2025/04/12
サマリー
このエピソードでは「縁につるれば唐のもの」という日本のことわざを取り上げ、その意味や背景、現代の表現方法について解説しています。特に、他者の評価が肩書きや背景に影響を受ける様子や、本物の価値を正しく見極めることの重要性が強調されています。
ことわざの紹介
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。 この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
毎朝更新している声の日記です。今日も最後までお付き合いください。 今日は、ちょっと渋くて深い日本のことわざを取り上げてみます。
それは、縁につるれば唐のものです。 パソコンのスクリーンセーバーに出てきたもので、とっても気になりました。
現代ではあまり日常会話で使うことはないかもしれませんが、意味を知ると、なるほど〜とおなづける、ちょっと皮肉の効いた表現です。
意味を一言で言いますと、どんなにありふれたものでも、有名な人や価値ある背景と結びつくと、立派なもののように見えることなんです。
空のものというのは、昔の中国から来た品、高級で珍しい博来品のことです。
この空というのは、空の国、唐と書きます。
縁につるというのは、床の間とか飾り棚につるしてあるような状態のことを指しています。
つまり、さもない壺でも有名な寺の床の間に置かれていたら、これはありがたいものかも、と思ってしまう、そんな真理を表しています。
例えば、こんな使い方をします。
あの人、たいした仕事をしていないのに、有名企業の肩書きがあるだけで評価されている気がするな。
縁につるれば空のものだね。
こんなふうに使います。
背景とか肩書き、場所や文脈によって、ものの価値とか人の印象が変わってしまう、そんな見え方のマジックを表したことわざです。
価値の見極め
これに似た言葉をちょっと挙げてみますと、孫にも遺書があります。
どんな人でも立派な服を着せれば、それなりによく見えるという意味ですよね。
え、この人があの人?なんて思った時に、つい口をついて出てくることもあります。
これ、昔、結婚式でスピーチで喋った人がいて、それはよろしくないねって思ったこともありました。
他には、博がつくという言葉もあります。
価値ある人や経験と関わることで、評価がグーンと上がることを意味します。
朝ドラに出たことで、あの俳優さん一気に博がついたよね、というような感じですよね。
私は大人になってからタップダンスをやったんですけど、銀座の博品館で踊ったことがあるんですね。
それって結構博がついたって感じじゃないですか?
別に選ばれて行ったわけじゃなくて、私が行きたくて行ったっていう感じだったんですけど、博がついたっていう感じがします。
あとは、縁につれれば空のものを現代風に言い換えたような表現なのは、床の間高価という言葉があります。
何気ないものでも立派な場所に飾られているだけで、高級に見えてしまうという現象のことです。
あとは、逆の立場ってこういう言い方もあります。
工房筆を選ばず。
これは、腕のある人は道具にこだわらないっていう意味ですよね。
背景に左右されない本物という考え方なので、
縁につれれば空のものと逆の視点とも言えます。
孫にも衣装、博がつく、現代風に言うと床の間高価。
どれも本物の価値、見え方とは違うかもしれないよということを教えてくれる表現です。
物の見方を少しだけ変えるだけで、見える世界が違ってきますよね。
そんなことを、この言葉はさりげなく教えてくれるのかもしれません。
雰囲気とか、流れに乗るとか、ムードとか、多数派に乗るみたいな、
そういうことで判断せずに、頭を使うこと、知恵を絞ること、
そして本物を見極める目を自分自身でしっかりと持ちたいものです。
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それではまた明日。
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