時に、何かああいうアートの作品が自宅にあったら、生活が変わるんじゃないかな、雰囲気が変わるんじゃないかなと思ったのがきっかけで、
それでコレクションをその年にスタートしたんですね。
自宅に1点置いたんですけども、今でも置いてますが、一緒だと思いますが、疲れて帰ってくるじゃないですか、会社から。
それを見ると、森林浴みたいな、何か出てくるんですよね、アートから。
癒されるんですよ。
たぶん、振り返るとなんですけど、たぶん何かに頼りたかったんじゃないかなと、当時、不安な気持ちが。
震災後の。
怖かったじゃないですか。
小木さん、ご出身はあちらの方だったんですか。
そういうことは一切ないんですけども、たまたま離れたところにいたので、出張でちょっと離れたところにいたので、家族と連絡が取れないとか、いろんなことを含めて、恐怖の体験として残っていた。
そういうことに何か頼りたかったんでしょうね。振り返ると、その時はよくわからなかったんですけども、それから毎年毎年コレクションを始めたという感じですかね。
最初に買った作品はちなみに何だったんでしょうか。
草間弥生さんのドローイングですね、アクリルの小さな作品を購入したのがスタートですね。
なるほど。結構、草間さんが第一作目っていう方多いですよね。
やっぱり特徴的ですし、最初にアートっていう意識じゃなかったんですけども、ファッションが好きでファッション雑誌ずっと見てたら、その雑誌の特集でやたら眼力の強い女性が出てきて。
で、表紙とか全部それで飾ってたんですけども、ドットで飾ってたんですけども、開くと飛び出てくるような凄みがあってですね。
そしたらどなたかなと思ったら草間弥生さんだったっていうのは最初の体験ですかね。
そこから多分インパクト残ってたんでしょうね。
かぼちゃを見た時にすぐにそれが繋がらないんですけど、後から考えたらそうだっていう。
なるほどね。で、そのいろいろ今コレクションされてる、大体どのくらいあるんですか。
今ですね、130点から140点ぐらいだと思います。
2011年からですか、そういうコレクションの仕方してないですけど、年で10点ずつぐらいが多分。
平均するとですね、そういうコレクションの仕方してないですけど、じゃないかなと思いますけど。
それはコレクターの中には、例えば作品を見て、その後アーティストに関しての略歴とかも全部見て、どこで今まで展示してきたのかとか。
で、その上で年間の購入予算とか決めて購入してらっしゃる方もいますけど、黒木さんはどういった感じで。
まず最初に、もちろん生活してますから、普通に会社員で働いてますので、限られた予算の中でどうコレクションをリッチンしていくかってことは考えてはいるんですけども。
実際ですね、いろんなコレクターの方いると思いますが、かなり面倒なコレクターだと思います。
素晴らしい素敵な作品って、前世から数多あるじゃないですか。年代も含めて数多ありますよね。
もちろんそれは全てコレクションできないわけじゃないですか。
その中で、自分にとって嬉しいものとか楽しいものとかをシャープにしていかないと、もう限られた予算って限られた時間の中でやることですから。
それをシャープにしたいと思って、ものすごく面倒なルールを自分に課してるんですね。
そのルールを乗り越えた時に初めてコレクションができるっていう、作品には何の関係もない、作家さんにも何の関係もないことなんですけど、というふうにしています。
何ですか、ルールは。
全体で1つぼんやりしたテーマが1個あるんですが、そのテーマの中で3つに分けてまして、
作品を表す時によくあるディメンション、寸法ですよね。
寸法の話とメディウム、どんな媒体かっていうことと、あとアーティスト、作家が誰かっていう、だいたいこれで構成されると思うんですね。
ですのでそれぞれにルールがあるんですけども、
全てが合致するわけじゃなくて、その1つずつに作品がより集まることになっていて。
これいいんですか、その順番で。
その3つのルールのどれかにハマってればいいってこと?
そうそうそうそう。
多分これ本気で話すと1日かかっちゃうかもしれない。
ちょびっとその辺かいつも話してもらえると嬉しいかな。
最初ディメンション、寸法のところでいきますと、10cm×15cmっていうサイズにすごくこだわってるんですね。
割と平面作品が多いです。
もちろんユニーク作品、またはエディション作品って決めていまして、日本の作家さんが多いんですけども、一部海外の作家さんも含めてそこに入っています。
はがきサイズって呼んでるんですけども、それが1つ定型でありまして、先ほどお話した全体のコレクションのボリュームのだいたい3分の1ぐらいがその作品になってます。
これ並べて見ると本当に、展示してみると面白いんですけど、お茶とかやられます?
