2025/12/05
サマリー
司会者は基本的に動きを控えますが、必要な瞬間には適切に行動することが求められます。特に葬儀の場面では、状況を見極めて行動することが重要であり、それが司会者の役割となります。
司会者の基本的な役割
おはようございます。花火鑑賞士・気象予報士の鶴岡慶子です。 この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
司会という仕事は、基本的にあまり動かない方が美しい仕事だと思っています。 ステージ司会の時も、話す時だけスーッと表に出て、終われば袖に引っ込む。
お客様の視線がステージに集中できるように、余計な動きをしないことが大切だと思っています。 葬儀でも同じです。
お経の最中に、司会者がうろうろしていたら、どうしても気になってしまいます。 司会は、いないようにする、邪魔にならないようにする。
それが品のある司会者だと思っています。 宴会場とかホールの中では、司会者は見える位置にいます。
舞台は袖がないので、見える位置にいるのです。
では、いないようにする、邪魔にならないようにすると、どうなるかというと、座っているということです。
必要な判断やアナウンスの時以外は、基本的に座っているのが正解です。 そのように指導も受けました。
静かにそこにいるということが役割で、葬儀の司会ということでいうと、空気としては締めやかに行う。
それを務めるんだということを教えられました。 とはいえ、動くことが正解の時もあります。
例えば、御聖行の場面です。 皆さんが御聖行するときは、司会者としても聴衣を表す意味で立ち上がって見守ります。
最初に喪主が代表で御聖行をすると、その後は遺族・階層者の順に聖行が切れないように、もうずっと順次聖行に向かってほしいんですけれど、
代表の聖行をしているのが一人で行って、自席に戻りますので、三列の方って一人ずつ行くのかなって勘違いする方もいるんです。
これは聖行が途切れないようにするのが正解なので、空いている聖行箱があったら順次どんどん進んでほしいんですね。
何待ちかわからないけど立ち止まる方がいるんですよ。 それに対してスタッフの方々が優しく誘導はしてくれるんですけど、どうしても人手が足りない時があります。
そんな時はどうぞ進んでください。空いている聖行箱に進んでくださいというように小声で言ったりとか手で示したりします。
ただこの時はお客様自身も動きがあるので、私が動いたとしても品は落ちません。
同じように御聖行の場面なんですけど、御聖行を終えた方が今度は自分の席に戻る時に会場の後ろをぐるりと回ろうとする方がいます。
これはその時の会場の作りにもよるんですけど、募集の前を通って、むしろ募集に挨拶する形で通ってほしいという時があります。
その時は後ろを回れないように倒せんぼする位置に立つんですよスタッフって。でどうぞこちらへと示します。
これも基本的にはスタッフがやってくれることなんですが、スタッフが追いつかない時は私がその位置に立って倒せんぼをします。
立っているだけで混乱が防げるということもあります。
マイクで喋るだけが司会の仕事ではなくて、そこにいて整えるというのも司会進行の仕事と言えます。
そして昨日ちょっとした出来事があったんですね。お孫さんがおじいちゃんへのお別れの言葉を読んでくれたんですが、最後が少ししりきれとんぼで終わっちゃったんです。
少しっていうかびっくりするぐらいしりきれとんぼでした。
例えばありがとうとか、孫代表なんとかってお名前を言うとか、そういう締めの言葉がなく終わっちゃったんですね。
なので誰も終わったとは思わなかったわけです。なのでいきなり祭壇前から席に戻っていったっていうふうに思えました。
あの空気ではなかなかマイクを下げるっていう感じにならなかったんですね。
結果マイクは祭壇の中央に残されたままになってました。
こうやって残ったままだとお坊さんが最後の宗教行事の時にマイクが邪魔になってしまいます。
私はそれでどうしたかというと、実はそのお孫さんの言葉の後、朝殿の紹介をするのが私の役割でした。
紹介そのものは司会者代で行うんですが、お供えをするために祭壇前に行くんです私が。
なのであの祭壇前に行った時にマイクを私が下げればいいなと判断しました。
結果私は朝殿を読み上げてその後祭壇にお供えをするために前に出て行きました。
そのついでにすっとマイクを下げました。
この時の動作で慌てちゃうとダメなんですね。
慌てずゆっくりやるとまるで私が最初からその役目だったように見えます。
失敗が失敗じゃなくなるんですね。
後からスタッフの方にナイスフォローでしたって言われました。
でもあの流れを見ていたら私がマイクを下げずに、
例えばその後のタイミングでスタッフがまたわざわざ下げるために祭壇前に行ったとしたなら、
これは残念ながら失敗に見えていたと思います。
司会者は基本的に動かない。
これでヒンは出るんですが、その場が滞りなく進むように動くべき時にはちゃんと動く。
これもまた司会の大事な役割だなって思います。
司会は決して主役じゃないです。
目立つ仕事のようでいて実は目立たないようにする仕事です。
動かないことで場を整える。
一方で動くことで場を整える。
その両方を判断することが司会者の責任だと思います。
動くべき瞬間
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それではまた明日。
06:19
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