2025/06/07
サマリー
さなぶりは田植え後に行われる伝統行事です。地域によって呼び名や習慣が異なり、自然への感謝や家族、地域のつながりを再認識する機会となっています。
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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。毎朝更新している、恋の日記です。今日も最後までお付き合いください。
今日が配信1100回目を迎えました。ということで、YouTubeでは扉絵を変えていますので、もしこの音声を各種ポッドキャストでお聞きの方は、LISTENに飛んでいただけますと、その扉絵を見ることができますので、お時間のある方はちょっと覗いてみてください。
さなぶりの意味と由来
さて、今日の本題ですが、さなぶりってご存知ですか?さなぶりは、田植えが終わった後に行われる伝統的な行事です。田植えの籠をねぎらって、お食事だったり、お酒を振る舞うという伝統的な行事なんですけど、まあ飲み会をするっていう感じですかね。
どんな感じで書くかっていうと、さなえ振ると書くんです。長いこと私はさなぶりってひらがなで認識していたんですが、さなはさなえと書くと。田植えの時に植える若い稲の苗のことですね。
そしてぶりの方は振るっていうことですけど、振る舞うとか催しという意味があるんですね。というわけで、さなぶりはさなえを振る舞うという、まあこの漢字を見るとその行事の意味とか由来がぐっとわかりやすくなるなと思いました。
こんなふうにさなえを振る舞う、つまり田植えが終わった後で新しい稲の苗とかごちそうをみんなで食べることからさなぶりと呼ばれるようになった。この説もありますけど、他にも説があって、もう一つの説をお話をしますと、さおりと言って早く降りるって書くんですけど、これは田んぼの神様を田植えの前に迎えることを言います。
このさおりに対して、田植えが終わった後に神様を送り返すさのぼりという言葉があって、これは早くのぼるって、上昇の昇って書くんですけど、早くのぼる、さのぼりという言い方があって、このさのぼりが転じてさなぶりになったとも言われます。
いずれ一生懸命に田植えを終えた後にその朗をねぎらって、ごちそうを囲みながら秋の豊作を祈るという行事、ここは共通しています。地域によって呼び名も習慣も様々です。
秋田ではこのさなぶりって言うんですけど、四国とか九州ではさのぼり、そして北陸とか中国地方ではしろみてと言ったりして、いろんな名前で親しまれているそうです。
最近は農業の機械化だったり生活のスタイルの変化でこの伝統行事そのものが減りつつあったり、あるいは変化してきているんですけども、でも秋田では割と今も大切に受け継がれているなって思います。
もっとも私が育ったうちって公務員だったので、自分のうちではなじみがなかった行事だったんですが、ラジオの生放送していたときに多くのリスナーの皆さんがさなぶりについてたくさんのメッセージ寄せてくださっていて、それが一つ季節を感じるものでもあったなって思います。
今お米がホットな話題にはなっているんですが、こういう行事を通して自然への感謝とか家族とか地域のつながりみたいなことを改めて感じることができるなって思います。
農作業に関わらない方にとっても、さなぶりのような節目だったり感謝の気持ちを持つ習慣っていうのは日々を豊かにしてくれるヒントかもしれないなって思います。
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それではまた明日。
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