ドラマの魅力とテーマ
こんにちは。
こんにちは。
さて今回は、送ってくれた方が視聴したNHKのテレビドラマ、
火星の女王の感想、これすごく興味深かったです。
えー、面白かったですね。
豪華キャストと壮大な設定で、期待値をグッと上げておきながら、
SFの確認がある部分で、あれ?って思わせる。
うんうん。
このドラマが持つ魅力と、そのもどかしさ、両方見ていきましょうか。
はい、ぜひ。
まずは魅力の部分からなんですけど、須田まさきさん、吉岡秀孝さん、宮沢理恵さん。
いやー、本当にオールスターキャストですよね。
ですよね。で、100年後の未来描写、これがまた面白いんですよ。
えー。
特にあの、瞬時翻訳システムがあるのに、いろんな言語が普通に飛び交ってるっていう世界観。
あー、そこですね。
あれが帰ってリアルに感じました。送ってくれた方は、これを小松佐教のサヨマラ・ジュピターみたいだと。
なるほど。あの国際色豊かな宇宙開発の雰囲気、確かに彷彿とさせますね。
えー。で、そこで面白いのが、未来なのに変わらない部分があるっていう指摘ですよね。
あー、そうそう。科学者が眼鏡をかけてるとか。
えー。視覚障害を持つ方が百杖を使ってたり、こういう描写があることで、なんか全くの空想じゃなくて、ちゃんと我々の未来の地続きにあるんだなって感じられる。
うんうん。巧みですよね。
えー、そう思います。
そして、そういうディテールもさることながら、送ってくれた方の感想で一番ハッとさせられたのが、やっぱりタイトルなんです。
火星の女王。
えー、これはハインラインの月は無比な夜の女王の火星版じゃないかって。
あー、これは鋭い指摘ですね。
もしこれが本当なら、単なるSFアドベンチャーじゃなくて、壮大なこう政治的な独立の物語っていうことになりますよね。
まさにその視点はすごいですね。
月は無慈悲な夜の女王ってご存知の通り、月の植民地が地球に独立戦争を仕掛ける話じゃないですか。
はい。
あとのガンダムのコロニー落としの元ネタとも言われるくらい影響力の大きい作品で。
えー。
つまりこのドラマも、火星の独立っていうテーマを内包してるって読み解けるわけですよ。
うわー、深いですね。ただ、その一方で大きなもどかしさも指摘されてて。
SF的要素への疑問
はい。
物語の鍵になるマイクロブラックホール。
あー、来ましたねー。
原作小説だと、高速を超えて同時に変化する鉱物っていうアシモフ的なアイディアだったのが、なぜか変更されてると。
これ、SFファンが違和感を覚えるのはどうしてなんでしょう?
あのー、マイクロブラックホールって、理論上はホーキング放射ですぐに蒸発して、ものすごいエネルギーを放って消えちゃうはずなんですよ。
へー。
それを安定させて通信に使うっていうのは、SFの中でもかなり大胆な飛躍でして。
なるほど。
だから、長年のファンからすると、ちょっとご都合主義じゃないって感じてしまう。
あー、そういうことですか。
あと、スラム街の描写がブレードランナー的っていう指摘もありましたね。
三星雨が降って、多国籍な看板がネオンで光るみたいな。
はいはい、あのビジュアル。
あまりにも多くの作品で見てきたので、またこの雰囲気だってなっちゃうのも無理はないかなと。
なるほど。でも、作る側からすると、高速を超えて同時に変化する鉱物より、マイクロブラックホールの方が映像的にもキャッチーで説明しやすいみたいな判断があったんですかね?
あ、まさにその通りだと思います。科学的な正しさよりエンタメとしての分かりやすさを取ったというか。
へー。
壮大なスケールと豪華なキャストで楽しませる点では間違いなく成功してる。
でも、SFの核になるアイディアの部分では既存作品の影響が見えたり、科学交渉にちょっと疑問が残ったり。
うんうん。
送ってくれた方の感想は、その両面を的確に捉えてますよね。
ということは、まとめると面白いものを見せてもらったっていう満足感と、SFドラマとしての新しさへの物足りなさが同居してる感じですかね?
ええ。そして、さっきの分かりやすさを取ったのではっていう指摘こそが、このドラマが我々に投げかける問いそのものかもしれないですよ。
と言いますと?
SF作品を映像化するときに、原作の科学的アイディアを忠実に再現するのと、映像的なインパクトを優先するのとどっちが重要なのか。
あー、なるほど。
このドラマのマイクロブラックホールっていう選択は、まさにその問題を考える上で絶好なケーススタディになりそうですよね。
次回の配信もお楽しみに。さよなら。
次回の配信もお楽しみに。さよなら。