2025/04/13
サマリー
秋田市で行われた手島泰六書道展では、書道の奥深さや表現が楽しまれています。特に手嶋大陸による独自の作品解説が印象的で、書道の技巧と哲学が融合した魅力的な作品が紹介されています。
00:00
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。 この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
書道展の魅力
毎朝更新している声の日記です。今日も最後までお付き合いください。 昨日は、秋田市で行われた手島泰六書道展に行ってきました。
秋田では初開催だったんです。 いろんな事態があって、これが一人の手から生み出されたんだろうかと思うと、それだけでも楽しいですし、
文字数が少ないのが特徴で、少ないからこそ見る側が想像して感じ取る余地があったり、 いろんな紙を使ったり、いろんな筆を使ったり、
時折絵もお書きになっていたりして、ものすごく楽しかったです。 もちろん、筆の使い方だったりとか、墨の滲み方、そして空間の取り方の美しさ、
そういう基本的なところもあるんですが、もう一つ天国っていう箱があるんですけどね、 それをどこにどう配置するのかということも含めて一つ作品なんですけど、
そういうのも全部含めた上で魅力ある作品ばかりでした。 何よりも嬉しかったのは、手嶋さんご本人による作品解説があったことです。
実はオープニングから参加することができたので、ご本人のお話をたっぷりと聞くことができました。 面白いのは入口のところに入口っていう作品があるんです。
出口のところに出口っていう作品があるんですね。 入口の方の口って大きいんですよ。出口の作品は口がちっちゃいです。
入口は口が大きい方が人がたくさん入るでしょって。 そして出口の方は口がちっちゃいとゆっくりと楽しんでもらえるでしょっていう、そんな仕掛けもあったりして、
秋田では今日まで行われるんですが、もしお近くで展覧会があった場合にはぜひお出かけいただきたいと思います。
一つ一つの文字に込めた思いだったり、筆を運ぶ時の心の動きなんかも丁寧にお話しくださっていて、とても味わい深い時間になりました。
手島太六さん。お父様は昭和を代表する書家、手嶋雄啓氏です。 20世紀の書道界に革新をもたらした人物でして、
章書という独自の書風を確立した人物です。 章形文字の章に書道の書と書きます。
章書というもので、一文字に宇宙を込めるような書のあり方というのを追求した人です。
この手嶋家の経風を見ていますと、書というのはただの技術ではなく、表現であり哲学であり、生き方そのものなんだということを感じます。
ところで、昭和の三筆と呼ばれる3人の書家がいます。 飛大転来、西川康氏、そして手嶋雄啓です。
いずれも日本の近代書道に大きな足跡を残した人たちです。 と、ここまで話しますとね、あれ、続木古山は入ってないのかと、どこ行ったんだ、と思う方もいるかもしれません。
私も実はそう思いました。 続木先生の文字は、小学校の書き方の教科書の文字そのものだからです。
あれ、入ってないのかなって思いました。 続木古山も非常に実力のある書家であるのはもちろんなんですけど、特に、
端正な解消と教育書道への貢献では、右に出るものはいません。 戦後の書者教育を支えてきた存在です。
今でも、小学校の教科書や展示物のお手本に使われる文字は、古山スタイルを ルーツにしているものも多いです。
古山体と言われる美しい筆跡。 これはやはり、あれ、三筆と言われないのかな、と思ったのですが、
芸術性を突き詰めた人たち、この西川だったり、飛大だったり、そして手嶋雄啓。
この三筆と一方で、古山は、実用書道の礎を築いた人ということです。
その違いは、方向性であって、どちらも書の道を支えて広めてきた 大切な存在と言えると思います。
昨日の書道展は、そうした書の流れと深み、改めて感じる一日でした。
これからも、作品を見るだけではなくて、背景にある物語まで味わっていきたいなと思いました。
この配信は、Apple Podcasts他各種プラットフォームでお届けしています。 それではまた明日。
04:46
コメント
スクロール