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2025-04-16 05:40

【1048】2025/04/16 天気予報は“私”のものに

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2025/04/16

サマリー

生成AIの登場により、天気予報は従来の方式から大きく変わる可能性があります。気象予報士には新たな役割が求められています。また、パーソナルな天気予報の実現が近づいており、その結果、生活がより便利になることが期待されています。

生成AIと天気予報の未来
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。毎朝更新している声の日記です。今日も最後までお付き合いください。
今日は、天気予報の未来について、とっても興味深いニュースがありましたので、シェアしたいと思います。
4月に入って公開されたギズモードジャパンの記事。タイトルは、スパコンいらず早く正確なAIが天気予報一遍。
こういう時代が近く来るんじゃないかなと思いましたけれども、読んでちょっとドキッとしましたし、そしてワクワクもしました。
従来のスーパーコンピューターによる数値予報モデルを使わなくても、生成AIが一瞬で予報を出せる時代が来ている、というんですね。
しかも速度だけではなくて精度も高い。数日先の天気の読み方が大きく変わる可能性がある、という内容でした。
これって気象予報士である私もそうですし、気象を扱う人たちにとってものすごく大きな転換点になるなって思います。
私はパイソンにチャレンジしようと思っていて、プログラムの一種なんですけど、気象観測データとか風向、前線の分布を組み立てていくというものなんですけど、それにチャレンジしています。
そうやって出てきた天気図を感覚と経験で読み解いていくという、いわば私たちの肌感覚で気象現場に向き合う、その大切さを改めて感じていたところですし、
これが面白いんだよなって思っていたところでした。
ところが、生成AIが秒単位で膨大なデータを処理してパターンを認識して未来を描いてしまうとしたら、私たちの天気読みというのはもはや過去の技術になってしまうのか。
なんだかそう感じちゃいますよね。
私がワクワクもしたよっていう話をさっきしたんですけれども、それはむしろこれからは生成AIと対話する時代がやってくると感じたからです。
私たち予報士は今までもスーパーコンピューターが弾き出したものをそのまま伝えるんじゃなくて、その資料を分析した上で予報を組み立てていたというところがあります。
これAIになっても同じなんじゃないかなって思います。
AIが弾き出した予報をそのままもちろん伝えるんじゃなくて、AIにツッコミを入れていく存在になっていくのが私たち希少予報士なんじゃないかなって思います。
まさに対話しながらっていうことなんですよね。
例えるんだったらそうですね、AIが高速で精密な目だとしたらやっぱり人間、私たちは気づくっていう何か違和感を感じたりとか、こうじゃない感っていうのをちゃんと見つけるっていうことだと思うんです。
気づいて知恵を絞るということ、それが私たちの役目なのかなって思います。
さらにこの記事で面白いなって思うのは、AIによるパーソナル天気予報の実現ということです。
今一人一台スマホ時代になって、皆さんスマホで天気予報を確認しますよね。
もうとっくにパーソナル天気予報だって感じている方もいるんじゃないかと思います。
ただどうですか、東京23区の天気予報を見たとして、今日は雨予報だったのに降らなかったなとおっしゃる方がいると思うんですよね。
予報士の新たな役割
でもそれって自分の頭の上では降らなかったけれど、東京23区のどこかで雨が降っていたらそれは天気予報当たりなんです。
それがスマホの位置情報と結びついて、自分は毎朝6時に犬の散歩をすると、そして自分のルートも学習してもらっている。
今日の天気はどうかという、そういう情報をピンポイントで返してくれる時代が相当近い未来やってくると思います。
誰かのための天気予報だったんですよね、今まで。
だけどそれが自分のためだけの、私のための天気予報になっていくだろうということなんです。
本当、こんな時代はすぐやってくるような気がします。
じゃあ私たち気象予報士はどうするか。予報のプロとしての役割を広げる必要があるだろうと思います。
それってやっぱり人間であるっていうことが最大の強みだと思うんですよね。
空の変化を読み取ることと、科学と感覚をつなぐこと。
この感覚っていうのがとても大事だろうなって思うんですね。
もちろん分析とか計算はAIがやってくれる、精度よくやってくれるものなので、それはお任せしていいと思います。
むしろお任せしたいです。
じゃあ感覚の部分っていうと、予報士としての目をもっと磨いていくことが大事でしょうし、
プロとしての役割を広げていく必要があるだろうと思います。
なので、コンピューターあるいはAIが弾き出したそのまんまの情報を伝えるだけでは、人間じゃなくてもできるわけですから、
人間として、予報士としての役割を果たすためには、それらをいろんなデータを照らし合わせて、
今日あなたはどう生きるのか、何を着て何を食べ、どう活動するのが一番快適なのか、そして心の持ち方もまたそうだと思うんです。
そういうのを全部ひっくるめて、今日どう生きるのかのヒントを届けられるような、
そういう役割を担えるような人間気象予報士でありたいなって思いました。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
それではまた明日。
05:40

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