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2022-11-12 06:08

【0162】2022/11/12 使い方が難しい「がんばれ」ということば

2022/11/12

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おはようございます。鶴岡慶子です。この配信では、司会者として、花火干渉士として、そして気象予報士として、日々感じたことなどをお話ししています。
私の姪っ子は今、資格試験に向けて、すごく頑張っているんですけれども、昨日勉強するのがもう嫌だと言って、家に遊びに来たんです。
もちろん頑張っているから、時折そういう集中が切れるということはあるんだろうと思うんですけど、
こっちに遊びに来る時っていうのは、いわゆる遊びに来ていますので、頑張っている姿は見えないんですよね。
6月の試験に向けて、今頑張っているので、もっと頑張れって言いたくなるんですよね、つい。
でも、頑張れっていう言葉って、もう日本語で一番使い方が難しい言葉だと思うんです。
この頑張るっていう言葉、語源は諸説ありまして、一般的なものは、
我に張る、我に張るって書く、これが一般的なもののようです。
自我を押し通すという意味なんですよね。
もう一つは、眼を張る。眼球の眼ですね。眼を張る。
これは、もう自分を見張るという意味になるそうです。
根性という言葉も浮かんできそうな気もします。
私自身は、この根性、嫌いではないんです。
だから、自分自身は、頑張れって言われると、よし頑張るって思うタイプだったと思います。
ちょっと思い返すと、中学時代の体力測定の時に、女子は斜め県水を50回やるとAクラスって言われたんですよ。
よし、50回だと思って、もちろん50回を目指してやったんですけど、
50回をクリアしたら、もうAクラスなので、そこでやめていいじゃないですか。
でも、私は70回やったんですよ。記録だって言われました。
私、どうもそういうところがあるんですよね。
それは今も多分変わっていなくて、頑張れって言われると、よし頑張るって思っちゃうタイプなんですよね。
でも、私のめいっこは、それを言われると非常に不快に感じたり、プレッシャーに感じたりするらしいです。
いや、もちろんそう思う人の方が多いと思います。そう思う人の方が一般的だと思います。
彼女の両親は、私の姉夫婦ですけど、2人とも学校の先生で、今管理職なんですね、2人とも。
それで、とっても忙しい2人だっていうことと、彼女が受ける1級、私3級持ってるんですね。
だから、若干の専門用語がわかるということと、そして資格試験といえば、最近まで私も受験生だったので、そういう共通項もあって、
おそらく、やりたくない、集中が切れたって言ってきていながら、なんか頑張るエキスを吸収していくらしいですね。
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もちろん、私は彼女に対して、頑張れという言葉は言いません。
もう、計画が知識として進んでないなっていうのが見えた時も、すっごく我慢しました。すごく言いたかったんですけど。
じゃあ、彼女に対して私はどうしているかっていうと、ひたすら質問します。
例えば、昨日は、もう集中が切れたとか、やりたくないって言って、こちらに来たんですけど、投げ出してきたその問題はどんな問題なの?と聞きました。
もちろん、彼女が言うことって専門的なことだし、私には理解できないことなんですけど、
彼女は、こういうこういうこういう問題でねって言って、私に噛み砕いて教えようとするんです。
専門用語を使わずに、そのことを教えようとすると、すっごく時間がかかりますよね。
それが、どうやら昨日の場合は、知識の整理につながったようでした。
そうしたら、彼女は自分が分かっていることをお話しし始めたんですよね。
今、彼女が目指しているのは、一級というものなんですけど、二級を受けた時には、全く分からなかったことが、一級をやることで、すごく二級で分からなかったことが明確になったとか、
その分かったことは、こういうことなんだよって、専門用語を使わないように、頑張って説明してくれるんです。
そうしているうちに、自分は今はちょっと集中力が切れたんだけど、これまでこんなに頑張ってきたじゃない、とか、
結構自分って、知識固めてきてるじゃん、できること増えてるじゃんって、自分でどうやら認識するんですね。
自分で自分のことを分かるって、最初に言った、頑張るの語源の中の、眼球を張るの頑張る、自分を見張る、
これが、できたことなんじゃないでしょうか。
頑張れと声をかけるのは難しい。これはもしかしたら、周りから言うことじゃなくて、自分が自らを鼓舞する時に使うのが、正しい使い方かもしれません。
自我を張る、という頑張るも、自分を見張る、という頑張るも、そういう意味なのかもしれません。
なんとなくこれは無意識だったんですけど、考えてみると、彼女が自分と向き合えるような質問を今までもしていたと思います。
そして最後には、頑張ってるねって声をかけるようにしていました。
頑張れじゃなくて、頑張ってるねって、また送り出すんです。
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鶴岡慶子でした。 また明日。
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