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2025-07-31 06:31

【1154】2025/07/31 遠くの地震 遠くない津波

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2025/07/31

サマリー

カムチャツカ半島沖で発生した巨大地震により、日本では津波注意報と警報が発令されており、津波の特徴や影響について解説しています。特に、遠地津波の発生とその危険性、さらには避難の重要性が強調されています。

カムチャツカ半島沖の地震
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
昨日の午前中、ロシアのカムチャツカ半島沖で、巨大地震が発生しました。
この地震によって、日本の太平洋沿岸には、津波注意報、そして津波警報に切り替わって、というような津波の影響が出ることになるんですが、
私の友人に釜石出身の方がいます。津波注意報の段階で連絡を取りますと、今、法治で釜石に帰っているというので、思わずヒヤリとしたんですが、
もう高台に移動しているから大丈夫だよと聞いて、本当にほっとしました。
今日には秋田に戻っているかもしれません。
そもそも、津波と普段の海辺で見るような波というのは、どう違うのかということなんですが、
一番の違いは、どこにエネルギーがあるかということなんです。
普段の波は、風が海の表面を吹いてできるものなので、水面の近くだけが揺れています。
なので、風の強さによるところがあります。波と波の間も短めです。
一方で津波はどうなのかというと、海の底で地震とか、あるいは火山の噴火が起こって、海そのものが持ち上がることで生まれてくるものなんです。
ということは、エネルギーが海の深いところまで広がっていて、津波って波っていう名前なんですが、海全体が動いているようなものなんです。
沖合では、ちょっとした波にしか見えなくても、岸に近づくと一気に高くなって、すごい力で押し寄せてきます。
イメージ的には、その時だけジャンプするような感じではなくて、水の壁が襲ってくるような破壊力があります。
同じ30センチというふうに報道されますけれども、ジャンプしたその時だけの高さの30センチではなくて、30センチの高さの壁のまま押し寄せてくるような勢いがあるということです。
目安として50センチで大人が流されてしまうっていうのは、そういうことなんですね。
昨日、SNSでも発信したんですが、LINEでは地震発生から間もなく、安否確認バナーが特設されました。
無事ですと発信できるような機能が用意されていたんです。
こういう時には、ぜひこの機能を活用したらいいなって思いました。
そんなに遠くで起きた地震がなぜ日本に影響するのかということなんですが、
これを遠地津波と言いまして、過去にも何度も私たちの暮らしに影響を与えてきているんです。
遠地津波というのは遠い土地の津波と書くんですが、
例えば2010年に南米地理で起きたマグニチュード8.8の地震ですが、
この時は日本からおよそ1万7千キロも離れた場所だったにも関わらず、
津波が丸1日かけて日本に到達して、警報が発令されました。
そしてその翌年、2011年3月11日には東日本大震災が日本で起こって、
やはり遠く離れたおよそ1万7千キロの地理に影響を及ぼしています。
ずっと遡ると1700年のことです。
アメリカ北西部で発生した巨大地震の津波は、
14時間かけて山陸に到達して、江戸時代の記録にも残っています。
こうした遠地津波にはいくつかの特徴があって、3つ挙げるとすれば、
1つ目は時間差でやってくることです。
今回のカムチャ津波沖地震もそうなんですが、
津波は数時間あるいは十数時間後に到達します。
なので気象庁などからの情報を冷静に受け止めて早めに行動することが大切になってきます。
遠地津波の特徴
2つ目は波が繰り返しやってくることなんです。
津波は1回だけではなくて、数十分おきに何度も波が押し寄せてきます。
しかも2回目、3回目の方が高くなることもあります。
避難解除の情報が出るまでは絶対に戻らないというこの判断が命を守ります。
3つ目は見た目が普通の波のように見えることなんです。
水位の上昇は数十センチだったとしても、流れが強くて港では漁船が流されるというような被害が実際に起きているんですね。
このことについては昨日1日ずっと同じ報道がされていました。
改めてこの延時津波ってどういうものなのかということを知っておくということがとても大事だなと思いました。
地震で揺れたら津波って海辺にいたらあるいは河口にいたら警戒をするんですが、実際に地震が起きていないと情報に疎くなっている場合があります。
なのでこの情報を聞いていない方にぜひ教えてあげてくださいというようなそういう報道もされていました。
これも非常に有効な報道だなというふうに思ってみていました。
この延時津波の場合は時間があるからこそ避難できるチャンスもあるということでもあります。
そうであるならば今自分がいるところは安全なのかそうではないのか。
安全でないのであればどこにどう避難するのか。
そしてこの延時津波は複数波やってきますから長丁場なんですよね。
この暑い時期長丁場であるということ。
それをイメージした時にどのようにすれば安全に過ごせるのか。
自分の命を守れるのかというそのイメージすることってとっても大事だなって思います。
起こった巨大地震は遠くの地震でした。
でも私たちにとっては遠くない問題であるということをしっかりと心に刻みたいものだと思います。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
それではまた明日。
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