やってないです。
私もなんですけど、茶器にこだわる方っているじゃないですか、器に。
茶器って全部同じですよね、上が開いていて下が閉じてますけど、構造的にはお茶入れますから。
それを並べたときに、ある作家さんの優れた作品は素晴らしいという評価が例えばなったりとか、
あるいはそれが来歴でいろんな方に手に渡ることで箱書きされて、それがまた価値があるじゃないですか。
それって定型で同じ形なのに、良し悪しというか、別な良さが際立つということがすごく面白いなと思ったんですね。
ですので、箱書きのサイズでずらりと並べると面白いんじゃないかなと思ったんです。
ということは、コレクションされた作品って基本的にお家になるってこと?
そうですね。ほとんど展示してますね。
すごいです。130点以上ですよね。
130点あるんですけど、箱書きサイズって小さいですから。
展示の仕方でいくらでも並ぶんですよね。
コレクションのお家に行ったらパーッと並んでるわけですね、作品が。
全部同じです。
皆さんそうだと思うんですけど、新しくコレクションを始めたり収集するときに、その分野ってどうなっているかってリサーチすると思うんですよ、スタートで。
私もいくつか入門書を、有名なアートコレクターの方が書かれたり、ギャラリストが書かれた本を入門書として読んだときに、面白いなと思ったのが、
ある作家さんの同じ時期の同じテーマのものは、小さい作品よりも大きい作品の方が価格が高いって書いてあったんですよ。
それが一つわかったんですね。
したら少し後でまた読んだら、別の方だったか同じ方だったか忘れちゃいましたけども、
それ書かれてたのが、ただ作家が生み出す、ゼロから1に生み出す労力、力は同じだって言うんですよ。
そうですね。
それすごい面白いなと思って。
私はやっぱり作家って、作家の皆さんって、私が勝手に想像したら、神から敬重を受けて思いつかないことを生み出せるっていうのはすごいと思うんですよ。
そういうふうに生み出したのに、生み出す瞬間に今度人間が小さいからこれはこう、大きいからこれを決めてることがめちゃめちゃ面白いなと思って。
であれば、なんか聞いたら、ハガキのサイズっていうのが絵の中の基準の一つっていう人もいるんですよね、サイズの。
何個は何個たるじゃないですか。
その最初は、なんかそのハガキサイズっていうらしくて、じゃあ一番小さいサイズだけ、市場価値的には一番低いものをずらりと並べたら、めちゃめちゃ面白いんじゃないかと思って。
なるほどね。
っていうことも遊びの一つとして。
面白いですね。であと2つはどんな条件なんですか。
あと2つはですね、メディウムは映像っていう切り口をしてまして、映像ってこれも余ったあるわけなんですけども、
欲しいものがいっぱいあるわけですね、コレクションとしては。
ですので、これまた面倒なルールを6つ作ってまして。
さらにそこから3つあるんですね。
面白いです面白いです。
ここにはまりますと、ようやくコレクションができる。いい作品は繰り返しますけどいっぱいあるんですけども、その中からチョイスができるんですけど、これ言ってもいいですか。
はいぜひぜひ。
6つあるんですが1つ。パンパンパンって言いますね。忘れてはならない歴史。直視すべき現在の問題。苦悩や性癖をさらけ出す。マイノリティが輝く姿。過剰干渉や精神的支配。夫婦、親子、恋人の距離感。
この6つをベースにしてまして、そこにはまるものを映像作品として、どれかがあればいいんですけども、コレクションしている。
それはどうしてそこに行き着いたんですよね。聞いちゃいたいな。
大さっぱに簡単に言いますと、毎年毎年だいたい200から300くらいの展示を見るんですね。年間で。少ない方です。正直言いますと。
見た時に毎年毎年、自分ってどんなものが好きだったんだっけっていうのを何度か書き出すようにしてるんですよ。
なるほどね。何回か書き出していったら、どうもこういうことが好きそうだって興味があるって思ったのを抽出してます。
わかります。私もゲストに呼んだ人で、自分のことがわかるなっていう時あるので。そうしたら、こういった関係性だったりとか、忘れてはいけない記憶だったりとかってところにたどり着いたって。
それを文章化するのが好きなので、すべて文章化してるんですけども、これ余談なんですが、後でその文字見ていただきたいんですけど。
これも聞いた話なんで本当かどうかわかんないんですけど、人間が瞬時に見て認識できる文字は10文字なんですって。
ですから、すべてこれ10文字、漢字も入れて10文字でできてるんです、今お話したのは。6つが10文字で全部構成されてます。
今の条件?
