2025/05/01
サマリー
AIの進化により、彼らの人間性を証明する手段が変化しています。特に行動バイオメトリクスや音声認証の技術が進化する中で、従来の認証方法が通用しなくなる恐れがあります。
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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
毎朝更新している声の日記です。
今日も最後までお付き合いください。
認証技術の進化
電話口の本人確認で、お名前をお話しください。最後にシャープを押してください。
こういうのがあるということを、めいっこから聞いてびっくりしました。
体験したことありますか?
確かに人間であるという証明なんでしょうね。
人間であるという証明で言いますと、ネットでログインをしたり、ホームに入力したりするときに、
私はロボットではありませんというチェックを入れる。
この経験は多くの方がしているんじゃないかと思います。
ちょっと前までは、それだけでは済まずに、信号機を全て選んでください、みたいな画像テストが出てきたりとか、
歪んだ英数字を読み取って入力したりとか、あれ結構難しいんですよね。
信号機を選ぶというときに、この信号機のポールの部分も選ぶのかなと思ったりして、
あれ、どっちなんですか?
よく私は失敗して、もう一回選ばされるみたいなことがあるんですね。
で、今度はオートバイだ、みたいなことになっても、この車輪のこのギリギリのところは選ぶのかな、みたいな。
それでなかなかログインにたどり着けず、なかなか自分が人間であるという証明ができないでいるんですが、
こういう仕組みは実はどんどん進化しているようです。
そもそもこの仕組み、キャプチャーといって、コンピューターと人間を見極めるためのテストです。
最初はAIがまだ画像とか文字を読み取れなかった時代に、わざとグニャグニャした文字を読ませる方式が主流でした。
これ人間しかできなかったんですね。
でもそのうちにAIの目が良くなってきて、人間よりも実は上手に読めるようになっちゃったんですね。
そこでGoogleが出したのは、私はロボットではありませんにチェックするだけでOKのReCAPTCHA V2というシステムです。
これ見た目は簡単なんですけれども、実はクリックする前後の行動まで分析されています。
そしてもっとすごいのが次のバージョンです。
ReCAPTCHA V3というもので、これは何も表示されません。
ページの滞在時間とかマウスの動かし方とか、そういう行動データをこっそりと見て、AIがこの人は人間かなというふうに判定しているそうです。
なんだか見られている感じですよね。ちょっとドキッとしますよね。
この人間らしさを見分ける技術は行動バイオメトリクスと言います。行動バイオメトリクス。
行動の癖から本人かどうかを判断するという考え方です。
例えば、どんなタイミングでキーを打つのか。どのくらいのスピードでマウスを動かすのか。どんなスマホを使ってどこからアクセスしているか。
こういうあなたらしさというパターンを覚えて、それと違う動きがありますと、あれ、いつもと違う人かもと検知するようです。
最近では銀行のアプリだったり、医療システムでも使われています。
AIによる新たな脅威
そしてもう一つ進化しているのが、二段階認証の世界です。
今まではパスワードを入れてスマホに届いた6桁のコードを入れるというのが主流だったんですが、パスワードを使わないパスワードレス認証という仕組みも広がっています。
例えば指紋認証がそうですね。顔認証もそうです。
あとはスマホとか小さな専用キーを使ってログインする方法もあります。
この最後にご紹介したのは、例えばパソコンで認証を求められていて、でもパソコンじゃなくて別のデバイス、例えばスマホで数字を入れてくださいというようなものです。
こんな風な仕組みっていうのはWebAuthnとかFIDO2と呼ばれていまして、その人がちゃんとその場所にいるっていうことを証明する技術なんです。
GoogleもマイクロソフトもAppleももう全部この方向に進んでいて、いずれパスワードを思い出す必要がない時代になるかもしれません。
ところがですよ、ここでもちょっと怖い話があります。
最近のAIって本当にすごくて、つい先日も私AIの勉強会に参加したんですけど、こういう研究があります。
アメリカの名門MIT、マサチューセッツ工科大学、それとGoogleが行った研究で、AIが画像のキャプチャーを解く精度が人間をなんと超えたそうです。
つまり信号機を選んでくださいと言っても、AIの方が正確にしかも早く選べるということです。
そう考えると私なんか全然ダメですね。本当選べないです。
それだけじゃなくて、さらに怖いのが音声認証の世界です。
今のAIは30秒くらいの音声データがありますと、その人の声をそっくりそのまま再現できてしまうということです。
音声ということで言うと、冒頭にめいっこが教えてくれたお名前を教えてくださいというあの認証の形ですね。
実際にこういう例があります。スミスと名前を言った後にシャープを押すと、そうやってログインできるという仕組みってことですよね。
これをAIにその音声を学習させますと、合成された声でも認証が通っちゃったという、こういう怖い話があります。
もはや声すら守れない時代に入ってきています。
私はロボットではありません。この言葉ちょっと前までは安全のシンボルだったと思いませんか。
でもAIの進化で、チェックボックスも画像認証も音声もどんどん通用しなくなってきているということですね。
これからは私らしさ、自分らしさというのは行動の癖だったり、普段のアクセス環境なんかのそういう複合的に見て、この人は本人ぽいぞと判断していく時代になっていくのかなっていうことなんですね。
いろんなことの進化の流れは止められないですし、止めるのはナンセンスだとも思います。
AIの進化はまあ嬉しいですし、本当にありがたいし、もっと上手に使っていきたい。
どんな使い方があるのかなっていうことをずっと楽しんで今使っているところなんですけれども、一方で人間らしさをどう守るのかということも合わせて考えていく必要があるだろうなって思います。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
それではまた明日。
07:30
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