サマリー
秋田県大船市で開催された大曲りの花火春の賞で、小松煙花工業の伊藤孝也さんがストップモーションという高度な技術を用いた作品で最優秀賞を受賞しています。彼の作品は光の一瞬を止めるように見える精密な表現が特徴で、伝統と新しい表現に挑戦する若い花火師たちの活躍が印象的です。
大曲りの花火春の賞
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。毎朝更新している恋の日記です。今日も最後までお付き合いください。
今日は花火のお話です。
秋田県大船市で開催された大曲りの花火春の賞、新作花火コレクション2025で、秋田県の花火屋さん、小松煙花工業の伊藤孝也さんが最優秀賞に輝きました。
この大会は先週の土曜日、26日に行われたんですが、45歳以下の若手花火師たちが伝統技術と新しい表現に挑戦する舞台なんです。
大会の公式発表によりますと、今年の新作花火の舞では構成が一部変更されて、これまで5発だった5号玉が8発に増えました。
より多くの玉を組み合わせて連続性だったり物語性を表現する必要があって、技術的にもセンス的にも非常にハイレベルな戦いとなったんですね。
そんな中で小松煙花工業の伊藤孝也さんは、新作花火の舞でストップモーション、光が描く不思議な造形という作品を披露しました。
このストップモーションという表現、ものすごく高度な技術です。
普通花火って光の線が滑らかに流れていきますよね。スーッという感じで流れていきます。
でも伊藤さんの作品は光が一瞬ずつ止まっているように見えるんです。タッタッタッタッみたいな感じです。まさにストップモーションということなんですね。
これタイミングのずれとか光の持続時間っていうんですかね。その火薬の配合とか点火の仕組みで精密にコントロールしないと実現しないなって思うんです。
わずかなずれでも台無しになってしまいますので、繊細な表現だなって思うんです。そんな難しいチャレンジをやりきったなんて本当に素晴らしいと思います。
そしてもう一人ご紹介したい花火師さんがいます。長野県の松井野の子さんです。
松井さんは長野県の田舎工堀内煙花店に所属されていて、以前私がインタビューさせていただいて記事にもなっています。
その時印象的だったことは花火に対する丁寧な向き合い方だったんですね。
芯入り割物という技法に挑戦するには、玉の中心にもう一つ花を咲かせる芯をぴったり中心に据えなければならないんですけれども、これがとにかく松井さんのキレイでしたね。
あと花火って打ち上げてみないと完璧にできたかどうかって確認できないんですよね。リハーサルってできないんですよ。
わずかなズレっていうのが作品の美しさを左右しますので、緊張感の中でものづくりが行われているっていうこの花火の世界って、こういう舞台を見るとやっぱり痺れますね。
さらに松井さんは女性だからっていうことはなくて、一人の職人として純粋に技術と向き合っている方なんです。
今回は芯入り割物の部、そして新作花火の部でもどちらでも入賞されました。
その努力と実力がしっかりと評価されてきたことは本当に嬉しいなって思います。
伝統を大切にしながら新しい表現にも挑戦していく、そんな若い花火師たちの姿、とっても素晴らしいですよね。
松井野の子の挑戦
来年以降も大曲りの花火、春のショー、新作花火コレクションに注目したいなと思います。
夏の全国花火競技大会は日本一の花火大会と言われていますが、この春のショーも2が好む花火大会だと思います。
ぜひ皆さんも秋田に足を運びください。
この配信はアップルポッドキャスト、他各種プラットフォームでお届けしています。
それではまた明日。
04:10
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