全部10文字で構成されていて、さらに60文字っていうのが、記憶して認識して話せる限界なんですって。
だからアナウンサーの方とか60文字って結構重要視されてるっていうのを本当かわかりませんよ。聞いたのでそういうふうにしてる。だからもうおかしいんですよ。
いやいやいや面白いです。めちゃめちゃ面白いです。ちょっとまってジムさん、これもすごいいろいろ話したいんですけど、でも3つ目は聞きたい。
3つ目はアーティスト作家なんですけども、私がもともとそういった好きなことが、わりとしっかり集中してるのが宮城ふとしさんっていう作家さん。
沖縄県出身の作家さんがいるんですが、その方非常に好きで、もちろん130数点ありますのでいろんな作家さん、それぞれ大切ですし大好きなんですけども、
宮城ふとしさんだけはほぼですけども好きになってから毎年作品はコレクションさせていただくようなリズムでやらせていただいてるんですけども。
3つ目のこだわりとしてはアーティストは宮城ふとしさん。ここだけは明確に言っている。この3つですかね。
宮城さんは具体的にどういったところが、この6条件が揃ってるってこと?
ぼんやりっていったテーマがすごくあるんですけども、一般的に生と死っていうテーマがすごく興味があるんですね。
きっかけが震災とかそういうことだったからかもしれませんけど、そういうことに対してすごく興味がある。
死っていうベースの中でも、神が決めることと人間が決めることっていうのがあると思うんですね。
神が決めることって言ったら、例えばこれ絶対あったらいけないですけど、大量に人が亡くなった時に自然災害によることと、
例えば戦争って今、戦争はもちろん大反対ですけども、あったらならないですが、人間が起こすこととしてやっぱりあると思うんですね。
そういうことで、死という中にもそういうものがあったりとか。
あと性っていうところにも、人を愛するっていうことだったり、誰かを愛するってことは、最後は神がチャンスをくれたとしてもですね、個人が決める、人間が決めることだと思うんですが、
性別はやっぱり自分で決められないことだと思うんですね。やっぱり神が決めることだと思うんですね。
神が決めたことで、いろいろなダイバーシティがあると思うんですけども、いろいろ苦しまれる方もいるし、愛するってことは難しかったり、逆にそれがハッピーだったり、いろんなことが起こるっていうこと自体が、
生きてることの中心にあるような気がして、そういったことはすごく好きなんですね。
それらを元に戻りますと、宮城太一さんが何か表現されてる方のような、自分なりの解釈でしていて、ですのですごく好きっていうところですね。ようやく戻ってきました。
深いです。
回収できるかちょっと心配ですね。
でもすごいですね。これだけ厚く語れるコレクターの方って、しかもこういうポリシーをかなり早い段階から持ってたんですか?
そうですね。かなりスタートの時から割と気に入ってました。もともと収集壁ですか?
いや、全部そこまではいかないですね。割と男性が結構多いのかなって思ったんですけど。
そうそう。脳の作りらしいですよね。その中でもおかしいんですけど、収集壁で、他のファッションが好きだったんで、洋服いっぱい集めるというか、欲しくていろいろ買ったりするときにも、
やっぱり制限のあるコレクションって羨ましいんですよね。例えば100個集めたら完成みたいな。それってゴールがはっきりしてるじゃないですか。
ファッションっていった瞬間に、それって無限ですよね。どんどん。それに近いのがアートもそうで、無限なんですよ。
無限です。
入門書を最初に読んだときに、ある方が言ってたのは、そういうの絶対決めないほうがいいと。決めるといいものと出会わないと。出会ってもそれでチョイスしちゃうわけですからっていうのが書かれていたんですが、
やっぱり自分としてはルールを決めないと無限になってしまうんで。何かで制限しないと。
経済的なことももちろんありますが、やっぱりシャープになるというか、自分の好きなものがより尖っていく感じをしたいなと思って、そういうことをしている。
やっぱりコレクションを始めて人生変わりました?
