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2022-12-25 05:51

【0205】2022/12/25 「感覚」は自動的には身につかない

2022/12/25

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おはようございます。鶴岡慶子です。この配信では、司会者として、花火干渉士として、そして気象予報士として、日々感じたことなどをお話ししています。
名古屋や愛媛で大変な雪になっていて、LINEのオープンチャットでつながっている名古屋の人たちに、大変なことになってますねっていうチャットをしました。
そしたら、秋田の足元にも及びませんという返事が返ってきました。あるいはもう一人は、それこそ秋田はやばいんじゃないですかっていう、そんな返事もありました。
名古屋は短い時間に10センチ降ったんですよね。これは8年ぶりなんだそうですね。この規模の雪が降るというのは。
そして上空からの映像を見てますと、本当に真っ白なんですよね。秋田の方が大変じゃないですかとか、秋田の足元にも及びませんよっていうメッセージをいただいたんですけれども、今私が住んでいるこの辺は、積雪見てみますと2センチなんですよね。
もちろん秋田全体を見ますと、山沿いはかなり降っていまして、80センチを超えているところもあるんですよね。それは普段よりもたくさん降っていますので、やばいとか足元にも及ばないってその表現が当たるんですけれど、
海側に住んでいる私なんかは、降雪したいっていう感覚はあまり持ち合わせていないので、やはりひとたび10センチ以上を短い時間の間に降りますとね、この辺もやっぱりびっくりはするんですよ。
それほど麻痺するってほどではないと思うんですけれど、それでも対応に追われるっていう感覚はありますね。
この1日2日の雨雲の様子をずーっと見てますと、雪雲ですかね。いわゆる冬型の気圧配置で降る雪というのは、やっぱり日本海側中心なんですよね。
冬型の気圧配置、典型的なものになりますと、関東は晴れてるんです。でも今回のように、ちょっと雨雲の高さが高くなるとっていうのかな、雲の厚みが厚くなるとっていうと伝わりますかね。
高いところまで雨雲が発達していますと、山を越えて太平洋側まで雪を降らせてしまうということがあるんです。
それほど雲の厚みがないと、その山にぶつかって日本海側だけに雪を降らせて終わっちゃうんです。
でもやっぱり今回は長野の、長野のあたりにあるアルプスを越えることはできなかったようなので、関東には降らなかったんですよね。
前橋あたりには降ってますけど、東京や千葉、神奈川とかは降らなかったんですよね。
でも名古屋の方には、風向きの関係で、それほど高い山じゃない山を越えて、名古屋の方に雪を降らせちゃったんです。
あ、ここには降るんだけど、関東のこの首都圏には降ってないんだっていうのが、ありありとわかる雨雲の様子だったんです。
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それを見て、あ、なんか三河じゃなくて、江戸に城を構えた徳川家康ってすごいなって思ったんです。
なんか肌感覚でわかってたんでしょうかね。もう江戸は強いなっていうか、東京は強いなって思いました。
こういう肌感覚って実はとっても大事だと私は思っているんですけれど、天気図を弾き出すコンピューターって、
模擬地球みたいなのがコンピューターの中に入っている感じなんですよね。
地球の地形とかも細かく考慮はされているんですけれども、明日は晴れでしょうって言っても、この辺はどうかな、ちょっと雲が多いんじゃないかなと思ったり、
秋田の明日は雨でしょうって言っても、この辺はあの山の先に雨が落ちてくるから、この辺は晴れるよねみたいなことって、
やっぱ肌感覚であるんですよね。地元の人しかわからないというか、そこで暮らしている人しかわからない肌感覚ってあるんですよね。
どんなにコンピューターが発達しても、AIが私たちの生活の中にたくさん入り込んだとしても、この肌感覚っていうのは追い越すことができないと思います。
そして悲しいことに、この感覚っていうのは自動的に身につくものではないと思うんです。
積極的に五感を磨いていかないと、それは身についていかないものなんですよね。
メキキのプロを育てる時っていうのは、良いものだけをまずは見せ続けるんだそうです。
順番にこれは一流のものだよ、これは二流だよ、これは三流だよっていうふうに、その辺にあるものをずっと順番に見せていくのではなくて、
一流のものだけを見せ続けていくんですって。
そしてある程度月日が流れた時に、ちょっと三流のものを混ぜるんですって。
その時に弟子が、「師匠、これちょっとおかしくないですか?」って言った時に、初めて合格っていうふうになるんだそうです。
その感覚って、その師匠のところにいただけでは自動的にはならないんですよね。
与えられた一流のものをずっと自分の感覚として受け続けるというか、磨き続けるっていうことをしなければ、自動的に体が大きくなったからといって身につくものではないので、
積極的にいろんな経験をすること、そして本物を見続けること、見ようと努力することって、とても大事なことだなって思います。
鶴岳慶子の花火と天気と言葉と、日本の秋田県から発信しています。
コメントやいいねでつながってください。 鶴岳慶子でした。
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