火星の女王の概要
はい、おはようございます。本日の放送は2025年12月28日日曜日です。 本日は第1400回目のお話となります。
このチャンネルは福島県郡山取材中の特撮アニメ漫画大好き親父のピョン吉が、日々気になったことをダラダラと話をしていくという番組です。
よろしくお願い致します。
昨夜ですね、NHKで放送されていたテレビドラマ 火星の女王の最終話を見ました。
この作品1話90分のドラマが全3話という構成で、合計すると約4時間半。 もう立派な長編SF映画を3本立てで見たようなボリュームです。
今回はその火星の女王をすべて見終えた上での感想をあれこれ語っていきたいと思います。 最初に一つだけ注意点を
この作品原作小説を書いているのは小川さとしさんなんですが、 どうやら原作小説とドラマ版は結構内容が違うようです。
なので今回お話しするのはあくまでドラマ版火星の女王を見ての感想になります。 その点はご了承ください。
まず驚くのが出演人の豪華さ。 仮面ライダーダブルのフィリップ役でおなじみの須田まさきさん。
ゴジラマイナスワンで科学者を演じていた吉岡秀孝さん。 そして北の国からのジュンですね。
そういえばそのジュンの恋人役もやっていたことのある三沢理恵さんも出演しています。 さらにシティハンターや変態仮面で知られる鈴木良平さんまで登場。
日本人俳優だけでもかなりのオールスター感があります。 それに加えて海外の俳優さんたちも多数出演していて国際色も強い作品になっています。
物語の舞台は今からおよそ100年後の未来。 人類はすでに火星への移住を果たしているんですが、ある事情によって火星からの全面撤退が決まります。
そんな中、火星に存在するある物質を探し続けている科学者がいます。 一方で火星生まれで視覚障害を持ちながらも憧れの地球へ行くことを夢見て努力を続けている女性も登場します。
ところがその地球へ行こうとする人々を妨害する形で人質事件が発生するんですね。 なぜそんな事件が起きたのか、そこを起点にして物語はどんどん広がっていきます。
個人的に面白かったのが100年後の世界設定。 人々は体に個人情報が入ったタグのようなものを装着して生活していて、耳には小型の情報端末をつけています。
言語の壁は完全に消えていて、どんな言語を話しても瞬時に翻訳される。 いろんな人種の人たちがいろんな言葉を話しながら同じ空間で普通に生活しているんですね。
この辺りは小松佐郷さんのサヨナラジョピターを思い出しました。 服装も現代とは少し違う未来風のデザインになっていて、そこはちゃんと考えてるなぁと感じました。
ただし、須田雅樹さん演じる科学者のようなインキャワメガネをかけていて、雰囲気はほぼ現代人。 視覚障害のある人が白い杖をついて歩いている描写なども含めて、未来なのに意外と今と変わらない部分も多い印象です。
それから気になったのがタイトルにもなっている女王。 火星の女王ってじゃあこの女王って何なんだという話なんですが、ドラマを見てもはっきりとは説明されません。
物語のテーマと設定
ここからはあくまで自分の推測ですが、これはロバート・A・ハインラインの月は無慈悲な夜の女王の火星版の意味なんじゃないかなぁと思いました。
月は無慈悲な夜の女王。 この作品、簡単に言うと意識を持ったコンピューターマイクの力を借りて、月が地球に対して独立戦争を起こす物語です。
その際月はマスドライバーを使って岩石を地球に落とすという過激な次第に出ます。 この宇宙植民地が地球から独立するというアイディアは後に機動戦士ガンダムにも受け付かれます。
ジオン公国の独立戦争やコロニー落としですね。 ちなみにモビルスーツの元ネタがハインラインの宇宙の戦士に登場するパワードスーツだという話も有名です。
そう考えると火星の女王もまた火星の独立を描いた物語だと言えるわけです。 原作小説の方ではスピラミンという火星の鉱物が重要な役割を果たしているらしいです。
この鉱物、結晶構造が同時に変化するという性質を持っています。 しかもその同時というのが地球と火星の距離を超えて高速すら無視するレベル。
いわば100匹目の猿現象みたいな結晶です。 この発想の元ネタはおそらくアイザック・アシムフのチオチモリンじゃないかなと思います。
アシムフはロボット工学3原則で有名ですが、実は科学の先生でもあって、時間を吸収する化学物質チオチモリンについて論文形式で書いたSFなんですよね。
ところがドラマ版ではこの設定がマイクロブラックホールに置き換えられています。 マイクロブラックホール、正直なんでそこ?と思いました。
マイクロブラックホールといえばサヨナラジュピターでは木星を核融合させて、ようやく軌道を変えられるレベルのものです。
ゴジラメガギラスG消滅作戦ではゴジラ消滅用の最終兵器として登場しました。 それがこのドラマでは割と普通に扱われています。
そんな簡単に運べるの?なんで火星の地表にあるの? と疑問が次々と湧いてきます。
脚本は吉田玲子さん。アニメではガールズアンダーパンサーやバイオレットエバーガーデンや、さらに遡ればお邪魔ドレミも手かけた大ベテランです。
ただ実写作品となると白魔女爵園などもあって少し苦手なのかなぁという印象も正直あります。
それから火星のラジオ特、あるところにラジオ。 これもちょっと意味がよくわからなかったポイントです。
第二次世界大戦中にドイツ軍が放送していた曲を敵国のイギリスでも聞かれていたというエピソードがあります。
多分そういう敵も味方も同じ放送を聞いているというイメージなんでしょうけど、それなら映像メディアでも良かったのではないか、
なぜラジオなのかという説明が足りない気がしました。 火星のスラム街の描写もどこかで見たことある感じです。
完全にブレードランナー的な世界談で新鮮見やすくなかったですね。 というわけでドラマ火星の女王、個人的には面白いものを見せてもらったなぁと思える作品ではありました。
ただ一方で sf ドラマとしての新しさという点では少し物足りなさを残ったそんな作品でした。
皆様の感想はいかがでしたでしょう。
はいそれではまたもしよろしければピョン吉のオタクな話にお付き合いくださいね。 本日もお聞きくださいまして誠にありがとうございました。