そうですね。そこもすごい伺いたかったんですけど、アートコミュニケーター。
そうですね。それ人から作られた名前ですけど。
それ実は勉強不足でよく知らなかったんですよ。そういう活動されている方っていうのがいるんですよね。
それはそうですね。
そのアートと触れることで、自分は仲間が増えたっていうのがすごく嬉しかったので。
まさに今日ね、こうやって本当にうっかりお会いして、いろんな話をしたのが面白かったから。
じゃあじゃあってことでトントン出るようになったとか。
確かにね。そういう人を繋ぐマジックがアートにはあるんで、確かに私もそれで黒木さんと出会えてすごく楽しいです。
黒木さん、アートの仲間と一緒に地元で芸術祭をやられているって聞いたんですけど。
そうですね。今東京都の高江戸っていうところに住んでいるんですけども。
慶応井の頭線の駅なんですが、そこで高江戸芸術祭っていうのを、ちょうど10月の1日か14日までで終わったばかりなんですけど。
本店第一回というのが終わりまして、そういったことをやっています。
高江戸在住のもう一人、正木さんという方がいるんですが、そのコレクターの方と2人でザブラクエンスという任意団体を作っていまして、
その団体で地元の方々に向けてとか、そこに集まってくださる方々に向けてのアートの展示をやらせていただいているんですね。
でも芸術祭って簡単に言いますけど、やるのすっごい大変だと思うんですね。
すっごい大変ですよね。
どうやって実現させたんですか?
それ何人ぐらいでやってるんですか?
2人です。もちろんお手伝いしてくださる方は、そこに数名いらっしゃるんですけども、基本は2人でやってます。
企画から全部、準備から、当日運営まで全部。
プラスで何人ぐらいですか?だから全体で手伝ってくれる人も含めて。
コア4人ですね。2人2人。
それでよくできますね。
2人で手伝っていただいて。
まだ規模が小さいというのもあるんですけども、高江戸周辺の5会場をお借りして、
バーですとか喫茶店ですとか美容院ですとか、器屋さんとか神社とか、いろいろお借りして、そこで展示をさせていただいて。
芸術祭しようと思ったのは、そもそもどういった?
排熱利用した温水プールがあったりとか、体育館があったりとか、すごい充実して、
そういったことも含めて、環境にもものすごい配慮された清掃工場らしくて、
ということを徹底的にやったことで、今があるっていうことなので、
すべてそれをテーマに展示構成してるんですよ。
例えばどんな感じの作品を。
例えばですけども、
森優子さんの作品で、果物がだんだん腐っていくことで、
抵抗値が変わって、そこで流れる電力の差が出て音が変わっていくっていう作品があるんですね。
それも最初はフルーツとしてあるんですけども、だんだん時が経つにつれて腐っていきますので、
最終的にはゴミになってしまう。
ただそのゴミになる過程で、色々音が変化していくんですね。
抵抗値がどんどん変わるので、水分量が変わって、ということで、
これは作品として成立してるんですが、
じゃあそれは作品、そしてゴミとは何なのかという、
間っていうんですよね。お菓子化するというようなもの。
あと友人さんのビッグオレンジボックスっていって、ゴミ箱を持って歩く映像作品があるんですけど、
そういったものをパフォーマンスもやっていただいたんですが、展示したりとか、
そういうゴミとは何か、作品とは何かっていう境を見せられるような、そういう展示構成に今回させていただきました。
友人さんがゴミ箱を持って歩いて、それだけなんですか?
これ東京はですね、ゴミが落ちてないんですよ。
ゴミ箱を持って歩くと、袋とか、鞄とか、ポケットからゴミがどんどん出てくるんですよ。
捨てていいですよって言うと。
ですから、そういうことで、ゴミとは何なのか、都市とは何なのかっていうことが可視化されるんですよね。
すごい優れた作品です。
面白いですね。で、どうでした?高井戸の人たちはどんな反応?
おかげさまでなんですけども、割と美術館とかでゆっくり見たくても見れない方っていらっしゃるんですね。
例えば小さいお子さんがいらして、なかなか移動ができない。
でもそれが街の中で見れるので、それがすごくよかった。
あるいはよりシニアの方々で、体力的にちょっと遠ではっていうことなんですけども、
それが近くで見れるっていうことで楽しんでいただいたりとか、そういったことでしたり。
あと高井戸に長く住まれている方も、先ほどあった東京ゴミ戦争のことをよくわかってらっしゃらなくて、
初めて聞いたってことを言っていただいたり、などなどなど。
面白い変化がいろいろできましたね。
現代アートって結構とつきにくいって一般の方は思われがちですけど。
もちろんとつきにくくてよくわからない部分もあるんですけど、
それをもともとほとんど興味のなかった美容院の先生が、
途中で店の表に出てきてくれて、わざわざ説明してくれたりするんですよ。
それもお願いしてないんですけども、いいですよって言ってるんですが、
本当にやってくれて本当に楽しかったって言ってくださる。
それが街が変化していくっていうことなのかなと思って。
そういう体験も含めて面白かったですけどね。