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2025-12-06 04:27

【1282】2025/12/06 防災情報の大きな制度改正

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2025/12/06

サマリー

改正気象業務法の施行により、災害時の注意報や警報の仕組みがより明確に整理され、新たに危険警報が設けられます。これにより、大雨や洪水の特別警報が具体化され、命を守るための重要な改革が実現します。

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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
改正気象業務法の成立
大雨による洪水の特別警報などを含む、改正気象業務法などが、昨日、参院本会議で全会一致で可決成立しました。
これが実際に運用されるのは、来年の梅雨とか台風シーズン、いわゆる出水期からです。
今回の改正で、災害時に私たちに届く注意報、警報、特別警報の仕組みが、より分かりやすく整理されます。
その中心となるのが、新しく創設される危険警報です。
警戒レベルと合わせて整理していきますと、これまで私たちが耳にしてきた注意報と警報。
この警報という言葉は、実はレベル3から4まで幅広い危険度を一つの言葉で表していました。
ところが、近年の豪雨災害では状況が急激に悪化したり、中小河川の氾濫などで、すぐに避難が必要な段階が突然訪れてしまうという、そんなケースが増えてきました。
そのため今回は、警報と特別警報の間に、危険警報が新しく設けられます。
これによって、レベル3は警報、高齢者等避難。レベル4は危険警報、全ての人が避難。
レベル5、特別警報、すでに災害が発生している、あるいは逼迫した状態、というような明確な区分ができます。
この変更の大きなポイントは、レベル4イコール全員避難。これがこれまで以上にはっきりと伝わるようになることです。
とっても重要な段階が、より直感的に理解できるような形になるわけですね。
洪水特別警報の重要性
さらにもう一つ、今回の崩壊性には大きな柱があります。それが洪水に関する特別警報です。
洪水といっても、大河川と中小河川では、危険の訪れが全く違うんですね。
大きな川は、氾濫までの時間が比較的長いです。なので、全長をつかみやすいです。
一方で中小の川はどうかというと、生活圏のすぐそばを流れていたり、雨が降ってから氾濫までのスピードがとっても速いんです。
近年の野都半島の豪雨、九州北部豪雨なんかでは、そんな中小の河川の急激な増水が多くの命を奪いました。
現在は大雨特別警報、土砂災害と大雨特別警報、浸水害があるんですが、これがそれぞれ土砂災害特別警報。
洪水や浸水については、大河川については氾濫特別警報、中小河川には大雨特別警報といったように、危険性をより正確に伝えるための仕組みが整えられます。
これまでの話をまとめますと、今回の改正は、危険警報が新設されるということ、大雨や河川の氾濫の特別警報がより具体化されるということ、情報の段階が従来より格段に分かりやすくなるということで、私たちの命を守るための大きな改革になります。
防災情報のアップデートは、過去の災害の軽減から盲点をなくしていくためのものでもあります。
この内容って3、4年進めてきてたんですよ。ずっと議論がなされてきていました。で、あれこれ、今ここまで進んでるみたいな進捗についてはずっと聞いていました。
本格運用が令和8年ということが決まっていたので、ようやく令和8年見えてきたなっていう感じです。
堀に触れて、またこれらを詳しくお話をしたりとか、あるいは最新の制度だったり、防災情報もお伝えしていきます。
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それではまた明日。
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